私的図書館

本好き人の365日

『神様のカルテ2』

2010-10-16 18:58:00 | 日本人作家

涙で目が曇って文字が読めない。

テッシュ、テッシュ。
鼻もかんで。

あぁ、読みにくいと思ったらいつの間にかこんなに日が傾いてる。
窓辺に寄りそうようにして残った太陽の光で文字を追ってた。
電気つけなくっちゃ。

…って、何やってんだオレ!?



お昼過ぎから読み始めた小説。
ページをめくる手が止められなくって、日が落ちるのもかまわず涙をポロポロ流しながら最後まで読んでしまいました。

夏川草介
『神様のカルテ2』(小学館)

綺麗なイラストの表紙でわかりにくいかも知れませんが、医療現場をあつかった小説で、厳しい日本の地域医療の現場を描写しつつ、ファンタジーのような読後感を与えてくれる、いうなれば医療ファンタジー♪

前作『神様のカルテ』は2010年本屋大賞の第2位に選ばれ、2011年公開予定で現在映画化の話も出ています。

夏目漱石に影響されて、ちょっと古風で難しいしゃべり方をする内科医と、その奥さんとなった世界を飛び回る写真家ハルちゃんが主人公☆

主人公なのに一方が「内科医」でもう一方が「ハルちゃん」という紹介の仕方からしてカンのいい方はもうお気づきなように、私はこの「ハルちゃん」のファンです♪

舞台が信州で、「木曽節」や「御嶽山(おんたけさん)」が登場するのも良かった!

私の住んでいるところからも「御嶽山」が見えるんですよね。
岐阜県と長野県の県境が近いから!!



24時間365日、病と戦い明かりを灯し続けるとある地方病院。
夜間も救急患者を受け入れ、ようやく朝を迎えたと思うと、もう2時間後には外来患者の診察にあたる。
医者は患者のため、寝ないで働けというのがこの国の医療の現状…

そんな現実の中、文句を言いながらも働く医療関係者たちの姿が、時にユーモラスに、時に皮肉をまじえながら描かれます。

恋愛もあるし、家庭問題もあるし、そしてもちろん「死」も…

共に90歳を越えた老夫婦の姿が胸を打ちます。

酸素マスクをつけられ、ベットに横たわる妻の横で見守る夫。
看護師が大丈夫だから家に帰るようにうながすと、夫は、妻のいない家に帰ってもすることがないからなぁと、たんたんとつぶやきます。

「トヨさんは、もういかんかね」

…70年来連れ添ってきた夫婦。
医師も看護師もかける言葉がみつかりません。

雪がとけ、遅い桜が咲き、季節が移り変わっていく信州の町を舞台に、優しい人々が、厳しい現実に立ち向かって行く。

「良心に恥じぬということだけが、我々の確かな報酬である」

重いテーマを内に秘めながら、奇妙な絵描きの隣人や、粋な酒場のマスター、主人公が偏愛する夏目漱石や、何より明るく前向きなハルちゃんのおかげで、とっても勇気がわいてくる物語になっています♪

主人公が学生時代に失恋して、スタンダールの『恋愛論』を燃やしたってところが私的にはツボでした!

何を隠そう、うちの本棚にもありますからね、スタンダールの『恋愛論』☆

笑えて、悩ましくって、悲しく、爽快で、それでいて温かい、心にストンと落ちる物語。

最後数ページは涙がポロポロ落ちて困りました。

とってもよかった。

御嶽山(おんたけさん)に登りたくなりました♪



森ボーイ

2010-10-15 22:44:00 | 本と日常
あぁ、山に行きたい…

仕事中ずっと考えていました。

人間の世界を離れて木や草に囲まれていたい…

ま、岐阜の山の中に住んでいるのでその気になればいつでも行けるんですけどね。

行きたいのはキノコ狩り。

今年は豊作らしいです。

小さい頃から祖母に連れられてキノコを採りに山に入っていたので体がうずきます(笑)

落ち葉がほんの少しだけ盛り上っているところを見つけるのがコツ♪

いくち、ぼうず、ろうじ…

首尾よく見つけることができたら、掘り出したあとはちゃんと元通りにしておきましょう。

家に持って帰ったら土とゴミを落として、煮たり焼いたり。

生姜だまりで食べても、キノコ汁にしても美味しい…みたいです。

実は私は採るのが好きなだけで食べられないので(苦笑)

