私的図書館

本好き人の365日

「初摘みの苺にクリームかけて」

2004-03-28 22:37:00 | 指輪物語
よく晴れた日曜日。
ついに、というか、ようやく、というべきか、観に行って来ました☆

『ロード・オブ・ザ・リング ~王の帰還~』

県を越えて、隣の愛知県まで足を運んで、やっとたどり着いた映画館。
途中で、携帯を忘れたことに気が付いたり、ハンカチを持ってこなかったことを思い出したり、おろしたての靴に苦しめられたりしながらの道のりでした。

で、映画が始まってしばらくは良かったのですが、ゴンドールの狼煙が次々と灯されていくシーンで早くも後悔。
(しまった! ハンカチ持ってくるんだった~)
映画館の片隅で、滂沱の涙を流がしている男の姿がそこにありました(笑)

だって感動したよ~

原作が大好きで、次の展開も結末も分かっているはずなのに、手に汗握ってスクリーンに釘付け!

父に冷たくあしらわれる息子や、ヒビ割れていく友情。
ローハンの騎馬軍団とエオウィン姫。
巨大な”オリファント”に”アングマールの魔王”

何度(アラゴルン早く来て!)という熱い心の叫びを上げたことか♪

いくつか原作ファンとして(大丈夫かな? みんなついて来れてる?)と思ったシーンもあります。

主人公フロドが捕まって運ばれた塔。
そこには勢力の違う二種類のオークがいたんだけど、分かったかな?
それであんなことになってしまう。
セリフで「モルグルのオーク」というのがあって、その他の説明がなかったので、分かりにくかったかも。(ま、なくても全然平気だけどね☆)

あと登場する魔法使い「ガンダルフ」が「ミスランディア」と呼ばれているシーン。
エルフ語でのガンダルフの呼び方なんだけど、違和感ない? (私は全然なかった。むしろそんなところも好き☆)

最後、隣の席の小学生が、ラストシーンで「え、指輪って三つあったの?」とつぶやいたことに対する答え。

『旅の仲間』のオープニングで語られたように、指輪は最初十九個作られた。そのうち三つはエルフに。七つをドワーフに。九つが人間に与えられ、最後にそのすべての指輪を支配する「一つの指輪」が作られたわけ。
「三つの指輪」とは、エルフの持つ指輪のことで、あの場面にいた三人が、それぞれその指輪を持っているので、ああいう言い方になったんだよ、坊や。(な~んてその場で教えてあげたくなってしまった♪)

いかんいかん、原作ファンには知っていることを全部しゃべりたくなってしまうという悪いクセがあるみたい。
ま、これも作品を愛するがゆえの「親バカ」心理みたいなものです。

実は映画には出てこなかったけれど、トム・ボンバディルがお気に入りだったりします。(どのくらい気に入っているかって彼をモデルにオリジナル小説を書いてしまった程)

今回も「王の癒しの手」のシーンが見たかった~☆

でもやっぱり、サム・ギャムジー大好きファンにとっては、今回のラストはとっても満足でした♪♪♪

映画を観てない人にはわからない内容になってしまいましたが、観てない人が悪い!

と、いうことで片付けましょう。

どうぞ、映画をご覧になって下さい。
いや、三部作全部観てもらいたいから、DVDを買って下さい♪
いやいや、それでも足りないから、原作本も買って読んでください!

とにかく、お薦めです☆

一月の本棚 『指輪物語』

2004-01-18 08:49:00 | 指輪物語

映画「ロード・オブ・ザ・リング」はもう観ました?
いよいよ、第三部「王の帰還」が公開されますね。
今から楽しみ♪

新年第一回目の本の紹介は、ロード・オブ・ザ・リング第三部映画公開記念として、また復習の意味で、原作本を紹介したいと思います☆

題して、「ここだけは押さえておきたい指輪物語!」

原作者はJ・R・R・トールキン。(1892~1973)
オックスフォード大学で教鞭をとっていた先生で、古英語、中世英語を専門とする言語学者。
そのかたわらで多くのファンタジー作品をてがけています。

