私的図書館

本好き人の365日

富士山完敗

2006-06-22 23:40:00 | 本と日常
今日、会社で一緒に働いているタイの女の子たちと話をしていると、話題が富士山のことになりました。

彼女たちは日本に来てまだ一年くらいなのですが、会社側が気を利かせてけっこう観光地には連れて行っているらしく、富士山にも行ったことがあるそうなんです。

何人かで話していたんですが、「富士山キレイだったでしょう?」とさも自慢げに日本人に訊かれた彼女たち。

その瞬間、「とんでもない!」と言わんばかりに全員が思いっきり首を横に振りました(笑)

たどたどしい日本語で、「富士山は汚い」「キレイじゃない」としっかり主張。

どうやら彼女たちは富士山の何合目かまで、実際に登って来たらしいのです。
荒涼とした風景がただただ広がり、たくさんの観光客に囲まれ、キレイとはほど遠い景色だったとか。

どんな光景だったか、何となく想像がつくなぁ~★

しかも彼女たちをさらにビックリさせたのが、途中で立ち寄ったレストランの値段の高さ!

あ、これも想像できる(^_^;)

ジュース一本でも観光地やスキー場なんかはやたらボッタくるからなぁ~

そういうわけで、「富士山」=「日本の美しい風景」という刷り込みは失敗。
代わりに彼女たちは日本の国内旅行はお金がかかるということを学んだみたいです(苦笑)

やっぱり富士山を自慢しようとするあまり、調子に乗って実際に登らせたのが敗因だったかな?

遠くから眺めるだけにしておけばよかったのに。

う~ん、富士山残念。

でも素直に「富士山は汚い」って言えるタイの女の子たち、私は好きです♪






人それぞれ…

2006-06-17 13:50:00 | 本と日常
この間、職場の若い男の子が失恋したらしくって、「女性って怖いですね」というので(どんな振られ方したんだ?)、「いや若いうちに勢いで結婚しといた方がいいって」と無責任に焚き付けておきました(笑)

いや実際、30代になるとしみじみそう思いますね。

20代後半の頃に比べると、ホントに信じられないくらい出会いが少なくなりますから。(20代の男性よく聞いておくように!)

最近の人は間違いのない結婚をしようと相手を選り好みしているから婚期が遅れる、結婚するならあれこれ迷わず、「試しに一匹」くらいの気持でするともっと結婚する人が増えるのでは、と最近読んだ本に書いてありました。

言葉は乱暴ですが、けっこう的を得てると思います(苦笑)

確かに、不安なことなんて考え始めたら、キリがないですからね。
結婚してから「この人こんな人だったんだ…」と思うくらいがいいのかも♪

「昨日は久しぶりに奥さんと会話した」なんて職場で聞いたり、「結婚なんていいことないよ」って同級生の女の子たち(といってもみんな30代)に聞かさたりと、なぜだか周りは不安をあおるようなことばっかり言うので、結婚に対するイメージがどうしてもマイナス寄りになっているのかも…

あ、もちろん幸せな家庭を築いている子もたくさんいますよ(^_^)

念のため☆

親子で写った年賀状なんて見るとホントうらやましく思います♪

奥さんがもうすぐ出産で、仕事中何度も携帯電話をチェックして(仕事しないって苦情が出るくらい)全然落ち着きのなかったSさん。
初めて授かった女の子(しかも双子!)のことをいつも飽きずに楽しそうに話してくれる年配のNさん。
水道代を節約するためなのか、奥さんの車をわざわざ会社に持って来て洗車している課長のKさん。
夫が社員旅行に参加するのを邪魔しようとするからケンカしたって愚痴るYさん。

小さい会社なんですが、話を聞いていると楽しいです。
様々な家庭、夫婦があるんだなぁ~といつも感心しています♪

憧れる…というのとはちょっと違いますが、参考にはなるかな?

それとも、しないほうがいいのかな? (笑)






お腹へった~

2006-06-14 23:58:00 | 本と日常
『家なき娘』を読んでいたら、スープが作りたくなって、スーパーに買出しに行って来ました。

主人公のペリーヌが、貧しいながらも自分で工夫してスープを作るシーンがあるんですよ♪

本格的なものはとても作れないので、野菜と牛乳とコーンクリームを買ってきて、あとは適当です(笑)

すぐ影響されるんですよね☆

今『秘密の花園』を読み返しているんですが、そこにも美味しそうな料理が出て来て、つい食べたくなってしまいます。(クリームの浮いた新鮮な牛乳とか*(ハート3つ)*)

小説でも映画でも、食事のシーンが美味しそうな作品には、いい作品が多いと思いませんか?

