うさぎの耳

大学卒業→社会人→看護学校→6年目ナース
読書の記録と日々の出来事。

芸術の秋『沼津』

2011年11月13日 17時54分59秒 | 2011(うさぎ年)
金曜日、有給休暇をとって文楽を観に行ってきました。
錦秋文楽公演で、演目は『恋女房染分手綱』から二段、『伊賀越道中双六』の「沼津」、『紅葉狩』でした。



卒論でテーマにした作品が入っていたのでぜひ足を運ばねばと思い、行ってきました!『伊賀越道中双六』の「沼津」!
今回を逃したら今度いつになるか分からないし、やっぱり自分の目と耳で体験できる機会を逃すのはもったいない~。


大学で文楽に初めてふれて、卒業してからも年に2回くらいは劇場で鑑賞しています。観たい演目の時だけ(笑)


印象に残ったのは、『恋女房染分手綱』の「道中双六の段」の三味線の楽しい感じ、「沼津」の住大夫さんの語り(特に最後の平作が絶命しそうな場面)、『紅葉狩』の季節感溢れる舞台装置の紅葉と、更科姫の舞の見事さです。



睡魔に襲われて全く頭に入ってきてない所もあるけど、なんとか通して観られたって感じです。体力がいるんです。




平日だから人少ないかなと思ってたんだけど、全然そんなことなかった。満員でしたよー。



最初の2つの演目が、親子の別れがテーマだったんだけど、たまたま同じだったのかな?それとも合わせてあったのかな?



『恋女房染分手綱』の「道中双六の段」は、嫁入りで今日家を出るというのに、やだって言う姫の機嫌を直すために、双六をするんだけど、ちゃんと双六をふってて感心しました。人形がさいころ投げてるように見える。その場面の三味線がとても楽しくて良かったです。
たいてい、人形に釘付けなんだけど(三業の中では人形に一番関心が向いてるので)三味線の音色が良いなと思いました。



『伊賀越道中双六』は、大夫さんの語りを聞いてても覚えてる部分が所々あって楽しかったです(笑)
あとは、やっぱり住大夫さんの語り!!他の大夫さんと何が違うのかまでは分からないんだけど、聞き惚れますね~。とても心にしみました。平作と十兵衛の最後の場面、今にも息絶えそうな平作が敵の在処を教えてほしいと懇願する場面は、ほんとに素晴らしかったです。


冒頭の、荷持ちの平作と十兵衛のやり取りも笑えたし、うきうきしました!




『紅葉狩』は、更科姫が実は鬼女で襲ってくるのが面白かった。
さっきまで美しい舞を披露してたのに、髪の毛も顔も変わって、特に髪の毛をぐるぐる振り回す所や、煙みたいのを吐き出す所は面白かったです。舞も見事でしたね。舞が最大の見せ場でした!


冒頭、紅葉の葉がはらりはらりと一枚ずつ落ちてくるのも風情があって素敵でした。季節感のある演目ってそれだけで楽しい。
男性の服装が、束帯で珍しいなあと思いました。更科姫に化かされる平維盛の服装。あんまり束帯の姿ってないような気がします。いつも姫の人形の衣装に目を奪われて男性の衣装の印象が記憶に残ってないだけかもしれませんが(汗)
最後は鬼女を見事に退治しました。



初春公演は、『菅原伝授手習鑑』と『義経千本桜』が演目に入っていました!個人的に、『千本桜』の「道行初音旅」は好きなので、観に行けたら行きたいなーと思いました。



芸術の秋、満喫~。