その中でも、世界中から愛され、熱狂的ファンを持つのが、この作品『指輪物語』なんです。

舞台は様々な種族が暮らす「中つ国」。

かつて、自らを創り給うた神と張り合い、悪に走った者達がいた。
その中でも、狡猾に生き残り、人間とエルフ達を支配せんと企むサウロンなる者が、己の力と意思を込めて密かに作った一つの指輪。

先の戦いで多大なる犠牲を払い、サウロンから奪ったその指輪は、長いこと行方知れずだったが、運命のイタズラによって、中つ国でもっとも戦いと無縁な種族、ホビット族のビルボ・バギンズによって再びこの世にもたらされた。

人の心を蝕み、エルフの作った力ある指輪さえも支配することの出来る、強力な力を持つこの指輪を滅ぼすためには、指輪の作られた地、冥王サウロンの支配するモルドールにある火の山の火口に投げ入れるしかない。

問題は、はたして誰が行くか…

映画は戦闘場面が大迫力で、おもわずそちらに目がいってしまいますが、原作の面白さは、なんといってもホビット達の”苦難の旅”にあります。

もともと、自分達の土地で、のんびりと美味しい物を食べたり、ビールやうまいタバコ草を飲んだりすることが大好きなホビット族。
力や知恵では他の種族にかなわない彼等の武器は、その実直さと鉄のような実行力!

敵に追われ、化け物の罠にはまり、怪物達に襲われても、前に進むことを諦めない♪

伯父のビルボから指輪を託された主人公のフロドが、指輪の力に影響されて、どんどんお荷物となっていくのに対して、(いいすぎかな?)従者であるサムのなんていじらしいこと☆

特にモルドールの国に入ってからの道中は、涙なくしては語れない、サムあってのフロドみたいな感じさえしてしまう。

旅の仲間に加わるフロドの親戚のホビット、メリーやピピンの活躍場面もけっこうあったりするし、もしかして、フロドって窓際族? 指輪に付いてるオマケだったりして(笑)
いやいや、頑張れフロド!
映画ではきっと活躍させてもらえるぞ!

物語は三部構成になっていて、フロドの旅立ちと、指輪を運ぶ旅に集う仲間達を描いた第一部『旅の仲間』

裏切りや策謀によって、いよいよ困難が増し、サウロンによる攻撃がついに始まる第二部『二つの塔』

長きに渡り待ち焦がれていた王があらわれ、最後の戦いへと人々を導く中、指輪の力と、飢えと渇きに苦しんできたフロドとサムに、思いもよらぬ結末が訪れる第三部『王の帰還』

といった具合になっております。

ホビットって何? エルフって何のこと? どうして王様がいなかったの? 
なんて疑問をお持ちの方。
ぜひ、原作をお読み下さい。
トールキン先生が、そりゃ~あ詳しく、とっても詳しく、詳しすぎて歴史の本が書けちゃうくらい詳しく、説明してくれてますから☆
(さらにサウロンの正体やガンダルフのことなどが知りたい方は、『シルマリルの物語』上・下をどうぞ♪ 指輪物語以前のことが詳し~く載ってます)  

アラゴルンはかっこいいし、ガンダルフは気のいいじいさんだし、レゴラスとギムリは最強の凸凹コンビだし。
サウロンなんか怖くないぞ~♪

こんなメンバーに囲まれたら、そりゃ影も薄くなるな。
おまけに自分は何も悪くないのにモルドールくんだりまでわざわざ指輪を捨てに行かされるんだから。
(もともとの原因作ったのは伯父のビルボだしね。これも詳しく知りたい? ちゃんとあります。13人のドワーフと共に邪竜スモーグ退治に向かう冒険譚『ホビットの冒険』がそれです。ビルボが主人公の物語です☆)

そう考えるとフロドって、ちょっとかわいそうかも。

そんな目立たない主人公の活躍(?)を、どうぞ楽しんで下さい☆

でも、やっぱり、一番のお気に入りはサムなんだよな~♪



J・R・R・トールキン  著
瀬田 貞二  訳
評論社文庫