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若年女性のやせ、「国民健康の脅威」―
日本成人病(生活習慣病)学会・学術集会
医療介護CBニュース 1月17日(月)13時7分配信
日本成人病(生活習慣病)学会の学術集会が1月15、16の両日、
東京都内で開かれた。
この中で、筑波大大学院の曽根博仁教授(内分泌代謝・糖尿病
内科)が、日本の若年女性の「やせ」傾向について講演。
過度のやせが本人の健康障害に加え、低出生体重児の増加にも
関連していることを強調し、「若い女性のやせ過ぎは、肥満と
同様、国民の健康に対する脅威となりつつある」と警鐘を鳴ら
した。
曽根教授は、厚生労働省の国民健康・栄養調査などを基に分析
した日本人のBMIの推移について解説。
全体としては中年男性層を中心に肥満(BMI≧25)が増えているの
に対し、女性では18歳ごろから20歳代にかけてBMIが減少に転じ、
やせ(BMI<18.5)の傾向が顕著になっていることを説明した。
この傾向は1970年代から見られるようになっており、曽根教授
は「世界でも特異な日本特有の現象。生理学的に不自然な傾向
だ」と懸念を示した。
その上で、若年女性のやせがもたらす悪影響について、骨粗鬆症
の発症リスクや総死亡リスクの上昇のほか、将来の生活習慣病の
発症リスクが高いとされる低出生体重児(2500グラム未満)の増加
などを挙げた。
さらに、やせ願望を持つこと自体にも、自己評価の低下やうつ
傾向、過食などを招きやすいといった危険性がはらむと指摘。
中高生のやせ願望には、メディアだけでなく、自身の体形に
満がある「やせ志向」の母親の影響が見られるとの研究データ
を紹介し、「母子双方に対する保健指導が重要ではないか」と
した。
曽根教授は今後、日本で特にやせ志向が強い文化的背景、やせ
の若年女性の食習慣なども明らかにした上で、その成果に
基づいた食育を推進する必要性に言及。
「若年女性のやせをファッションとのみ見るのではなく、医療的
な問題として、われわれ医療者が情報発信していかなくてはなら
ない」と強調した。
以上。
このニュースを読んで、大分前に読んだ和田秀樹氏の
「テレビの大罪」という本のことを思いだした。
というのは、彼は自著で、このことに言及していた
からである。
目次は、こうなっていた。
1「ウエスト58cm幻想」の大罪
ささやかで重大な偽装/毎年100人の命を奪う病気/
若者の脳と身体が壊れる/不妊はなぜ増えたか/ボディ・
イメージには流行がある/やせすぎモデルを追放せよ/
「やせれば健康になる」はウソ/日本人は飢餓状態/
利益を生むやせ礼賛/専門家に騙されるな/他人のふんど
しで相撲を取る/コメンテーターは気楽な稼業/テレビは
ゼネコンである
以上。
彼の本では、芸能人のウェストサイズの58cmは、偽装であると
しており、この偽装が若い女の子に、不健康なダイエットを強
いているとしている。
彼の娘たちも、「ウエスト58cm幻想」の影響を受け、健康上
大きな問題になっていると、強烈な批判をしていた。
最近、メタボの基準でも、健康上の基準値の値について、
ゆらでいるが、「ウエスト58cm幻想」大きな問題で
あるのだろう。
わたしは、子どもがいないので、その切実度が充分理解できて
いるか自信がないのだが。
このニュースでは、
「やせ志向」の母親の影響が見られるとの研究データ
を紹介し、「母子双方に対する保健指導が重要ではないか」と
した。
ということであるが、母親がその原因の一つであるというのは、
いつまでも独身気分が抜けない大人になりきれない母親の存在
が問題ではなかろうか。
女に限った話ではない。今の世の中、男も女も大人になりた
がらない。
一国を預かる選良とも言われる人たちでさえ、学生気分が
抜けない有り様だから、国民病かも知れない。
アダルトであるべき女が、いつまでも娘の装いをしたがって
闊歩する様は、麗しい風景とは言い難い。
身も心もスリムで、しっかりと歳をとってもらい、
「池塘春草の夢」が、時折、話の端々に抑えがたく
漏れ出る初々しさの方が、どんなにか、美しく思われ
るかとも思うのだが。
それにしても、和田秀樹氏の問題提起がこのような
形で、大きく顕現されてくるとは、やはり、何とも
病的な状況が社会に広がりつつあるのだろう。
メタボだけが問題かと思ったら、意外な死角があった
ものだ。