私的図書館

本好き人の365日

『苦役列車』『突撃!自衛隊妻3』

2011-08-30 23:28:00 | 本と日常
出かけようとしたら革靴の底がビロ~ンとはがれてしまったので、瞬間接着剤でくっつけて応急処置をしました。

暑さのせいかな?
やっぱり安物はダメですね。
甘い言葉に引かれて買ったセール品でしたが、すぐダメになってしまいました。
修理に出すのももったいないし、今度は多少高くても長い年月使えるものを選ぼうと思います。

そういえば、日本の第95代首相に民主党の野田佳彦氏が決まりましたね。

この6年で6人目ですか。

瞬間接着剤役の首相じゃないことを祈るばかりです。

この週末、ようやく第144回芥川賞を受賞した西村賢太さんの、

*(キラキラ)*『苦役列車』*(キラキラ)*(新潮社)

を読みました。
ひとことで言うと「貧乏小説」?
学歴もなく友達もなく、その日の食べ物と酒、女を抱くために日雇いの港湾労働者として働く若者が登場します。
家族がいて、友達がいて、恋人がいて、そんな自分とは別世界で生きている同じ年代の若者たちを、どこかでうらやみながら見つめる主人公。
作者の体験がもとになっているそうですが、「私小説」というにはあまりに卑屈さが全面に出ていて、私の好みではありませんでした。

他人の評価を気にしすぎ。
自分の世界を持ってない!

小説家として身を立てようとする「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」という短編が載っていたのでまだ救いがあるかな?

あとこれは立ち読みですが、日辻彩さんのコミックエッセイ、

*(キラキラ)*『突撃!自衛隊妻3』*(キラキラ)*(ぶんか社)

も読みました。
海上自衛官の夫を持つ妻の目線で自衛隊のあれこれを綴ったシリーズの3冊目。

自衛隊官舎内での人間関係が面白いです♪
子供たちが保育園のバスに乗る順番が親の階級順だったり(苦笑)、女性自衛官の彼氏いる率(しかも相手が同じ自衛官)が異様に高かったり、海上自衛官と陸上自衛官のライバル関係も面白い☆

今回は東日本大震災が発生し、災害派遣で夫を送り出した家族から見た震災「妻たちの災害派遣」も掲載されています。

災害派遣で食事やお風呂を用意してもそれは被災者の方のため。
自分たちは缶詰のような食事で働く自衛官の活躍は、TVなどでも紹介されていました。
自衛官側から見た災害派遣というのも興味深かったです。

もっとも、大半は「自衛官は足が臭い!」とか「手はいつもグー」とか、笑えるエピソードが紹介されています♪

面白い本でした☆


本を売りに行って来ました

2011-08-28 23:57:00 | 本と日常
部屋が手狭になってきたので、あふれている本を売りに行って来ました。

とりあえず20冊ほど。

最初は家から近い、買取もしている本屋さんに持ち込んだのですが、合計で400円…

え?
一冊20円?
それってちょっとヒドくない!?

いっちゃあなんだけど、この近辺の書店じゃ売ってなくて、わざわざ隣の県まで行って買ってきたSF本もあるんだよ?

そんな本に対する個人的な情熱が通じるわけもなく、しかしあまりといえばあまりの評価だったので、そのお店は断って、ちょっと遠い別のお店に持ち込みました。

そのお店の合計は、2千円超え…

おー!!

5倍になった♪

最低単価はこのお店の方が安いのですが、高い本には高い値段が付いていて、合計金額が上がったのです。

こういう細かい値段設定が本好きには嬉しい☆

本屋さんでも本に対する愛情の感じられない経営方針のお店が最近増えてきましたからね~
ま、そういうお店の方が希少本が安く手に入ったりするので利用はさせてもらっていますが。

そういえば、ジュリア・ロバーツとヒュー・グラント主演の映画「ノッティングヒルの恋人」の舞台となった書店が閉鎖されるとのニュースを聞きました。
ロンドン西部にある32年間続いた旅行書専門店だそうです。
作家さんや詩人の常連客も多く、存続を訴えているとか。

本屋さんの経営もたいへんみたいですね。

大型の書店はベストセラーを手に入れるのには便利ですが、なんか味気ない。
最初に行った本屋も大型店になる前は店員さん手書きのBL(ボーイズラブ)コーナーなんかがあって昔は個性的なお店だったんだけどなぁ(苦笑)


