私的図書館

本好き人の365日

賢き人はよく学ぶ

2012-07-04 22:34:44 | ハリー・ポッター

本屋のアルバイト!

もっと本を読みなさい!!

 

7月3日に発売された『ハリー・ポッターと賢者の石』の文庫版。

さっそく立ち読みをしてきたのですが、その時の一幕。

本屋のレジは3つあって、ひとつには「研修中」のプレートをつけた若い男の子、もうひとつは一番混んでいて、ベテランっぽい女の人、最後のひとつには他のアルバイトに話しかけている髪を伸ばした青年が立っていました。

ハリー・ポッターの文庫本発売を宣伝するポスターはレジ横にも張ってあるのに、ちょっと売り場が見当たりません。

混んでいるレジは話しかけ辛いし、かといって研修君には荷が重いかも…

ということは、アノ青年か…

 

「すみません、このポスターに書かれているハリー・ポッターの文庫本はどこにありますか?」

「ハリー・ポッターの文庫本ですか? 少々お待ち下さい」

 

青年は何やらパソコンに打ち込み、検索し始めました。

レジのテーブルが低いので、画面が見えてしまったのですが、検索の結果ズラズラと出てきたハードカバー、携帯版、それぞれ1巻から7巻(4巻からは上下巻)までのタイトルを、下へ下へとたどっていく青年。(ハリー・ポッターは全7巻です。今回文庫化されたのは1巻)

 

え、この子、まさか文庫本発売を知らないんじゃ?

 

青年の数センチ横には「ハリポタ、文庫本発売!」のポスターがちゃんと張ってあります!

なのに、なんで通常の在庫検索してるの、この子!?

もはや指名手配犯を追い返す警察官は当たり前。

本を知らない書店員は珍しくないってことなのか?

私も多少取り乱していたかも知れません(苦笑)

その時です。

ビックリまなこで青年を眺めている私を見かねたのか、それまで青年の後ろのスペースで検品作業をしていた若い女性店員さんが、「売り場にご案内します」と青年を押し分けて申し出てくれました。

そんな状況なのに未練がましくまだパソコンをいじっている青年。

私にも女性店員さんにも一言もありません。

おいおいおい、それでやり過ごす気か?

無視したって問題は無かったことにはならないぞ。

過ちを認めないことが過ちなんだって昔の中国の人もいってるじゃないか。

向上心はないの?

せめてお店のポスターくらい見ようよ。

あと五百字くらいある文句を0.5秒で青年に視線で送りつけ、身をひるがえしてさっそうと店内を歩いていく女性店員さんの後に続きました。

その背中の頼もしいこと!!

やっぱり書店員さんはこうでなくちゃっね♪

 

長髪の青年アルバイトがイケメンだったのも何か許せない。

対して私を案内してくれた女性店員さんが、ちょっとぽっちゃり体型で地味な印象だったのも何か悔しい。

いいか、人間は外見じゃないんだ!

書店員なら本くらい読みなさい!

…スミマセン、外見うんぬんはこの際関係ないですね。

いつも外見で損をしていると思い込んでいる私の個人的なひがみです(苦笑)

あの女性店員さんの時給が上がるといいなぁ…

 

肝心の『ハリー・ポッターと賢者の石』文庫版ですが、とくに目を引く表紙のデザインでもないし、文庫ならではの特典もサプライズもなし。

え、ローリング女史の文庫本書下ろし「日本の読者の皆様へ」とかないの?

とちょっと思ってしまいました。

おまけがあれば、すでにハードカバーを持っている人も新たに買うのに、もったいない。

文庫版は全23巻?

う~ん、どんなペースで出るんだろう。

内容は久しぶりに読んだのと、映画の影響でけっこう思い違いをしていて、懐かしくも新たな発見がありました。

ハリーたちが「フラッフィー」と最初に会うシーンでネビルが一緒だったとか。

てっきりハリーとロンとハーマイオニーの三人だと思ってた!

 

せっかく案内してもらいましたが、最初からの予定通り、立ち読みで済ませました(笑)

売り上げに貢献できなくでごめんなさい。

 


お久しぶり♪ 『ハリー・ポッターと賢者の石』

2012-07-02 22:29:53 | ハリー・ポッター

ようやく「ハリー・ポッター」シリーズが文庫化されましたね!

 

 

 

 

 

 

 

 

1997年にイギリスで発売された、魔法使いとして生まれた少年、ハリー・ポッターの友情と成長を描いた作品。

作者のJ.K.ローリング女史は、この物語を書いた時、シングルマザーでお金も無く、小説家としてもまったくの新人でした。執筆の多くは、近くのカフェで行ったとか。

 

9と3/4番線。

ホグワーツ魔法魔術学校。

11歳の誕生日まで、自分が魔法使いだと知らずに育った男の子、ハリー・ポッター。

やがてハリーの無二の親友となるロンと、ハーマイオニー。

そして、すべての人々の運命を握る、「例のあの人」

 

魔法学校での楽しい寮生活や、登場する数々の魔法に魔法薬に魔法生物!

何より、「マグル」と呼ばれる「魔法使いではない人々」の社会が、すぐ隣に共存しているという設定が面白かった♪

もっと早く文庫化してもよかったのに~

私は読み始めた時期は遅かったのですが、結局ハードカバーで全巻買いましたからね☆

映画も全部見ています♪

最近ちょっと魔法とファンタジーが不足しているので、これでまたファンタジーブームが盛り上がってくれると嬉しいんだけど。

ちなみに文庫は買いませんよ(苦笑)

立ち読みする予定です☆ 

 


二月の本棚 4 『吟遊詩人ビードルの物語』

2009-02-28 21:40:00 | ハリー・ポッター
有名な『ぺちゃくちゃウサちゃんとぺちゃくちゃ切り株』のお話はご存知ですか?

ご存じない?

もしかしてあなたは『白雪姫と七人の小人』とか、『シンデレラ』を聞かされて育ったのでは?
それはよかった♪
あなたは魔法使いに育てられたわけではないんですね☆

さて今回は、魔法使いに育てられた子供なら誰もが知っているお話。
J・K・ローリングの

『吟遊詩人ビードルの物語』

をご紹介しましょう☆

タネ明かし♪
『吟遊詩人ビードルの物語』とはJ・K・ローリングのベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの中に出てくる一冊の本です。

物語の中では、偉大な魔法使いダンブルドアから、主人公ハリー・ポッターの親友ハーマイオニーに贈られた本として、最終巻に登場します。
その本が、なんと実際に出版されているのです☆

魔法使いの子供なら、幼い時に誰もが聞かされた物語♪

「魔法使いとポンポン跳ぶポット」
「豊かな幸運の泉」
「毛だらけ心臓の魔法戦士」
「バビティ兎ちゃんとペチャクチャ切り株」
「三人兄弟の物語」

それぞれの物語に、アルバス・ダンブルドアのコメントが寄せられています☆

最初、この『吟遊詩人ビードルの物語』は作者の手書きで、イラストも作者自身が描いて7冊だけ作られ、6冊は友人に贈られ、7冊目は子供達を救う慈善団体に寄付されたそうです。

「ハリー・ポッター」の人気を考えたら、寄付されたその一冊にどれほどの価値が付いたことか!

