私的図書館

本好き人の365日

原田マハ 『キネマの神様』

2012-07-29 20:47:54 | 日本人作家

前からさがしていた、原田マハさんの小説、

 

『キネマの神様』(文藝春秋)

 

をようやく読むことができました♪

シネマ好きにはたまらない小説!

 

文藝春秋
発売日:2008-12

 

 

 

 

 

 

何度も観ているのに、「ニュー・シネマ・パラダイス」(監督ジュゼッペ・トルナトーレ)や、「フィールド・オブ・ドリームス」(監督フィル・アルデン・ロビンソン)を、もう一度観たくなってしまいました!

映画を愛する人々が登場します。

ちょっと偏屈だったり、オタクだったり、ギャンブル好きだったり、人がよすぎたり。

みんな人生に迷ったり、うまくいかなかったり、挫折だって経験してきているけれど、いつも映画に救われてきた…

シネコンなども手がける大手の開発会社を、半ば追われるように辞めてしまった主人公。

ちょっとしたことがきっかけで、老舗の映画雑誌のライターとして採用されますが、その会社は長年赤字続きで半分傾きかけています。

主人公の父親は、賭け事が好きでいつも借金まみれ。

知り合い中にお金を借りているくせに、どこか憎めない性格で、賭け事と同じくらい好きなのが映画を観ること。

映画雑誌、映画好きな老人、ネット、書き込み、世間が注目。

ネットでの映画評論が話題になり、雑誌の売り上げにも貢献する主人公の父親ですが、その文章が翻訳され、全世界に公開されると、思わぬライバルが現れます。

顔の見えないネットの世界で繰り広げられる映画をめぐる舌戦。

どちらも自分の主張を展開するものの、映画を愛していることには変わりがない。

やがて二人のやりとりはそれは読んでいる人々の共感を呼び、映画ファンは二人のやりとりを待ち望むようになります。

加熱するネットの世界!!

 

自分の好きな作品について語ること、映画ファンとしてこれほど楽しいことはありません!

私もこうして本の感想を書いていますが、気持ちは同じ。

たくさんの名作と呼ばれる映画から、誰も知らないようなマニアックな映画まで、物語の中に登場する映画すべてが観たくなっちゃう♪

小説の中ではまったく個性の違う二人が、それぞれの切口で映画を批評し、そのかけあいが楽しいのですが、実際はそのどちらもを作者である原田マハさんが考えて書いているわけですからね。

すごい才能だなぁ~

後半、顔の見えない、したがって正体もわからなかった謎のライバルの正体が明らかになります。

すごく夢中になって読みました。

あぁ、楽しかった☆

 

映画だけでなく、この本は父親と娘の物語でもあります。

親子で同じ趣味なんて……ケンカが増えそう(苦笑)

 

家で借りてきたDVDを見る映画鑑賞もいいですが、やっぱり映画館で、大勢の見知らぬ人たちと一緒に、暗闇の中に映し出される映画を観る。

あの感覚には何ともいえないものがありますね♪

同じ時間と感情を共有する、みたいな感じ☆

久しぶりに淀川長治さんの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」という映画解説が聞きたくなってしまいました(笑)

これがわかる人って歳がバレそう♪

 

そういえば、以前こんなことがありましたね。

とある女性から、昨日のことについて問い詰められた時のこと、私はついこんなセリフをいってしまったのです。

「昨日? そんな昔のことは忘れたな」

「昨日のどこが昔なのよ!」

…ちがう、ちがう!

「カサブランカ」って映画があって、ハンフリー・ボガード演じるボギーの名セリフじゃないか!

その後、ボギーはこう続けるのさ。

「明日? そんな先のことはわからない」

「………。」

もちろん、その後空気がすっごく険悪になったのは言うまでもありません(苦笑)

ボギー。

人生って時にしょっぱいよね。

 


荻原規子 『RDG レッドデータガール 3 夏休みの過ごし方』

2012-07-28 22:57:22 | 荻原規子

うちの田舎では夏祭りは8月の中旬ですが、地域によってはもう行われているところもあるみたいですね。

小さい頃は浴衣を着て出かけた記憶がありますが、最近は夏祭り自体めっきり行かなくなりました。

子供の頃は食紅で染めたリンゴ飴が欲しくて欲しくて、そのくせ一度も食べきったことがありません(苦笑)

綿菓子も楽しいのは最初のうちだけで、最後はベトベト。

それなのに、今でも楽しかったイメージしか浮かばないのだから不思議です。

クリスマスともお誕生日会とも全然違う。

「お祭り」ってやっぱり特別なんでしょうね♪

 

荻原規子さんの小説、「RDG レッドデータガール」シリーズの文庫版。

その第3巻。

 

『RDG レッドデータガール 3 夏休みの過ごし方』(角川文庫)

 

が発売されたので、さっそく買ってきてすぐさま読みました☆

おぉ! 和宮さとる再登場か!?

物語を読んでいない人には何のことやらわからないでしょうが、ちょっと4巻への伏線みたいな物が見えてきたんですよね!