闘病女子で時々おしり女子『困っているひと』

2011-08-27 09:45:00 | 本と日常
健康診断を受けて来ました。

ホント、大手ハンバーガーチェーンの「いまなら○○円!」とか牛丼の値下げとか止めて欲しい~

ついつい食べてしまうんですよね。

…自分の不摂生を他人のせいにしたくなるような検査結果でした。あ~ぁ。

健康といえば最近異色の闘病日記(?)を読みました。
大野更紗 著

*(キラキラ)*『困っているひと』*(キラキラ)*(ポプラ社)

上智大学のフランス語学科に在学中から、ビルマの難民問題に関心を寄せ、フィールドワークもこなしながら大学院に入り研究を続けていた女子に突如襲い掛かった難病…

いくつもの病院を漂流し、日本の医者の現実に失望し、申請書類の多さと手続きの煩雑さに役所に悪態をつきながら、皮膚や肉が溶け出し激しい痛みを伴う免疫系の難病に耐える日々。

それなのに、それなのに、気になるのは医療関係者とはいえ「年頃の女子がおしりをさらす」時のビミョーさ…
もちろんそんなことをいっている場合ではないのだが、「男性の放射線技師さんに思いっきり無い乳をひっぱられ」、大腸の内視鏡検査では「更紗ちゃんは、腸がチョー長いねえ」と男性医師に反応に困るジョークを飛ばされ、「私はブッダだ」「私の体はモノなのだ」と何をされても「これは修行なのだ」と自分に言い聞かせる闘病女子のどこかユーモラスな闘病日記♪

病院の食事が唯一の楽しみだったり、優しい栄養士のおじさまに癒されたりと、女子の視点満載で苛酷な闘病生活を描いています☆

いつまで続くのかわからない闘病生活。社会復帰できるかどうかの不安。体を動かすだけで激しい痛みに襲われる本当に大変な状態なのに、好きな人とデートがしたいというその気持ちだけで病院脱出を決意する作者!

いやぁ~、女子ってスゴイ!!

作者が体験した日本の医療の現場、難病認定までのお役所との攻防などは、ビルマの難民問題に関わってきた作者だからこそ描ける内容で、とても興味深いものがありました。
全面的に共感はできませんが、とにかくその行動力がスゴイ!

石灰化してしまっている患部に、炎症している皮膚。それでもワンピースを着て、看護師さんに手伝ってもらいながらタイツをはき、お化粧をして彼との院内デートに出かける。「これ、何のドラマだよ! 中学生かよ!」という作者の自分自身への照れ隠しに読んでいて泣き笑いみたいな感じになってしまいました☆

どんな時でも、人間って「生きていたい!」と思うことが大切なんですね。

作者は現在も都内某所で絶賛闘病中とのことです。

文章の力と、作者のユニークさに魅せられていっきに読んでしまいました。


『プラテーロとわたし』『中国嫁日記』

2011-08-23 19:07:00 | 本と日常
お盆休みも「アッ」という間に終ってしまい、子供たちがそろそろ夏休みの宿題に追われる時期ですね。

大人になって嬉しい事の一つは宿題がないってこと♪

でもたまに夢の中で夏休みの宿題が終っていなくて、ゾッとして目が覚める時があります(苦笑)

もうしなくていい、しなくていいよ~

しばらくして(あ、もう大人だった)と思い出してようやく落ち着きます。
そうとうトラウマになっていますね(笑)

お盆の間に読んだ本は…

J・R・ヒメネス 著
長新太 絵

*(キラキラ)*『プラテーロとわたし』*(キラキラ)*(理論社)

プラテーロというのはロバの名前。
1956年にノーベル文学賞を受賞したヒメネス。
この作品はいくつかの出版社から邦訳が出ていますが、このたび理論社版が復刊されたんです♪

訳は伊藤武好さん、伊藤百合子さん。

詩人として将来を有望されながら、度重なる不幸と失望で傷ついた作者が、故郷スペインの片田舎で目にした人々の暮らし。
粗野で、貧乏で、偏見と傲慢な、だけど愛すべき人々。
黒い服を着てロバにまたがる作者を子供たちは「きちがい」とあざけります。