今回のこの本は、新たにダンブルドアのコメントなどを加えて、物語として仕上げたもので、出版社が著者の版権料の全額をCHLG(児童ハイレベル・グループ)の慈善事業に寄付するという形で出版が実現したそうです。CHLGというのは著者も参加している慈善団体だそうですが、こうして富を得た者が社会のためにお金を還元するというのはいいことですね♪
うちの国の議員さんたちにも見習って欲しいなぁ★

それぞれの物語は読み物としてそれだけで面白いのですが、「ハリー・ポッター」を読んでいるともっと楽しめると思います♪

三人の魔法使いの兄弟が、旅の途中で出会った「死」
「死」は三人の魔法使いに何でも望む物を贈るといいますが、上の二人の兄と違って末の賢い弟は意外な物を望みます。
さて、それは何だったのでしょう?

こういう本があるっていうのはファンにとっては嬉しいですね♪

『眠れる森の美女』や『かぐや姫』の物語も素敵だけれど、たまには、魔法使いのお伽話に耳を傾けては見ませんか☆









J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

二月の本棚 3 『ハリー・ポッターと死の秘宝』

2009-02-26 20:38:00 | ハリー・ポッター
「ハリー・ポッター」は、ある日突然、自分が魔法使いだと知らされた11歳の少年ハリー・ポッターが、魔法使いの学校に入って、厳しい先生や友人たちに囲まれて成長していく物語です。

ハリー自身は知りませんでしたが、かつて魔法使いの社会を恐怖に陥れた闇の魔法使いを倒して生き残った男の子としてハリーは有名人。

しかし、ハリーの両親の命を奪い、魔法使いたちを支配して、この世界に自分の力を見せつけようともくろんだ闇の魔法使いは完全に死んでしまったのではなく、虎視眈々と復活をもくろみ、その手下たちと共に常に暗躍しているのでした。

イギリスの作家J・K・ローリングの書いた大ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズ。
今回はその最終巻にあたる第7巻。

『ハリー・ポッターと死の秘宝』

をご紹介しましょう☆

「ハリー・ポッター」の楽しさといったら、なんといってもその学校生活♪

魔法使いの学校といっても、登場するのはイギリスによくある全寮制の学校で、寮ごとにライバル意識を持っていていつも張り合っていたり、生徒は山ほど出される宿題に頭を抱えたり、嫌な先生や苦手な授業にボヤいたりと、普通の人間たちの学校とほとんど変わりません☆

ただし、そこは魔法使いの学校♪
呪文や魔法の薬の授業があったり、屋敷しもべなんていう妖精が雑用をこなしていたり、極めつけは廊下や食堂に普通にゴースト(幽霊)が浮かんでいて、生徒と挨拶したりおしゃべりしたりしているのです☆

日本のおどろおどろしい幽霊たちと違って、こちらのゴーストはとっても陽気で社交的(笑)

幽霊屋敷や降霊会とか、イギリス人ってこの手の話が好きそうだから、幽霊のイメージも日常的なんでしょうかね~♪

さて、物語は第1巻からこそこそと復活のために動き回ってきた闇の魔法使いが、第6巻にしてついに最大の障害を取り除いたことで、とうとう本格的に動き出します。破壊活動や誘拐、殺人。”服従の呪文”によって人々を操り、魔法省も、ついにはハリーたちの学ぶホグワーツ魔法魔術学校も彼の手に!!

そしてついに、闇の魔法使いが魔法使いの社会を支配してしまうと、両親が正統な魔法使いである”純血”以外の魔法使いたちは弾圧され、逆らう者はアズカバンの監獄へ入れられてしまう、まさに恐怖政治が始まります。もちろん、偉大な魔法使いでありホグワーツの校長”だった”ダンブルドアと一緒に戦った不死鳥の騎士団のメンバーをはじめ、心ある人々は、闇の魔法使いに対してレジスタンス活動で対抗します。しかしその中にハリーの姿はありません。

ハリーと、ハリーの親友、ロンとハーマイオニーの三人には、やらなければならないことがあったのです。
闇の魔法使いを今度こそ本当に倒すために…

この巻で17歳になるハリー。
まだ11歳だった第1巻の頃に比べたら、背も伸びたし魔法もたくさん使えるようになりました。恋もしたし、人を愛することも、愛する人を失う悲しみも体験しました。でも、こんなことを書くとファンの人に怒られてしまうかも知れないけれど…
でもやっぱり…
もう少し違ったハリーも見てみたい!

もちろん、成長はしてますよ。
肉体的だけじゃなくて、精神的なことでもいろいろな面を見せてくれます。

でも、11歳の男の子と17歳の男の子じゃ普通もう別人みたいなものでしょ!(もちろん女の子だって)
物語だからって言われたら仕方がないかも知れないけれど、あまりに闇の魔法使いとの関係に縛られて、自由さがないっていうか、変化が少ないっていうか、ハリーってずっと同じ印象なんですよ!!

もちろんそこがいいところでもあるんですが、もっといろいろなハリーが見てみたい!

趣味は何なの?
服の好みは変わったりしないの?
好きな食べ物や嫌いな食べ物はないのハリー?

これじゃただのファンですね☆

ま、実際闇の魔法使いに(いろいろな意味で)縛られているわけだし、自分の運命が嫌になって自分探しの放浪の旅になんて出かけちゃったら、本が何冊になるかわからないし、ハリーの周りの人々がそれでなくても個性的だからハリーくらい目的に向って突っ走ってもらわなくちゃいけないのかも知れないけれど…

それに比べてハリーの親友のロンや、学友のロングボトムはいろいろな面を見せてくれます。
ロングボトムなんて最終巻では別人みたい!

物語の最後近く、ロングボトムの活躍にはまるで自分の子供が苦手なリレーで一等賞になったような気持ちがしました♪

ハリーはオリンピック選手の子供で優勝するのがあたり前みたいなところがあって…
きっとそれはそれですごい苦労や努力が必要で、人にはわからない苦しみなんだろうけれど、だからこそ、誰もハリーのことを知らない世界でどんな活躍をするのか、その成長が見てみたかった気がするのです。いくら運命だからって、まっすぐ走りすぎのような気がする。もし、闇の魔法使いを倒してしまったらハリーは何をするの?

