5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

真珠湾など憶えていない

2009-12-08 23:39:19 | 社会
12月8日は、68年前のハワイ真珠湾攻撃の日、太平洋戦争の始まった日である。といっても自分は未だ生まれてはいない。

グーグルのアメリカ版で《Pearl Harbor》を検索してみると、ニュースだけで1901件がヒットした。この数から見て、卑怯な日本のフライィング的攻撃は、今でも《Remember Pearl Harbor》としてアメリカ人の気持の中に深く沈殿しているのだろうと思えるのだが、多くの記事(といってもほんの2つ3つをつまみ読みしただけだが)の論調は「なにがなんでも日本が憎し」という以前のものとはだいぶ様子が異なっていることに気づく。

年齢層、参戦経験の有無、主義主張や肌の色の違いなどで、《Pearl Harbor》に対する思いいれも様々なのだ。特に、2001年の911テロをアメリカ本土で経験したことが、彼らの考え方を大きく変えてきている理由のようである。

ニュースの一部を抜書きしてみると、

「毎年一人減り二人減り、真珠湾生残りで存命なのは極一握りになってしまった」

「ルーズベルトが《破廉恥》と呼んだその日の記憶は今も新しいのは、今では少数派の参戦したベテラン達だけ。ティーンエイジの女の子に言わせれば、どこかのロッジの名前だ位のまったき無関心が返ってくる」

被爆者の生き残りが数少なくなった広島・長崎の原爆記念日で放映されるような様子が、毎年12月8日になると、アメリカ各地でも同じように展開されているわけだ。

《真珠湾記念日》の記念式典も開催されるようで、テキサスでは戦争博物館の新しい太平洋展示館開場に元大統領のパパ・ブッシュが参列し盛大に祝われたと報じられている。

パパブッシュは海軍航空隊で太平洋戦争に参加して日本軍に打ち落とされた経験を持つというから、様々な想いも心の中にはあるのだろう。1924年生まれだから今年は85歳になるパパ・ブッシュも少数派のベテランのひとりというわけである。

ニュースのひとつに「もう真珠湾など憶えていない」という、現在のアメリカ人の平均的で正直な意識を書いたブログコラムがあった。ルーズベルトの云った「真珠湾を忘れるな」のヒネリである。

この記者は「真珠湾など憶えていない世代の一人であって、やはり911テロのことをより強く記憶している世代に入る。さらに、今の高校生世代にとっては、911さえ僅かな記憶でしかないわけである。それぞれの世代はその前世代が被った悲劇に対して係わりや責任を感じる必要はないわけだが、われわれの歴史の中の哀しいひとコマとしてそれを重んじ、敬うことは不要ではない」と書いている。

「パールハーバーの時にはニュースや映像が届くまでずいぶん時間がかかったけど、911の時はTVの実況で見たんだから、桁ちがいにショッキングだったなあ!」ひとりのベテランのコメントである。




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