伊藤整の息子、礼氏が書いた「こぐこぐ自転車」という本がある。古希を迎えた老サイクリストの自転車生活を描いた飄逸なエッセイ、老人入口の生理的ハンデを感じ出した自分にとっても為になる面白い本だった。
今日は税務署の青色申告説明会。思い立ってわが町の駐車場に出かけ、レンタサイクルを借りる。無料で一日OKだ。住所と名前を記入するとわざわざ駐輪場まで案内してくれた。わが町はこの無料レンタサイクルのPRに熱心だ。一日どれくらいの借り手があるのかと尋ねたら3~4人ほどだとのこと。駐輪場には10台の自転車が整列、最初の借り手だったのだろうか1号車に割り振られた。
昼過ぎには返却するからといって駐車場前をキックオン。変哲もないママチャリだが、結構スピードが出る。もう長い間自転車に乗っていないので、途中で息切れをせぬようにセーブしながら一路隣町へ。朝のラッシュアワーが過ぎたあとなので、自動車の数が少なくなっていて、路肩進行でもさほど緊張しないで走れた。
少し寒いが陽光の中を走る気分はなかなかのものだ。30分もかからずに税務署に到着。説明会は10名程度の小人数で始まった。来年青色申告をする予定の人たちだが大半が年寄り、若い人は少数だ。青色申告の利点と必要帳簿についての説明なので約束の1時間はすぐに過ぎた。
さて、またこぐこぐ自転車だ。別のルートで戻ることにする。裏道にも車の影があまりなく、スムーズにサイクルといいたいところだが、ところどころのアップヒルになると息が切れてペダルが突然重くなる。しかし意地でも降りて歩くことはしない。途中の公園では満開の桜を眺める余裕も、子供の遊び声だけが聞こえる。川岸の土手を走り建築中のウイングアリーナを覗いてから、駅前駐車場にもどる。返却時のレンタサイクルは8台。1号以外にはもう1台がサイクル中だった。全行程、約15キロ、90分を要した。
今日はいつもの歩行者視点でなく、チャリストの視点で道路を眺めた。時間のせいか歩道上には歩行者の姿や対向する自転車はほとんどなくストレスは感じなかったが、歩行者を追い抜いたり対向車とすれちがったりするにはやはり歩道の狭さが気になる。それにくらべて、車道のスムーズさはどうだ。やはり世の中、なんと云おうと「車が第一」なのである。軽車両の走る路肩部分も、広く快適なことろと、まったく狭くて押出しを喰いそうなところがあるようだ。それに、車路の水はけをよくするためか路肩はスラントがあって、気をつけないとハンドルをとられそうになる。かくして歩行者も軽車両も下手をすると側溝の蓋のうえをアクロバットで通過しなくてはならないのだ。
日曜日は県議市議選だが、交通弱者の目線で都市計画を考えておられる候補者はどれほどおられるのだろうか。わが町代表はどうだろう。午後はチャリストからいつものウオーカーにもどり、約束の一万歩をかせぐ。今日はいつもつかわない筋肉をうごかしたから、節々が痛むのはあさってくらいになるだろう。
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