そうそう、わかってたよ、”彼”は荻原さんの作品によく登場する欠かせないキャラだからね☆

「レッドデータガール」というのは、絶滅の危険のある稀少な少女(この場合は稀少な血、能力を受け継いだ少女)という意味。

神霊や神様、山伏や陰陽師という、日本の神話や古事記なんかを下敷きに、現代に生きる高校生(3巻現在)たちが活躍する物語なんですが、単なる悪者退治とか、不思議な力を使った戦いじゃなくて、登場人物それぞれの心情や感情が繊細に描かれたり、日本古来の風習や神々との付き合い方なんかもサラリと織り込まれていたりして、神話好き、歴史好き、成長する主人公好きな人にとってはたまらない小説♪

もっとも、主人公の泉水子(いずみこ)はかなり天然キャラ(笑)

どうみたって最強キャラで、今いる学園だって彼女のために作られたようなものだし(あくまで推測です)、自分を中心に物語が、というか世界が回っているのにそれに全然気が付いていない感じ。

ま、そこが作者の狙いなんでしょうけどね。

今回は長野県が舞台。

善光寺とか、戸隠れとかが出てきます。

善光寺には行ったことはありませんが、お蕎麦を食べによく長野県には行くんですよね♪

日本を舞台にファンタジーを書かせたら、やっぱり荻野規子さんはうまい!

安心して読めます。

今回も面白かった☆

 

降誕祭だとかハロウィンと聞いても、正直いまいちイメージがわかないのに、「天照大御神」や「天の岩戸」なんて言葉が物語の中に登場すれば、くどくど説明されなくても、少しはイメージできるのは、小さい頃からその物語にいろんな所で触れて来たから。

家の神棚。

近所の神社。

ニュース映像。

マンガやアニメ。

父親のつまらないギャグの中に、日常会話にだって出てきたことがあったかも知れません。

きっと「神様」って言葉に対しても同じ。

日本人の持つ八百万の神々のイメージ。

それぞれの人に違う「神様」がいるのかも知れないけれど、小説を読んでいる分にはくどくど説明されなくても、作者のいわんとしている「神様」のイメージにすんなり入り込める。

それは畏怖するもの。

人間の力のおよばないもの。

こういう説明の必要のいらない共通の認識って考えてみると不思議ですね。

昔からなじんでいるものだから体にしみついているのかな?

みそ汁だってあんな茶色の液体、考えてみたらよく飲めると思いますが、日本人なら平気でしょ?

でも最近、年配の方が2周りは年下の同僚と話しているのを聞いていたのですが、「清水の次郎長」も「森の石松」も通じないと嘆いていたのが面白かった♪

「江戸の生まれだってねぇ、寿司食いねぇ」

なんてセリフも当然わかんない。

ガッツ石松さんの「石松」って名前も意味不明になっちゃう。

わかるわけないよ~(笑)

これは日本人だからわかるわからないじゃなくて、単なる世代間ギャップかな?

ヘタすると「忠臣蔵」のストーリーもわからない。

戸隠れ=忍者 というイメージも無いかも知れない…

「LDって何ですか?」って聞かれた時は、自分が絶滅危惧種になったような気がしましたからね(苦笑)

ま、私だって自分の生まれる前の芸能界や歌謡曲のことは知らないわけですから、これはどの世代にもいえることなんでしょうね。

情報量が多すぎて、共通の認識ってのが持ちづらくなっているのかも。

ルビコン川も、天王山も、その言葉の背景がわからなければ何のことだかわからない。

今や平成生まれが社会人ですからね。

昭和は遠くになりました(苦笑)


『おおかみこどもの雨と雪』

2012-07-26 20:17:04 | 映画

回転寿司で食事をしていると、隣の席の小学生くらいの男の子に話しかけられました。

「いま何皿目ですか?」

まったく見ず知らずの男の子です。

「え、6皿目かな?」

「お寿司以外の皿は何皿ですか?」

「え、1皿?」

男の子のお母さん(らしき女性)は「もう、そんなこと聞かないの!」と恐縮してみえました。

その男の子は物怖じしない性格らしく、お店の人に「お寿司を握る人は何ていうんですか?」と訊いてみたり、その答えが「板前さん」だと知ると「なぜ板前っていうんですか?」とたたみかけたり、「このお店の従業員は何人ですか?」とまるで経営コンサルタントか株主ばりの質問をあびせていました。

質問を受けるパートの女性も苦笑い。

私も最後に会計をしようとすると「何皿ですか?」と再び訊かれたので、「8皿だよ」と答えると「勝った!」と勝手に勝敗を告げられました。

お母さんが「もう、これはお母さんと二人ぶんでしょ」と男の子の計算方法を注意すると(注意するとこそこかい!!)男の子は「大人の男の人と比べるんだからこれでいいの」と彼独自の主張で張り合っていました。

いっておきますが、その日たまたま隣に座っただけのまったく見ず知らずの親子です。

 

…ぼうや、オジさんは本当はもっと食べられるんだけど、貧乏だからこれ以上は食べないで我慢しているんだよ。

 

とさすがに真実は告げませんでしたけどね(苦笑)

いやぁ、子育てって大変ですね♪

 

7月21日に封切られた映画、細田守監督のアニメーション作品。

『おおかみこどもの雨と雪』

を観て来ました☆

 

なんだかすっごく共感してしまって、涙があふれてきて困りました。

おおかみ男と恋をして、二人の子供を産んだ若い女性が、一人で子供を育てることになります。

おおかみの血を引く子供たちは、何かのひょうしにすぐおおかみに姿を変えてしまう…

一見コミカルな描写ですが、世間の目を逃れて暮らす息苦しさ、誰にも相談できない孤独は、ただでさえ大変な子育てに加えて主人公に重くのしかかり、しだいに彼女を、家族を追い詰めていきます…

夜泣き、洗濯、食事の用意。

病気になっても出生が出生なだけに簡単には医者に診せられない。

大変な苦労の末、周りの目を逃れて田舎のボロ屋を借りて住む決断をする母親。

そこに現れる田舎の人々。

すぐそばに山が、自然があるという環境。

子供たちが通うことになる学校での人間たちとのふれあい。

「先生」

オオカミとして生きるのか? それとも、人間として生きるのか?

