私的図書館

本好き人の365日

兄、弟にムシキングを買わせる…

2005-07-29 18:56:00 | 日々の出来事

今日は会社を休んで病院へ行って来ました*(病院)*

いろいろ検査して経過を診てもらって、1200円。

たいした病気じゃないけど、一応念のため。

帰りに本屋さんによって、ブラブラして来たんですが、そこで幼い兄弟を見かけました。

歳はお兄ちゃんが6歳くらい。
弟はまだ幼稚園くらいかな?

どうやら千円以内(今の子は裕福だなぁ~*(涙)*)で、一冊だけ好きな本を買ってもらえるらしく、さっそく弟の方は、選んだ本をお母さんに渡してる。

ところが、ここからお兄ちゃんの怒涛の勧誘作戦が始まるのです(>_<)*(びっくり2)*

すばやく弟を絵本のコーナーに連れて行って、『ムシキング』の本を開いて見せるお兄ちゃん。

「これ見ろよ、これには2005年のカードが全部のってるんだぜ!」
「全部のカードがのってるのはこれだけなんだぞ!」などなど*(ハート3つ)*

もう、それはそれは、手練手管を駆使して猛烈に弟に本を薦めてる*(びっくり1)*
聞こえてくるその口調は、ほんとうのセールスマンみたい*(汗)*

…それってお前が欲しいだけだろ?(笑)

『ムシキング』っていうのは、いま子ども達に人気の昆虫を使ったトレーディングカードゲームのこと。

お兄ちゃんを信じて疑わない弟は、その本を抱えてお母さんのところに飛んで行き、「これね、これね、カードが全部のってるんだよ。だから、だから…」とまるで宝物を見つけたような勢い*(びっくり2)*

一方、まんまと弟に希望の本を買わせたお兄ちゃんは、ゆっくり自分の買う本を物色するらしい*(クール)**(青ハート)*

…お、面白いゾ、お前ら(^∇^)*(音符)*

”天使のような子ども”って表現があるけれど、子どもってけっこうウソつきで自分に都合のいい、言い訳ばっかりしますよね~

でもそんな子ども達の思いもよらぬ行動や、ませた言動に驚かされるのも嫌いじゃないです*(音符)*
だって面白いし*(星)**(キラキラ)*

雑誌を立ち読みしていた、くだんの兄弟のお母さんは、弟が新しい本を持ってきても、冷静に息子の話を聞いていました。

…たぶん、お兄ちゃんの思惑はバレてると思う*(汗)*

あまりジロジロと眺めているのもはばかられるので、結局その結末を見届けないまま本屋を出ました。
お兄ちゃんはうまく弟に本を買わせることが出来たのかな?

それともやっぱりお母さんのほうが一枚上手かな?

ひとしきりクスクス笑わせてもらった本屋での出来事でした*(星)*





七月の本棚 4 『ジャイアントロボ~地球が静止する日~』

2005-07-27 01:05:00 | 日々の出来事
夏休みですね*(波)*

毎朝ラジオ体操に向かう子ども達とすれ違います。
みんな早起きだなぁ~*(音符)*

夏休みになると、TVでも子供向けの番組がたくさん放送されるようになりますね。

さて今回は、毎年夏休みにNHKの衛星放送BS2で放送されている「BS夏休みアニメ特選」より、

この間オススメしておいた『ジャイアントロボ THE ANIMATION ~地球が静止する日 ~』のストーリーを少しご紹介します☆



…来るべき近未来、

完全リサイクル可能な新しいエネルギーシステム、シズマドライブを手に入れ、化石燃料による公害や、原子力の危険から解放された人類は、かつてない繁栄の時をむかえようとしていた。

だが、そんな輝かしい平和の陰で、世界の運命をかけて激しくぶつかりあう二つの力があった…

謎の先進科学技術によって造られた巨大ロボットと、様々な超能力をそなえたエージェントにより、世界征服を策謀する秘密結社BF団!