伊丹十三監督の(とくに「タンポポ」☆)作品とか宮崎駿監督の(「カリオストロの城」や「ラピュタ」など♪)作品とか。

川原泉のマンガにも食べ物にこだわる人がたくさん出てきて面白いし!(みそ汁、カレーライス、アジのひらき、ゆで卵☆)

…たんに食い意地が張っているだけか。

テレビで食べ物の番組なんか見るとすぐその料理が食べたくなってしまいます。

だったら見なきゃいいに…

毎回見たあとに後悔してます。
学習能力ないのかも*(汗)*




六月の本棚 『家なき娘』

2006-06-13 16:02:00 | 家庭小説

かつて、日曜日の7時半といえば、カルピスの提供でおなじみ、アニメ「世界名作劇場」の放送時間帯でした♪

今でも”懐かしのアニメ”といえば必ず登場する「アルプスの少女ハイジ」や「フランダースの犬」、「母をたずねて三千里」といった数々の名作を送り出したアニメ界の金字塔のような番組です。

もう、テレビにかじりつくようにして見てました☆

ハイジやおじいさんの食べるとけたチーズに憧れ、ネロとパトラッシュの最後のシーンに涙し、マルコがお母さんを捜してボロボロの靴で見知らぬアルゼンチンの荒野を旅するのを固唾をのんで見守ったものです。

アニメーターとして就職した時の初仕事もこの「世界名作劇場」の仕事でした。

スポンサーはずっと前にハウス食品にかわっていましたが、憧れの作品に携われたことがとっても嬉しかったなぁ~

さて、今回はそんな名作劇場の作品の中でも、とっても好きな作品。

両親を亡くし、たった一人パリの街に取り残されてしまった少女ペリーヌが、苦難の末に愛する家(ホーム)を見つけ出す物語、「ペリーヌ物語」。

その原作になった作品をご紹介したいと思います☆

アニメの「ペリーヌ物語」はご存知ですか?
「あらいぐまラスカル」の後に始まって、「赤毛のアン」の前の作品です(笑)

NHKの衛星放送でも去年(2005年)密かに再放送されていましたね♪

原作者は19世紀末に活躍したフランスの作家エクトル・マロ。

小説として日本に紹介された時のタイトルは、『家なき娘』といいます☆

原題は「En famille」(アン・ファミーユ)。

エクトル・マロはその前に日本語にすでに翻訳されていた少年を主人公にした物語、『家なき子』(原題「サン・ファミーユ」)が広く知られていたので、こんなタイトルが選ばれたんでしょうか。

ちなみに「アン・ファミーユ」は『家なき子』でも使われていて、最後の章のタイトルなんだそうです。
その時は「家にて」と翻訳されています。

とにかく、このペリーヌが原作でも健気です!!!!!

遠くインドからフランスまで旅をしてくるのですが、途中で優しく頼りがいのある父親を亡くし、やっとたどり着いた巴里(パリ)の街で、今度は最愛の母親との別れが待っています。

しかもペリーヌはたったの12歳!

お父さんの残してくれた写真機や家馬車を売り、ギリシアからずっと一緒で何度もペリーヌ達を助けてくれたロバのパリカールまで手放して、必死でお母さんの薬代を用意するペリーヌ。(このパリカール大好きです☆)

しかし、キチンとした宿屋にも泊まれず、ひどい臭いと湿気の中、しだいに命の火が消えかかっていくお母さん…(まだ20代!)

せめてもと野に咲く花を摘んで飾り、必死で看病をするペリーヌ。
そんなペリーヌを病身でありながら優しく気遣うお母さんの深い愛が胸を打ちます!

ちくしょう、いい話だなぁ~(涙)

…舞台は産業革命により大きな工場があちこちに建つようになった頃のフランス。

ペリーヌのお父さんはフランス人で、当時イギリス領だったインドでお母さんと出会い、フランスにいる父親の反対を押し切って結婚したという過去があります。(二人はとっても愛し合っていたのです☆

そしてやがてペリーヌが生まれるのですが、お母さんの両親がインドで経営する工場が倒産してしまい、その上だまされてお金もなくなってしまったので、許してくれるかわからない父親、つまりペリーヌにとってはお祖父さんにあたる人を頼って、何とかして親子三人、フランスにたどりつこうとしたのです。

巴里(パリ)でお母さんを埋葬し、貧しいけれど親切にしてくれた人々に別れを告げて、一人旅立つペリーヌ。

彼女に残されたのは、擦り切れた上着に、繕いすぎて布もあてられなくなった靴下や身に付けている下着、細々とした小物にボロボロの靴と行き先を示した地図だけ。

しかもパリカールを売って手に入れたわずかなお金さえ、立ち寄ったパン屋で、身なりがボロだからと見くびられ、泥棒と言いがかりをつけられ巻き上げられてしまうという不幸!