山の中を歩き回るのがいいんですよね♪

あぁ、森の中を歩いてこようかな~


『白鳥のひなと火の鳥』

2010-10-11 23:03:00 | 本と日常
レンタル屋さんでそのお店の会員カードを出したつもりが、本屋さんの会員カードを出していました。

あぁ、恥ずかしい。

店員さんが困って声をかけてくれるまで気が付きませんでした。

会員カードとかポイントカードってけっこう似たようなデザインがあるんですよね(とデザインのせいにする♪)

今数えたら財布の中にカード、ポイントカード、合わせて20枚ほど入っていました。

少しは整理しようかな。

レンタル屋さんで借りて来たのはアメリカの絵本作家モーリス・センダックの作品を映画化した、

「かいじゅうたちのいるところ」

という映画。

何だかせつない映画でした。

ついでに本屋さんにも寄って来ましたが、アメリカのハーバード大学で教鞭をとっているサンデル教授の『これから「正義」の話をしよう』が売れているみたいですね~

日本人作家さんにも頑張って欲しい。

最近本屋さんで買ったのは…

菊池秀行「吸血鬼ハンターDシリーズ」

*(キラキラ)*『D-悪夢村』*(キラキラ)*(朝日文庫)

耽美的剣劇鮮血小説(こんなジャンルはありません)の最新刊。

貴族と呼ばれる吸血鬼を倒すため、今日も吸血鬼ハンターDの刀身がきらめく!

もう一冊はファンタジーの歌い手、パトリシア・A・マキリップの

*(キラキラ)*『白鳥のひなと火の鳥』*(キラキラ)*(創元推理文庫)

先月買った『女魔法使いと白鳥のひな』の続編。
二部作の完結編です。

「いつだって道はあるよ」

困難にぶつかった時に主人公の一人が自分に言い聞かせるようにつぶやきます。

うんうん、そうだよね。
どんな時だってどこかに道はある!

映画を観て本を読んで、洗濯して羽毛布団を日に干して、三連休、いい充電ができました♪

明日からも頑張ろう☆





『ウイちゃんがみえるもの』

2010-10-08 23:57:00 | 本と日常
本屋さんで見かけたマンガのオビに書かれていた…

「本上まなみさんも、ウイちゃんに魅了されています。」

という言葉に惹かれて思わず手に取ってしまいました。

本上まなみさんの書く文章のファンなんです♪

でも本上さんの推薦するマンガってちょっと変なのが多いからなぁ(苦笑)

前にも、中川いさみさんの『兄さんのバカ!』を一押ししていたので買ってみたら、とっても変なマンガだったし☆

衿沢世衣子

*(キラキラ)*『ウイちゃんがみえるもの』*(キラキラ)*(講談社)

…面白い♪

ぼさぼさの髪。

天下一品のしょぼ顔(本上談)

小学校の低学年らしき”ウイちゃん”は他の子とはちょっと流れる時間が違うのか、ボーとしていてなかなかグループに入れず、先生に呼び出されて「友達作ろうね」なんていわれてしまう女の子。

シールを集めていて、人見知りで、めんどくさくて本気は出さないけれどそれでもクラスで二番目に入るほど足が速くて、お母さんにガミガミ言われたり、優しいお父さんがいたり、スノボーが得意だったり、そして、そして…

ひととはちょっと違う生き物(?)たちが見えてしまう♪

旅行カバンが話しかけてきたり、お弁当に入っていたリンゴうさぎが駆け回ったりと、絵としてとっても面白い!

そんな不思議な生き物たちが登場しておきながら、ウイちゃんのキャラクターがそれに負けないくらい魅力的なものだから、とっても贅沢なマンガという感じがします☆

テレビや大人の時間の流れに合わせようと早口にしゃべったり、絶えず走り回っている子どもじゃなくて、ウイちゃんは気になった物を見かけると、しゃがみこんでジーと見つめているタイプ。

いいなぁ~、こういう子ども♪

全編カラーで描かれていて、絵柄も好感が持てますが、表装などを凝ったためか、ちょっとお値段は高めに感じました。

でもまぁ、面白かったからいいか☆




『ツクツク図書館』

2010-10-03 18:48:00 | 本と日常
少子高齢化の進む昨今、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

私はというと、きんぴらごぼうに使うゴマ油の値段が100円安いということで、休日の日曜日、車を運転してスーパーをはしごしていました。

「一人暮らしだと気楽でしょう」とよく言われますが、どうしてどうして、家賃を振り込んだり、きんぴらごぼうを作ったり、その間に洗濯したり、お風呂とトイレを掃除したり、レンタルしていた映画を返却しに行ったり、本を読んだりマンガを読んだり、けっこう忙しいのです。

