私的図書館

本好き人の365日

『そばかすの少年』新訳!

2009-05-29 23:57:00 | 本と日常
ジーン・ポーターの『そばかすの少年』が、光文社から新訳で発売されました。

嬉しい♪

ジーン・ポーターはアメリカの作家で、1863年生まれ。

博物学者として蛾や蝶にも造詣が深く、採集のために通ったリンバロストの森を舞台にして書いた、この『そばかすの少年』が200万部を超えるベストセラーとなり、その後に書いた姉妹編といえる『リンバロストの乙女』も多くの読者を獲得しました。

大好きな作品です。

片腕を失くした痛々しい姿で孤児院の入り口に捨てられていた赤ん坊。

名前もわからず、その容姿から「そばかす」とだけ呼ばれていた少年が、原始の姿を残したリンバロストの森で初めて人間らしい扱いを受け、森の番人として木材会社で働くことになる。

そんな少年の前に突然現れた少女は、まさに天使のようで、そばかすはその少女を「エンゼル」と名付けます。

私は角川文庫の村岡花子さんの訳した本を持っていますが、今回翻訳に挑戦したのは鹿田昌美さん。

光文社の古典新訳文庫には期待していたんですよね。

ローリングスの『鹿と少年』(仔鹿物語)とか、バタイユの『マダム・エドワルダ/目玉の話』など、読みたかった作品が次々新訳で出版されるのは嬉しいです☆

美しいリンバロストの森で蛾や蝶を集めて学費を稼ぐ少女エルノラの物語、『リンバロストの乙女』もぜひ出版して下さい!

蛾の中で「詩人の王」と呼ばれるシセロニア・レガリスが殻からはいだし、しだいに羽を広げていくシーンなんて、何度読んでも感動します。

ぜひお願いします。



栗本薫さん死去

2009-05-27 15:50:00 | 本と日常
突然の訃報にビックリしました。

26日の午後、東京の病院で作家の栗本薫さんが亡くなられたそうです。

超長編小説『グイン・サーガ』などで知られ、幅広い分野で活躍されていた栗本薫さん。

2007年にすい臓ガンの手術を受け、闘病中でした。

それにしても、56歳は若すぎる…

『グイン・サーガ』はつい先日最新刊の126巻が発売されたばかり。

豹頭の主人公が活躍するファンタジーですが、今年は出版30周年を向かえるということで、アニメ化もされ、現在放送中でした。

もう続きが書かれることはないんですね。

謹んでご冥福をお祈りいたします。


地デジカ

2009-05-26 18:22:00 | 本と日常
地デジ対応テレビを買ってしまおうかな…

BSフジで放送中のアニメ「こんにちはアン Before Green Gables」(日本アニメーション)が見たいんです。

モンゴメリの『赤毛のアン』出版100周年を記念して、モンゴメリ財団の依頼を受けたカナダの作家バッジ・ウィルソンが書いた新たなアンの物語、『こんにちはアン』(日本語版新潮社文庫)

『赤毛のアン』の主人公、アン・シャーリーの出生についてや、グリン・ゲイブルズにやって来るまでの11年間、アンがどのように暮らしていたのかが描かれています。

その作品がアニメ化され、現在放送中。

日本でアニメ化された「赤毛のアン」が放送されたのは1979年こと。

私が子どもの頃に楽しみにしていた「世界名作劇場」で放送されました。

オープニングの歌がよかったんですよね♪

現在、その「世界名作劇場」が、制作会社も同じで、BSフジで放送しています。

でもBSフジって衛星デジタル放送が受信できないと、見ることができないんですよ。

あぁ、どうしよう。

現在のアナログ放送は2011年7月24日までに終了の予定。

どうせいつかは買わなくちゃいけないんだし、この際、地デジ対応テレビを買うついでにBSデジタルチューナー内蔵のテレビにしちゃおうかな?

でも2011年までには最新機器も発売されるだろうし、アニメは最悪DVDでも見られるし…すっごく迷っています。

くだらないクイズ番組なんてやめてこっちを放送してくれればいいのに。

それとも質のいい番組をデジタル放送にして、地デジの推進を目論んでいるのか!?

やるな地デジカ!!

あんな単純な顔をしているくせに、そんなに腹黒かったなんて!

