第147回芥川賞、直木賞の受賞作品が発表されましたね。
芥川賞に選ばれたのは、鹿島田真希(かしまだ・まき)さんの『冥土めぐり』(文藝春号)
直木賞に選ばれたのは、辻村深月(つじむら・みづき)さんの『鍵のない夢を見る』(文芸春秋)
どうでもいいけど、みんな名前が読み辛いよ…
辻村さんにいたっては、ずっと男性だとばかり思っていました。
残念ながら、お二人とも作品を読んだことはありません。
ゴメンナサイ。
別に意識しているわけじゃないでしょうが、前回の第146回受賞者が男ばかりで、一部の発言が話題になったこともあってかなりむさくるしいかったのに比べ、今回はおだやかに記者会見も進み、とても華やかでした。
作品とはまったく関係のないところで差別する気はありませんが、そう見えてしまったんですよね。
個性の強い人が続いたから(苦笑)
作家さんはそれくらいの方がいいのかな?
しばらくしたら本屋さんに大量に並ぶと思うので、気が向いたら手に取ってみたいと思います。
芥川賞受賞作『冥土めぐり』は、脳の病気にかかった夫とその妻の物語らしいのですが、私がちょうどいま読んでいる本にも、病気で過去の記憶を失い、子供のようになってしまった(認知症?)お父さんが登場します。
舞台はオランダ。
夫の世話をしながら子供二人を育てるお母さんに、貧しい家を助けて、お母さんの手伝いをよくする幼い兄妹の出てくる物語。
M.M.ドッジ作
『銀のスケート ハンス・ブリンガーの物語』(岩波少年文庫)
鉄製のスケートが買えず(初期のスケートは普通の靴にスケートの刃部分をしばりつけて滑っていました)、兄のハンスが木を削って作ったお手製のスケートの刃を、ボロボロの靴にしばりつけて遊ぶ二人。
木製の刃は水分を含むと氷の上で滑らなくなってしまうため、二人はすぐに転ぶのですが、それさえも二人にとっては楽しい時間。
すぐにお母さんの手伝いをしなくちゃいけないから、二人が運河に張った氷の上で遊べるのは、早朝の短い時間だけなんです。
仕事と寒さで真っ赤にこごえた手。幼く体の小さな妹のグレーテルは、着る物もないため見るからに寒そうな格好。
もう、この兄と妹が健気で健気で…
幼いのにお互いを思いやり、決して卑屈にならずに立派に生きている姿には、まだ読み始めたばかりだというのにすでに涙目です!
こういう話に弱いんですよね~
「ペリーヌ物語」の原作、『家なき娘』も読んでいて涙が止まりませんでした。
よく自分の生活を生まれた環境のせいにする人がいますが(もしくは運とか、親が金持ちだとか)、どんな環境に立たされようと、その人をその人たらしめているのは、結局その人自身の生き方だったり物の考え方なんですよね。
確かに環境は大きな影響を与えますが、だからってみんながみんな同じようになるとは限らない。
自分の意思を持ち、しかっり生きている子供たちに夢中です♪
さすが映画監督の宮崎駿さんがすすめるだけのことはあるなぁ。
国土の大半が海より低く、堤防と風車で水と戦い続けるオランダという土地柄にも強くひかれました。
続きが楽しみです☆
作者のメアリー・メイプス・ドッジはオランダ系のアメリカ人で、ルイザメイ・オルコットの作家仲間だったとか。知りませんでした。
けなげなオランダのきょうだい、というぼんやりした記憶だけだったのですが、スケート靴がほしい、とこの本を読んだ10歳のとき親にねだって、買ってもらったのが13歳のときだった、という自分のことばかり思い出されました。
「少年少女名作集」というようなシリーズの中の一冊だったように覚えているのですが、今はいろんな版が再刊されているのですね。読み直してみたいです。
オルコットとの関係もこの作品をきっかけに知りました。
この本を読むと確かにスケート靴が欲しくなりますよね!
そういう子供の頃の素直な気持ちはいまはなかなか思い浮かびません。
疲れるとか、転びそうとか、大人はよけいなことを考えてしまいますから。
春庭さんは結局買ってもらえたんですね(3年後ですが)
物語と結びついた思い出なんて素敵です。
私は貧しい兄妹の生活が自分の幼い頃の生活にダブッてしまいました(苦笑)
私の持っていた「少年少女名作集」みたいなシリーズには入っていなかったので、今回読めて嬉しかったです。
こういう名作はいつまでも読み継がれて欲しいですね。