許せんゾ、あのパン屋!!!!!

恐怖と不安、足の痛みや飢えと渇きに苦しめられ、それでも決して泥棒や乞食のようなマネはすまいと誓うペリーヌ。

たった一人、雨水をすすり、木の皮をかじってでも生き抜こうとするペリーヌを支えるのは、お母さんが残した最後の言葉です。

「お前はきっと幸せになる…」

…しかし、どんなに頑張ろうとも、ひとりぼっちの12歳の少女には、ただ生きることさえ、困難なことなのでした。

お金もなく、食べ物もなくなり、頼る人さえいない外国の地で、ついに、ついに力尽き、飢えのため道端に倒れ込んでしまうペリーヌ!!

あぁ~~~、ペリーヌ~~~!!!!!

さて、この後どうやってペリーヌは窮地を脱すのでしょう?

それは本を読んでのお楽しみ♪

とにかく、見どころ読みどころの多いこの物語。
盛り上がるのは後半です!!

大きな工場で、オーレリーと名前を変えて働くことになったペリーヌ。
お金がないので誰も使っていない小さな狩猟小屋で寝泊りし(ここでの生活がなんともペリーヌらしい☆)、安い布地を工夫して下着を仕立て、靴を手作りして間に合わせる。

やがて英語ができるという理由で(ペリーヌのお母さんはイギリス国籍のインド人でしたから、普段は英語なのです)、思わぬことから工場主の秘書として、その盲目の老人のそばで働くことになります。

ペリーヌの優しさと、内に秘めた知恵と勇気を見えない目で見抜いた老人は、少女を気に入り、やがて彼女を自分の屋敷に引き取ることにします。

その老人は、数年前に行方不明になった跡取り息子を必死に捜していて、その妻や娘のことを今も許してはいませんでした。

「ヴュルフラン様、あなたはあなたのお嬢様から慕われたくありませんか?」

「あれもあれの母親もわしは嫌いなのじゃ。ひとの倅を取ってよこしをらぬ。あれ共が倅を籠絡せなんだら、倅はとうの昔にわしのところにいるのじゃ!」

老人の怒りに落胆し、身を震わせるペリーヌ。

やがて息子の死の知らせを聞き、何もかも終わりだと、気弱になってしまった老人を、しかしペリーヌは必死で支え続けます。

「人に愛されるためには、まず自分が人を愛しなさい」

老人の口から、息子を奪ったインド人の女と、その娘のことを聞かされるたびに傷つくペリーヌ。

しかし、彼女は自分の両親を愛するのと同じように、この孤独な老人を愛し、自分の生まれについては一言もふれず、老人のために尽くすのです。

そしてラストは…

インドに始まり、父を亡くし、母を失って苦労に苦労を重ね、それでもあきらめずに、多くの人に助けられ、果敢に運命に挑戦して来たペリーヌの想いがやっと、やっと通じる瞬間!!!!!

不覚にも、読み終わってテッシュの箱片手に号泣してしまいました*(汗)*

ペリーヌが、ペリーヌがさぁ…(T_T)

もちろん、ハッピー・エンドです♪
読み終わってこんなにも幸せな気持にさせてくれるなんて、ペリーヌってスゴイ!

ただ健気というだけでなく、自分の頭と手の技だけで生きる工夫こらし、意思をしっかり持って行動するペリーヌに感動!

自然や動物達を愛する姿もいいです♪
もうベタ褒!

岩波文庫の『家なき娘』(上下)は旧仮名づかいなのでちょっと読み辛いという方は、他の出版社の本を探してみて下さい。

アニメの方もとてもよく出来ているのでオススメです☆

こちらにはバロンという原作には出てこない犬が登場していて、これまた面白い活躍をしてくれます♪

でも、やっぱり原作を読んでもらいたい!!
たくさんの人に読んで欲しい。
ホントにそう思わせてくれる物語です☆







エクトル・マロ  著
津田 穣  訳
岩波文庫






明日は新しい日

2006-06-12 23:59:00 | 本と日常
仕事がちょっと忙しくて、イライラしてしまうことの多い一週間でした。

なかなかうまくいかなくって…

ま、人生そこが面白いのですが、周りの人がどこまで辛抱強く見守ってくれるかが心配です(苦笑)

どうも私の周りの人は、うまくいかないってことをあまり面白いとは思ってくれないみたいなので*(汗)*

ある意味とっても真面目な人たちなのかな?
一応、私も真面目に面白がっているんですけどね。

そこで今日はこんな本を買ってしまいました☆

*(キラキラ)*斉藤学 著 『自分の居場所のみつけかた』*(キラキラ)*

いや、たんにペラペラ読んでみたら面白そうだったので買っただけです。
深刻に悩んでいるわけじゃありません。(それとも深刻になった方がいいのかな?)