かたや、梁山泊を総本山に、世界各国より彼等に対抗すべく集められた正義のエキスパートたちの集団、その名も国際警察機構!

そして、その中に、史上最強のロボット、ジャイアントロボを操縦する、一人の少年の姿があった…

名を、草間大作。

「砕け! ジャイアントロボ!!」



くぅ~!!(>_<)
この古風な作り*(びっくり2)*
燃える設定! 戦う豪傑!!
もちろんわざと狙って作ってます*(音符)*

いまどき巨大ロボットに世界征服ですよ!

原作はもちろん横山光輝氏。
「鉄人28号」をはじめ、数々の名作を生み出したてきた漫画家さんです*(ハート3つ)*

その、横山作品に対するオマージュとして作られたのが本作品で、しかも、エンターテイメント作品としても十二分に楽しめる*(星)*

だって、敵役のBF団の首領、「ビッグファイア」からして、”三つのしもべ”を従えてバベルの塔に住んでいるアノ少年なんですよ!

他にも、BF団の軍師には、諸葛亮孔明*(ハート)*(横山作品では「三国志」も有名です)
十傑衆というBF団の最高幹部の中には、忍者赤影の姿も*(びっくり2)*(これわかる人って年がバレバレだなぁ*(汗)*)

噴射拳という自分の体をロケットのように飛ばすことのできる、国際警察機構側のエキスパートに、神行太保の戴宗(たいそう)!

そしてその仲間には、青面獣の楊志に智多星の呉学人!(この辺りは「水滸伝」から)

さらに「鉄人28号」や「マーズ」などで登場したロボットが敵役として新しくデザインされて登場したりしています。

おまけで「魔法使いサリーちゃん」(これも横山作品)も出演していますよ*(ハート3つ)*
しかもBF団側、悪役なんです*(音符)*

科学者だった父親から、かたみとして史上最強のロボットを託された少年、草間大作。

「幸せは犠牲なしには得ることができないのか…
 時代は不幸なしには越えることはできないのか…」

父親から残された言葉を胸に大作少年は戦い続ける。
その答えを求めて…

シズマドライブという夢のエネルギーシステム(環境問題完全解決!)を軸に、BF団と国際警察機構の戦いを描きながら、主人公、草間大作少年の成長と、父と子のドラマが展開されていきます。

大作少年(声は山口勝平)のけなげさもいいのですが、まわりの大人たちのカッコイイこと*(ハート)*

シズマドライブに隠された忌むべき秘密。
BF団の手により、すべてのシズマドライブを暴走させる「大怪球フォーグラー」が地球を覆いつくす時、一体何が起こるのか?

国際警察機構の面々は、それをはたして防ぐことが出来るのか?

繰る返される悲劇。

大作のたどりついた答え。

そして、策士孔明の思惑とは?

ポーランド国立ワルシャワ・フィルの重厚な音楽に乗せて、縦横無尽に暴れ回るロボットと、敵味方入り乱れての豪傑たちの戦いをぜひ観て下さい*(びっくり2)*

横山作品がわからなくても大丈夫。
動く絵の迫力と、その面白さを体験していただけることと思います*(音符)*
ちょっと昔のアニメになりますが、現在のアニメ作品にも劣らないクオリティーの高さと、熱く燃える演出は一見の価値アリです*(星)*

監督は「機動武闘伝Gガンダム」や「ミスター味っ子」の今川泰宏監督。

特にメカは気合入れて描いてます!
「大怪球」とか苦労しました。
…というか、線を引くのがヘタで、キャラクターは描かせてもらえなかったのです*(汗)*

第一話 黒いアタッシュケース
第二話 バシュタールの惨劇
第三話 発令! 電磁ネットワイヤー作戦~上海に堕つ~
第四話 豪傑たちの黄昏~勝利の鐘、未だ響かず~
第五話 真実のバシュタール! ~過ぎ去りし、少年のあの日々…~
第六話 罪と罰~全てはビッグ・ファイアのために~
第七話 大団円

