私的図書館

本好き人の365日

『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか。 』

2015-01-11 21:18:44 | 絵本

近所の全然有名じゃない神社に寄って、形だけの初詣を済ませて来ました。

今年は健康第一。あと資格の勉強も始めたのでその合格。それと金運。できれば良縁も(苦笑)

人間って欲深いですね。これじゃあ神様もたいへんだぁ(笑)

 

神様が一番グッとくるお参りというのが水野敬也さんの『夢をかなえるゾウ』という本に載っていたんですが、それによると「神様いつもありがとうございます」というお参りだとか。

こういわれると神様でもグッとくるかな?(笑)

 

てぃ先生 著『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか。 』(KKベストセラーズ)という本を読みました。

著者 : てぃ先生
ベストセラーズ
発売日 : 2014-09-20

 

昨年から話題にはなっていましたが、一冊ちゃんと読んだのは初めて。

男性保育士である”てぃ先生”が、保育園での子ども達の発言を集めた本。

 

女の子「せんせい、どんなおうちにすみたい?」
先生「お城みたいな大きなおうちに住みたいな!」
女の子「わたしはだいすきなひとがいる、おうちにすみたいな」

 

グゥ・・・。子どもって、たまに大人がハッとするようなこといいますよね(苦笑)

てぃ先生が大好きでアプローチしてくる子がいたり、ヒーロー番組が大好きな子、中には先生に彼女がいないのを心配する子なんかもいます。

そんなかわいい(面白い?)発言だけでなく、保育士として子育てに対するアドバイスなんかも載っていて、知識としても面白い。

 

女の子「せんせい、どうしたらおとなになれるの?」
先生「うーん、20歳になったらかなぁ」
男の子「・・・『こどもになりたい』とおもったらじゃない?」

 

確かにこどもは「こどもになりたい」なんて思いませんものね。

タイトルの「ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか」というのも園児のセリフなのですが、どんな状況の発言かは本を読んでのお楽しみということで。

 

もう一冊は絵本、tupera tupera 著『パンダ銭湯』(絵本館 )

これは友達の小学生の娘さんが読んでいたのをのぞいたのですが、一緒に大笑いしました。

パンダの親子が銭湯に行くだけなんですが、思わず「エ!? それも脱ぐの?」と驚くやら可笑しいやら。

こういう発想の転換大好き!

自分の思ってもみない切り口で世界を見せてくれるから、人間って面白いですね。

パンダが好きなお子さんには見せない方がいいかも(笑)

とても面白い絵本でした。

 

著者 : tupera tupera
絵本館
発売日 : 2013-08-15

パウロ・コエーリョ 『雲と砂丘の物語』

2013-11-29 18:00:00 | 絵本

最近読んだ本について。



パウロ・コエーリョ 著

『雲と砂丘の物語』 (TOブックス)

 

TOブックス
発売日 : 2012-10-25

 

世界的なベストセラー『アルケミスト』の作者が初めて挑戦した絵本です。

文を作者が、絵を作者の妻クリスティーナさんが描いています。

ブラジル在住の作家さんですが、今回舞台となるのはアフリカの砂漠。

彼の作品にはこの「アフリカの砂漠」というのがよく登場します。 

無慈悲で無関心で他人の喜怒哀楽に無感動の現代の人々を象徴しているかのような砂漠。

そんな砂漠で起こる小さな奇跡は、まるで砂漠の砂の中から一粒のダイヤモンドを見つけるかのよう。

どんな逆境、過酷な社会の中にいても、あなたを必要としている人が、場所がきっとある。

そんなメッセージがこめられているような物語です。

 

一見何もないような砂漠の世界にも、生き物や植物の世界があり、地下には水さえ流れているんですよね。

砂漠を舞台にした物語といえば、私は断然「星の王子様」を推薦しますが、あんな名作と比較するのは酷かも知れません(苦笑)

 

 

 大切なのはどれだけ相手を愛するかではなく、

 相手にとって自分は「何か」を知ることだ。

 

        ―映画「偶然の旅行者」より―

 

 

 


『ビロードのうさぎ』

2011-12-14 23:33:00 | 絵本
今日のお昼過ぎ、地震がありました。

岐阜県東部を震源に、最大震度は4。

岐阜県に住んでいるのでけっこうゆれました。
東日本大震災でも大丈夫だったのに、家に帰ると初めての地震被害が…タンスの上に積んでおいた家電の空きダンボール箱、シンクの脇に置いておいた台所洗剤、本棚にディスプレイしておいた茂田井武さんの大判画集が床に落ちてしまっていました。

この程度で済んで良かった…

日本のいたるところにある断層の一つが近所にもあるので安心はできませんが、我が家の弱点がわかったので補強しようと思います。

家電の入っていたダンボールって、使わないとわかっていてもなかなか捨てられないんですよね。

最近本屋さんで見つけたお気に入りの絵本があります。

マージェリィ・W.ビアンコ 著
酒井駒子 イラスト・翻訳

『ビロードのうさぎ』(ブロンズ新社)

