私的図書館

本好き人の365日

『煙突屋ペロー』

2016-04-29 19:40:14 | 本と日常

今年(2016年)に入って読んだ本。

 

著者 : 森薫
KADOKAWA/エンターブレイン
発売日 : 2015-12-14

 

今回は不器用パリヤ編。

舞台が中央アジアということで刺繍の描き込みとか馬とか虎とかガゼルとか、アニメ化しにくそうな絵がズラリ(笑)

 

著者 : 伊藤正昭
理論社
発売日 : 1988-06

 

こちらは昭和5年に京都の童映社によって作られた16ミリの影絵無声アニメーションのフィルムとナレーションを戦後まとめたもの。

当初は子供向け作品でしたがその内容から反戦アニメとして注目され、軍部からにらまれたいわくつきの作品。

 

王族の汽車を壊して死刑を言い渡された煙突屋のペローが、侵略者を撃退したことで国の英雄として祭り上げられます。

しかしペローが見たのは戦火で荒れた国土と傷つき倒れた多くの人々の姿。

自分のやったことに気が付いたペローは侵略者を撃退した力も褒美もすべて投げ捨てます。

 

これを日清日露戦争に勝利し、国中が浮かれて日中戦争、太平洋戦争に突入しようとする当時の日本で作ってしまう。

内容も驚きですが、この時代に影絵とはいえアニメーション作品が作られていたことに驚きです。

世界初の長編アニメーション映画『白雪姫』が1937年(昭和12年)ですからね。

ちなみのこの本の解説を児童文学作家の今江祥智さんが書いてみえます。

 

セーラー出版
発売日 : 1995-05

 

銅版画の名手アーサー・ガイサートによる絵本。

パパ豚とママ豚、そして6匹の子豚たちが気球に乗って旅行に出かけます。

いきなり北極点に行くとか言い出すパパにあきれながらも、ちゃんと準備に協力してくれるママがいい♫

 

金子書房
発売日 : 1971

 

ソ連で行われた社会主義に基づく教育がアメリカの教育と対比されながら紹介されている本。

作者のU.ブロンフェンブレンナーはソ連生まれでアメリカで育った発達心理学者。

共産主義青少年組織「オクトブリスト」や「ピオネール」、共産主義青年同盟「コムソモール」など集団主義的養育というのが面白かったです。

日本の初等教育ではコルホーズ(集団農場)とかソフホーズ(国営農場)くらいは習うのかな?

この本とは関係ありませんが「夜泣き」が日本特有の現象だと聞いたことがあります。

日本のお母さんは赤ちゃんが心配だから泣くとすぐに赤ちゃんの所に行ってしまい、それを学習した赤ちゃんは泣けばお母さんが来ると思ってしまう。

欧米では赤ちゃんが泣いても最初は放っておく。すると泣いても無駄だと学習した赤ちゃんは泣かなくなる、という。

いや、これ本当?

欧米は赤ちゃんは別の部屋で寝かせるから単に鳴き声が聞こえないのでは?

日本の住宅事情だと赤ちゃんの鳴き声が響くから他の家族の手前見に行くしかないよね?

だいたい一緒に寝るお母さん多い?

まあこれは育児に対する考え方の違いなんでしょうね。

 

『乙嫁語り』以外は古い本ばかりですが、これは図書館のリサイクル本をもらってきたから(笑)

思わぬ出会いがあるんですよね。

図書館大好きです。