 

おおかみ男と恋をして、二人のおおかみこどもを育てる主人公「花」の声を女優の宮崎あおいさん、おおかみ男の声を大沢たかおさんが演じてみえて、とても生き生きと、深みのある演技で物語に奥行きを与えていました。

画面を所狭しと走り回るおおかみの姿をした子供たちもいい♪

おおかみこどもというファンタジーのような要素はありますが、描いているのは親と子の関係、母親になるということと、子供の自立、そして巣立ちです。

 

 私が守ってやらなくちゃ。

 どこかで泣いてやしないか…

 どこかでお腹を空かしてやしないか…

姿を消した子供をさがす花の気持ちがグサグサと心に刺さってきました。

生まれた時にその目も開いていない顔をながめて思ったこと。

 この子はどんな大人になるのだろう…

 どんな人生を歩むのだろう…

 大きくなるまで、しっかり見守ってやらなくちゃ。

 

もう、それなのになんで花一人に背負わすんだよ!?

男ってなんて勝手なの!!

と、映画を見ていて何度も思いました!

ま、本人もやむにやまれぬ事情があったんでしょうけれど、それにしても勝手すぎる!

 

果たしてこの母子はどんな決断をするのか?

母子が移り住む田舎の農夫で、頑固なジイさんを演じた菅原文太さんがジブくていい役なんです!

細田監督の出身地で、映画の舞台となった富山県の自然もとっても美しく、CGも使った植物や風の描写は見事でした。

特に水(涙)の描写は注目です。

しかも、そんなにこだわっているのに、ストーリーも登場人物の存在感も邪魔せずに、ひっそりと、しかししっかり描きこまれていたのはさすが!

監督のこだわりを感じました。

 

 元気で! しっかり生きて!

 

子育ての経験のない私でも共感できて涙をボロボロこぼしましたから、きっとどんな人にも共通する「何か」にしっかり訴えかける映画なんだと思います。

前作『サマーウォーズ』のようなエンターテイメントを狙った作品ではありませんが、人間に焦点をあて、しっかり描きこまれた人物像には映画という枠に耐えられる完成度がありました。

ともかく、細田監督、私の感情をゆさぶってくれてありがとう☆

正味2時間、泣いたり笑ったり、感動したり、忙しかった~♪

私にとって、感情に訴えてくる「何か」を持っている映画が、いい映画なんです!

そういう意味では、間違いなくいい映画でした。

あぁ、面白かった☆

 


暑中お見舞い申し上げます

2012-07-23 21:09:59 | 日々の出来事

思い立って夕食にカレーを作りました。

夏の暑い日に汗をかきながら辛いカレーを食べるのがいいんですよね♪

グラスには麦茶。

蚊取り線香は電気式の蚊取り線香に変わったけれど、夏の定番ってありますよね。

 

ひやむぎ。

とうもろこし。

乱切りキュウリ。

色とりどりのカキ氷。

海。

入道雲。

海の家の焼きそば。

花火。

お盆の迎え火。

朝からうるさいセミの声。

ラジオ体操に向かう子供たち。

夏休みの宿題。

 

大人になって夏休みの宿題からは開放されましたが、未だに「夏休みの宿題が終わらない!!」って夢を見て、あせって起きる時があります。

もうしなくていい、しなくていいのに~(苦笑)

 

今年の夏も暑くなりそうですね。

夏はニガ手ですが、たくさん食べて、たくさん水分をとって、お風呂に入ってなんとか乗り切りたいと思っています。

皆様もどうか無理をせず、ご自愛下さい☆

 

 


原田マハ 『楽園のカンヴァス』

2012-07-20 18:00:00 | 日本人作家

原田マハさんの『楽園のカンヴァス』(新潮社)を読みました。

 

新潮社
発売日:2012-01-20

 

 

 

 

 

 

表紙に使われているのは、フランスの画家アンリ・ルソーの作品「夢」です。

どこかのジャングルに置かれた長いす。

その上に横たわり、左手を何かを指し示すかのように伸ばした裸婦。

木々の影に隠れるようにして描かれた笛を携えた人物。

どこかとぼけた表情の肉食獣たち…

パリの税関で働きながら絵を描いていたため、日曜画家などと呼ばれ、カンヴァスや絵の具代にも事欠く生活だったルソー。

妻と幼い子供を早くに亡くし、二番目の妻にも先立たれ、生前は数少ない理解者にしか評価されなかった「税関史」、ルソー。

今や彼の作品は世界中の有名な美術館に飾られ、日本でも大原美術館や、東京国立近代美術館などに所蔵されています。

この物語は、そんなルソーの研究者として、かつて注目された日本人女性を主人公に、画家と作品、その情熱と支援者たちの思い、そしてそれを時をへだてて眺める栄誉にあずかった人々、人間の美に対する渇望と羨望を描いた作品。

絵画を見て思わずもらしてしまう、

「うわぁ、スゲー!」

という思いが描かれています♪

 

中心となるのは、ある収集家が手に入れたルソーのある作品について、主人公の日本人女性と、ニューヨーク近代美術館の学芸員との真贋を見極める7日間の対決なのですが、その真贋を見極める作業も魅力的ならば、なにより、芸術作品に対した時のそれぞれの人間の”気持ち”が様々で、主人公とライバル学芸員の作品を、そして画家を愛する気持ちが読んでいるこちらの胸に響きます。

美しさとは、人の胸をうつものなんですね!