以上の内容となっております。

NHKの放送予定はホームページなどでご確認下さい。

では、楽しい夏休みを☆



NHKホームページはこちらから。

http://www.nhk.or.jp/bs/

ジャンル別放送予定(左側)から「アニメ/特撮」のところをクリックして下さい。









横山 光輝  原作
今井 泰宏  監督

㈱アミューズビデオ
バンダイ ビジュアル㈱  製作












台風警報

2005-07-25 23:21:00 | 日々の出来事
台風、東海地方から関東地方を直撃するみたいですね。

うちもその範囲に入っているから心配だぁ~

明日は仕事忙しいのに*(汗)*

うちのアンテナ、自分で買ってきて勝手に立てたから、倒れないか心配。
一応針金で補強しておいたけど…

あとニワトリ小屋。

父親と二人で作ってから、もう五六年たつからなぁ、ずいぶんボロになってるし、朝起きたら吹き飛んでた! なぁ~んてことになってたりしたら笑えるけど(^▽^)←笑うんかい*(びっくり2)*

ま、笑える程度の被害であってくれればいいけど、自然の力の前には無力だからなぁ~*(雨)*







おすすめアニメ

2005-07-24 20:38:00 | 日々の出来事
*(星)*お知らせです*(星)*

いよいよ夏休みですね*(音符)*
今回は身勝手ながら、番組の宣伝をしたいと思います*(ハート3つ)*

NHKの衛星放送、BS2で7月25日から恒例の「BS夏休みアニメ特選」が始まります*(びっくり2)*

今回放送されるのは、シティー・ハンター <劇場版>や、エースをねらえ! <劇場版>など、その他もろもろの作品。

そして今回特にオススメしたいのが、


「ジャイアントロボ THE ANIMATION ~地球が静止する日 ~」です*(ハート)*


おぉ~懐かしい!
この作品、アニメーターとして参加していました*(音符)*
すっごくレベルの高い作画を要求されて、苦労したのを憶えています☆

手前みそですが、燃えるアニメです*(びっくり2)*
BS放送の見られる方は、よろしかったらどうぞご覧下さい。

スタッフとして、密かに名前も出てますよ*(音符)*

あと、「エースをねらえ!」 <劇場版>も燃えます!




BS夏休みアニメ特選 放送予定 7月25日より~ AM9:25~

「ジャイアントロボ THE ANIMATION ~地球が静止する日 ~」

放送予定 第一話 7月27日より~



くわしくはNHKのホームページで

 http://www.nhk.or.jp/bs/







七月の本棚 3 『封神演義』 孔子さまの陰謀編

2005-07-24 13:51:00 | 日々の出来事
『封神演義』の三回目です♪

中国の歴史的事件、「商周革命」を下敷きに、仙人や英雄たちが活躍する物語『封神演義』。

『西遊記』や『三国志演義』と肩を並べて、「中国三大怪奇小説」とまで言われるこの小説が、なぜに日本では紹介されてこなかったのか?

今回は、本書の―まえがき―に書かれている、そこのところの事情を説明しましょう。
そこには、アノ、『論語』で有名な孔子さまの隠された陰謀があると言うのです☆

中国の民衆の間では、古くから講談や演劇で多くの物語、歴史的事件が取り上げられてきました。
この『封神演義』もまた、「商周演義」「封神榜」(榜とはここでは名簿のこと)などと呼ばれ、古来民衆に広く親しまれて来たのです。

日本でいうと、「義経」とか「忠臣蔵」みたいなものですね。

確かに歴史的な事実には違いないのですが、時代が進むにつれ、演じられる舞台での脚本は書き直され、派手な演出と観衆の要望がどんどん加えられていき、しだいにドラマとしての色合いが強くなっていきました。
こうして物語色の強い「歴史物語」が誕生していったわけですが、これは逆にいうと、それだけ人気があったということでしょう*(星)**(キラキラ)*

