5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

北京のスモッグ

2013-01-15 21:45:58 | 健康
BBCニュースでは、北京のスモッグ状態が深刻だと伝えている。NHKのTVニュースを見ても、「大気汚染で生活にも影響」「大気汚染警報が最高レベルに」「汚染は深刻、影響広がる」などのリードが読める。

スモッグなどということばは日本で使われなくなってすでに久しいが、隣国の中国ではいまだ現役だというのが、これらのニュースを詠み聴きして、些かショックを感じた。

ニュースによると、大陸東部にある北京など都市圏では10日ころから大気汚染の原因物質濃度が高まって、視界は悪くなり、市民の外出(特に子供や高齢者)もままらず、学校では体育授業を中止するなど、さらに高速道路の通行止めや航空便の欠航など、中国人たちの社会生活に大きな影響を出しているのだという。

土曜日(12日)には、PM2.5と呼ばれる車の排気ガスに含まれる極小粒子の空中での観測値が基準の3倍、汚染指数も6段階の最悪レベルに達したともある。日曜日(13日)には視界が2キロ以下になったことで、気象台が最高レベルの汚染警報を発するまでになった。さらに昨日(14日)は、呼吸器疾患の患者が急増しているというレポートが加わっている。PM2.5を吸い込むと奥深くまで吸い込みやすいので、喘息や気管支炎などのリスクが高まるのだそうだ。おかげでマスクが飛ぶように売れているようだが、チープなものではPM2.5の防衛効果は期待できそうにない。

大気汚染が悪化した原因は、暖房用の石炭使用や工場の排気ガスが増えているというコメントもなされている。最初にこのmニュースを聞いたとき、原因は石炭だろうかと思ったのだが、やはりそのとおりだった。BBCでは、発電所で使う石炭という表現もされていた。

北京政府はさらに、例年よりも風が弱くて湿度が高い気象条件もあって、汚染物質が拡散せずに上空で留まっていることもスモッグ状態をつくる原因だとも説明している。こうなれば、建設工事中止や工場の操業ストップを行わねば駄目だろう。なにか昔のスモッグ時代を思い出させる。自動車も動き回らず、工場の操業が止る正月休み中だけが、冬らしい晴れた空とさわやかな空気が吸えた頃だ。

気象台発表ではまだ数日は大気が拡散しにくく、広範囲で視界不良が予想されるとしている。地球温暖化のひとつの現象が、こんなところにも顔をだしているのではないか。さらに、排気ガスが撒き散らすPM2.5については、日本では騒がれることがないのだが、カーボンのような目に見える廃棄物はなくなっていたとしても、極小の汚染物質が空中に拡散しているというのであれば、これは恐ろしいことではないのか。市中を万歩する身としては、北京のスモッグは他人事ではなさそうな気もするのである。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