うさぎの耳

大学卒業→社会人→看護学校→6年目ナース
読書の記録と日々の出来事。

三谷文楽『其礼成心中』@京都

2014年08月17日 21時57分00秒 | trip

東京で初めて三谷幸喜さんが文楽の脚本書いてこの作品をやる時、めちゃくちゃ観たかったです。

当時(2年前?)、新聞の一面にその記事が載って、でも東京公演しかなくて諦めてました。


それが、京都に来た!
しかも私の夏休み中に!行くでしょー、行くしかないでしょー!


という訳で、青春18切符の日帰りトリップ第2弾です。

めちゃくちゃ面白かったーっっっ!

一人で観に行ったんだけど、文楽観たことない人誘えば良かったよ。周りに文楽観る人いないので、基本的に一人で行きます。私の感じた面白かったねーっていうのを誰かと語りたかったです!興奮。


とりあえず、あらすじだけ押さえて観たけど、良かったです。演出もストーリーも全部良かったです!!!

幕が開く前に、三谷人形があいさつ!!三谷さんの声がして、京都で上演出来ることや英語字幕がついてること、楽しんでねっていうメッセージ。テンション上がりました!

幕が開くと、なんと正面に大夫さんと三味線さんが!!通常は舞台横の床におられるんだけど、舞台の後ろの方の高い位置におられました。お客さんと真正面から向き合う形、なんか変な感じ…。しかも、スーッとスライドして出たり入ったり。
三味線の音がいつもより大きく聞こえました。
人形遣いさんは皆さん顔を出されてなかったです。
舞台ののれん?人形さんが出入りする所の紋が三谷文楽仕様になってたー。普段は竹本座と豊竹座の紋なのに、パルコと三谷になってたー。

いつもの文楽と違う所いろいろ発見するのも楽しい!

文楽劇場だと字幕(日本語)あるんだけど、今回は英語字幕ありで日本語はなし。でも、全然耳だけで差し支えなかったです。

そして、カタカナが出てくるのが新鮮!横文字というか、普通の文楽では絶対ない!カップル、タイミング、クライマックス、ネイル…。
ネイルは、爪磨いてる場面もあって
現代エッセンスが良い感じに溶け込んでました。

演出もいろいろ凝ってて笑いました。演出、川の中とか、ミラーボール…。ライトがスポットライト的に当たるのも普通の文楽ではないかなぁ。
楽しすぎるー。

閑古鳥が鳴く、つまり商売あがったりな状態のことを指しますが、ほんとに閑古鳥が飛んできました。しかも鳴いてました。
店が傾くもほんとにセットの店が傾いた…。


近松門左衛門が登場人物で出てきたのにもびっくり!

台詞も面白い掛け合いがたくさんあって、宣伝では涙あり笑いありって言ってたけど、笑いありだらけでした。
心中ものかと思いきや、全然悲しくないし、人間味溢れる楽しい文楽。やっぱり文楽は人情ですね。

話の筋は、ざっくり言うと曽根崎心中のヒットにのっかって商売するも、心中天網島が次にヒットしてたちまち曽根崎は、お客さんが来なくなり…、近松門左衛門に文句つけに行ったり自分の娘に心中けしかけたり、てんやわんやでした。

いろいろ楽しくて面白くて、ぜひ三谷さんにもっと文楽の新作書いてほしいって思いました。
この感動をもっとたくさんの人に感じてほしい!とにかく面白い!
今日が最終日だったんだけどね…。

楽しい文楽、最高でした!

佐川美術館@滋賀

2014年08月17日 17時46分00秒 | trip

14日は青春18切符で滋賀県の佐川美術館に行ってきました!
前にテレビで紹介されていて行きたいなと思っていた美術館です。今回、浮世絵展『北斎とリヴィエール』が開催中で、浮世絵が好きなのでこれは行くしかないと思って行ってきました!

期待以上に良かったです!

まず、建物が良い。水に浮いてる感じの建物で有名です。
常設展示も良い。
お茶室も良い(見学は予約制、私は前日だったけど、予約とれました)。
浮世絵も北斎展、前に地元で見たことあるんだけど、リヴィエールとの対比、版木を初めて見られたこと、北斎漫画も豊富に展示されてて良かった!


