うさぎの耳

大学卒業→社会人→看護学校→6年目ナース
読書の記録と日々の出来事。

『クラウドクラスターを愛する方法』窪美澄

2013年04月14日 22時09分00秒 | book
窪作品、三作目です。二作目の方が好きー。

表題作と「キャッチアンドリリース」の二作入ってます。


クラウドクラスターって何?って思ってたらちゃんと作中で説明がありました。

人は自分ではどうにもできなかったり見せたくない良くない感情も持ってるってことを感じさせます。人間の汚いって言ったら語弊があるけど、表面的な感情だけでなくもっと深い所で抱えてる気持ちが描いてある。
人間が描いてある感じ。現実的でとちらかと言えば暗い雰囲気の話。


「クラウドクラスターを愛する方法」では、自分を捨てた母に対する気持ち、仕事がうまくいかないことに対する焦りなんかがそれにあたると思う。大人になっても未だに母親を許せないというか愛せない。
心のどこかで、幼い日に母が出ていった時に感じた悲しいよりも安堵の気持ちに対して後ろめたさを感じる主人公。そういうどうにもコントロールできないというか人には決して見られたくない思いが描いてあります。
あんまり幸せとは言えない生い立ちや仕事もうまくいってない状況だけど、明るくひょいと暗い所からすくいあけでくれるおばさんがいて、いいなぁと感じさせる終わりでした。
近くに誰でもいいから話を聞いてくれて明るくておおらかな人がいてくれりるだけでいいなと思いました。すぐに解決策や答が出なくてもそばにいて話を聞いてくれるだけで心が軽くなることってある。


「キャッチアンドリリース」

消化不良です。
同い年の男の子と女の子が交互に語り手になる。二人は同じ塾に通ってることと、両親が離婚してることが共通点。
大人っていうか冷めてるというか、冒頭で1年くらいで離婚するんじゃない?っていう会話をこどもなのに二人がしてて、だけど怖がったりする所はやっぱりこどもで、早く大人にならざるをえなかったのかなと思ったり。
この話に出てくる大人は両親なんだけど、二人の親がそれぞれ両方不完全で
(完璧な人なんていないけど)、人間らしい。結婚してこどもがいたって自分が大事だし、こどもの為にって思ってやる事が両親の間で食い違ったり。


やっぱりよく分かんなかったです(汗)