つまり…もっとハリーの物語が読みたい!!

 ってこと☆

こんなことが気になるのは、それだけハリーの物語に夢中になったからです。
そう思ってご容赦下さい。

この第7巻をもって「ハリー・ポッター」は完結します♪
完結してしまうんです!

この苦境をハリー達はどうやって乗り切るのか?
闇の魔法使いとの対決の行方は?
ダンブルドアがかつて探し求めた”死の秘宝”とは?
そして、記憶の中をたどり、真実を知ったハリーのたどりつく結論…


「僕は、まもなく死ぬ」

       ~『ハリー・ポッターと死の秘宝』(下巻)


~!!!!!

ハリー、ダメ~~~~!!

ハリーを待ち受ける過酷な運命。
ダンブルドアの衝撃の過去も明らかになります!

ロンが、ハーマイオニーが、そしてホグワーツが!!

このシリーズの第1巻から変わらずハリーが持ち続けたもの。
例え、全てを失ったとしても、人間にできるただ一つのこと。

それは、勇気を持って立ち向かうということ♪

多くの大人や、友人に支えられてきたハリー。
その人たちが傷つき、愛する人々が危機にさらされた時、ハリーがとる最後の決断とは?

先月と今月に渡り長々と書いて来ましたが、これで「ハリー・ポッター」シリーズの紹介はお終いです。

全部読んで下さった奇特なお方、ここだけ読んでくれた飛び込みの方、「ハリー・ポッター」をまだ読んでいない方も、もう読みましたって同志の方も、少しでも「ハリー・ポッター」に興味を持っていただけたなら、そして少しでも楽しんでいただけたのなら、とってもとっても嬉しいです☆

いろいろな魅力がつまった「ハリー・ポッター」シリーズ。
これを書くにあたって、最終巻をもう一度読み返しましたが、やっぱり最後の方でまた泣いてしまいました♪

では、ハリー・ポッターがどんな結末を迎えるのか、どうぞ、御自身の目でお確かめ下さい☆










J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

二月の本棚 2 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

2009-02-18 23:47:00 | ハリー・ポッター
イギリスの作家J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ。
今回はその第6巻。

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』

をご紹介します☆

いよいよ「ハリー・ポッター」シリーズも残り2巻となりました♪

長いシリーズ物ってちょっと敷居が高いっていうか、あらためて読み始めるのには覚悟がいりませんか?

エルフやドワーフなど壮大な世界観が魅力の『指輪物語』は3部作、それぞれが上下2冊構成になっていて全部で6冊になります。

洋服ダンスの中から行ける国、もの言う動物たちや木や水の精、ヤギ足のフォーンが踊り、偉大なるライオンのアスランが登場する『ナルニア国物語』は全7巻。

多くの島からなる世界アースシーで、竜と魔法と人間の織り成すドラマが語られ、真なる名前が支配する『ゲド戦記』は全5巻+外伝1巻の合計6冊です♪

『指輪物語』は世界の命運を握る指輪を葬るために過酷な旅に出るホビットの物語。
確かにすごく面白いけれど、あの分量と流暢な文章に途中で根を上げてしまった人もいることでしょう。
作者のトールキン先生はもともと大学の古英語、中世英語を専門とする言語学者さんだったので、とっつきにくい人もいるかも知れません。

その中でも途中の第4巻から上下2冊構成になって、全7巻で11冊にもなる「ハリー・ポッター」シリーズは大容量!

でも、ご安心を☆
これが読めてしまうんですよね~

一巻だけで終ってしまうのはもったいない!

私たちの社会と似ているようで、ちょっと変わっている魔法使いたちの社会♪

暖炉から人が飛び出し、写真の中の人物は動き出し、フクロウが手紙を運ぶ!

魔法省に(魔法大臣の存在は時の首相しか知りません)、魔法使いのための病院、聖マンゴ魔法病院。時たまあやしい記事も載る日刊預言者新聞に、ワールドカップだってある空飛ぶ箒(ほうき)に乗ってするスポーツ「クィディッチ」☆

読み始めるとどんどん先が読みたくなるんです。

ちょっと可笑しな魔法使いたちのことがもっと知りたい!

今回は、魔法使いの社会で、恐怖と共に「例のあの人」と呼ばれる、ハリーの宿敵、闇の魔法使いの過去が明らかになります!

11歳で自分が魔法使いだと知らされ、魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」に入学したハリー・ポッター。
ホグワーツでは様々な授業があります。変身術。呪文学。占い学。魔法史。天文学に薬草学。闇の魔術に対する防衛術。魔法生物飼育学なんてのもあります。

今回16歳になったハリーは、「魔法薬学」の授業で、一冊の教科書を手に入れます。

それはずいぶん古い本で、昔生徒の誰かが使っていたらしく、ページには書き込みがいっぱいしてあって、授業の助けになるものや、ハリーの知らない呪文なんかも書かれていました。

本の署名は「半純血のプリンス」

今回、日本語版のタイトルは、『謎のプリンス』になっていますが、もともとの原書のタイトルは『HALF-BLOOD RINCE』つまり、『半純血のプリンス』☆

純血とは、両親が共に魔法使いの子供のこと。
魔法使いではない人間のことを「マグル」といいますが、マグル生まれの魔法使いを純血の人々は少しバカにしているところがあるのです(ほんの一部の純血だけです)。

ハリーの親友、ハーマイオニーは両親がマグルなので、純血至上主義者で名門出身のマルフォイという生徒から「穢れた血」なんてヒドイ言葉を投げつけられたこともあります。

この教科書のおかげで、それまで魔法薬学の成績はたいしたことなかったハリーはいきなり授業で優等生(苦笑)

それまで成績では誰にも負けたことのなかったハーマイオニーは、その教科書を使うことに反対しますが、こんないいものを男の子が手放すはずがありません(笑)

でもその結果、ハリーの予想もしていなかったとんでもない展開に…

果たして「半純血のプリンス」とは誰なのか?

ちなみに、魔法薬には「惚れ薬」なんてものもありますよ♪

ハリーの命を狙う闇の魔法使いが暗躍し、魔法使いの社会に不安と恐怖が広がる中、闇の魔法使いの過去を調べるべく、ホグワーツの校長、偉大な魔法使いのダンブルドアに連れられて、ハリーは様々な人の記憶の中を旅することになります。闇の魔法使いの子供時代。その両親。ホグワーツに入学した頃。そう、彼はもちろんホグワーツの生徒でした。そして、教師時代のダンブルドアとも会っています。その旅から、ついに闇の魔法使いの秘密が明かされる!!