かつてルソーの作品の真贋について、貴重な7日間を過ごした女性はいま、実家のある岡山に戻り、未婚のまま娘を産んで、母親と三人で暮らしています。

美術館の監視員として働きながら。

うまくいかない娘との関係。

田舎の人間関係。

籠の中の鳥。

飛び立とうとするペガサス。

監視員の仕事は、人を監視することではありません。

美術品を監視し、その環境を保つ。

あくまで、美術品が最優先。

 

 もっとも美術品と対峙し、見つめる時間が長いのは、美術館の監視員かも知れない…

 

名作に隠された謎を解くミステリーでありながら、美術館やそれに伴う仕事に携わる人々の描写も魅力的で、長年キュレイター(学芸員)として活躍されている原田マハさんらしい渾身の一作。

史実を基にしたフィクションではありますが、沢山の実在する絵画や画家たちの名前も登場して、読んでいるとフィクションとノンフィクションのまざりあった感覚に襲われ、それがいっそうルソーの「幻の名作」にリアル感を与えています♪

そして訪れる、再会の時…

時系列と謎解きが絶妙な順番で配置され、ついつい物語りに入り込んでしまいました!

この辺りもうまいなぁ~

『ダヴィンチ・コード』のようなサスペンス要素はありませんが、謎に迫るにしたがい明らかにされるルソーの思いや、絵に込められた作者の情熱に、読んでいるこっちはもうハラハラドキドキ。

久しぶりにいっきに読んでしまいました!

感化されやすい性格なので、美術館に行ってみたくなってしまった(笑)

クーラーも効いているだろうし、本当に出かけてこようかな…

  

とてもいい読書ができました☆

 


『銀のスケート ハンス・ブリンガーの物語』

2012-07-18 22:43:22 | 本と日常

第147回芥川賞、直木賞の受賞作品が発表されましたね。

芥川賞に選ばれたのは、鹿島田真希(かしまだ・まき)さんの『冥土めぐり』(文藝春号)

直木賞に選ばれたのは、辻村深月(つじむら・みづき)さんの『鍵のない夢を見る』(文芸春秋)

どうでもいいけど、みんな名前が読み辛いよ…

辻村さんにいたっては、ずっと男性だとばかり思っていました。

残念ながら、お二人とも作品を読んだことはありません。

ゴメンナサイ。

 

別に意識しているわけじゃないでしょうが、前回の第146回受賞者が男ばかりで、一部の発言が話題になったこともあってかなりむさくるしいかったのに比べ、今回はおだやかに記者会見も進み、とても華やかでした。

作品とはまったく関係のないところで差別する気はありませんが、そう見えてしまったんですよね。

個性の強い人が続いたから(苦笑)

作家さんはそれくらいの方がいいのかな?

しばらくしたら本屋さんに大量に並ぶと思うので、気が向いたら手に取ってみたいと思います。

 

芥川賞受賞作『冥土めぐり』は、脳の病気にかかった夫とその妻の物語らしいのですが、私がちょうどいま読んでいる本にも、病気で過去の記憶を失い、子供のようになってしまった(認知症?)お父さんが登場します。

舞台はオランダ。

夫の世話をしながら子供二人を育てるお母さんに、貧しい家を助けて、お母さんの手伝いをよくする幼い兄妹の出てくる物語。

M.M.ドッジ作

『銀のスケート ハンス・ブリンガーの物語』(岩波少年文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

鉄製のスケートが買えず(初期のスケートは普通の靴にスケートの刃部分をしばりつけて滑っていました)、兄のハンスが木を削って作ったお手製のスケートの刃を、ボロボロの靴にしばりつけて遊ぶ二人。

木製の刃は水分を含むと氷の上で滑らなくなってしまうため、二人はすぐに転ぶのですが、それさえも二人にとっては楽しい時間。

すぐにお母さんの手伝いをしなくちゃいけないから、二人が運河に張った氷の上で遊べるのは、早朝の短い時間だけなんです。

仕事と寒さで真っ赤にこごえた手。幼く体の小さな妹のグレーテルは、着る物もないため見るからに寒そうな格好。

もう、この兄と妹が健気で健気で…

幼いのにお互いを思いやり、決して卑屈にならずに立派に生きている姿には、まだ読み始めたばかりだというのにすでに涙目です!

こういう話に弱いんですよね~

「ペリーヌ物語」の原作、『家なき娘』も読んでいて涙が止まりませんでした。

よく自分の生活を生まれた環境のせいにする人がいますが(もしくは運とか、親が金持ちだとか)、どんな環境に立たされようと、その人をその人たらしめているのは、結局その人自身の生き方だったり物の考え方なんですよね。

確かに環境は大きな影響を与えますが、だからってみんながみんな同じようになるとは限らない。

自分の意思を持ち、しかっり生きている子供たちに夢中です♪

さすが映画監督の宮崎駿さんがすすめるだけのことはあるなぁ。

国土の大半が海より低く、堤防と風車で水と戦い続けるオランダという土地柄にも強くひかれました。

続きが楽しみです☆

 


「ねえチャック。安心って何だと思う?」

2012-07-17 22:06:13 | 本と日常

スヌーピーでおなじみの、チャールズ・M・シュルツの漫画、「ピーナッツ」

その中に、こんな回があります。

木の下で寝転んで、話をしているチャーリー・ブラウンとペパーミント・パティ。

 

「ねえチャック。安心って何だと思う?」

「安心? 安心っていうのは車の後ろの座席で眠ることさ! 君がまだ小さな子供で、お父さんとお母さんと一緒にどこかへ遠出したとする。あたりはもう夜だ。君たちは車でうちへ帰ろうとしている。その間君は後ろの座席で眠っていられる。君は何にも心配しなくていい。お父さんとお母さんは前の座席にいるし、心配ごとは全部二人が引き受けてくれるからね。何もかも面倒をみてくれる」