日本でも「義経」は北海道に逃げて中国に渡り、チンギス=ハーンになったとか、いろいろな説が流れたりしていますね。
それを証拠付ける神社や祠が、北海道の各地にあったりもして*(音符)*

『封神演義』でも、主人公、太公望をはじめ、崑崙山の仙人や道士たちが、現実の世界でも廟(びょう)の中に祀られ、民衆の守護神になっていたりします。
「太子爺公」の名で知られる廟の主人は、この物語で活躍する人造人間の「ナタク」のことです♪

さらに中国の占星術「紫微斗数」(しびとすう)も、実はこの物語に由来しているんだそうです。

同じような現象として、「三国志」の英雄関羽も、中国各地でお金儲けの神様として祀られていますね☆

これほど社会に根付き、民衆の間に浸透している物語が、なぜいままで日本で紹介されてこなかったのか?

訳者の安能務さんは、「それは孔子さまとその弟子による文化マフィアの陰謀だ!」と主張してらっしゃいます(笑)

早くから中国の支配者層に支持され、政府の認める正統派として長く君臨してきた儒教。

その創設者、孔子さまが「理想の国家」として目指したのが、この『封神演義』で太公望たちが助ける、「周王朝」なのです。

なかでも「聖人君主」として孔子さまが夢にまで見て教えを乞うたのが、文王の子で、すなわち武王の弟である、「周公(周公旦)」でした。(もちろん『封神演義』にも登場します☆)

ところが、『封神演義』の主人公は太公望です。
しかも、太公望は、「口舌を弄して民を惑わすは、無用の民なり」といって、周公がかばう賢人を切り捨ててしまいます。

さらに孔子さまの機嫌を損ねたことに、儒教なんて都合のいいところ(親に孝行しなさいよ)だけは利用していても、本音ではまだまだ道教の教えの強い民衆が、神仙思想と道教的感覚で『封神演義』をどんどん脚色している。

孔子さまにとって「理想の国家」の成り立ちを語る物語が、仙人だとか宝貝(秘密兵器)の出てくるわけのわからん「歴史的物語」になっていることが気にくわない。

こうして、ここに儒教一派による、徹底的な太公望隠し、『封神演義』抹殺が行われることになるのです*(びっくり2)*

まずは、すでに記録されてしまっている「史記」を除くすべての文章から太公望の名前が消され、歴史に太公望の功績を語る者はいなくなります。

『封神演義』にも、出版元にゴリ押しし、「これは荒唐無稽なくだらない小説です」という奇妙な「序文」をくっつけさせる。

さらにあらゆる辞書から『封神演義』の名前は締め出され、「三大怪奇小説」の座からも追放されてしまうのです*(汗)*

「辞書は時に特定の学派の宣伝の場と化す」

と英国の歴史哲学者は言ったそうですが、現在でもTVや新聞などでその兆候は見られますね。(特に野球の解説や自社の起こした不祥事の記事などで)

こうして、あらゆるメディアから締め出され、「くだらない小説」の烙印を押された『封神演義』は、中国が純真な儒教国家だと信じて疑わない、まっ正直な外国の人々の興味の対象からはずされてしまいます。

なにもそんな「くだらない」ものをわざわざ翻訳して自国に紹介しなくてもいいだろう、ということなってしまったのです。

これが安能務さんの唱える「文化マフィア」説*(音符)*

なかなか面白い主張でしょ?