しかしその時、ダンブルドアが!!

いつも名門を鼻にかけ、高飛車な態度を取っていたマルフォイが、闇の魔法使いからの密命を受け、プレッシャーに押しつぶされていく様子が個人的には見ていられなかったです!

きっと一番人気のないキャラクターだとは思うのですが、マルフォイの家族が「ハリー・ポッター」で果たす役割はとっても大きい…と思うのですが。

違うかな?

あと一冊で終ってしまうなんてもったいない!

でも、やっぱりあと一冊で終るのが「ハリー・ポッター」のいいところなのかも…

ファン心理は複雑です(苦笑)

そうそう、今回、もう一人のハリーの親友、ロンにも生まれて初めて彼女ができます☆

ロンには悪いけれど、その様子が可笑しくって可笑しくって♪♪

次はいよいよ「ハリー・ポッター」最後の一冊。
『ハリー・ポッターと死の秘宝』を紹介したいと思います。

果たしてどんな結末がハリーを待ち構えているのか…

もう少しだけ、お付き合いいただけたら嬉しいです☆















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

二月の本棚 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

2009-02-09 17:01:00 | ハリー・ポッター
イギリスの作家J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ。
今回はその第5巻。

『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』

をご紹介します☆

「ハリー・ポッター」のおかげでファンタジー小説がたくさん出版されるようになりましたね。
昔の作品も注目されるようになり、本好きとしては「ハリー・ポッター」ブームはとってもありがたかったです!

『指輪物語』
『ナルニア国物語』
『ゲド戦記』
は映画化もされました♪

誰か『プリデイン物語』も映画化してくれないかな~

NHK教育で上橋菜穂子さんの『獣の奏者』(毎週土曜日放送)がアニメ化され現在放送されていますが、NHKさん、次は荻原規子さんの『空色勾玉』などいかがでしょうか☆

さて、主人公ハリー・ポッターは現代のイギリスに暮らす男の子です。黒い髪をしてメガネをかけて、ちょっと変わった特徴として、額にうっすらと稲妻のかたちをした傷跡があります。

一緒に住んでいる従兄弟のダドリーにはいつも意地悪されてばかり。ダドリーの両親、バーノン叔父さんもペチュニア叔母さんも、しかたなくハリーを引き取ってはいますが、自分の息子のダドリーばかりを可愛がり、ハリーのことはいつも邪魔者扱い。しかも、具合が悪いことに、ハリーが”魔法使い”であることがわかってしまって、ハリーの待遇はさらに悪くなってしまいます。

そう、ハリー・ポッターは魔法使い♪

11歳の誕生日に、魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」からの入学を知らせる手紙を受け取ったハリーは、自分が魔法使いであることを初めて知るのです!

みにくいアヒルの子がある日を境に突然白鳥に生まれ変わる!!

ハリーの生活は一変します☆

ところが当然、普通の人間は本当に魔法使いが存在しているなんてことは知りません。
世間体を気にするバーノン叔父さんは、魔法使いなんて、絶対に、絶対に、絶対に、認めません。
ハリーがホグワーツに入学すると決まると、近所に対しては「セント・ブルータス更生不能非行少年院」(*)に入っているということにしてしまいます。

このバーノン叔父さんのひどいこと!
第1巻で10歳だったハリーの部屋はなんと階段の下の物置き!!
着ている物も、ハリーはいつもボロボロ。ダドリーのおさがりばかりです。
学校以外では未成年の魔法使いは魔法を使ってはいけないことになっているので、ハリーの家での唯一の慰めは、手紙を運んでくれる白フクロウのヘドウィグくらい。
でも、普通の家にはフクロウが手紙を運んで来たりしないので、バーノン叔父さんの怒りがまたまた爆発!

もっとも、フクロウどころか、たまに空飛ぶ車はやってくる、どうしてだか暖炉から人があらわれる、いつの間にやら居間の壁は吹っ飛ぶ、バーノン叔父さんのお姉さんである(これが叔父さんそっくり!)マージおばさんの体は風船のようにみごとに膨らむ、ダドリーにはお似合いの尻尾が生えると、普通の家ではたぶん起きないようなことが次々と起こったりするので、バーノン叔父さんも大変といえば大変です♪♪

どうしてハリーには両親がいないのか。
どうして親戚の家で育てられているのか。

それには、魔法使いたちの社会で名前を呼ぶことさえはばかられるため、”例のあの人”と呼ばれる闇の魔法使いが関係しています。

闇の魔法使いとの戦いを宿命づけられた少年、ハリー・ポッター。

闇の魔法使いには”死喰い人”=「デスイーター」と呼ばれる部下がたくさんいて、今はその多くが魔法使いの監獄”アズカバン”に収監されています。
闇の魔法使い自身は十年以上も昔に、当時まだ幼かったハリーとハリーの両親を襲った時に、その力と肉体を失いました。
ハリーの額の傷跡は、その時にできたものです。力と肉体。それを取り戻した時、再び闇の魔法使いが復活する…

闇の魔法使いに襲われて、ただ一人生き残った男の子、ハリー・ポッターは魔法使いの社会では有名人。

4巻までのお話で、いよいよ闇の魔法使いが復活し、本格的な戦いが始まろうと予感させるこの第5巻。

ハリーは15歳になりました。

しかし、平和に慣れてしまった人々は、なかなか闇の魔法使いの復活を信じようとはしません。
今回、ことなかれ主義の魔法省の大臣や役人が、”例のあの人”の復活を訴えるハリーやダンブルドアを、やっかい者として排除しようと動き出します。

”例のあの人”はもう死んでしまったと思われているため、マスコミも、ハリーのことをただの目立ちたがり屋だとか、悲劇のヒーローをきどっているとか、さんざん書き立て、ホグワーツの生徒の中にも、ハリーに対する不信感が広がっていきます。

ハリーとダドリーの住む町、リトル・ウィンジングにアズカバンの看守、吸魂鬼(ディメンター)が現れる!

ハリーがホグワーツを退学!?

ダンブルドアが逮捕されるの!?

イライラする若いハリー。

危険が迫っているっていうのに、誰もそのことがわかってない!

