5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

アブダビ旅行の土産に黄金の延棒

2010-05-13 22:48:35 |  旅行・地域
金価格が急騰しているというニュースが世界的に見られる。

背景にはギリシャをきっかけとした欧州全体への財政不安懸念からユーロの信頼が低下し、さらにドルやポンドや円までが連動して弱いことから、巨額の外貨を保有する中国やインドといった「成金」新興国からの大量買いを誘導し、一方アメリカでは債券金利が低いこともあって、「安全な資産」としての金が世界的に買われる状況をつくったという報道である。

ニューヨーク商品取引所の金価格は連日最高値を更新しており、水曜日(5月12日)の金先物相場は前日比22.8ドル高の1243.1ドル(オンスあたり)を記録した。金価格は日本でも急騰して、東京の金先物は今日(5月13日)前日比41円高上昇の3725円(グラムあたり)に上げた。

そんな世界的空気を読んで始まったのが『金のテイクアウト』(Gold to Go)という新手のサービス。

USAトゥディとBBCが紹介しているこれは、ドイツ人の企業家、トーマス・ガイスラーが去年からドイツではじめた「金の自動販売機ビジネス」で、今回、8週間の期限つきでUAEのアブダビにある高級ホテル『エミレーツ・パレス』のロビーに設置され営業を始めたもの。

「そこいらの銀行にありそうなATMと同じにしてくれるな」というのがBBCのインタビューに応えたガイスラーの言い分。外装を純金で覆ったハイテクの「プレゼントボックス」だという。「女性に花や香水を贈る代わりに金のプレゼントはどうだ」というアイデアで始めたものが、最近の金価格上昇で俄然方向が変わってきたようだ。

この24時間フル稼働の黄金マシーンは、コンピュータによって市場の金価格と連動し、10グラムまでの小さな延べ棒とカスタムデザインのされた金貨を自動販売する仕組みである。

「現在は現金だけだが、すぐにクレジットカードにも対応する。間違って買ったというクレイムにも迅速対応で10日以内にマネーバックを保証する。ロビーにはガードマンも常駐するから、銀行のATMよりセキュリティは高い。」云々と、ガイスラーは自信満々の様子、「一回目のロットは2時間で売り切れたから早速補充せねば」とインタビューに回答している。

投機マネーがうなるアラビア湾岸は、もともと商売と黄金との係わりが強かったところ。プレゼントのギミックをたくみに金商売につないだところは、このガイスラーという男もなかなか鼻が利くようだ。

日本では、金の地金や装飾品の売買に貴金属店を訪れる人が増えて、店内は中高年の女性客であふれている。小売価格は1グラム4000円が目前になっており、ちょっとしたバブル状態に皆が必死の形相で群がるのもわからぬではない。

アラブ世界への旅行を計画中ならば、アブダビで自動販売機から黄金を買って帰るのもちょっとナウい「話の種」になりそうだ。長期的資産としての金の利回りは株や債券ほどではないというから、旅の「土産話」がすんだら「経済危機」が去らぬうちにさっさと売り逃げするのが得策かもしれないが。










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