「本当に素敵ね!」

「でもこれはいつまでも続かないよ! 突然君は大人になる。そしたらもう二度とこういう具合にはいかなくなるのさ。突然それは終りになる。もういない両親に代わって君が前の座席に座ることになるんだ。そうなったら君は二度と後ろの座席で眠ることはできない」

「二度と?」

「そう、二度と。決してね!」

「私の手をしっかりにぎって、チャック!」

 

大人をやっていると、車の後部座席で何も心配することなく眠っているうちに、誰かに目的地まで運んで欲しい、なんて考える時がありますね(苦笑)

誰か洗い物してくれないかなぁ~

とか(笑)

もっとも、自分でハンドルを握るからこそ、目的地を他人まかせにすることなく、自分で選ぶことができるわけなんですが。

両親だって、ずっと子供を車に乗せているわけにもいかないですし。

このお話、なぜかたまに思い出すんですよね。

よほど印象に残っているのか、それとも疲れているから願望の象徴として頭に浮かぶのか(苦笑)

それにしてもチャーリー・ブラウン。

とても子供のセリフとは思えない♪

閉所恐怖症で犬小屋の屋根の上で眠るスヌーピーも好きですが、この気弱な飼い主、チャーリー・ブラウンも大好きなキャラクターです。

さて、明日からも頑張らなきゃ。

岩盤浴にでも行って英気を養ってこようっと!

 


『ライ麦畑でつかまえて』

2012-07-16 22:22:05 | 本と日常

今日は7月16日。

A・D・サリンジャーの小説『ライ麦畑でつかまえて』が発刊されたのが、ちょうど61年前の1951年7月16日なんだそうです。

その情報を聞いた時は「へ~」と思ったものの、たいして気にもとめなかったので、夕飯の準備や何やかやとやっているうちに、すっかり忘れてしまっていました。

夕飯も食べ終わってお風呂も沸いて、さて今日はお風呂で何を読もうかな、と何気に手に取ったのは、中村航さんの『あなたがここにいて欲しい』(角川文庫)

 

角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-01-23

 

 

 

 

 

 

岐阜県出身の中村航さん。

「街に行く」という言葉が、大垣駅前に行くことを指していた中学時代。

アシュラマンや北斗神拳で盛り上がる同級生を尻目に、中学というワクからちょっと浮いた女の子が登場します。

その子は名古屋まで洋楽のコンサートに行ったり、仲間と地べたに座ってだべったり、サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』なんかを読んでいる…

 

おぉ、サリンジャーの「ライ麦畑」!!

 

一日に2回もその名を聞くとは!

それもたくさんある蔵書の中から、たまたま手に取った本の中にサリンジャーの名前が出てきたので、驚きました。

偶然って重なるものなんですね~

何だか偶然の中に別の意味を感じてしまいそう♪

何かを決断するとか?

いやぁ、ジョン・レノンを暗殺した犯人が愛読していたという「ライ麦」なだけに、ちょっと不穏な想像が頭に浮かんでしまいまいした。

危ない危ない。

感受性が高くて勘違いしやすい年齢だったら本一冊で人生が狂うところだった(苦笑)

幸い私は一度も「ライ麦」を読んだことがありません☆

 

最近読んでいるのは、ブラジル生まれの作家パウロ・コエーリョの初期の作品。

『ブリーダ』(角川文庫)

 

角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2012-04-25

 

 

 

 

 

 

「魔術を習いたいんです」

現代の女子大生ブリーダは、スピリチュアルな物にひかれ、魔術師と呼ばれる者たちの門をたたく。

私は信仰心の薄い人間なので(家は一応仏教です)、スピリチュアルな物に対する理解が間違っているかも知れませんが、ようするに、自分と向かい合うことの大切さが書かれているんだと思います。

この作者の作品、『アルケミスト』はすごく好きだったんですけどね~

 

偶然といえば、スーパーのレジでレシートをもらう時、買い物の合計が777円だったりすると、すっごくラッキーな気がしてしまうのはどうしてでしょう?

それだけお金を払わなきゃいけないのにねえ。

 


小川洋子 『最果てアーケード』

2012-07-14 23:37:55 | 日本人作家

本屋さんで立ち読みをしていると、ふいにこんな会話が聞こえてきました。

「ずっと派遣で働いていたので友達いないんですよ。ネットの知り合いばかりで…」

……どういう流れでそんなセリフが?

どうやら男の人が女の人に対して話しているようなのですが、前後の会話がまったく想像できなくて、しばらく呆然と立ち尽くしてしまいました。

何を訊かれたらそういう答えになるの?

というか、じゃあ今話しているのは誰?

世の中には、いろいろな立場、境遇の人がいますよね。

コンビニで、携帯でしきりに商品の説明をしては、どれを買うのか電話の向こうの奥さん(彼女?)に選んでもらっている若い兄ちゃん。

どれでもいいよ、こっちがわざわざ買いに来ているんだから文句なんか言わすな!!