ごぼうを洗ってささがきにして、アクをとりながら、
「きんぴらごぼうがうまく作れる独身男ってどうよ?」
と思わず自分自身に問いかけてしまいました。

少子化対策にはまだまだ貢献できそうもありません。

そんな秋晴れの日曜日に読んでいた本は…

紺野キリフキ、

*(キラキラ)*『ツクツク図書館』*(キラキラ)*(メディアファクトリー)



その図書館に勤める職員の仕事、それは…

図書館の蔵書を読むこと。

貸し出しもしていますが、訪れる人はめったにいない。

なぜならその図書館に置いてある本は、どれもつまらない本だから。

つまらない本だけが置いてあるだめ図書館。

誰が呼ぶのかその名は「ツクツク図書館」

やけに着ぶくれした女が受付に座り、〈戻し屋〉は遠視の幼稚園児。
〈運び屋〉は町のあちこちからつまならい本ばかりを集め、そんな迷路のように部屋が入り組んだ図書館には、まだ誰にも知られていない部屋があるという…

猫が本を読み、《子どもにはまだ早い部屋》では本たちが愛を育み、《公爵夫人のお茶会に招かれる部屋》では雇われ館長がおやつの時間を過ごしている。

どんな本好きもその図書館にやって来るとたちまち本を読むことが嫌になる。

しかし誰もがその図書館にやって来れるわけじゃない…



紺野キリフキさんの作品、家賃を本で払う『はじめまして、本棚荘』が面白かったので、この作品も読んでみました♪

本好きじゃなくても面白い。

本好きならもっと面白い☆

電車も走るし風邪も引く、そんな日常の隣にひっそりたたずむ「ツクツク図書館」と職員たちが何とも魅力的♪♪

口が悪くて本を読むのも別に好きじゃないと言い張る着ぶくれ女がいいキャラクターをしているんです!

飼い主が寝ている間にこっそり本を読む猫も気に入りました♪

紺野キリフキさん、面白いなぁ☆

図書館や本の登場する作品に弱いんですよね~

自分も本が大好きだから、ついつい作品に入り込んでしまう!

いい読書ができました。



今日の夕飯は焼き餃子にきんぴらごぼうとサラダにしました。

焼き餃子は片栗粉を溶かした水で蒸し焼きにしてパリパリの羽付きにします♪

ノンアルコールビールで乾杯!

充実した一人暮らし。
不満はないけれど、不満はないけれど、不満がなくて大丈夫かな?


『こども風土記・母の手毬歌』

2010-10-01 23:58:00 | 本と日常
家に帰ると「電気ご使用量のお知らせ」がポストに入っていました。

…電気代4,000円か。

先月より1,000円も安い。
10月なんですね~
一人暮らしなので、この差はクーラーの使用量が減ったことを表しています。

秋や春など気候の穏やかな月はだいたい2千円から3千円台で納まるのですが、これから冬になって寒さが厳しくなると、いっきに6千円なんて月もあるくらい。(岐阜の山奥なもので)

クーラーや電気コタツ、電気ストーブは電気代がかさみますからね~

どれも年代物なので、コストパフォーマンスが悪いのかな?

そろそろ買い替えどきなのかも知れません。

最近買った本は、

中村航
*(キラキラ)*『リレキショ』*(キラキラ)*(河出文庫)

柳田国男
*(キラキラ)*『こども風土記・母の手毬歌』*(キラキラ)*(岩波文庫)

中村航さんはその言葉の使い方が好きで読んでいる作家さん♪
恋愛物が多いのですが、今回は記憶喪失(?)の青年と彼を拾って姉になった女性(?)や、その他いくにんかの人物が登場して、不思議なままストーリーが進みます。
まだ途中までしか読んでいませんが、とにかくとっても雰囲気のイイ小説☆



 大切なのは意志と勇気。それだけでね、大抵のことは上手くいくのよ―
              by姉(本文より)


『こども風土記』は日本各地の子供の遊びや、それに付随するわらべ歌を取り上げて興味深い考察がなされている本。

「かごめかごめ」や「手毬歌」など、よく知らずに口ずさんでいた子どもの頃の遊び歌を、民俗学者柳田国男がいろいろな視点から解説してくれます。

「かごめ」が「屈(かが)め」から派生したなんて説は初めて知りました!

とっても面白い♪

無駄遣いじゃないけれど…
最近、韓国の女性グループ「少女時代」のPV(プロモーションビデオ)をダウンロードしてしまいました…

脚線美に魅せられて…

これは動機が不純でさすがにちょっと反省。