幼くして亡くなった少女。ドロだらけのジプシー。気のふれた女に、やせこけた犬。

ほら、プラテーロ…

自分のロバに優しく語りかけ、その愛情に満ちた視線で世界を見つめるヒメネスの文章は、そのリズムといい言い回しといい、何でもない日常の中にある大切な「何か」を読んでいる者の心に呼び覚まします…

ドラマらしいドラマのない散文が続くので、最初は退屈に思うかも知れませんが、何ともいえない感情を刺激する、心の奥底に響く文章です。
長新太さんの挿絵もイイ!
読書の秋、夜中にひっそりと読むのにピッタリの本です☆

その他、最近読んで面白かったのは…

40代オタク中年日本人夫と、20代中国人妻の日常を描いた四コママンガ。
井上純一(純弌) 著

*(キラキラ)*『中国嫁日記』*(キラキラ)*(エンターブレイン)

中国は瀋陽市(シェンセン市)出身で東北人(ドンベイレン)のお嫁さん。
日本の公衆トイレに紙があることに驚き、スライスチーズの美味しさに驚き、大相撲の懸賞を受け取るところが大好きで、餃子の日は餃子が主食なんだからご飯はナシ!

国際結婚だからか個人の問題なのか、異文化コミニュニケーションの面白さを身を削って紹介してみえます♪

昨年からブログで描かれていたのが話題になり、このたび書籍化されたんだとか。
「中国嫁日記」で検索するとブログを見ることができます☆

尖閣問題だとか高速鉄道事故とか、何かと中国の対応を危険視するニュースが続いていますが、中国人一人一人を見ればいい人もいるし面白い人もいる。当たり前のことなんですが、国家と個人は別物ですからね。
夫の実家(宮崎)にお正月の挨拶に行くというので緊張しているお嫁さんがカワイイです♪

中国ではクリスマスが浸透していないとか(東北地方の話しです)、10年前まで村に一台しか電話がなかったとか(東北地方でも一部の地域の話しです)、中国の野菜はとにかく洗うのが大変で(泥だけじゃなく農薬も心配)肉も塊で売っているので日本のヤワな包丁とまな板じゃ役に立たないとか(…これはわりと中国全土)、日本と中国の違いがわかって面白いです。

中国では魚は煮るもの、焼き魚は一般的ではないそうで、初めての焼きサンマはですから頭と内臓がきれいに取り除かれていたり、アジの開きにはドレッシングがかけられて食卓に上ったそうです(苦笑)

あー可笑しい♪♪

みそ汁に香菜(シャンツァイ)!?
トーストにおしるこ!?

そういう違いを乗り越えながら、なんだかんだいって仲のいい日常が描かれているんだから、ごちそうさま!

ちなみにみそ汁に香菜(シャンツァイ)を入れるとすげぇマズイそうですからご注意下さい☆

面白いマンガでした。


ドラマ「下町ロケット」とアニメ「あの花」

2011-08-21 19:29:00 | 本と日常
8月21日午後10時から、WOWOWで池井戸潤さん原作の「下町ロケット」がドラマとしてスタートします。

第一話は無料放送♪

出演は三上博史、寺島しのぶ、渡部篤郎、他。

第145回直木賞を受賞した『下町ロケット』は私も読みました!
とても面白かった!!
だからこのドラマも絶対見ようと思っています。
全5話の予定だそうなので、残りはレンタル店で。

最近深夜に放送されていた「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」という長いタイトルのアニメに放送終了後にハマッてしまって、ボロボロ泣きました。
これもまだ3話までと最終話しか見ていないのでレンタル店に並ぶのが楽しみ☆

エンディングに流れる「secret base ~君がくれたもの~」がまた泣けるんですよね~
ZONEという女性バンドが歌っていた曲ですが、某TV局の24時間テレビを見ていたらこのグループが登場して上記の曲を歌っていたので驚きました。
いつの間にか再結成していたんですね。

アニメ「あの花」は埼玉県の秩父市が舞台になっていて、登場する建物や場所も実在のものだそうです。

最終回を初めて見た時、涙腺が壊れたかと思うくらい涙が出て驚きました。

トラウマを刺激する心の痛いアニメですがそこがまたいいんですよね。
疲れるけれど、たまには涙も流さないと。

続きが楽しみです♪




君がくれたもの…

2011-08-19 11:45:00 | 本と日常
久しぶりにかつて自分が通っていた高校の近くまで行く機会がありました。

歩道にそって伸びる工場の緑色の柵も昔のまま。
その途中にあるバス停の位置も少しも変わっていませんでした。

三年間歩いた通学路。
バス停から駅側にすこし歩いた場所で二十年以上前、部活が同じだった同級生の女の子が交通事故で亡くなりました。
部活を終えての帰り道で、その数分前まで、一緒に練習していました。