ところが『封神演義』は生き残ります!
「政府の公式見解」なんてものをはなっから信じない中国の民衆は、(だって自分たちに都合よく改ざんするに決まっているから)相変わらず物語を楽しみ、えらい王さまが太公望に頭を下げ、貴族や役人たちがやっつけられる場面に喝采を送るのです。

こうして、外国では知られていない隠された民衆の傑作として、『封神演義』は語り継がれてきました。

その主張はともかく(笑)
こうして日本に紹介して下さった安能務さんには感謝です☆

だってほんとに面白いんだもの*(音符)*

「飛刀」「降魔杵」「番天印」といった宝貝(パオペイ)がミサイルのように飛び交い。
「落宝金銭」がパトリオットミサイルのようにそれを打ち落とす!
「照妖鑑」がX線透視器なら、「陰陽鏡」は殺人光線照射器。
「万里起雲烟」がロケット弾で、「吸魂烟」は神経ガス。
「火風輪」がジェット推進器なら、「黄巾力士」は万能ロボット!

とても昔々に考えられた物語だとは思えないこの着想と想像力*(びっくり2)*

しかもしっかり歴史的大河ドラマも忘れちゃいません*(ハート3つ)*

―歴史とは現実に何が起こったかではない。何が起きたか、と人々が信じることだ―

中国の歴史的「事実」を下敷きに、あらゆゆ要素と想像力を駆使した抱腹絶倒、空前絶後の娯楽教養小説!

お子さんには刺激が強すぎるので、ぜひ大人になってからお読み下さい。

ながながと書いてしまってすみません。
それでもこの小説大好きなので♪

もし、本屋の片隅で見かけたら、ぜひ手にとってご覧下さい。
あなたの想像力に挑戦する、新たな世界が目の前に広がりますよ☆







安能 務  訳
講談社文庫







2005-07-22 23:59:00 | 日々の出来事
他人の望む、自分になれなくたって、気にすることはない。

自分の望む、自分になれなくても、だからって落ち込まない。

ズルくて、ウソつきで、他人の目を気にして、自分の意見を押し込めるのも、全部自分を守るため。

自分だけしか、自分を守ってやれなかったんだから。

君と出会って、世界が変わって、
自分を守らなくてもいいんだとわかった。

傷つくことも大切で、二人は傷つきながら学んでいった。

だから僕の魂はボロボロで、きっと不器用に曲がってしまったかもしれないけれど、あの頃よりもきっと輝いている。

僕の中に君がいて、君の中に僕がいる。

それがとってもほこりに思えるんだ。

他人の望む自分になんてならなくてもいい。

傷ついても、失敗しても、今の自分を受け止めよう。

それが、自分。

僕の姿なんだから。









夜のひととき

2005-07-19 23:53:00 | 日々の出来事
虫の音が響く窓辺でパソコンに向かっています。

まわりは田んぼと畑だけ。夜の九時をすぎると、家の明りもまばらになってしまいます。

今日はアメリカの作家シャロン・シンの『魔法使いとリリス』(ハヤカワ文庫刊)を読み終えました☆

よくお邪魔させて頂いている、cafeで本の紹介をされている方のオススメ*(音符)*

若き魔法使いの青年が、教えを乞うために訪れた老魔法使いの屋敷。

そこで彼を出迎えたのは、老魔法使いの妻だというまだ若い女性。

不思議で不気味な屋敷の住人たち。
どこかに何かを置き忘れてきてしまったかのような表情と、冷酷とさえとれる態度で青年に接する女性に、最初はとまどいながらも、しだいに心惹かれていく若き魔法使い。

深い緑色の瞳を持つこの老魔法使いの妻は、年老いた魔法使いの夫から離れることはできない。
それは彼しか与えてくれない「希望」があるから…

老魔法使いのいない、つかの間に、並んで森を歩く二人。
二人の間には、知らず知らずのうちに言葉にならない言葉がかわされていきます。

恋に落ちる青年。
しかし彼女は、自分が夫を愛していないこと、いや、そもそも、「愛」という人間の感情が理解できないことを彼に告げるのです。

いったいこの女性は何者?
年老いた魔法使いとの本当の関係は?