………。

とりあえず、落ち着いて検討してみます。

ちなみに、地デジカの嫌いな食べ物は”鹿せんべい”です。







*「地デジカ」…2011年7月の地上デジタル放送への完全移行へ向けて、「地デジ化」を推進するために生まれた鹿に似たキャラクター。
 角の代わりにアンテナが頭に生えていて、家の屋根にそれを刺して回っている。
 企画を担当したのはフジテレビ。

『少女の友』

2009-05-10 23:57:00 | 本と日常
本屋さんでその表紙を見つけて、(こんなの出てるんだぁ♪)と思わず手に取ってしまいました。

*(キラキラ)*『少女の友 創刊100周年記念号』*(キラキラ)*

1908年、明治41年に創刊され、大正、昭和という激動の時代の中、1955年、昭和30年まで続いた少女雑誌、『少女の友』。

その創刊100周年を記念して、当時の表紙や口絵、代表的な作品を復刻、『少女の友』に寄せる現代の作家さんのエッセイなども載せて、100周年記念号として発売されていたのです。

表紙はもちろん中原淳一☆

作家の田辺聖子さん、あさのあつこさん、マンガ家の安野モモコさんなどが今回エッセイを寄せています。

作家さんたちの『少女の友』にかける情熱のすごいこと!

関係ありませんが、あさのあつこさんは初孫が生まれたそうで、おめでとうございます♪

『少女の友』、私はもちろん本物なんて読んだことはありませんが、寺山修司さんの本の中や、最近読んだ須賀敦子さんの『遠い朝の本たち』の中にも登場していたので、明治から昭和にかけての少女たちが心待ちにして読んだという、その雑誌には前々から興味がありました。

川端康成や手塚治虫も作品を載せていたんですね。

村岡花子さんが少女のためのブック・レビューをこの雑誌に連載していたなんて知りませんでした。

その他、豪華な執筆陣にビックリ。

村岡花子さんのお孫さん、村岡恵理さんも今回エッセイを寄せています。

今回の記念号の監修は、『算術少女』の作者でもある遠藤寛子さんと、内田静枝さん。

まずはドドーンと中原淳一さんの絵(「宵待草」)が付いていて、その他、川端康成の「乙女の港」第1回、吉屋信子の「小さな花」、松本かつぢの「くるくるクルミちゃん」なども当時のまま(現代仮名使いにはなっています)読むことができます。

表紙の数々や当時の広告、グラビアや投稿された詩もそのまま。

特に中原淳一の「女学生服装帖」はすごい!

和服から洋装に切り替わる時代に、少女のために服装や髪型の指南をするコーナーなのですが、そのオシャレなこと。

本当にこれが昭和初期の日本の雑誌!?

中原淳一の絵も、今回初めてじっくり見ましたが、確かに時代は感じされるんだけれど、それ以上に時代を超えた魅力があって、圧倒されました。

軍国主義の台等してくる中、あくまで少女のための雑誌を作ろうと激しい圧力や検閲と戦った『少女の友』編集者の意気込みが伝わってきそう。

3,800円と少々お高かったのですが、思い切って買ってしまいました。

でも、買ってよかった☆


『日本人の知らない日本語』

2009-05-09 22:33:00 | 本と日常
今日は休日だったので、カレーを作りました。

100g100円以下のオージービーフ。

それでも十分美味しくできました♪

カレーが出来るまでの時間を利用して、最近買った本を読みました。

読んだのは、日本語教師をしている海野凪子さんと、イラストレーター蛇蔵さんのブログ発信のコミックエッセイ、

*(キラキラ)*『日本人の知らない日本語』*(キラキラ)*

時代劇好きのスウェーデン人、高倉健ファンのフランス人マダム、たいへん真面目なイギリス人。

日本語学校にやってくる超個性的な学生のマニアックな質問に凪子先生が立ち向っていきます☆

 年齢を書くときは「才」と「歳」どっちですか?

 「袖(そで)ビーム」ってなんですか?

 「さしつかえなければ」と「おそれいりますが」の使い分けを教えて下さい。

「シカト」って言葉が任侠用語で、元々は花札の鹿の絵(鹿と紅葉の描かれている札)からきているなんて知りませんでした!

鹿の絵が(花札では十点になる)そっぽを向いているため、鹿十→シカト=そっぽを向く、無視する、になったとか…

同じく花札の赤短(赤い短冊)に書かれている言葉も私はずっと「あのよろし」だと思っていたのですが、本当は「あかよろし」(明かによろしい)って読むんですね。(よく見ると「の」みたいな文字の上に小さな横棒があります)

へんたい仮名?

実は平仮名って元々一音につきたくさんの文字があったそうなんですが、それじゃややこしいということで、明治期に一音につき一文字だけに決めたそうで、その時もれてしまった平仮名を「変体仮名」と呼ぶそうです。

おかしいな、どこで学び忘れたかな?