交通アクセスがバスの本数が少ないので悪いけど、行って良かった。
受付で帰りのバスの時刻表がもらえて助かりました。美術館の目の前というか入口前で乗り降り出来ました!

常設展示は、3つあって、平山郁夫の絵画、忠良の彫刻、焼き物(器)です。
まったく知識ゼロで行ったんだけど、平山さんと忠良さんは、展示の中に、彼らの半生や作品についての紹介映像が流れてたので、なんなく背景とかはつかめました。


私が心動かされたのは、平山郁夫の『桜蘭の月』という作品です。3枚一組で、他に朝と夕方があって飾られてたんだけど、月が一番美しかったです。ずっと見ていられるなぁという感じ。砂漠を歩いていくラクダに乗った人たちの絵で、月夜なのでシルエットなんだけど、とても月が綺麗で音がない雰囲気が良かったです。


『平和の祈り』という絵が展示の中でもっとも伝えたい絵だったんだけど、その絵も印象に残りました。大きくて迫力があるのと、平和への思いが伝わってきました。
他には中国を描いた絵がたくさんあったんだけど、蘇州の絵はどれも水辺が描かれてて素敵でした。

彫刻は、彫刻自体鑑賞するのがほぼ初めてで、どう観たらいいのやらって感じだったけど、絵と違って360度ぐるりと見たり、この美術館の彫刻は触れる展示だったのでふれてみました。

題材はほとんど女性で、裸婦?が多かったです。帽子被ってる女性ばかりの帽子シリーズや、風を体現したポーズの『風韻』などの動きがあるポーズの作品が面白かったです!
同じ女性がモデルになっているのが多かったです。


『北斎とリヴィエール』、混んでるかなと思ってたけど、そこまで混まず、わりと自分のペースで観られました!

日本とパリの対比が前面に打ち出してあり、北斎の絵が展示してあるのは赤い壁でした。

リヴィエールは、富嶽三十六景ならぬエッフェル塔三十六景を発表していて、それの対比が面白かったです。解説にこの構図は何から影響受けてますとか書いてあって分かりやすかった。雲の感じが気に入りました。エッフェル塔ではなく、雲の描き方がふんわりしてて好きです。

北斎の方は、観たことある絵はもちろん美しいし、とても細かい所まで描き込まれているのを改めて感じました。水車の水の感じとか好きです。
北斎漫画は、あらゆる動物や職業が表現されていて面白かったです。意外とリアルな感じが気持ち悪さを出してる絵もありました。特に、タコが好きです。
そして、浮世絵の版木!!初めて見ました。ちょっと興奮。版画って分かっててもうまく製作過程が想像出来なかったけど、とても細かい版木を見て、なるほどーと思いました。
黒色の版木だけ刷ったもの、赤色の版木だけ刷ったもの、それを両方重ねたものが展示してあって、浮世絵の作り方が分かりやすかったです。

器の展示は、これまた彫刻と同じく初見。『赤と黒』が展示テーマでしたが、よく分からなかった。器は、どうやら漢詩から材をとってそれを表現しているらしく、作品名の所に書き下しの詩が書いてあったけど、英語のタイトルの方がかえって分かりやすかったりした。展示されている空間自体は地下なんだけど、とても素敵でした。天井が一部透明で、上の水が感じられた。


茶室見学は予約制なんだけど、これは価値があると思います。解説を聞きながら見学。茶道の知識がなくても大丈夫です。茶室の壁のうち二面がガラスで、外が見えます。まるで壁がないような感じになっています。
床が畳から石になっていて、ガラス挟んでも石が続いててそのまま水辺です。葦が生えてて開放感ありまくりです。石も障子もこだわりで、和風の空間だからなじみがあるはずなのに厳かな雰囲気が漂ってました。葦の緑が白い障子に映ってほんのり緑色でした。
見学料が別途1000円いるけど、見る価値あります。

美術館の中で昼食もとれるし、廊下に座れるベンチが多いし、展示を見て疲れたら休めるし、良い美術館でした。美術館の中から周りの水、水の中にたたずむ彫刻も鑑賞出来ます。


行きしは、守山駅からバスに乗り、帰りは堅田駅までバスに乗りました。琵琶湖大橋をバスで渡ったら、水平線が見えて琵琶湖の大きさを感じました。
琵琶湖、小さい時に行ったらしいけど記憶がなくて初めて来た。

私はやっぱり水辺が好きだなと思いました。