アトランタで行われていたTPPの12か国閣僚会議はやっと「大筋合意」で決着を見たというニュースが速報で流れた。
ツイッターで見ると、外国のニュースメディアでは、ほぼ同時期になされたノーベル賞の医学生理学賞受賞者の発表の方に軍配が上がったようだ。北里大学の大村智教授は「roundworm」の研究で受賞したというから、そら何だろうと辞書でみると「回虫」と出てきた。日本のメディアは「微生物研究」と婉曲だが、欧米の方はダイレクトの表現である。
2010年3月の交渉開始以来、5年半を経て終結、世界のGDPの4割を占める巨大経済圏が誕生すると、親安倍政府の読売新聞の記事は短い第一報を大きくぶちあげている。
NJやカナダの物言いで一時は漂流しそうだと表現された「TPP」交渉だったから、日本側の担当大臣も「あまり」落ち着いてはいられなかった筈。一応のOKが出て安堵したのか「成長著しいアジア太平洋地域に21世紀型の貿易ルールを示す基盤だ。全世界のスタンダードになっていくだろう」と胸を張り、安倍首相も「最初の日米首脳会談で交渉参加の決断をしたのは自分」だと威張ってみせたようだ。
ここで、いまひとつ理解しにくいのは「大筋合意」という文言。合意とは言えども、細部は後々の調整に任せるという、きわめて「政治的」な表現であるのが、すっきりとしない。交渉が秘密裏に行われれるというのも、憶測を呼んできたし、今後も「?」がつくような、発言や決定がなされることだろう。
それにしても、TPPを賛成にしろ反対にしろ、政治的イシューにして論じるマスコミや評論家が少ないのはいったいどうしたことだろう。
「自民党が、TPPを受け入れたら日本の農業、酪農、畜産は壊滅すると云ってきた状況は、この間の交渉でどう変化したんだろう?面倒くさいからいろいろ忘れるし考えたくもないけ、自民党に説明してもらいたいのはそれだ」という北村雄二氏のツイートにあるように、「すでに政府としてやると決めたことだから、面倒くさいから考えずともイイだろう」といった風なのだろうか。
アメリカの意見は「これは自分たちアメリカ経済の保護政策なのだ」とある意味勝手に考えている空気がはっきりある。当局たる政府も議会も、マスコミも一般大衆もだ。タフネゴシエーターとしてのアメリカンビジネスの本性はこれから現れてくるはず。「保護と護り」の日本がほんとうに伍してゆけるのだろうか。
SNSで面白いのは慶応の金子教授。経済学の先生だから批判がより具体的だ。
「豚肉の高価格品は10年後関税ゼロ、低価格品は関税50円/kg、セーフガードも4年発動しなければ廃止。米の無関税枠や乳製品でも大きく妥協する可能性が高い。農産物重要5品目の国会決議も無視する。2012年総選ではTPP交渉参加6原則だったのに、真逆に!」
「安倍政権は米国産コメの特別枠7万トン、乳製品の低関税を米豪などに7万トン、麦のマークアップ削減、牛肉関税削減、高価格帯の豚肉は関税撤廃、低価格帯は従量税大幅削減、などの大幅負担で譲歩を繰り返す」
すべてが各論たる争点を恰もワンパッケージの如くにとらえ、秘密交渉をエクスキューズにして、一瀉千里と「大筋合意」に走りこんでしまった。それが為に、閣僚会合は都合3日も再々延長がされたようだ。
ここで拍手をしてやりたいのは、閣僚会議の会場になったホテルのスタッフである。ホテルはウェスティン・ピーチトゥリープラザ。一時はアメリカ一の高層ホテルとして名の知られたアトランタの名門である。
秋のビジネスシーズン真っ只中、再三再四の延長で、客室や宴会場の調整や、サービススタッフの確保、セキュリティの問題などなど、他に知られない苦労が多かったことだろう。予約をした一般客がチェックインしようとしたら部屋がなかったというオーバーブッキングトラブルが一度に何十部屋と起きるのだから、ホテルスタッフもタフでないと務まらない。
「胃が痛かった」のは12か国の閣僚やスタッフだけではないのだ。国際会議を裏から支えた連中も、今頃はストレスから解放されてほっとしているところだろう。
お仲間のKSさんが、「プラザ合意30年」というNHKニュースを1週間前にリツイートしたことがあった。今日は「こっちはアトランタのプラザ合意だ」とツイートを返しておいた。