そういう場所って不思議と忘れませんね。
二十年たっても十七歳の同級生の顔がその場所を見るとよみがえってきます。
いまは多少ぼんやりとしか思い出せないのが哀しいですが。

交通事故や川の事故のニュースを聞くと、その関係者が一生抱えて生きることになるその重さをつい考えてしまいます。
幸いというか、そういう立場に立ったことがない私なんかが軽率に言葉にできるようなことではないんでしょうが。

お盆だからというわけではありませんが、ちょっと感傷的になってしまいました。

小、中学校と同級生だった女の子が白血病で亡くなったのはまだ二十代の時でした。
長い黒髪の似合うかわいい子でした。
小学生の時は一緒にキャンプに行き、プールで泳ぎ、修学旅行も一緒でした。

その子が亡くなって数年後、小学生の時に埋めたタイムカプセルを掘り出すというイベントがあり、久しぶりに同級生と集ってそのタイムカプセルを開けたのですが、そこには亡くなった女の子と仲の良かった親友のYちゃんも同席していました。

みんな自分が入れた作文や絵を見て笑い合い、からかったりしてふざけていたのですが、その中から白血病で亡くなった女の子の小学生の時の作文も出て来たので、Yちゃんが代表して読みました。

「〇〇年後もずっとYちゃんと友達でいたいです」

そこには幼い字でそう書かれていました。
「こんなの見せられたら泣いてしまうわ」とYちゃんは涙をボロボロこぼしながら笑っていました。

亡くなってしまった人はもう生き返らないけれど、いまも私に影響を与え続け、私の生き方を助けてくれています。

川面に流れる灯籠の明かりやお盆の送り火を見ていて、ちょっとそんなことを思ってしまいました。

夏も終わりですね。







      ―アニメ「あの花」ED「secret base ~君がくれたもの~」を聞きながら―

      →http://www.youtube.com/watch?v=kFU2l0EHmmE&feature=fvst

おおきくなれよ~

2011-08-17 13:38:00 | 本と日常
友人一家と焼肉を食べて来ました。

食べられるって幸せなことですね。
これで厳しい残暑を乗り切らないと。

その友人一家には小さな女の子がいるのですが、大人と一緒にいるとどうしても退屈してしまうので、時折携帯電話でゲームをしたり、しりとりをして一緒に遊びました。

どれも目新しいものではありませんし、何か特別面白いことが起きたわけでもありません。
でも帰りぎわ、女の子はわざわざ「ゲーム面白かったよ」と私に言いに来てくれました。

それがゲームのことだけじゃないことはさすがの私にもわかりました。

なんだかその子供なりの感謝の伝え方が微笑ましくって、心がホッコリ☆

気持ちを伝えるって大切ですね♪

どうして大人になると照れくさくなってしまうんだろう?(苦笑)

たまに子供に教えられます。

一方大人たちといえば、アニメやマンガ、ゲームや映画の話で盛り上っているんですからね。
子供を見習って少しは成長したとこ見せないと…


新訳『丘の家のジェーン』

2011-08-14 23:55:00 | 本と日常
今年は保冷剤が大活躍。

いまも手拭いで包んで首に巻いています♪
これがけっこう暑さ対策になるんですよね。
あまり人様に見せられるような格好ではありませんが(苦笑)

お盆休みでどうせどこも人ばっかり。いちおう旅行ガイドを買ってパラパラながめてはみましたが、どうも今年は出かける気になりません。
友達とカラオケにでも行こうかと思っているくらい。

朝から窓を全開にし、洗濯物を干してひと休みしていたら気持ちのイイ風が入って来ました。
ちょっと横になったらそのまま昼寝(笑)
標高の高い土地に住んでいるので朝方はけっこう涼しいです♪

最近買った本は、パトリシア・A・マキリップの〈イルスの竪琴〉第二部、

*(キラキラ)*『海と炎の娘』*(キラキラ)*(創元推理文庫)

