畑野さんの本は、二冊目です。
この本が読みたかったけど、図書館の棚になくて別の作品(
『海の見える街』)を読んだのが初めてでした。
私の好み的には、『海の見える街』の方が好きです!
でも、面白かったです。
電車が止まって、その電車に乗ってた人、乗れなくて別の手段で目的地に向かった人、止めた原因の人、駅員さんなど同じ時間を共有したいろんな人にスポットが当たる連作です。
帯文には、私鉄沿線・恋愛青春小説とありましたが、今の自分から1歩踏み出す小説だと思います。
恋愛のことも書いてあるけど、私にはあまりそこは重要じゃないような気がしました。
他の人が主人公になってる話に、ちらっと出てきたりして、この登場人物からはそう見えるのかと、にやっとしました。
電車が止まったことによって、ちょっと人生が変わる。
悪い方じゃなくて少し前向きな決断をしてどの話も終わってて、読んでる途中は、登場人物に対してダメな奴だなってイライラすることもあるんだけど、一歩前進する感じに終わるのが良かった。
すかっとする感じです。
今までの自分を振り返って、吹っ切れたり、今の状況を受け入れて進んでいこうとする感じが、読んでて安心するし、応援したくなる。
電車の止まった原因がよく分からないまま、話が進んでいくんだけど、電車を止めた原因の人物の話が終盤にあって、電車が何で停まってたのかも分かります。こんなことが繰り広げられてたのねという感じで、気になってたこともしっかり物語の中で解決。
年代的にも、大学生から20代後半くらいの登場人物が多く、読みやすかったです。
畑野作品、他も読みたいです。