他には…

*(キラキラ)*伊坂幸太郎 著 『陽気なギャングの日常と襲撃』*(キラキラ)*

これは映画化された『陽気なギャングが地球を回す』の続編です。
伊坂さんファンなので♪

*(キラキラ)*アルフ=プリョイセン 著 『小さなスプーンおばさん』*(キラキラ)*

これはNHKでアニメ化もされていましたね♪
ノルウェー生まれの楽しいお話です。

*(キラキラ)*森薫 著 『エマ』(7巻)*(キラキラ)*

ついに手に入れました!
最近ハマッているマンガの最終巻です☆
英国を舞台にしたラブ・ロマンスもいよいよ完結。
楽しみだなぁ~*(音符)*

さて、今週はどんな一週間になるのかな?
どちらにしても、まだ一度も失敗していない日には違いない。

頑張ろ。





"Tomorrow is another day !"(明日は新しい日)  ―映画「風と共に去りぬ」―







ジェネリック

2006-06-08 13:14:00 | 本と日常
今日は定期検査に行って来ました♪

ま、たいした病気じゃないんですが、血液検査だけはしなくっちゃいけないので、けっこうお金取られます。

せめて薬代だけでも節約しようと、この間からジェネリック医薬品に変えてみました。

特許が切れただけで効果は同じ薬です。

やっぱり安い!

それまで千円以上かかっていたものが九百円くらいになりましたから☆

ホントは一個一円も違わないのですが、何となく、桁が違うとすごく得した気になります♪





お金がない

2006-06-04 00:33:00 | 本と日常
近所のスーパーに買い物に行った時のこと。

買った品物をレジ袋に入れていると、子供(小学生くらいの男の子)とお母さんのこんな会話が聞こえてきました。

「お母さん、焼き鳥買って~」

「ダメ、お金ないもん」

「…そっか、お金ないのか」

おい、おい、おい*(汗)*

思わず「そんなわけないだろう」と突っ込みたくなりましたが、それで説得されてしまう子供が可愛い☆

もちろん、「そんなもの買うお金はない」って意味なんでしょうけど、子供は明らかに「まったくお金がなくて買えない」と思っている様子(^^)

この素直さが何かいいなぁ*(ハート3つ)*

何気ない親子の会話なんですが、妙に心に心地よく聞こえてしまいました。
ま、そのうち通用しなくなるんでしょうけどね♪




『金枝篇』(きんしへん)

2006-06-01 18:25:00 | 本と日常
買い物する品物を忘れないようにメモに書いたら、そのメモを忘れてしまいました*(涙)*

マンガか、お前は?

これで記憶力でもよければまだ救いがあったのに、帰って来て確かめたらやっぱり2つほど忘れてた。

…自信がないからメモに書いたんだよ~

昔から暗記物はニガ手です。
調べればわかるものをどうして覚えなくちゃならないのか。
それでなくても、考えることがたくさんあって、小さな脳細胞フル活用してるっていうのに。

ついでに寄った本屋さんでは、先日注文しておいた本を何冊か受け取り、欲しかった続き物のマンガも買ってきました*(音符)*

買ったのは森薫さんの*(キラキラ)*『エマ』*(キラキラ)*4巻~6巻☆

19世紀末のイギリスを舞台にした階級を越えたラブ・ロマンス*(ハート3つ)*

アパートに帰って夢中で読みました♪

注文してあったのは、イギリスの文化人類学者、ジェイムズ・ジョージ・フレイザーが著した*(キラキラ)*『金枝篇』(きんしへん)*(キラキラ)*。

簡約本から翻訳された岩波文庫の5巻セット☆

未開社会の神話や習慣、呪術や信仰について分析した本です。

「金枝」とは「ヤドリギ」のことで、精霊信仰や王殺しなど、民俗学、宗教学の立場から、とっても興味深い考察がされています♪

今日から衣替え。
夏ももうすぐ、ということで、今日はサンダルを買ってきました*(音符)*

今年は海に行けるかな?