王女様が行方不明の許婚を探しに王宮を抜け出し旅に出る…
3部作の2巻にあたるお話。
いまちょっとファンタジーを読む気分じゃないのでその内読みたいと思っています。

モンゴメリの作品を次々と刊行している角川文庫。
今月発売されるのは、トロント育ちの少女が美しいプリンス・エドワード島で小さな家の切り盛りを任されることになる私の大好きな作品☆

*(キラキラ)*『丘の家のジェーン』*(キラキラ)*(角川文庫)

新訳、新装版です。
一冊で読みきりなので、モンゴメリは『赤毛のアン』しか読んだことがないという人にはピッタリのモンゴメリ入門書。
モンゴメリファンが増えてくれると嬉しいな♪

ちょっと前にNHKのBSプレミアムで映画「ポリアンナ」(1960年)が放送されていて、不覚にも見ていて泣いてしまいました。
エレナ・ポーターの原作が大好きだということもありますが、映画もとてもよくできていました。
原作のエピソードをかなり短縮してつなげていますが、どんな境遇に置かれても「喜び探し」を続けるポリアンナがイイ♪

こういう映画、もう作ってくれないでしょうね~

高校野球も岐阜県代表は早々と負けてしまったし、涼しい所を探して保冷剤巻いて、この夏を乗り切りたいと思います。

…カキ氷まだ食べてないや。
夏が終る前に食べなくちゃ。

焼き物の里をたずねて

2011-08-12 19:27:00 | 本と日常
お盆休みで故郷に帰省されている方も多いんでしょうね。

私の住んでいる町も田舎なので、この時期いっきに人口が増えます。
今日は昼間からドン、ドンと夏祭りの花火の音が。
アパートからほど近い川辺で打ち上げが行われるため、毎年窓から見物です♪

枝豆とポップコーンとノンアルコールビールを買い込み、準備も万全!
花火より食べ物重視です☆

先日は織部焼きなど焼き物で有名な岐阜県は土岐市に行って来ました。
NHKのBSプレミアムで、織田信長、豊臣秀吉に仕えた武将、古田織部を主人公にしたアニメ「へうげもの」が放送されていますね。

アニメでは茶器の名品名席の数々が紹介され、その見方や味わい方がわかりやすく解説されているので、わびさびに疎い私でも見ていて面白い。

古田織部は利休の弟子の一人で、織部焼きは古田織部の指導で始められた焼き物なんだそうです。

当時美濃と呼ばれていた岐阜県の東部は今も陶器の生産が盛んな所。
織部焼き、志野焼きなどの美濃焼きやガラス製品を見物して来ました。
さすがに購入はしませんでしたが、「志野・織部」という道の駅では豆乳のソフトクリームを食べて来ました。
織部焼きをイメージして抹茶の緑がかかっていて美味しかったです♪

やっぱり私は器より食べ物の方がいいなぁ~


外部被爆検査を受けてきました

2011-08-09 23:41:00 | 伝えたいこと

京都の大文字焼きとして知られる五山の送り火で、東日本大震災によってなぎ倒された岩手県陸前高田市の松で作られた薪を燃やすという計画があったそうですが、「放射能に汚染されいていたらどうする」という何の根拠もない地元の反対で取りやめになったそうです。

薪には被災地の方の思いが書かれていたとニュースで見ました。
検査の結果、放射性物質は検出されていないとも。

陸前高田市には私もボランティアの一員としてお手伝いにうかがいました。
自分の家も津波の被害に遭いながら、温かい汁物をごちそうしてくれたご夫婦の顔が忘れられません。

自分の理解できないものはとりあえず排除する…

現地のことを知らず、放射能についてもよくわからないという無知が人間を不安にさせるんですね。

偶然ですが、先日外部被爆検査を受けて来ました。
陸前高田市で数日間、ドロとヘドロにまみれた長靴や手袋なども持ち込み、それも検査してもらいましたが、異常な放射線は検出されませんでした。
私自身も正常の範囲内で健康への影響はなし。

京都の地元の方を一方的に責めるつもりは私にはありません。連日の原発事故による放射能汚染のニュース。食品への影響。誰だって不安になりますよね。

私も自治体の発表する地元の環境放射線測定結果というのをチェックしていますが、自分が現在どのくらいの放射線をあびているのか正直わからないというのが気持ち悪いと思っていました。

気になったらとりあえず確かめて見るのが一番。
私の住んでいる岐阜県は、福島原発からは約400㎞離れていますが、県内で放射線検査の受けられるところを探してみました。