タイトルにある「不死鳥の騎士団」とは、現在ホグワーツの校長を務める偉大な魔法使いダンブルドアと共に、かつて闇の魔法使いと”死喰い人”たちに立ち向かった仲間たちのことです。ホグワーツでハリー達と一緒に学ぶネビル・ロングボトムの両親も、かつては騎士団のメンバーでした。今は正常な体と心を失い「聖マンゴ魔法疾患障害病院」に入院しています。そして、ハリーの両親も騎士団のメンバーだったのです。

ダンブルドアだけはわかってくれている。

闇の魔法使いと実際に戦ったダンブルドアなら、その脅威も、僕の気持ちをわかってくれるはず…

ところが、そんなハリーの気持を打ち砕くかのように、ダンブルドアはハリーに冷たい態度を取り続けます。

魔法省によって管理されるホグワーツ。

ハリーたちの友人、森番のハグリットの不在。

額の傷跡が痛んだ時、ハリーが見た映像は、蛇となってうごめく自分の姿!?

出口のない部屋に閉じ込められたような状況の中、危険だけがゆっくりと、しかし確実に世界を絞めつけていく…

そんな時、ついにダンブルドア軍団が立ち上がるのです♪♪

ダンブルドア軍団とは何なのか、それは読んでのお楽しみですが、どんな時でもハリーの味方、親友のロンとハーマイオニーが今回も活躍します☆

いつも足を引っ張っているネビルも急成長!!

ハーマイオニーはダメなことはダメってちゃんと言う子。
ハリーのやろうとしていることに反対したりもするけれど、それはハリーのことを本当に思っているから。

ロンもハリーに腹も立てればケンカもします。
よく失敗もするし、嫉妬もする、弱気になったり無神経に思えたり、でもハリーに対して変な遠慮なんてしない。こびも売らない。そんな必要なんてない。ハリーを本当の家族のように思っているから☆

ハリーを含め私はこの三人のファンです♪♪

後半、”例のあの人”が手に入れようとしている、ある物をめぐって、不死鳥の騎士団と死喰い人の激しい戦いが繰り広げられます。

そしてついに、ダンブルドアと”例のあの人”との直接対決!!

ダンブルドアの不可解な行動のわけとは?
そして、ハリーと”例のあの人”とのつながりとは?

学校の規則に腹を立てた経験のある方。
この巻はぜひお読み下さい☆










J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社



(*)日本語版初版一刷では「セント・ブルータス更生不能非行少年院」は「セント・ブルータス更正不能非行少年院」と表記されています。

一月の本棚 4 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

2009-01-31 23:58:00 | ハリー・ポッター
あなたはどんな時に怒りを感じますか?

自分の考えが無視された時?

誰かが得をして、自分が損をした時?

自分の欲しいものを、誰かが持っていた時?

相手からバカにされ、自分のプライドを傷つけられた時?

感情は、それ自体はとっても大切なものです。
あなたはどんな時に怒りを感じますか?

相手が自分の思い通りにならなかった時?

自分が、自分の思うように行動できなかった時?

困っている時、苦しい時に、誰も助けてくれなかった時?

それとも…自分の愛する人を傷つけられた時?


”…グリフィンドールに行くならば  勇気ある者が住まう寮  勇猛果敢な騎士道で  他とは違うグリフィンドール…”

  ~第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』より~


勇気を試されているのは、何も物語の中の英雄たちばかりではありません。”あなた”が、日々の生活の中で試されているのです。

幼い時、昔話を語ってくれる人はいませんでしたか?
寝物語に聞いたお話の主人公たちは、常に何を持っていましたか?
ただのお話を、何世紀も何世紀もの間、人々が語り伝えて来たのは何のためでしょう。
そこから人々は、何を学んだのでしょう。
大切なのは想像力です。

では、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズ。
その第4巻となる

『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』

の紹介を始めたいと思います☆

闇の魔法使いの力を奪い、「生き残った男の子」ハリー・ポッター。

自分の両親が魔法使いだったことを知り、魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」にハリーが入学して3年が経ちました。
ハリーは14歳です。

これまで、物語の舞台として、ハリー達が学び暮らす「ホグワーツ魔法魔術学校」が大きな役割を演じてきましたが、魔法使いの学校は、なにもハリー達が暮らすイギリスにだけあるわけではありません。

今回、外国にある有名な魔法学校から先生と生徒がホグワーツにやって来ます。
「三大魔法学校対抗試合」がホグワーツで開催されることになったのです♪

これは、三大魔法学校と呼ばれるヨーロッパを代表する三つの魔法学校の親善試合のことで、それぞれの学校から、各校ひとりの代表を選び、三つの魔法競技を行い、優勝杯と賞金を争うというもの。

そのあまりに厳しい競技内容に、死者まで出るようになったため、長いこと開催が中止になっていました。

その競技に出場する選手を選ぶのが、今回タイトルにもなっている”炎のゴブレット”。

ゴブレットとは、日本語ではお酒などを飲む時に使う「杯」(さかずき)のことですが、イギリスではビールなどを飲む時の、もう少し大きな物をさすようです。有名なもので、イエス・キリストが最後の晩餐に使ったといわれる「聖杯」がありますね。

炎のゴブレットも、一見見栄えのしない杯ですが、強力な魔力を秘めており、そのふちからはあふれんばかりの青白い炎が踊っています。

その中に選手に立候補したい生徒は、自分の名前と学校名を書いた羊皮紙を入れ、炎のゴブレットがその中からもっともふさわしい三人の選手を選ぶのです。

ただし、危険な試合のため、今回は年齢制限がもうけられます。
出場資格があるのは17歳以上の生徒のみ。

ホグワーツの校長、偉大な魔法使いであるダンブルドアが、炎のゴブレットから舞い上がる羊皮紙に書かれた生徒の名前を読み上げるたびに、生徒の間から歓声が上がる!

次々と選ばれていく三人の選手たち。
しかし、その時、ありえないことに、炎のゴブレットが四人目の選手を選び出します。
そこに書かれていた名前は…

ハリー・ポッター

この「三大魔法学校対抗試合」でハリーが挑戦することになる三つの魔法競技も、もちろん見どころです☆

でも、この巻で一番の読みどころは、これまでずっと協力してやってきた、ハリーと親友のロンがケンカしてしまうところ!!

自分のことを、いつもあの有名な「ハリー・ポッター」の影に隠れ、”おまけ”のような存在だと感じてしまうロンの感情が爆発します。

果たして、二人の関係はどうなってしまうのか!?

もちろん、あの”名前を呼ぶのがはばかられる”「例のあの人」、闇の魔法使いも登場します。

ハリーの名前が炎のゴブレットから出て来た理由とは?
夜空に不気味に浮かぶ”闇の印”の意味することとは?
他の学校の生徒をもてなすために行われるダンス・パーティーで、ハリーとロンはダンスの相手を獲得できるのか!?
頑張れ男の子!!

