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本好き人の365日

『中国嫁日記(四)』(エンターブレイン)

2015-02-15 00:02:49 | 本と日常

人生なにが起こるかわかりませんね。

ブログが人気の書籍化シリーズ第四段。

『中国嫁日記(四)』(エンターブレイン)

を読みました。

 

著者 : 井上純一
KADOKAWA/エンターブレイン
発売日 : 2015-01-31

 

本の内容とは直接関係ないのですが、作者の井上純一さん。

これだけ本が売れているんだから、さぞや左団扇で人生安泰かと思っていたら、経営する会社の共同経営者に経理をまかせていたものだから、いつの間にかお金が消えていて、しかも税金滞納が発覚。

あわや口座凍結なんてちょっといま大変なことになっているみたい(そのこともブログにして発表するところは商魂たくましいですが「月サンは困ってます」http://yuekoma.blog.jp/

だからこの最新刊が売れないと、とても困るのだとか(苦笑)

 

40代のオタクな日本人漫画家(他にも肩書きあり)と、20代の中国人嫁、月(ユエ)さんの生活を綴ったブログ発信のコミックエッセイ。

日本と中国の文化の違い、中国人の月(ユエ)さん(瀋陽出身)の視点から見た日本人のあれやこれや、中国人としての受け取り方がとっても面白い♪

二人は中国で暮らしながら、仕事やコミケなどのために日本に帰ってきたりの生活。

少し前まで魚を焼いたこともなかった月(ユエ)さんも(基本煮魚の国の人)、すっかり料理が上手になってご近所に日本のカレーの美味しさを伝道したりしています(笑)

日中関係が悪化して中国で反日デモが起きた時の中国の一般市民の反応が、「反日というより溜まっていたうっぷんの噴出」と考えていたり、中国人の日常生活がわかるのもとっても興味深いです。

今回は作者の入院や手術、不妊治療についての回もあり、面白さだけじゃなく読み物としての読み応えもあります。

不妊治療って当たり前なんですが、男性に原因がある場合もあるので、病院でちゃんと検査してもらうことが大切。

人間の体が生き物である以上、ある意味時間との戦いのようなところがあると紹介されていました。

 

本当に、人生ってままならないですよね。

でも、一寸先は光かも知れない。

原因がわかって、それを受け入れる月(ユエ)さんが素敵。

原因がわからない、知らないままでいることが一番不安になるから、原因がわかってよかったと、とってもポジティブシンキングな月(ユエ)さん。

それはそれとして、努力は続けるべきと、マズイ漢方薬を飲ませるたくましさも素敵です(笑)

 

相変わらず世界はきな臭く今の日本の政権も何やってるんだという感じですが、その国で暮らしているひと達を知ると、仲良くなりたいって単純に思いますね。

知らないから不安になる。

不安になるから疑いが心をよぎる。

そのうち根拠のない大きな声に引っ張られてウワサや虚言を妄信してしまいかねない。

それにしても、未だになんでこんな素敵な月(ユエ)さんが、あんなさえない作者(失礼 笑)とくっついたのか理解できない(笑)

 


心ってどこにあるの?

2015-02-06 02:10:37 | 哲学

無神論の宇宙飛行士と有神論の脳外科医という有名なジョーク。

 

無神論の宇宙飛行士「私は何度も宇宙に行ったが、一度も神に会ったことはない」

有神論の脳科学者「私は何度も人間の脳を見てきたが、一度も魂を見たことはない」

 

 

さて、「心」はどこにあるのでしょう?

のっけから何ですが、心霊現象の話をしていて、なぜかそんな話題になりました。

脳ミソだって人は割と多いと思いますが、脳と心臓という人もいるし、脳はもともと腸管から発生しているから内蔵も関係あるんじゃないかという人、体すべて、目に見えないオーラのようなものが心、という人もいました。

人は死んだら魂だけになるの?

 

アハハハハ(笑)

 

いえ、別にバカにしているわけじゃなくて、真面目な話を真面目な顔でしていると、(アレ、笑いが足りないかな?)とその場の雰囲気を和らげたいと私の”心”が思ってしまうんですよね(苦笑)

緊張に耐えられないのかな?