まず地元の総合病院に訊いたところ、被災地に派遣された自治体職員や病院スタッフの検査は行っているが一般市民の検査はやっていないという答え。

内心(そりゃないだろ~)とも思いましたが、いち職員に文句を言ってもしかたないので、今度は岐阜県庁の東日本大震災健康相談窓口というところに問い合わせてみました。

そこの職員によると県内に内部被爆を検査する機械はなく、外部被爆の検査は県庁と他2ヶ所の比較的大きな保健所で受けられるとのこと。
県内に3ヶ所だけ!?
それもかなり遠い場所だったので思わず「いったい健康相談ってどんな仕事をしているんですか?」とちょっと嫌味を言うと「ちょっと待って下さい」といって、「あぁ、この病院でもやってくれるかも知れません」とやはり少し遠いものの先ほどの保健所よりは近い総合病院を教えてくれました。

何とか力になろうとしてくれたのか、案外真面目な公務員さんなのかも☆

それでさっそく折り返しその市立の総合病院に問い合わせてみました。
対応してくれた放射線科の人はきさくな感じで「大丈夫ですよ。今日は検査がこの時間に終るのでその後なら時間があります」とその日のうちになんと検査を受けられることに。通常の仕事の合間にやってくれるとのことで、費用を訊ねると「ボランティアでやっているので無料です」と笑って答えてくれました。

まだまだいい人もたくさんいますね。

それで岩手県でボランティアをしていた時の道具を持ち込み、私自身も放射性物質の測定をしてもらいました。
耳の穴や鼻の穴も測定されました。
それでも実質10分もかかりません。
検査員の方が防護服(?)を着る時間や私が必要事項を書き込む時間を合わせても20分程度です。
放射線測定器の実物を初めて見ました。
検査結果はその場で見せてくれて、上記のような結果になったのですが、検査員の人が「よかったですね」と声をかけてくれたので、放射能についてや被災地の様子について少し話もしました。

「放射能は目に見えないから不安になる…」

本当にその通り。
知らないから不安になる。
知ることで人間って行動も変わってきますからね。
風評被害とか本当にやめて欲しい。
国民全員とはいわないけれど、せめて地元の役所に放射線測定器を一台置いて、誰でも利用できるようにすればみんなの不安も解消すると思うんですけど。
難しいのかな?

うちの地元の市立の総合病院、自治体職員と病院スタッフだけなんていわないで、使わない時は市民にも使わせてくれてもいいだろうに…融通が利かないったら。
原発事故の現場から離れているもんだから緊迫感がないんでしょうね。
病院や自治体によって対応がずいぶん違います。

8月9日は66回目の長崎原爆の日でした。

無知と無関心が一番怖い。

五山の送り火で使われなかった陸前高田市の薪は、8日の夜、お盆の迎え火として地元で燃やされたそうです。
鎮魂と復興への決意を込めて…


『MM9―invasion―』

2011-08-09 00:59:00 | SF

山本弘さんの怪獣小説(笑)

『MM9―invasion―』(東京創元社)

を読みました。
本格怪獣小説として一部で話題になった前作『MM9』の続編です。

「MM」とは「モンスター・マグニチュード」の略。
その怪獣の体積を水換算した場合の大きさを表し、0~9と数字が大きくなるほど体積も大きくなる。現在確認されている最大の怪獣が「MM9」
そしてこの怪獣災害と日夜戦い続けるのが、気象庁特異生物対策課、略して「気特対」の面々です。

ま、戦うといっても台風に対する気象庁みたいなもので、ミサイルとか戦車は自衛隊におまかせ。
ひたすら情報の収集と予測進路、予測被害を計算し、避難勧告などを出すのがお仕事の公務員なので、だいたいいつも怪獣を追いかけたり追いかけられたりしています♪

まじめに怪獣小説って(笑)

ゾンビや吸血鬼の登場する小説ならありますが、体長40mの怪獣の出てくる小説はなかなかありません。

本格怪獣小説ということで、怪獣の存在を科学的(?)にちゃんと説明しています。

この小説の中の世界では「ビッグバン宇宙」と「神話宇宙」が共存していて、怪獣は「神話宇宙」の存在だから、「ビッグバン宇宙」の物理法則で説明できなくても問題ない!

うわぁ、何それ?