小さな男の子に贈られた、小さなうさぎのぬいぐるみ。でもすぐに飽きられて、他のおもちゃと一緒に閉じ込められてしまいます。高価なおもちゃたちに囲まれて、立派でもなくネジもないうさぎは隅っこで小さくなるばかり。唯一親切にしてくれる馬のおもちゃはこう言ってなぐさめてくれます。

「子どもべやには ときどき まほうが おこるものなのだ…」

心から大切にされたおもちゃはいつか”ほんもの”になる…

やがて男の子と一緒に遊んだり眠ったりするようになるうさぎ。

月日と共にその姿はしだいにボロボロになってしまいますが、男の子はそのうさぎを片時も放そうとしません。

ぬいぐるみとかお気に入りのタオルとか、誰でもそういうのってありますよね!

私の場合は枕カバー(苦笑)
これがどんなにボロボロになっても捨てられないんですよね。
他人には汚い”もの”にしか見えなくたって、本人にしたら”本物”はこれだけ!何者にも変えられない!!

…でも無常にも母親が平気で捨てたりして(苦笑)

そして物語の中でも、ついに男の子との別れが…

不覚にも涙ぐみそうになりました。

うさぎのぬいぐるみの視点で描かれる子ども部屋の世界。
映画「トイ・ストーリー」よりずっと前にこんな素敵な物語が描かれていたなんて知りませんでした。
物語自体の初版は1922年だそうです。そのお話に酒井駒子さんの絵がこれまたピッタリ♪
ひと目でなにか「ビビッ」と受信し、手にとってしまったくらい、魅力的な絵なんです☆

ぬいぐるみが大好きというお子さんにはピッタリかも(でも泣かれる可能性アリ)クリスマスのプレゼントにもいいですよ。物を大切にするのはいいことだけれど、いつか別れはやってくる…

思い切ってダンボール捨てようかな。

十二月の本棚 3 『エリザベスは本の虫』

2007-12-30 23:58:00 | 絵本

本を読むのは何のため?

勉強?
何かの調べもの?
それとも娯楽として楽しいから?

本なんて読んだって役に立たない。
面倒くさい。
興味ない。

でも、世の中には本なしじゃ生きていけない人もいるんです!

その人たちがなぜ本を読むかって?

他の人のことはともかく、私の理由はこうです。

”本を読むのが好きだから☆”

難しいことは考えない。
役に立つとか立たないとか。
勉強になるとか自分が成長するためとか。

あなたは友達とどうして付き合っていますか?

役に立つから?
勉強になるから?
自分が成長できるから?

私は本を読むのが好きです。
大好きです♪

さて、今回はそんな本好きさんにはたまらない一冊。

サラ・スチュワート作、デイビット・スモール絵の絵本。

『エリザベスは本の虫』をご紹介しましょう☆

このサラとデイビットはご夫婦でこうした楽しい絵本などを発表しているアメリカに住んでいる作家さんです。

主人公のエリザベスはやせっぽっちでひどい人見知り、おまけに目も悪い女の子。

ままごと遊びはきらいだし、スケートなんてしたくない。
ただただ本を読んで、読んで、読んで、読みふけっている本の虫。

学校に入っても、寮で生活していても、デートになんて興味ない。

オリンピックに本読み競争があったらまちがいなく一等賞!

町で買い物する時も、めあてのお店は一つだけ。
お菓子も洋服も何にもいらない。
本屋さんに行ってこうひとこと。

「これいただくわ」

作者のサラ自身が、やせっぽちで、近眼で、お客さんが来るとお気に入りのぬいぐるみと本を持ってクロゼットに逃げ込んでいたほどの人見知りだったらしくて、まさにエリザベスそのもの☆

図書館と祖母の庭にいれば安心していられたんだとか。

本を読んで読んで読みふけるエリザベス。

一人旅の途中で道に迷ってしまい、帰り道がわからなくなると、しかたがないので家を買ってそこで家庭教師をして暮らすことにします♪

赤い髪の毛にやせっぽちな体型。
メガネにボサボサ頭なんだけれど、とってもとっても魅力的☆

でもこの絵本のすごいところはそのストーリー。

ロマンス?
友情?
家族愛?

いえいえ、ずーと本を読んでるだけです(笑)

最初一回読んだ時は「これで終わり?」と思いました。

もっともっと読んでいたい。
でも不思議なんです。

本をただただ読んでいるエリザベス。
特にそれが役に立つわけでも、彼女をお金持ちにするわけでもありません。

それでも、そんなエリザベスが素敵なんです。
心地いいんです。
スッキリしているんです!

エリザベスの立場になって、こう想像してみました。

毎日友達と遊びに出かけ、男の子とデートする。
仕事をバリバリこなし、みんなに必要とされ活躍する。
お金持ちになって、おいしいものを食べ、何不自由のない生活を満喫する。

本を読んでいるだけで何が幸せ?