と、その姿を見ていると全然関係ないくせに、つい無責任にたきつけたくなってしまいます(苦笑)

 

ずっと派遣で友達もいないという彼のいた本屋さんで立ち読みしていたのは、小川洋子さんの、

 

『最果てアーケード』(講談社)

 

講談社
発売日:2012-06-20

 

 

 

 

 

 

ともすると通り過ぎてしまいそうな小さなアーケード。

そこに並ぶのは、やっているのかどうかもわからないほど、目立たない小さなお店たち。

そんなアーケードの突き当たりに、小さな中庭があり、本棚のある休憩所がある。

そこには、犬を連れた女性が一人…

 

愛するものを失った人々が、想い出を買いにくる、世界で一番小さなアーケード。

酒井駒子さんの表紙が素敵だったのと、小川洋子さんの本ということで前から気になっていたんですよね。

いくつかのお話があるのですが、私は「百科事典少女」というお話が一番好きかな。

見えないウサギの義眼を探している「兎夫人」も雰囲気は好きです。

「人さらいの時計」という言葉には、内容ではなくその言葉自体に惹かれました。

ちょうど最近見た『グスコーブドリの伝記』というアニメ映画でも、「人さらい」が幻想的に描かれていたんですよね。

ここではない世界に連れて行ってしまう怖い存在…

 

子供の頃には、確かにそんな存在を感じていました。

それは夜更かしをしたり、言うことをきかない悪い子を連れて行く存在だったり、デパートやお祭りで親の手を離すと、どこからともなく現れる大きな大人だったり、いつもどこか物陰に隠れて、子供たちが油断するのをジッと待っている黒い影だったり、どこか良心に対する警報のような存在としてとらえていたのかも知れません。

昔話によく出てくる魔女ややまんば、子供をさらって食べてしまう怖い存在。

専門的には親が植えつけた罪悪感の反映だとか、いろいろ理屈はつけられるでしょうが、小川洋子さんの作品には、どこかそんな子供の頃の記憶に呼びかけてくるところがあるんですよね~

 

いまの時代、子供たちは何が怖いのかな?

 

ラスト「あれ?」と思わせる描写も、後を引く感じで余韻があってなかなか良かったです♪

実は私も百科事典は大好き!

家に訪問販売の人から買った大きな百科事典があって、オールカラーでとても立派なものがそろっていたんです。

よくページをめくっては、大砲だとか、お城だとか、巻末についている絵画だとかをながめていました。

お小遣いで自分の本を買えるようになるまででしたけどね。

 


『サラダ好きのライオン』、『グスコーブドリの伝記』

2012-07-12 22:01:30 | 映画

村上春樹さんが雑誌「anan」に連載されていたエッセイをまとめた本。

 

『サラダ好きのライオン 村上ラヂオ3』(マガジンハウス)

 

を読みました♪

 

マガジンハウス
発売日:2012-07-09

 

 

 

 

 

 

 

 

毎回本にまとめられると読んでいますが、ホントいつも楽しい!

 

 眠れない夜は僕にとって、サラダ好きのライオンぐらい珍しい…

 

このめんどくさい表現がいいでしょ♪

オムレツ作りへのこだわりとか、オペラ歌手の発声練習にうんざりしている飼い猫とか、女性は怒りたい事があるから怒るのではなく、怒りたい時に怒るのだ、とか(苦笑)

話題も様々で楽しませてくれます。(決してすべてに同意はしませんけどね☆)

海外でよく勘違いする「スーパーサラダ」とか(実際は早口で「スープ オア サラダ?」と訊かれている♪)

水族館でマグロを見て「あらおいしそう。一本もって帰れないかしら」とつぶやく、肉食系じゃなくて魚食系おばさんとか(笑)

映画や音楽や猫や食べ物について、あっちへ飛びこっちへ飛びしながら、好き勝手に書いてるって感じの、肩の力を抜いて読めるエッセイ。

私はやっぱりこの人の長編小説より、こうした短いお話のほうが好きだなぁ。

 

その他、今週は久しぶりに映画も観に行って来ました。

杉井ギサブロー監督のアニメーション映画『グスコーブドリの伝記』♪

原作は有名な宮澤賢治。

英雄的な行動で、町を、人々を救う悲劇を描いた作品なのですが、キャラクターが猫の姿をしているためか、物語全体が抽象化されて、観ている者によりメッセージが強く伝わってくるような気がしました。

生きるとはどういうことか。

自分の命の使い方について…

ともかく美術がキレイで、他の作品では見たこともないような映像になっていました。

イーハトーブの森を形成している木々の連なりや、黄金に実る稲穂は一見の価値アリです!!

幼い妹ネリとの別れなど(賢治も実際に最愛の妹を亡くしています)、見ていて自分も家族のことが頭に浮かんでしまい、思わず実家に帰りたくなってしまいました(苦笑)

帰ったところで、幼い日には戻れないんですけどね。

そしてこの映画でもっとも注目するべき点は、監修を担当された天沢退二郎先生!!

宮澤賢治といえばこの人!

天沢退二郎先生の書いた『光車よ、まわれ!』は私の愛読書です♪

 

 

 

 

 

 

 

 

映画が始まる前に、細田守監督の最新アニメ映画、『おおかみこどもの雨と雪』の予告編が流れたのですが、これもとっても良かった☆

細田守監督といえば、『サマーウォーズ』のヒットがありましたよね。

小説化されたものはすでに読んだので(立ち読みで♪)、内容はだいたいわかっていますが、やっぱりこの作品も映像で見てみたい!