観察者効果というものがあります。
この世界のありようを決めているのは、観察者である人間(あるいはその他の知的生命体)の物の見方であるというもの。

簡単に言うと、世界は信じた人間の多い方にその姿を変えていくのです。
誰もが神話を信じていた時代には怪獣も存在することができた。その世界では神話が現実であるのと同様に怪獣もまた現実の存在。
ところが科学が発達し、誰もが神話や伝説を信じなくなれば、物理法則が優先され、神話的存在だった怪獣たちは過去にさかのぼってそもそも存在しなかったことになってしまう。

この「多重人間原理」という架空の学説が作者が広げた大風呂敷!

観察者によって世界が決定するという設定は、量子論や「シュレーディンガーの猫」を知っていると理解しやすいかも。
今回宇宙怪獣が登場するにあたり、「天動説宇宙(神話宇宙)」と「地動説宇宙(ビックバン宇宙)」のせめぎあいというのも出て来ました。

小説の舞台はまさに「神話宇宙」から「ビッグバン宇宙」に変わる過渡期の世界。
だから当然「神話宇宙」の存在である怪獣に「ビッグバン宇宙」の物理法則は通用しません。
通常の物理法則では体重を支えられないはずの怪獣もだから存在できる。

怪獣を存在させるためにここまで考える?
こじつけもここまでくると見事です!

あー、可笑しい☆

怪獣物の王道も外しません。
さっそく「東京スカイツリー」が怪獣に襲われてるし(笑)
日本各地の観光名所を襲うのは怪獣物のお約束ですからね。

今回は特に作者が意識したという、ライトノベル的な展開になっていて、ラブコメもふんだんに散りばめられています。
あと、恒点観測員の正義の宇宙人とか、活動限界が3分だとか、「ウルトラマン」世代にはおなじみの設定も。

娯楽作品としてとても面白い♪

まあ、内輪ネタ的な笑いであることは否めませんが、特撮や怪獣もの好きな人にはたまらない小説だと思います。

あー、楽しかった☆


孫を見る目

2011-08-08 20:27:00 | 本と日常
先日喫茶店で本を読んでいると(暑いので避難していました)、おばあちゃん、お母さん、やんちゃ盛りの男の子二人という組み合わせが背中合わせの隣の席に座りました。

席はソファタイプを二つ並べて二人がけになっているので男の子たちはクツを脱いで上にあがり跳んだりはねたり。

隣の席なので聞く気はなかったのですが、おばあちゃんが孫たちにこんな話をしているのが聞こえてしまいました。

「あなたを初めて見た時、こんなかわいい赤ちゃんは他にはいないと思ったわ。初孫はかわいいというけれど、そうじゃなくて本当にあなたがその時たくさんいた赤ちゃんの中で一番かわいかったのよ」

どうやら産院で初めて孫と対面した時の様子を話しているみたい。
男の子は照れているのかよけいにソファの上でゴロゴロ転がり、おばあちゃんも母親もそれを微笑ましく見つめていました。

男の子が転がるたびに背中合わせになった私の椅子はドンドンと押され、私の荷物の置いてある横の席は衝撃で斜めになってしまっています。

フゥ…

これが孫バカ、親バカというやつか。

私は読んでいた本を置いて店員さんに「子供に押されて席がズレてしまったの直してもらえますか」

…とよっぽど言ってやろうかと思いましたが(本人に直接言わないところが意地悪)、せっかくいい本を読んで幸せな気分になっていたのでやめておきました。

心の中で想像したら溜飲も下ったので。

読んでいたのはルーシー・モード・モンゴメリの「ストーリー・ガール2」、

*(キラキラ)*『黄金の道』*(キラキラ)*(角川文庫)

美しいカナダのプリンス・エドワード島を舞台に、少年少女たちの輝かしい日々と成長が描かれるシリーズの2冊目。

人間っていうのはいつの時代も興味深い行動をしますね♪
かけおち、ケンカ、カン違い。
思い上がりや嫉妬や執着心で失敗もするけれど、いい人間になりたいと思う心も持っている…