緑の瞳に冷たい態度。
この「無感情」で不思議な魅力の魔法使いの妻リリスと、若くて優秀な魔法使いオーブリイのせつなくもどこか神秘的な恋の物語*(ハート3つ)*

魔法が重要なトリックとして使われた、ある意味謎解きのような、それでいて心がしめつけられるような、かなわぬ恋の物語。

読み終わった後、まわりにひっそりと立つ木々を見つめる目が少し変わってくるかも知れません☆(理由は読めばわかります♪)

もう一冊は、TVで紹介されていた、吉川日出男の『ベルカ、吠えないのか?』(文藝春秋刊)

太平洋戦争のただ中、厳寒のアルューシャン列島で、日本軍に取り残された四頭の軍用犬。
彼らがいかに生き延びたか、そして生き延びた犬たちがたどることになる、長い長い、犬たちの「戦争の世紀」…

太平洋戦争。
朝鮮戦争。
ベトナム、アフガン、中ソ国境。
何万頭と投入された軍用犬という兵士達。

北極海で、ハワイで、メキシコで…
氷の海でソリを引き、はてしない海原で飢餓と戦い、麻薬と宗教のはざまで、けんめいに生き残る犬たち。

そして彼らは見上げる、米ソ冷戦の中、宇宙にまで飛び出した一匹のライカ犬の視線を感じて…

さらにその三年後、スプートニク五号に乗せられた二頭の犬は帰って来る。
焼け死んだライカ犬とは違い、今度は生きたまま。
そうそれこそがソビエトの英雄、一組の雄と雌の犬、ベルカとストレルカだ!

これは事件だ!
ライカ犬に続く、犬たちの歴史の事件!
こうしてここから、新たな犬たちの世紀が始まる…

とにかく迫力のあるストーリーと、巧みな文体で、ついつい先が読みたくなる*(音符)*

犬の視点で描かれていく現代史が、妙に説得力があってそこが面白い☆

もちろん、フィクションなんだけど、「この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?」という作者のコメントがまたカッコイイ!!

二冊とも、全然違うジャンルの本ですが、楽しめました*(星)**(キラキラ)*











七月の本棚 2 『封神演義』 ストーリー編

2005-07-18 00:36:00 | 日々の出来事
今月は、中国に古来から伝わっている物語。
安能務訳、講談社文庫に納められている『封神演義』をご紹介しています☆

しかし実はこの『封神演義』。
中国の民間に古くから伝わっているにもかかわらず、作者不明で、日本でもあまり知られていません。

かろうじて、主人公の太公望くらいが知られているくらいでしょうか。

こんなに面白いのにもったいない*(びっくり2)*

川で釣りをする老人。
しかしその釣り針は水面から離れている。
これでは魚が釣れるわけがない。

訪れた文王(のちの周王朝の祖)が「釣れますか?」と訊ねると、老人は「なに、本気で魚を釣ろうというのではない」と答え、魚釣りに喩えて、「天下経営の学」を文王に説いて聞かせる。

中国の『史記』にもある、有名な「軍師と帝王の出会い」の場面です。
こうして、太公望は文王と、その息子、武王の軍師となります。

もちろん、この逸話も物語の中に盛り込まれています。
「商周革命」は本当にあった歴史的事実。この歴史的事実を下敷きに、道教的解釈と、神仙思想で脚色されたものが、この、『封神演義』なのです*(星)*

さて、肝心のストーリーのほうですが…

邪魔な仙人と生意気な人間を「神界」に封じようとする封神計画。
この計画をスムーズに推し進めるためにも、下界の商王朝には速やかに滅亡に向かってもらわなければならない。

ところが、三十一代目の紂王(ちゅうおう)は、武術にもすぐれたなかなかの名君。
しかも部下には、崑崙山で修行した太師聞仲をはじめ、優秀な宰相の商容に、何百万の軍勢をひきいるあまたの武将達がひかえている。