案外、怖いのかもしれません(笑)

みんな霊が見えるとか、夢枕に立ったとか、そういう話好きですよね〜

 

心や魂について、大脳がないダンゴムシを使ってダンゴムシに心はあるのかという研究をしている人の本もありましたし、魂の重さを測るために臨終間近な人をベッドごとはかりに乗せて、生前と死後の重さを測定した、なんて実験も過去にはありました。

そんな話をたどっていくと、アリストテレスが、魂は物質であり、死んだら魂の元素は四散して、生まれてこようとしている人間の魂を形作るなんて紀元前の主張にまで行ってしまいそう。

ちなみにこのアリストテレスの説は、魂の不変を信条とするキリスト教からは異端と見なされていました。

最後の審判の日、死んだ人もお墓から蘇り、天国へ行く者と地獄に落ちる者とに分けられる魂の分別が行われるというやつですね。

魂の生まれ変わりを信じるチベット仏教。

人間は物質と精神からできているという二元論。

魂があるのは人間だけで、動物などには魂は無いとするデカルトのような考え方や、動物はもちろん、道具にも魂が宿るとする考え方、石などの鉱物にだって心があって、職人には石の心がわかる、なんて話もあります。

臓器移植をしたら、その臓器の持ち主の記憶までも移ってしまった人の話。

前世の記憶をおぼえているという子ども。

血液にも記憶があるとして、輸血や臓器移植を拒否する人もいます。

最近では、インドで感電した仲間を助けようとする猿の姿が話題になり、動物にも人間と同じような心があると感動を呼びました。

 

どんな思想信条を持つ事も個人の自由ですし、尊重されるべきです。

それを受け入れるのも、拒否するのも個人の自由であり、それも同じように尊重されるべき。

私は個人的に、科学的根拠はまったくなしに、心は耳や目と同じように、危険を知らせるための未来を予測する能力(想像力)の一つが発達した結果の副産物だと思っているので、具体的にいうとニューロンの電気信号のパターン(流れ方)が心だと思っているので、脳ミソ説です。

またちょっと緊張に耐えられなくなってきたので、ここからは想像力を使ったお話(笑)

 

私たちは昨日の自分と今日の自分が同じ一人の連続した人間だと思っているかも知れませんが、それは記憶や思い出があるから。

自分の名前や今日の予定を覚えているのは、脳内で電気信号が何十年という単位で作られたパターンを”そのつど”走り抜けているからにすぎないとしたら?

何らかの外的要因(事故や病気など)でそのパターンが変わってしまったら、自分を全然違う人間だと認識するかも知れません。

十数年来の知り合いの顔だとしても、そう思えるのは”その直前に”そのパターンに電気が走っているからで、もし電気が流れなかったら思い出せなくなってしまうかも。

その電気の流れ道は使えば使うほど(比喩的な意味で)太くなって、何億回も使ったパターンは電気が流れやすい傾向があると推測されるので、それが私たちが個性と呼んでいるしろものなのかも知れません。

だからあまり使わないパターンは電気が流れにくいか、どんどん消えてしまう。

私たちにはそのパターンが変わってしまったことは認識できませんから、自分が変わってしまったこともわからない。

つまり、私たちが”自分”だと思っているこの自分は、”今”あなたの脳の中で電気信号が作り出しているだけで、実は昨日までは全然別の人間だったのかも知れません。

 

あなたは毎朝目覚めると同時に、その度ごとに、変わってしまったかも知れない生まれてからこれまでの記憶を持った、新たな”あなた”になっているわけです。

(笑)

こういう話題は想像力をかきたてられますね。

インドの仏陀もこう言っています「今日の私は昨日の私ではない。これが”私”などというものは何もない。諸行無常」

だから「今を生きろ」

毎朝生まれ変わったような気持ちで、何もかも今日から始まるという気持ちで生きなさい。

私はそんな風に解釈していますけど。

 

でも本当のところをいうと、私が”こころ”だと思っているものを、あなた(他の人間)が持っているのかどうかも私にはわかりませんけどね(笑)