女心に悩むハリーがカワイイです♪

ロンにも強力なライバルが出現します(笑)

今月は、J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズを紹介して来ましたが、なぜこの本が世界中の人に読まれ、愛されるのか、私の個人的な感想は…

それは「勇気」でした。

怪物に立ち向かって行く勇気ではありません。
ハリーは、確かに魔法使いですが、特別に強い力を持つヒーローではなく、逆に思い込みや間違いの方が多い、私たちと変わらない普通の人間として描かれています。大人に反抗したり、宿題を怠けたり、決して誘惑にも強いわけではありません。

しょっちゅう親友のハーマイオニーに怒られ、ロンに励まされ、読者をやきもきさせます。でも、いつも立ち向かっていくのです。

自分の損得を考えたことは一度もありません。
…たぶん(女の子と宿題は例外ですけど☆)

物語はここからどんどんハリーにとって過酷なものとなっていきます。
ハリーだけでなく、ロンにも、ハーマイオニーにも、多くの人々に、選択の時が迫ります。
その時、ハリーがどんな選択をするのか…

どうぞ、ご自身の目でお確かめ下さい。

そこに、この物語の魅力が隠されているような気がします。

昔話の主人公たちが、どうして主人公になれたのか。
魔法の力も闇の力も、ハリー・ポッターでさえも、物語で語られているものはいわゆる比喩です。いつでも、どんな物語でも、それは読者の、あなたの物語なのです。
私はそう思います。
想像力が大切です。


”…グリフィンドールに行くならば  勇気ある者が住まう寮  勇猛果敢な騎士道で  他とは違うグリフィンドール…”


このシリーズの紹介は、もう少し続きます。
よろしかったら、もう少しだけ、お付き合い下さいませ☆


















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

一月の本棚 3 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』

2009-01-28 23:58:00 | ハリー・ポッター
J・K・ローリングの「ハリー・ポッター」シリーズは、全7巻の物語です。

第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』
第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』
第3巻『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』
第4巻『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
第5巻『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
第6巻『ハリー・ポッターと謎のプリンス』
第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』

ハードカバー版は4巻からは上下2冊構成。
現在は携帯版といって、少し小さなサイズでお値段も少しだけお得な物が発売されていますので、手に入り易くなりました。
といっても、やっぱりできればもう少し、値段設定を低くしてもらえるとありがたいんですけどね☆

11歳になるまで、自分が魔法使いだとは知らずに、親戚の家で孤独に育ったハリー・ポッター。

ハリーは憶えていませんが、彼がまだ1歳の時、彼と魔法使いだった彼の両親は闇の魔法使いに襲われ、ハリー1人だけが生き残りました。
そして、その時何かが起こり、闇の魔法使いは力を失います。

全編を通して、ハリーの成長と、力を取り戻そうとする、この闇の魔法使いとの戦いが描かれる「ハリー・ポッター」シリーズ。
底辺に流れるのは、人間の心の闇。愛と友情ですが、ハリー自身はそんな”愛”なんてあやふやなものより、ちゃんとした答えが欲しいと思うこともあったりして、若き魔法使いの苦悩などものぞかせます。

もちろん、それだけではありません。
人間社会と共生しながらも普段は隠されている魔法社会。
魔法使いの学校「ホグワーツ魔法魔術学校」に入学することになるハリーの学園生活。
あふれんばかりの宿題に難しい試験。
空飛ぶ箒(ほうき)に乗ってするスポーツ”クィディッチ”。

時には笑いをさそう魔法の数々。
様々な魔法の道具に不思議な魔法生物たち。
もうここには書ききれないくらいたくさんの要素が詰まった作品なんです!

もちろん成長するハリーにはロマンスだって待っています♪

ふられたり、媚薬を盛られたり、ケンカしたり、友達のイチャつく姿に辟易したり、キスしたりと、ハリーも大忙し☆

そんな魅力にあふれた「ハリー・ポッター」シリーズですが、数々の謎も隠されています。

なぜハリーは生き残ったのか?
なぜ闇の魔法使いは死なないのか?
裏切り者は誰?

さて、今回は、そうした謎の一つが解ける、第3巻。

『ハリーポッターとアズカバンの囚人』

をご紹介しましょう☆

「アズカバン」というのは、魔法使いの犯罪者を収監しておくための監獄です。そこには吸魂鬼(ディメンター)と呼ばれる、空飛ぶ恐ろしい人ならざる看守たちがいて、難攻不落、脱獄不可能と言われていました。それなのに、なんとそこに囚われていた大量殺人犯、シリウス・ブラックが脱獄してしまったからさあ大変。

彼はハリー・ポッターを襲った闇の魔法使いの仲間だと目されていて、ハリーの命を狙っているのではないかと憶測が飛び交います。

ホグワーツに配備される吸魂鬼(ディメンター)。
新しくやってきた「闇の魔術に対する防御術」の先生。
守護霊の呪文に、狼男。
ロンドンの街を疾走する、迷子の魔法使い、魔女たちの緊急お助けバス、「夜の騎士バス」(ナイトバス)

今回ハリーは、自分の両親が襲われる原因となった、ある裏切りの真相を知ることになります。

そして気になる予言。

   …闇の帝王は、召し使いの手を借り、再び立ち上がるであろう…

隠された謎がしだい明かされていくのも「ハリー・ポッター」シリーズの魅力☆

ストーリー的には、しだいに暗い影がハリーたちに迫ってきますが、私個人としては、毎回登場する食事シーンが楽しみ♪

とにかく、どっさり!
とにかく、食べる食べる!!

たくさんの生徒が並ぶ長テーブルに、一瞬にして大量の食事が出現するシーンは圧巻です!

スープにサラダにポテトにチキンにローストビーフに、え~と、他いっぱい♪

もちろんその後には大量のデザートが現れるのです♪♪

魔法っていいなぁ~

ま、大広間の真下に厨房があって、屋敷しもべ妖精たちがせっせと料理しているんですけどね☆

あまりにおいしそうなので、なんだか作者の願望が反映しているみたいに思えてしかたありません♪
やっぱり子どもはどんどん食べないと!

さて、力を取り戻すのは闇の陣営ばかりではありません。
今まで同様、ハリーを支えてくれる親友、ロンに、ハーマイオニー。そして、今回、ハリーにとって、とても大切な出会いも待っています。

生きる意欲、幸福な思いを吸い取るといわれる吸魂鬼(ディメンター)。それに対抗する手段は、一番幸せだった想い出を、心に満たすこと。

魔法が使えなくたって、自分を奮い立たせることはできるはず。
幸せな感情を想い出す…

はたして、シリウス・ブラックの狙いは何なのか?
吸魂鬼(ディメンター)にキスされるとどうなるのか?
まさに時間との戦い!