いやぁ、日本のアニメ、頑張っていますね。

『おおかみこどもの雨と雪』は7月21日公開予定。

今からとっても楽しみです♪

 


良寛さんと、マンガ「会いにいくよ」

2012-07-11 23:21:41 | 本と日常

このところちょっと忙しくて、パソコンを開く時間もありませんでした。

まぁ、このご時勢ですから、ありがたいといえばありがたいんですけどね。

 

しかし人間の体も心も休養は必要。

肉体的な疲れは食べて寝ればまだなんとかなりますが(岩盤浴にも行って来ました♪)、精神的な疲れは意識して栄養と休息を与えてやらないと。

というわけでもないのですが、今日は『蓮(はちす)の露』の中に書き留められている「良寛戒語」というのを読んでいました。

蓮(はちす)というのは、「ハス」のこと。

「良寛さん」と親しみを込めて呼ばれるこの人は、江戸時代に越後の国で暮らしたお坊さんで、その弟子、貞心尼(出家した女性)によって『蓮の露』は書かれました。

29歳の貞心尼が良寛さんの門をたたいた時、良寛さんは70歳。

美貌の未亡人だったと今に伝わる貞心尼と、70歳をこえた良寛さんが一緒に過ごした時間は4年足らず。

二人の関係も気になるところですが、今日は良寛さんの言葉として、貞心尼が書き残した「戒語」について。

 

まあ、簡単にいうと「こういうことはしてはいけないよ」というようなことが、90以上も書いてあるのですが、その一つ一つが、21世紀に生きる自分にもすごく当てはまって、「そうだよなぁ~」と納得してしまいます。

簡単に紹介すると。

 

「しないほうがよいこと」

・言葉の多き

・話の長き

・表裏口

・客の前に人を叱る

・憎き心もちて人を叱る

・人の嫌がるおどけ

・人の傷つくことをいう

・自慢話

・減らず口

・人のもの言い切らぬうちにものをいう

・あなどること

・親切らしくものいう

・よく物の講釈をしたがる

・よく知らぬことを憚(はばか)りなくいう

などなど。

 

すげぇわかる(苦笑)

自分にあてはまるものや、他人がやっていて不快に感じたことがあるものばかり!

人間って、いつの時代も変わらないのかも知れませんね☆

自慢話はひかえよう…(笑)

 

良寛さんは、死ぬまで自分の寺は持たず、必要な物は托鉢でわけてもらっていたそうです。

それでも十分生きてはいける。

天衣無縫。

過去にとらわれず、未来を恐れず、小さき童のように、無心に遊びに興じるように生きる。

我を捨てる。

それは己の心のままに行動することではなくて、己を律してコントロールしなければできないこと。

相手の立場に立つこと。

利害関係やどちらが正義で正義ではないかが問題なのではなく、理屈で考えた小さな考えを抜け出して、それを乗り越えて初めてその立場に立てる。

正しいからって、それを主張するだけなら、動物にだってできますからね。

ライオンはシマウマを食べるのに躊躇なんかしません。

相手のミスを鬼の首を取ったかのように攻め立てて相手を追い詰めても、それは所詮自分が正しいと主張したいという自分の「欲」に支配されているだけのこと、人間だけが相手の立場に立って物を考えることができる…

と、斉藤茂太さんの『豆腐の如く』(ちくま文庫)という本に書いてありました(苦笑)

 

実際に実行するのはなかなか大変ですけどね。

 

現在発売されている週刊誌、「週刊少年マガジン」に、この「私的図書館」でも紹介した、絵本作家”のぶみ”さんの東日本大震災直後のボランティア活動を描いた『上を向いて歩こう』、その本を原作にしたマンガ「会いにいくよ」が掲載されています。

現場の空気感、臭い、作業、どれも実際の体験をもとに描かれていて、ボランティアを経験した私にもとても伝わるものがありました。

もっとも、掲載にあたって、さすがに原作にあるような衝撃的な内容まではマンガでは描かれていませんでした。ここに書くのも憚れます。

興味のわいた方は、原作であるのぶみさんの『上を向いて歩こう』を読んでいただければ、マンガに描けなかった部分がどこなのか、わかってもらえると思います。

マンガを描いておられる作家さんたちも、実際に何度も現地でボランティア活動をされているのを、ブログやニュースで見て知っているので、このマンガを一人でも多くの人に読んでもらいたいと思いました。

コンビニで立ち読みでもいいです(苦笑)

手に取ってもらえたら嬉しいです☆

 


ツーリングに行って来ました

2012-07-06 08:11:51 | 日々の出来事

この間のお休み、久しぶりにバイクに乗ってツーリングに行って来ました♪

といっても近場をグルッと回っただけです(苦笑)

でもやっぱり風を切って走るのは気持ちいい☆

交通ルールを守って、安全運転を心がければ、バイクはとっても魅力的な乗り物です。

 

 

今回乗ったのはレンタルバイク屋さんで借りた物。

実は前に持っていたバイクは手放してしまい、今回初めてレンタルバイクを利用してみたんです。

駐車場代や保険料、税金などの管理維持費を考えると、通勤で毎日使わない限り、レンタルで十分かなと。

車を共同で使うカーシェアリングや、自転車を近くの場所で借りて別の場所で返す取り組みはすでにいくつか行われていますが、バイクもレンタルで十分な気がします。

「自分の物」に愛着を感じる人もいるでしょうが、使わない時間が圧倒的に多いことを考えると、やっぱりもったいない気がして。

車も本当はその方が経済的にも環境的もいいような気がするのですが、こちらは毎日通勤で使っているので今のところ無理。

もっとも、車がなくちゃっどこにも行けないうちの実家のような田舎では、いきなりレンタルというわけにはいかないでしょうが。

 

レンタルバイクのいいところは、いろんな種類のバイクに気軽に乗れること♪

今回乗ったのはkawasakiのバリオス2というバイクなのですが(排気量250cc)、そのうちアメリカの映画によく登場するハーレーダビッドソンにも乗ってみたいなと考えています(一応大型免許持っています)

「イージー・ライダー」(1969年)とかビデオで観ました。

でも実は今まで250cc以上のバイクには教習所以外で乗ったことがないので、ちょっと怖いんですよね(苦笑)

怖いけれど、乗ってみたい!