ツイッターで見ると、外国のニュースメディアでは、ほぼ同時期になされたノーベル賞の医学生理学賞受賞者の発表の方に軍配が上がったようだ。北里大学の大村智教授は「roundworm」の研究で受賞したというから、そら何だろうと辞書でみると「回虫」と出てきた。日本のメディアは「微生物研究」と婉曲だが、欧米の方はダイレクトの表現である。
2010年3月の交渉開始以来、5年半を経て終結、世界のGDPの4割を占める巨大経済圏が誕生すると、親安倍政府の読売新聞の記事は短い第一報を大きくぶちあげている。
NJやカナダの物言いで一時は漂流しそうだと表現された「TPP」交渉だったから、日本側の担当大臣も「あまり」落ち着いてはいられなかった筈。一応のOKが出て安堵したのか「成長著しいアジア太平洋地域に21世紀型の貿易ルールを示す基盤だ。全世界のスタンダードになっていくだろう」と胸を張り、安倍首相も「最初の日米首脳会談で交渉参加の決断をしたのは自分」だと威張ってみせたようだ。
ここで、いまひとつ理解しにくいのは「大筋合意」という文言。合意とは言えども、細部は後々の調整に任せるという、きわめて「政治的」な表現であるのが、すっきりとしない。交渉が秘密裏に行われれるというのも、憶測を呼んできたし、今後も「?」がつくような、発言や決定がなされることだろう。
それにしても、TPPを賛成にしろ反対にしろ、政治的イシューにして論じるマスコミや評論家が少ないのはいったいどうしたことだろう。
「自民党が、TPPを受け入れたら日本の農業、酪農、畜産は壊滅すると云ってきた状況は、この間の交渉でどう変化したんだろう?面倒くさいからいろいろ忘れるし考えたくもないけ、自民党に説明してもらいたいのはそれだ」という北村雄二氏のツイートにあるように、「すでに政府としてやると決めたことだから、面倒くさいから考えずともイイだろう」といった風なのだろうか。
アメリカの意見は「これは自分たちアメリカ経済の保護政策なのだ」とある意味勝手に考えている空気がはっきりある。当局たる政府も議会も、マスコミも一般大衆もだ。タフネゴシエーターとしてのアメリカンビジネスの本性はこれから現れてくるはず。「保護と護り」の日本がほんとうに伍してゆけるのだろうか。
SNSで面白いのは慶応の金子教授。経済学の先生だから批判がより具体的だ。
「豚肉の高価格品は10年後関税ゼロ、低価格品は関税50円/kg、セーフガードも4年発動しなければ廃止。米の無関税枠や乳製品でも大きく妥協する可能性が高い。農産物重要5品目の国会決議も無視する。2012年総選ではTPP交渉参加6原則だったのに、真逆に!」
「安倍政権は米国産コメの特別枠7万トン、乳製品の低関税を米豪などに7万トン、麦のマークアップ削減、牛肉関税削減、高価格帯の豚肉は関税撤廃、低価格帯は従量税大幅削減、などの大幅負担で譲歩を繰り返す」
すべてが各論たる争点を恰もワンパッケージの如くにとらえ、秘密交渉をエクスキューズにして、一瀉千里と「大筋合意」に走りこんでしまった。それが為に、閣僚会合は都合3日も再々延長がされたようだ。
ここで拍手をしてやりたいのは、閣僚会議の会場になったホテルのスタッフである。ホテルはウェスティン・ピーチトゥリープラザ。一時はアメリカ一の高層ホテルとして名の知られたアトランタの名門である。
秋のビジネスシーズン真っ只中、再三再四の延長で、客室や宴会場の調整や、サービススタッフの確保、セキュリティの問題などなど、他に知られない苦労が多かったことだろう。予約をした一般客がチェックインしようとしたら部屋がなかったというオーバーブッキングトラブルが一度に何十部屋と起きるのだから、ホテルスタッフもタフでないと務まらない。
「胃が痛かった」のは12か国の閣僚やスタッフだけではないのだ。国際会議を裏から支えた連中も、今頃はストレスから解放されてほっとしているところだろう。
お仲間のKSさんが、「プラザ合意30年」というNHKニュースを1週間前にリツイートしたことがあった。今日は「こっちはアトランタのプラザ合意だ」とツイートを返しておいた。
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