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リタイアーのよもやま話

自由、幸せ

2011-01-11 20:18:45 | 若い時に読みたかった本

お金と人生の真実

幸せと豊かさを手に入れるために

本田健

サンマーク出版

定年にもなって、どういうわけか「金」についての
本を読んでいる。

この手の本は、わたしが若い頃に比べれば、多くなった
ように思う。

最近、子どもの頃から株を教えようという話があったり、
また、金銭教育をうたったりする本もでるようになった。

なんとなく、いい歳をして、ハウツウものに、うつつを
ぬかしているようで、気恥ずかしいが、子どもの頃、
金について、忌まわしくおもようなきっかけがあって、
金については、疎ましく思うようになった。

が、どういうわけか、歳をとると共に、金儲けのできる
人に畏敬の念がわくようになり、金の話には、興味が
でてきた。

この本は、金についての概論的なものとして、わたしは、
気に入っている。

ちょっと、恥ずかしいので、あからさまに言うのは、気が
ひける。

しかし、わたしたちは、金とは、ということでは、ちゃんと
した躾けもされなかったし、教育もされた覚えはない。

そのようなことで、大事な素養を欠いていると思っている。

ということで、わたしは、この本を中学3年くらいに、
是非、読んで貰えたらと思っている。

そうすれば、高校生活がしっかりとしたものとなり、
将来につながるものを身につけることができるのでは
なんて、思ったりしている。

もちろん、わたしに、子どもがいれば、中学の3年に
もなれば、ぜひ読ませたい本である。

 

ところで、本の中にこういう箇所があった。


以下、抜粋。


私自身、お金を稼いできましたし、自分の父親からお金を
相続したり、妻が父親からお金や不動産を相続したことも
ありました。

そのために、相続財産が夫婦に与える感情的影響や自分の
労働観に与えるインパクトの大きさについても、実体験で
よくわかっているつもりです。

たとえば、私の場合ですが、自力で経済自由を果たしたかった
のに、道の途中で遺産相続を受けたため、なんだかインチキを
したような気分になりました。

マラソンで、順調にトップ集団の中にうまく溶け込んで走って
いたのに、途中で4人ぐらいの肋っ人に運ばれて、無理やり
ゴールさせられたようなものです。

いち早くゴールしたものの、自分の足で走りたかった、これだ
とマラソンでは、ルール違反になり、ゴールしたことにならない
じゃないか! 

というような苛立ちを感じました。

人生の目的を奪われて、しばらく鬱っぽくなったのを覚えて
います。

お金をもらうということは、たとえそれが家族からでも、独特な
遠慮を感じるものです。

特に相続の場合は、身内の死の結果やってくるお金なので、気持ち
よく受け取るのが難しいと思います。

以上。


この箇所を読んで、肯いてしまった。

というのは、この著者の感情、私自身の思いでも
あったからだ。

父親が寝たきりになったために、ささやかな資産であるが、
わたしが管理することになった。

突然、確定申告をすることになって、大いに慌てたり、
リフォームで気苦労したりしてきたが、どうしても、
自分の気持ちの中に、言いようのない、不快感がわいて
しようがないのである。

その正体が、実は、この本で書かれていることでもある
ということがわかり、「そういうもんなんだ」とひとり、
肯いているのである。

普通に考えて、わたしが相続することになるが、気が
晴れないのである。

気持ちの中に、「預かっていることにしよう」なんて
いう言葉を選んでしまう。

たいした資産ではない。厚生年金が余分に入ってくる
と考えた方が無難だろう。

しかし、それでも、国民年金や一人分の厚生年金と
比較すれば、独身の退職生活の精神的ゆとりという
のは相当なもののはずだと、棚ぼた式の運命に、気
が引けるのである。

とにかく、この財産を作るのに、わたしは何一つ
協力したわけではないからだ。

いくら親子でも、虫が良すぎるような気がしてなら
ない。


よくある話だが、大企業の2代目とか、地方の名家の
何十代目とかという人たちの話がでるが、そのプレッ
シャーたるもの、大変だろう。

それとも、道楽息子になって、その手のことなんて
考えないのだろうか?

いずれにせよ。面白い本に出会ったと思っている。

 

ところで、もう一カ所、子どもたちに読ませたい文章
があった。


以下、抜粋。


ここまで読んできて、「ああ、ウチはお金持ちじゃなくて
よかった!」と安心している人もいるかもしれません。

お金持ちになったものの、お金がもたらすマイナスのエネルギ
ーに負けて不幸になっている人はたくさんいます。

お金持ちになっても、マイナスに影響されないためには、それ
に負けないお金の器をつくっておくことです。

富豪の遺産を相続した子供たちの人生がめちゃくちゃになる
ことが多いのは、お金を扱う知識や知恵、そして人間的な器が、
子供たちになかったからです。

莫大な資産を相続しても大丈夫なのは、自分でお金持ちになる
才覚があったり、お金のパワーに動じない子供だけなのです。

これは、宝くじに当たって、不幸になる人とならない人にも
当ては圭ります。

ある統計によると、宝くじに当たった人の95%が友人、家族関係、
仕事が変わったと答えているそうです。

残りの5%は、変わらなかったと答えているのですが、どんな
人たちなのでしょう? 

彼らはもともとお金持ちだったので、1億円ぐらい当たっても、
あまり影響がなかったのです。

人間には、お金の器というものがあります。

それを大きく超えると、どうもその器が壊れてしまって、都合の
悪いことがいっぱい起きるようなのです。

お金を扱えるキャパシティーといってもいいかもしれません。

自分の器より大きなお金が入ってくると、お金のもっている
エネルギーをうまく使いこなせずに、その人が負けてしまう
のだと思います。

以上。


他の本で、書かれていたことであったが。


貧乏な人は、1億円もらっても、いくらもらっても、
5年以内に、また元の貧乏になってしまう。

金持ちは、何度貧乏になって、また金持ちになってしまう。

ということもあったが、「人間には、お金の器というもの
があります。」という話は、子どもたちに教えたい話である。


以下は、この本の著者が言っていたことである。

自由
好きなことを好きなときに、好きな人と一緒に、
好きな場所でできること。


あなたには、どれだけ自由があるでしょうか?

好きなときに、好きなことをやる、時間的自由はあります?

好きな場所にずっといるという場所的自由はありますか?

 

幸せとは、「自分の置かれている状況に感謝できる心理状態」
です。

この定義、けっこう気に入っている。