この巻で13歳になるハリー。

ハリーの成長を、どうぞご自身の目でお確かめ下さい☆

















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

一月の本棚 2 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

2009-01-18 23:59:00 | ハリー・ポッター
グリム童話『小人の靴屋』に出てくる小人たちは、おじいさんが疲れて眠っている間に立派な靴を作ってくれました。

いいなぁ~、小人。
寝てる間に誰か仕事や家事をやってくれないかな?

普通大きな屋敷などには掃除や料理をしてくれる、”屋敷しもべ妖精”が住み着いているものですが、さすがにうちのアパートにはいないみたいです。1DKじゃ無理か。
え!?”屋敷しもべ妖精”なんて見たことない?
それはあなたの家が小さいからじゃ…おっと失礼。

”屋敷しもべ妖精”は、J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズに登場します☆

11歳になるまで自分が魔法使いだとは知らずに育った少年、ハリー・ポッターの物語♪

今回は、シリーズの第2巻。

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

をご紹介しましょう☆

『ハリー・ポッター』には妖精だけじゃなくて、他にもさまざまな動物や半獣や幻獣、不思議な魔法生物がたくさん登場するんですよ♪

ユニコーンにケンタウルス。
バンシーにマンドレイク。
小人に吸血鬼。不死鳥に狼男。

そして、なんといっても迫力なのがドラゴン!!

魔法の小道具も充実していて、まずは魔法を使う時の基本の杖(つえ)。
杖がなくては魔法はかけられません。
杖で重要なのはその材質と長さ。
そして芯に使われている材料。

二十六センチの柳の木。二十八センチのマホガニー製。芯に使われるのはユニコーンのたてがみとか、ドラゴンの心臓の琴線、などなど。さまざまな組み合わせあって、杖が持ち主を選ぶといわれています。ちなみにハリーの杖は柊(ヒイラギ)に不死鳥の羽、二十八センチ☆

一時的に変身できる薬「ポリジュース薬」(ただし動物変身には使わないこと!)
強力な眠り薬「生ける屍の水薬」(ロミオとジュリエットに登場しそう♪)
さぼりたい時に病気にしてくれる様々なお菓子の詰め合わせ「ずる休みスナックボックス」(「鼻血ヌルヌル・ヌガー」とか☆)

毎回こうした魔法生物や、魔法の小道具たちがストーリーにどう絡んでくるかも楽しみの一つです♪

闇の魔法使いとの戦いを運命づけられている少年、ハリー・ポッター。

ハリーの両親が亡くなったことと、ハリーの額にある稲妻のような傷跡には、皆から恐れられ「例のあの人」と呼ばれている一人の闇の魔法使いが関係しています。
闇の魔法使いなんていうと、一見、よくある善と悪の戦いのようにも見えますが、そんな簡単に割り切れるものではありません。

『ハリー・ポッター』の魅力は、登場人物が誰もかれも、簡単には割り切れない、そう、とってもある意味”人間的”なところ♪

悪にも善にも転ぶ危うさを持っているところじゃないでしょうか。

大人の描写は強烈です。
自分の築き上げてきた価値観を不安にさせるハリーを、閉じ込めたり無視したりするハリーの唯一の親戚であるおじさんおばさん。
ホグワーツで教える先生にしても、うぬぼれ屋だったり、恐怖で押さえつける先生だったり、身勝手な人物が、これでもかって登場します。

ハリーだって決して”いい子”なんかじゃありません。
規則は破る、授業は聞いていない、宿題はギリギリ、いつも優等生のハーマイオニーのノートを写してばかり。そんなハーマイオニーも、けっこうミーハーなところがあって、お気に入りの有名人の写真を大切にしていたりします♪

でも、それが普通ですよね。完璧な人間なんていないんですから。みんなどこかに欠点がある。というか欠点の方が大半で、どこかにわずかにいいところがある(笑)

でも、そのいいところが、その人をその人にしている☆

物語だからって、変に物分りのいい人を登場させないで、現実にもいそうな、物の分からない大人がたくさん登場するので読んでいてハラハラします。差別やえこひいき、偏見や暴力といった現実の世界にあるものはたいてい登場しています。

だから気が抜けない!
だから続きが気になる!

そこがまた魅力っていえば魅力なんですけどね♪

今回の第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、12歳になったハリーと、2年目の「ホグワーツ魔法魔術学校」での出来事が語られます。

ハリーたちが学ぶ全寮制のホグワーツにある四つの寮。

勇気を重んじるグリフィンドール。
善良であり忠実な友ハッフルパフ。
知識と学ぶ心を尊ぶレイブンクロー。
狡猾なまでに目的をなしとげることを欲するスリザリン。

それぞれの名前は、かつてホグワーツを作った4人の創始者にちなんだものですが、言い伝えによると、魔法使いの家系である純血を重んじたスリザリンは、マグル(魔法使いではない人間のこと)の血の入ったものは、ホグワーツで学ぶべきではないと主張し、他の3人と対立して学校を去ったといいます。

しかし、その時、いつか自分の後継者が現れ、この学校から学ぶにふさわしくない者を追放するために、恐怖の力をある部屋に封印し、誰にもわからないようにしたといわれていました。

それが『秘密の部屋』と呼ばれているものです。

スリザリンの後継者が現れた時、秘密の部屋の封印が解かれる…

ホグワーツで起こる怪事件。
生徒が次々と石となって発見され、その現場には不気味な内容の文字が!
ハリーにだけ聞こえる声!
うごめく何かの気配!

『秘密の部屋』に封印された恐怖の力とは?

今回は、屋敷しもべ妖精のドビーが初登場♪

ハリーの親友、ロンの実家、ウィズリー家の”隠れ穴”でハリーが過ごす夏休みも楽しいです!(ロンは7人兄妹☆)

あぁ、うちにも庭小人が欲しいなぁ~

って、そもそも庭がないから無理か?













J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社

一月の本棚 『ハリー・ポッターと賢者の石』

2009-01-11 03:42:00 | ハリー・ポッター
『ハリー・ポッター』ってどんな本なの?

何がそんなに面白いの?

そんな疑問を持たれている大人の方は多いことでしょう。
普段は本を読まない人でも、名前くらいは知っている、世界的なベストセラー。

発売日に書店に並ぶファンの姿は、社会現象としてニュースにも取り上げられ、映画化もされました。

それとも皆さんには、驚異的な売上げと、作者が手に入れたであろう多額の本の印税の方が気になるのかな?