隣の席の一団が騒々しく食事をし、男の子たちをせかすようにして立ち去った後、私も席を立ち、斜めになったソファをそっと直して店を出ました。

結果的に面白い人間観察もできたし、いい読書もできたので満足です。

コーヒー代(ビッグサイズ)480円でした☆


水まんじゅうの季節です

2011-08-07 16:53:00 | 本と日常
お皿を割ってしまった…

皿を割るなんて何年ぶり?
洗い物をしていてちょっとシンクに落としたらあっけなくパリン!
何だよ、いつもはこれくらいじゃ割れないくせに…
割れる時は割れるもんですね。
ま、割れたもんはしょうがない。
それにコンビニでポイントをためてもらったお皿で、色違いがもう一皿あるし。

今日はまな板を日光消毒したり、郵便局に荷物を取りに行ったり、商店街が道路を歩行者天国にして地元の特産品を売る催しをしていたのでそれを見学したりして過ごしました。
子どもたちがカキ氷を食べていて涼しそうでうらやましかったです。
和菓子屋さんの前では冷水に浮かべた「水饅頭」も売っていました。

岐阜県では大垣市の「水饅頭」が有名ですが、全国区ではないかな?
この季節、氷水に浮かべて食べる水饅頭は涼やかでおいしいです♪
冷やし白玉ぜんざいもいいな☆

夏なのにさっぱり食欲がなくなりません…


『死ぬ気まんまん』

2011-08-05 21:04:00 | 本と日常
佐野洋子さんのエッセイ、

*(キラキラ)*『死ぬ気まんまん』*(キラキラ)*(光文社)

を読みました。
2010年に亡くなられた佐野洋子さん。
『100万回生きたねこ』などの絵本や、エッセイストとして活躍されました。

しかし相変わらず口が悪い(苦笑)

社会保険事務所(当時)の職員とケンカして年金を放棄したり、「あの人はケチ」と友人(?)をこきおろしたり、「余命あと2年っていうからお金使っちゃたわよ」と死ぬ気まんまん♪

これまでのエッセイと重なるところもありますが、手術を担当した医師との対談なども載っています。

妖艶なジュリーも好きだが今の太ったジュリーも好き。郷ひろみが懸命に昔の体型を保とうとしているのは人間が小さいと思う…
とけんもほろろ(笑)

口が悪いというのと人間が悪いというのは違いますね。

どこかの大臣が被災地の県知事に上から物を言ったり、東海テレビが番組で岩手県産ひとめぼれのプレゼント当選者を発表する際「汚染されたお米セシウムさん」と裏方で使っていた仮のテロップを本放送で流してしまった事件など、口が悪かった、不適切な表現でした、では済まされないでしょ?
「本音がポロリと出てしまいました、申し訳ありません」と謝るんじゃなくて、そういう本音しか持てない自分の見識の狭さを相手に謝るべきじゃないの?

佐野洋子さんの本音は読んでいて気持ちイイ!
よくぞ言ってくれましたって感じ。

何かと教訓をのべたがる佐野さんのお父さん。

「金と命は惜しむな」とか
「文章になると人は信じやすいから気をつけろ」とか。
「だから私は自分の目で見た物しか信じない」という佐野さんに好感☆

うちの祖父(明治生まれ)も戦時中の体験があるので、テレビや新聞の言うことは信じていませんでした。

死と向き合い、死を見つめ、多くの死を体験してきた佐野さん。
タイトルの「死ぬ気まんまん」は、佐野さんの息子さんが母親を見て思わずつぶやいた言葉なのだそうです。

面白いエッセイでした。


頑張れアルバイト

2011-08-04 23:58:00 | 本と日常
ちょっと小腹が空いたので、たこ焼きを買って帰ったのですが、家に着いてみたら紙袋からソースが染み出てる!

車のシートに置いておいたので慌てて確かめましたが幸いシートは無事でした。

箱を開けてみるとたこ焼きがソースの中で泳いでる…

いやこれソース入れすぎだろ。

そういえば店員さんがやけに若い女の子で、顔のニキビが気になったのを思い出しました。
学生?
夏休みのバイト?
それにしてもたこ焼きの何たるかを知らな過ぎる!!

外はカリッと、中はジュワとトロトロ、ソースとマヨネーズ、青海苔は適量で、多くていいのは削り節とネギくらいだろう!

ま、多分ソースのかけ方にまだ慣れていなかったんでしょうね。
ポイント2倍の日で一箱無料になったから許すけど。

焼き方はいつも通りだったのでおいしくいただきました。

いつも利用しているたこ焼き屋さんなだけに、あのアルバイトの子が早く一人前になってくれることを祈るばかりです。