次回はもう少し大きくてハーレーよりは小さなバイクで練習してみようと考えています。

レンタルならそれも可能なので、徐々に慣れていき、いつかは憧れのハーレーに(笑)

とりあえずの次の目標は、ヤマハから出ているドラッグスターっていうバイクかな。

 


賢き人はよく学ぶ

2012-07-04 22:34:44 | ハリー・ポッター

本屋のアルバイト!

もっと本を読みなさい!!

 

7月3日に発売された『ハリー・ポッターと賢者の石』の文庫版。

さっそく立ち読みをしてきたのですが、その時の一幕。

本屋のレジは3つあって、ひとつには「研修中」のプレートをつけた若い男の子、もうひとつは一番混んでいて、ベテランっぽい女の人、最後のひとつには他のアルバイトに話しかけている髪を伸ばした青年が立っていました。

ハリー・ポッターの文庫本発売を宣伝するポスターはレジ横にも張ってあるのに、ちょっと売り場が見当たりません。

混んでいるレジは話しかけ辛いし、かといって研修君には荷が重いかも…

ということは、アノ青年か…

 

「すみません、このポスターに書かれているハリー・ポッターの文庫本はどこにありますか?」

「ハリー・ポッターの文庫本ですか? 少々お待ち下さい」

 

青年は何やらパソコンに打ち込み、検索し始めました。

レジのテーブルが低いので、画面が見えてしまったのですが、検索の結果ズラズラと出てきたハードカバー、携帯版、それぞれ1巻から7巻(4巻からは上下巻)までのタイトルを、下へ下へとたどっていく青年。(ハリー・ポッターは全7巻です。今回文庫化されたのは1巻)

 

え、この子、まさか文庫本発売を知らないんじゃ?

 

青年の数センチ横には「ハリポタ、文庫本発売!」のポスターがちゃんと張ってあります!

なのに、なんで通常の在庫検索してるの、この子!?

もはや指名手配犯を追い返す警察官は当たり前。

本を知らない書店員は珍しくないってことなのか?

私も多少取り乱していたかも知れません(苦笑)

その時です。

ビックリまなこで青年を眺めている私を見かねたのか、それまで青年の後ろのスペースで検品作業をしていた若い女性店員さんが、「売り場にご案内します」と青年を押し分けて申し出てくれました。

そんな状況なのに未練がましくまだパソコンをいじっている青年。

私にも女性店員さんにも一言もありません。

おいおいおい、それでやり過ごす気か?

無視したって問題は無かったことにはならないぞ。

過ちを認めないことが過ちなんだって昔の中国の人もいってるじゃないか。

向上心はないの?

せめてお店のポスターくらい見ようよ。

あと五百字くらいある文句を0.5秒で青年に視線で送りつけ、身をひるがえしてさっそうと店内を歩いていく女性店員さんの後に続きました。

その背中の頼もしいこと!!

やっぱり書店員さんはこうでなくちゃっね♪

 

長髪の青年アルバイトがイケメンだったのも何か許せない。

対して私を案内してくれた女性店員さんが、ちょっとぽっちゃり体型で地味な印象だったのも何か悔しい。

いいか、人間は外見じゃないんだ!

書店員なら本くらい読みなさい!

…スミマセン、外見うんぬんはこの際関係ないですね。

いつも外見で損をしていると思い込んでいる私の個人的なひがみです(苦笑)

あの女性店員さんの時給が上がるといいなぁ…

 

肝心の『ハリー・ポッターと賢者の石』文庫版ですが、とくに目を引く表紙のデザインでもないし、文庫ならではの特典もサプライズもなし。

え、ローリング女史の文庫本書下ろし「日本の読者の皆様へ」とかないの?

とちょっと思ってしまいました。

おまけがあれば、すでにハードカバーを持っている人も新たに買うのに、もったいない。

文庫版は全23巻?

う~ん、どんなペースで出るんだろう。

内容は久しぶりに読んだのと、映画の影響でけっこう思い違いをしていて、懐かしくも新たな発見がありました。

ハリーたちが「フラッフィー」と最初に会うシーンでネビルが一緒だったとか。

てっきりハリーとロンとハーマイオニーの三人だと思ってた!

 

せっかく案内してもらいましたが、最初からの予定通り、立ち読みで済ませました(笑)

売り上げに貢献できなくでごめんなさい。

 


お久しぶり♪ 『ハリー・ポッターと賢者の石』

2012-07-02 22:29:53 | ハリー・ポッター

ようやく「ハリー・ポッター」シリーズが文庫化されましたね!

 

 

 

 

 

 

 

 

1997年にイギリスで発売された、魔法使いとして生まれた少年、ハリー・ポッターの友情と成長を描いた作品。

作者のJ.K.ローリング女史は、この物語を書いた時、シングルマザーでお金も無く、小説家としてもまったくの新人でした。執筆の多くは、近くのカフェで行ったとか。

 

9と3/4番線。

ホグワーツ魔法魔術学校。

11歳の誕生日まで、自分が魔法使いだと知らずに育った男の子、ハリー・ポッター。

やがてハリーの無二の親友となるロンと、ハーマイオニー。

そして、すべての人々の運命を握る、「例のあの人」

 

魔法学校での楽しい寮生活や、登場する数々の魔法に魔法薬に魔法生物!

何より、「マグル」と呼ばれる「魔法使いではない人々」の社会が、すぐ隣に共存しているという設定が面白かった♪

もっと早く文庫化してもよかったのに~

私は読み始めた時期は遅かったのですが、結局ハードカバーで全巻買いましたからね☆

映画も全部見ています♪

最近ちょっと魔法とファンタジーが不足しているので、これでまたファンタジーブームが盛り上がってくれると嬉しいんだけど。

ちなみに文庫は買いませんよ(苦笑)

立ち読みする予定です☆