私的図書館

本好き人の365日

『世界から猫が消えたなら』

2013-06-30 20:45:13 | 日本人作家

川村元気 著


『世界から猫が消えたなら』 (マガジンハウス)

 

著者 : 川村元気
マガジンハウス
発売日 : 2012-10-25




「電車男」「告白」「悪人」などの映画プロデューサーとして活躍する川村元気さんの書いた小説。

文章には散らばった印象があって編集前のフィルムを見るみたい。

名作映画のセリフや、名著の文章などが引用されていて、そこはちょっとズルイかな?(苦笑)

それでも引き付けられてしまうのは、主人公をわざと凡庸に描き、誰もが共感できる弱さとやさしさとグッとくる決断を書いたから、だと思いました。

まあ、猫が好きならとりあえず読んでみてもいいかな♪

 

悪魔はいいます。

一日寿命を延ばすかわりに、何かを一つ世界から消さなくてはならない

明日をも知れぬ命であることを告げられた30歳の郵便配達員。

猫と二人暮らしの彼は、明日を生きのびるために、世界から消してしまうものを選ぶのですが―

 

「ナウシカとデートしたい」とか、「フォースを信じろ」とか、もう映画好き、本好きにはたまらない!

しかも、主人公と一緒に暮らす猫のエピソードがさ、これまたズルイんだよなぁ~

NHKでラジオドラマ化も決まっていて、7月に放送されるんだとか。

主演は妻夫木聡。

 

もし、あなたが最後にもう一度だけ映画が観れるとしたら、どんな映画を選びますか?

私は、う~ん。

 

 


ビブリオバトル

2013-06-25 00:07:17 | 本と日常

本好きの間で行われる書評ゲームをご存知でしょうか?

「ビブリオバトル」

好きな本を数人が持ち寄り、その本の”よさ”をアピール。

他の人に、より「読みたい!」と思わせることを競うゲームです。

今回、そんなゲームに参加する機会がありました。

持ち時間は一人5分。その後質疑応答の時間として3分。計8分の間に自分の選んだ本をアピールします。

質疑応答では、基本的に批判やダメ出し、イジワルな質問はNG。全員のアピール後、一人一票を投票して、一番票を集めた人がチャンピオン。

一人の読書も楽しいですが、みんなでわいわい本についてしゃべるのも楽しい♪

みんなの前でアピールしなくちゃいけないので、発表会のような緊張感はありますが、それも楽しみのうちです。

今回、大学生4名、社会人2名の方が本を選びアピールし、私はそれを聞いて投票しました。

5分間のアピールタイムもそれぞれ個性的で面白いのですが、後半3分の他の人との質疑応答が特に面白い♪

普段自分の守備範囲の本しか読んでいないので、すごく刺激になります!

 

他の人が本を読んでどう感じたか、どう自分の人生にフィールドバックしているか、その人なりの本の選び方、読み方みたいなものが感じられて、とても参考になりました。

ま、本の内容よりも、その人のパフォーマンスで読む気にさせられたところもありましたけどね♪

自分だったらこんな本を紹介するな、とか、こういうところをアピールするな、とか聞いているうちにいろいろ考え付いて、自分でもやってみたくなりました。

次回はぜひパフォーマーになりたい☆

読書の新しい楽しみ方として、とても面白い取り組みだと思います。

あー、楽しかった♪


福間雄三監督 『女生徒・1936』

2013-06-19 22:21:22 | 本と日常

今年も太宰治を偲ぶ「桜桃忌」がやってきました。

昭和23年6月13日。愛人の山崎富栄とともに玉川上水にて入水自殺。二人が発見されたのは奇しくも太宰の誕生日である6月19日でした。

お墓は東京三鷹の禅林寺。

現在、太宰の作品「燈籠」「女生徒」「きりぎりす」「待つ」を元にした映画、福間雄三監督の『女生徒・1936』が公開されていますが(一部地域のみ!)、太宰の作品の中で『女生徒』は一番好きな作品なので見に行きたい!!

どうやらまだ関東だけみたいなのが残念です。

太宰治とドストエフスキーには、人生のある時期一度はハマってみる価値があると思っています♪

 

2013年も折り返し。

書籍の取次ぎなどを行う会社トーハンが、2013年上半期ベストセラーを発表しました。

1位 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 村上春樹 (文藝春秋)

2位 『聞く力 心をひらく35のヒント』 阿川佐和子 (文藝春秋)

3位 『医者に殺されない47の心得』 近藤誠 (アスコム)

    

5位 『海賊とよばれた男(上・下)』 百田尚樹 (講談社)

8位 『置かれた場所で咲きなさい』 渡辺和子 (幻冬社)

やはり村上春樹さん強い!!

書評を読むと賛否両論ありますが、やはり一人勝ち状態ですね。

よく村上春樹はつまらない、という意見も聞きますが、ようするに暗喩と明喩というか、ちょっと矛盾したことをいうと、本なんかに答えを求めちゃダメなんですよ。答えなんて書いてないんですから。読者に想像の余地を残すのが物語の本質。私はそう思っています。

だからベストセラーに啓発本だとかハウツー本が入っているとちょっと残念な気持ちになります。

単行本文庫本ベストセラーでは、百田尚樹さんや湊かなえさん、東野圭吾さんに有川浩さんといった方々の名前が並び、映画化、ドラマ化作家のオンパレード。
意外だったのは文庫13位に入った坂木司さんの『和菓子のアン』(光文社)!
へぇ、売れてるんだ、と失礼な感想を持ってしまいました(苦笑)
いや、面白かったですけどね。

個人的には重松清さんの『きみの町で』(朝日出版社)とか、白石一文さんの『快挙』(新潮社)が気になります。

新人作家さんもどんどん出てきてくれないかな。

 

とりあえず、今夜は太宰の『女生徒』を読んで寝たいと思います。