もっと早く知りたかったなぁ~

日本人なのに知らないことがたくさんあって、驚きと共に楽しく読めました♪

日本になんか行ったら武士に切られると心配する友達に「大丈夫、武士には魂があって一般人には手を出したりしないから」と説得してやってきたスウェーデン人とか(いつの時代の会話?)(笑)

試験の答案で、○がいっぱいあって落ち込むアメリカ人とか。(正解した解答にはレ点でチェックを入れ、間違った箇所を○で注意する国はけっこうある。ちなみにゲームのコントローラーも×ボタンで決定、○ボタンがキャンセル)

コンビニで売っていた猫缶を猫の缶詰だと思って食べていた中国人とか。(広東省出身、お国では猫も食べるみたい…)

その他、室町時代の宮中で、女房と呼ばれていた女性たちの間で流行った、今でいうギャル語(?)が現代まで残っているとか(「しゃもじ」「惚(ほ)の字」「おでん」「おひや」などなど)、違う言語や習慣で育ってきた外国の生徒さんに日本語を教える苦労話に加え、タイトル通り日本人でも知らないような日本語についての知識が目白押し。

とっても勉強になりました。

海野凪子さんは現在も「まめじゃない日本語教師がまじめに日本語を考える」という題名のブログを書いてみえます。

第二弾も発売予定だというので楽しみです。

レストランなどでカレーを頼むと、たまにライスとは別にカレーだけが入った容器が出てきますよね。

アラジンの魔法のランプみたいな。

あれの名前を何というのか、日本語教師はそんな質問にも答えなくっちゃいけないそうです。

凪子先生頑張って下さい。

あ、「頑張れ」は本来目下の人を励ます言葉だからこの場合は別の言い方にしなきゃいけないのか…

凪子先生、”お疲れの出ませんよう”に☆


『魔女図鑑』

2009-05-06 09:05:00 | 本と日常
今日までGWという方も多いのでしょうね。

私は遠方の友達に会いに行ったり(焼肉食べました♪)、映画を観たり(ミロシェ・フォアマン監督の「カッコーの巣の上で」他)、夜更かししたり、昼まで寝ていたり、本を読んだりして充電していました。

高速道路の渋滞もしっかり経験しましたよ。

どこまで走っても地方の高速道路なら1,000円になるというETC割引を利用するために、ETC(高速道路自動料金収受システム)も車に付けました。

その割引制度の影響か、テレビでは高速道路の利用者が増えたって言っていましたが、確かにいつもより渋滞している距離が長いように感じました。

読んだ本は、

角野栄子さんの*(キラキラ)*『新魔女図鑑』*(キラキラ)*

図書館で見つけた本の扉に描かれていた扉の絵。

その扉にさわってみると、いつの間にやら扉の中に導かれて…

その本は魔女の家につながっていて、その家に住んでいる本物の魔女から、魔女についての様々なことを教えてもらうことになるのですが、『魔女の宅急便』の作者でもある角野栄子さんの魔女案内が、とても面白くてどんどん引き込まれました。

魔女の由来や歴史だけじゃなくて、ホウキの作り方や、ハーブの植え方、魔女料理の作り方など、実際に試せるように丁寧な図解入りで説明されています☆

もう一冊はマンガ。

高橋留美子さんの短編傑作集*(キラキラ)*『赤い花束』*(キラキラ)*

『Pの悲劇』『専務の犬』に続く作品で、大人の悲喜こもごもがユーモアを交えながら描かれています。

妻が入院してしまい、それまでまかせっきりだった父親の介護を自分がすることになったサラリーマン。
まかせておけって、大見得を切ったものの、オムツをあてることも初めて…

夫を亡くした義母の温泉旅行に付き合うことになった嫁。
最初は気を遣ってうまくやっていたのに、義母の勝手な言動にストレスも限界、そんな時に道に迷ってしまって…

夫として妻として。
男、女、父親、母親、夫婦、親子。
そして一人の人間として。

ちょっと笑えて、ちょっと泣ける。

そんな6編の物語が収められています。

こういうの描かせたらうまいなぁ~

お気に入りは、中年のサラリーマンが、クラス会で初恋の人に会いに行く「日帰りの夢」です♪

あと一冊、

イギリスの作家、サリー・ガードナーさんの*(キラキラ)*『コリアンダーと妖精の国』*(キラキラ)*

衣装箱のふたを開けるとそこは妖精の国…

こちらはまだ読みかけですが、連休がもう少し残っているので、楽しみに読みたいと思っています。

でもその前に、掃除して洗濯して冬物しまって定額給付金の手続きもしなくっちゃ…