しかし、商周の入れ替えは、変えようのない天の定め。これすなわち「天数」という☆

でもなかなか人間風情にこの「天数」に逆らうことは出来ないみたい。
そう、いかな名君にもやっぱり弱みはあるもの。
この紂王の場合、それは、無類の女好きということ*(ハート3つ)*

「女媧宮」に詣でた紂王は、その神像の美しさに心奪われ、思わずふらちで淫らな詩をその壁面に書き付けてしまいます。(ま、一種のセクハラですね)

これに怒った女媧娘娘(にょかにゃんにゃん)は、三匹の妖げつ(千年の女狐と九首の雉と石琵琶)に命じて、残り二十八年とされる商王朝の天数を縮ませようと画策します。
絶世の美女になりすました三妖は、次々に後宮に入り込んで、紂王の心を惑わします*(音符)*

あぁ、実から出たサビとはいえ、狐相手にもてあそばれるとはなさけない*(汗)*

もちろん、これには「封神計画」の一端を担うという役目もあります。ですから、武力でもって商王朝を滅ぼそうとする太公望たちと、ほんとうは目的は一緒。
ところが、なかなかそうはいきません。

千年の女狐の色香と妖術に操られた紂王は、忠臣を退け、後宮で荒淫に耽る日々。

一方、太公望のもとには、姿かたちを自由に変えられ、神速で敵に襲いかかる哮天犬を袖口に隠した道士、妙道真君の楊ゼンが参加。
また宝珠から造られたため魂魄がなく、そのために死ぬこともない人間兵器のナタクもやってくる。
次々と集まる崑崙山の道士達。
みな師匠の仙人に命じられたり、自分の因果で参加したりしているのだが、実はこの「封神計画」に隠されたもう一つの計画があることを、彼らは知らない…

仙人たちの世界、「仙界」には、大きく分けて三つに勢力があります。
一つは、崑崙山を中心とした「闡教」の一派。これはもともと人間だった人たちが修行を積んで仙人になった集団。

もう一つは蓬莱山などを中心した「截教」の一派。
こちらは禽獣玉石樹木が天地の霊気と日月の精気を浴びて道術を会得して仙人になった集団。

さらに、西方の「仏教」と縁のある仙人もたくさんいる。

「封神計画」のもう一つの目的は、「截教」の仙人たちを「神界」に押し込み、「仏教」の仙人たちを西方に追放して、崑崙山の「闡教」による「仙界」独占を図ろうというものなんです!

これにいち早く気付いた、崑崙山の変わり者。
帝位を拒否したということで特別待遇を受けている申公豹(しんこうひょう)は、太公望に持ちかけます。

天界の気まぐれに付き合っていらぬ争いを招くまでもなく、千年の女狐を成敗すれば、紂王は正気に戻る。あの皇帝は少々スケベだが悪い奴じゃないから許してやれ。

と、いうのです。
この申公豹、千里眼の力を持つ白い虎の「クロ」にまたがって空を駆け、最強の呼び名も高い宝貝(パオペイ)「雷公鞭」を持つ、たぶん物語中でもっとも魅力的なキャラクター*(ハート)*

誰にも従わず、勝手気ままなんだけど、人間界に自分達の都合でちょっかいを出す「天界」や「仙人界」をおもしろくないと思っているらしいのです。

だから自分も直接は手を出しません。
そのくせ、時たま現れては、様々なことに口を出しては混乱させる。
「仙界」にとってはまさにトラブルメーカー。

美しい妖怪により、内から崩れ、各地の武将達が反旗を翻し、終末の悲鳴を上げる商王朝。

各勢力の仙人達が、様々な秘密兵器を持ち寄り、壮絶を極めていく戦場。

「神界」設立にために立てられた封神台に、肉体から切り離された魂が飛んで行く…

父や子が、夫や妻が庇い合い、時に切り結ぶ、愛情と非情とが飛びかう大河ロマン!