「よいか、『石』はそんなにすばらしいものではないのじゃ。欲しいだけのお金と命だなんて! 大方の人間が何よりもまずこの二つを選んでしまうじゃろう…困ったことに………」


ダンブルドア校長の嘆きが聞こえてきそう…

『ハリー・ポッター』の魅力って、いったい何?

きっと世界中の子供たちは声をそろえてこう答えるでしょう♪

「そんなの読まなきゃわかんないよ☆」

ごもっとも。
深く賛同いたします。

しかし、世の中には、魔法だの魔法使いだのといったことに、まるっきりなじめない人々がいるのです。

本の中のおとぎ話が何になる?
そんなの”まともな大人”の読むような本じゃない。
それより、穴あけドリルの大口注文のほうがよっぽど重要だ。
そういうことこそ”まともな大人”の考えるべき事柄じゃないか!

ハリーが一緒に暮らしている、ダーズリーおじさんならきっとそう言うでしょう。
おっと、杖を下ろして!
そんな大人に出会ったからって、風船のようにふくらませてはいけません!(気持はわかりますけどね♪)

まあまあ、大目に見てあげて下さい。

何てったって彼らは”まだ読んでいない”のですから☆

では、今回は、お金持ちになることには興味があるけれど、小説なんて読むヒマはないというマグルの方に、そして、幸運にもこれから『ハリー・ポッター』に出会うかも知れない紳士淑女の皆さんに向けて、簡単にご紹介したと思います。

イギリスの作家、J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ、その記念すべき第1弾。

『ハリー・ポッターと賢者の石』

です☆

ちなみに、「マグル」というには、魔法使いではない人間のことです♪

主人公、ハリー・ポッターは黒い髪に緑の目、眼鏡をかけた男の子。

もうすぐ11歳になるハリーは、唯一の親戚、ダーズリー一家と一緒に暮らしています。

といっても、ハリーの部屋は階段下の物置で、着るものといえば、いとこの男の子、ダドリーのお下がりばかり。ちょっと変わった特徴は、額に稲妻のような形の傷跡がうっすらとあること。

ハリーはまったく憶えていませんが、幼い時に自動車事故で両親が亡くなり、傷はその時にできたのだと聞かされました。
でも、詳しいことはわかりません。
「質問は許さない」、このペチュニアおばさんの言葉を守ることが、ダーズリー家で平穏無事に暮らすためには必要なのです。

しょっちゅうダドリーの顔面パンチが飛んでくるので、ボロボロになった眼鏡を引っ掛けているハリー。

学校でもダドリーの仲間ににらまれるので、ハリーに友達はいません。

こんな環境で育って、よくひねくれなかったなぁ、ハリー♪

やせっぽっちのハリーですが、根性はあります!
そして、ある日届くハリー宛の一通の手紙。
そこから、ハリー・ポッターの運命の歯車が、再び動き始めることになるのですが、実はこの手紙が一通ではないところが楽しいです☆

人間の目からは隠された魔法社会。
駅にはあるはずもないホームが存在し、紅色の列車が止まる。
小鬼の銀行。様々な魔法の道具、ふくろうまでも売っているダイアゴン横丁。
魔法学校の教科書に最新型の空飛ぶホウキ。

そして「ホグワーツ魔法魔術学校」!

杖をかざし、呪文を唱える。
魔法使いの社会ではハリーは有名人!!

コンピューターゲームがあったり、飛行機が飛んだりしている現代のイギリスに、魔法使いの社会が共存しているのも楽しいですが、なんといっても細かいところでの遊び心が嬉しい♪

ハリーの初めての友達、そして以後ずっとハリーの親友となるロン・ウィーズリー。
その少年のお母さんが、誰からもプレゼントなんてもらったことのなかったハリーに、自分の子供たちと同じ様に、愛情のこもったクリスマスプレゼントを贈ります。(ロンはそれが苦手みたい♪)

名付けて「ウィーズリー家特製セーター」☆

このお母さん大好き♪♪

魔法学校は全寮制で、生徒は各寮で共同生活を送ることになります。
上級生の監督生が下級生の面倒を見たり、その年の優秀だった寮に送られる「寮対抗杯」を競ったり。授業で活躍したら点数がもらえ、規則を破ればもちろん減点。

「グリフィンドールは十点減点!」

厳しい校則。
もう敵意を持っているとしか思えないくらいの先生がいたり、管理人や学校に住み着いているポルターガイスト(!)の目をかいくぐるために生徒たちが必死にあの手この手を考えたり♪

空飛ぶ箒(ホウキ)を使ったスポーツまであります。

生徒たちの憧れは、最新型高速箒”ニンバス2000”!

魔法学校の不思議な鏡の中で、初めて自分の両親の姿を見つけたハリーが、渇きを癒やすかのようにその姿を求めて通い詰める姿がとっても悲しい…

ハリー・ポッターが魔法使いの社会で有名なのは、名前を呼ぶのがはばかられるため「例のあの人」と呼ばれる人物のせい。

この人物との関係が、シリーズを通して描かれていきます。

かつて、「例のあの人」が唯一恐れたのが、現在のホグワーツの校長、偉大な魔法使いダンブルドア。

忍び寄る闇の気配も気になりますが、もちろん、それだけではなく、ハリーとロン、そしてもう一人の親友ハーマイオニー。仲間たちの成長も読みどころ☆

ハーマイオニーの両親はマグルですが、彼女自身はとっても優秀な魔女。
ちょっとお堅いのと、成績優秀で本の虫なところが、正反対なロンとよく衝突します♪

『賢者の石』というのは、いかなる金属をも黄金に変える力を持ち、不老不死の力を与える『命の水』の源になるといわれている物質。

その『石』を誰かが狙っている!?

幾重にも張り巡らされた魔法の防御をかいくぐり、ホグワーツの奥深くに隠されたはずの『石』にいま危機が迫る!!

その時ハリーたち3人がとった行動とは?

たくさんの子供たちや、多くの大人をも魅了した物語。

この一冊から始まった『ハリー・ポッター』シリーズは、全7巻で展開していきます。

「本を読む」という喜びを、世界中の子供たちにあたえてくれたJ・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ。
ぜひあなたにも、その喜びを味わってもらいたいなぁ~☆

どうしてこの物語が世界中で受け入れられ、こんなにも読まれたのか。
その答えは、この本の中に隠されています♪

ふと夜空を見上げた時、何かが月の前を横切ったら、それは箒に乗った魔法使いかも知れませんよ☆




















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社