こんな物語を、何百年も昔から語り伝えてきた中国ってほんとスゴイ*(星)**(キラキラ)*

SF、ファンタジー、スプラッタホラーにアクション、お色気、歴史小説から戦記もの、裏切り、仇討ち、悲恋に愛憎劇と、これでもかってくらい色々な要素が詰め込まれています。

あまりに多いので、この紹介も、もう一回だけ続きます♪

どうか見捨てずに、お付き合い下さい☆





安能 務  訳
講談社文庫









農家の朝は早いです

2005-07-15 23:35:00 | 日々の出来事
いつも朝の六時半に家を出ます。

昇りはじめた太陽と、澄み切った空気が気持ちいい☆

自分ではこれでも早起きのつもりなのに、それでもやっぱりお百姓さんにはかないません。

もう田んぼや畑でひと働きしている。

ほんとうに日の出と共に働き出すみたい。

朝飯前に草刈り、草取り。
朝食のおかずも収穫しているのかも。

うちも味噌汁に入れるネギくらいは朝とったりします。
あと、新鮮産みたて卵! これはけっこう贅沢です*(音符)*

トウモロコシも順調に育っているし、キュウリにスイカ、夏は野菜が美味しいですね*(ハート3つ)*

定年後は専業農家やってる父親のおかげで、市場に出すほどたくさん野菜が採れます。

もっとも、手入れは両親まかせで、私は食べる専門なんですが(^_^.)







最近の会社事情

2005-07-14 22:54:00 | 日々の出来事
今日は会社でミーティング。

ぶっちゃけ、リーダーとしてS君はどうよ?

と、いうことらしい。

うちの会社には課長も係長もいなくて、各現場ごとにグループリーダーを置いているのだけれど、S君はその中でも最年少のグループリーダー。

どうも本人が出張でいない間に、上の人達がグループの他のメンバーの意見を聞いておきたかったらしい。

でもなんか、欠席裁判みたいでちょっとイヤな感じ…

会社側としては、S君の作業者としての能力は評価していても、管理職としての彼の資質には疑問を持っているみたいな口調。

いわく、「始業時間ギリギリに出社されては、管理職としての仕事に支障が出る」とのこと。

確かに、彼の出社は誰よりも遅い。

「せめて30分前には出社しろと言っているが、ちっとも直らない。ついては、グループリーダーを降ろすことも考えている」とまで発表。

そこまでぶっちゃけなくてもいいのに…

そんなこと言われたリーダーの下で働く私達の立場も考えてくれないかなぁ。
やる気なくすだろ~
どんな顔して仕事したらいいんだ?
あなたはもうじきリーダー降ろされますよって?
もう、上司が職場の士気を下げてどうする!

確かに、S君にも色々問題はあるけれど、始業時間30分前に会社に来ないからって、降格させるのはどうかな。
その分の給料なんて当然出ないわけだし、仕事として必要な事なら、正規の仕事時間内にするようにすればいいのに。

いまどき滅私奉公を強いても、若いもんはついてこないだろうと、始業時間一時間前に出社している中途採用の私は思うわけです。

茶髪で年下のグループリーダーにもようやく慣れてきたところなのに、またゴタゴタするのかな。

そういえば、高校出たばっかで入社してきた、まだあどけなかったA君が、今や金髪ピアスにヒゲ顔で出勤してくるのにもいつしか慣れた。

今年入った10代の女の子が、冷房のない工場の中でもメイクばっちり決めているのを見ると、仮面のように見えてしまうのはどうしてだろう?

特に不快ではないし(むしろ面白そうだから自分もやりたいくらい☆)、社会生活と仕事に支障がなければ、目くじらたてるような問題じゃないと思うのだけれど、会社の求める人材と、個人の自己主張がぶつかった場合、やっぱり会社は一律に線を引かざるおえないのかな。

最近、会社の自分の机が、仕事と関係ない、のど飴やペットボトル、お菓子や本で埋め尽くされてきた。
そろそろ片付けないと、こっちまで粛清されちゃうかな? (^_^;)