…好きなことをやっている。

エリザベスはただそれだけ。



自分の幸せを追求する。それもけっこう。
そういうことが性に合う人もいるでしょう。

でも、エリザベスは、こうしたら幸せだとか、こうしたら幸せになれるとか、別に考えているわけじゃありません。

ただ本を読むのが好き。

ただそれをしているだけ。

本当に好きなことからは、何の見返りも必要としない☆

もちろんこれは私の個人的な感想です。
多分、読む人によっていろいろな受け止め方ができるでしょう。
少ないページと文字しかないのに、そういう感じ取り方ができるのも絵本の魅力♪

”本を読む”ことが好きだと自負する私でも、本が読めなくなる時があります。

とてもそんな気持になれない。

でもいつの間にか、また読み始めている。

つくづく、体質みたいなものです☆

気が付けば家中が本だらけ!
本の山でドアも開かない、もう一冊だって入らない!

さてその時、エリザベスはどうしたでしょう?

本が好きなだけじゃなく、何をしたらいいかちゃんと決断できるエリザベスが私は好きです。

口笛をふきながら、それをしちゃうエリザベスが私は好きです♪

絵本の好きな方、そしてもちろん、本好きな”本の虫”の方々にオススメします☆

どうぞ、うらやまし~とお叫び下さい♪







サラ・スチュワート  文
デイビット・スモール  絵
福本 友美子  訳
アスラン書房



十二月の本棚 『としょかんライオン』

2007-12-09 23:58:00 | 絵本

図書館には誰でも入れます。

私も高校生の時、三年生になって部活から引退すると、放課後は市の図書館に毎日通っていました。

建前は図書館で勉強するため。

実際は本ばかり読んでいましたけれど(笑)

今回ご紹介するのは絵本です。

舞台は図書館。

ニューヨーク在住の作家ミシェル・ヌードセンさんがお話を作り。
ケビン・ホークスさんが絵を描いた。

その名も、『としょかんライオン』☆

ある日、みんなの図書館にライオンがふらりとやってきた!!

図書館にライオンって似合いますよね♪

N.H.K.教育で放送されていた『ライオンたちとイングリッシュ』って番組を知っていますか?

図書館に住むライオンの一家が主人公☆

フォニックス(音声学)を使い、英語の発音や読み書きのルールをやさしく楽しく教えてくれる番組です♪

英語がわからなくてもこのライオンの一家を見ているだけで笑えます☆

作者のミシェルさんが住むニューヨークにある図書館も、ライオンとは深いつながりがあります。

ニュヨーク公共図書館。
その入口にたたずむのは2頭のホワイトライオン。

もちろん彫像ですけどね♪

この五番街を見下ろす二匹のライオンの像はニューヨーク公共図書館のトレードマークにもなっています☆

「走ってはいけません!」

「大きな声を出していけません!」

誰でも入れる図書館にも、守らなきゃいけない約束はあります。

みんなで使うところだから、みんなが気持ちよく使えるように、きちんとルールが決められているんです。

図書館員のマクビーさんは、図書館にライオンが入って来たから大慌て。

急いで館長のメリウェザーさんに知らせようとして、思わず走ってしまいます。

「走ってはいけません」

メリウェザー館長はとてもルールには厳しいのです。

でも、と言い訳しながら、ライオンがいることを報告するマクビーさん。

しかしメリウェザー館長は言います。

「で、そのライオンは図書館のきまりを守らないんですか?」

ライオンは、そのやわらかい足で図書館の中をゆっくり歩き、少しもほえずにちょっとクンクン臭いをかぐだけで、あとはおとなしくしています。

「いえ、べつにそういうわけでは…」

「それなら、そのままにしておきなさい」

このメリウェザー館長いい人です♪

子どもたちにまじってお話を聞いていたライオン。
ところが、お話の時間が終ったと女の子が教えてくれると、ライオンは大きな声でほえてしまいす。

「大きな声を出したのはどなたですか?」

メリウェザー館長がつかつかと歩いてくると、ライオンに向って言いました。

しょんぼりうなだれてメリウェザーさんを見上げるライオンがいじましい!!

でも子どもたちのとりなしで、静かにするって約束を守るなら、明日も、明後日も、図書館に来ていいことになります☆

あぁ、私もライオンのあったかい体を背もたれにして本が読みたい!!

全然関係ありませんが、うちの実家のバカ犬は、お茶摘みをしてしゃがんでいる私の背中におぶさってきたことがありました…

あったかいけど、重いんだってお前は…

すっかり図書館の人気者になったライオン。

本のホコリをシッポではらったり、封筒をなめたりして時にはメリウェザーさんのお手伝いまでします☆

ところが、メリウェザーさんが本を取ろうとして踏み台から落ちてしまい…

一生懸命伝えようとするライオン。
でも人間の言葉までは話せない…

「静かにできないなら、図書館から出て行ってもらいます」

ライオンはそのルールはちゃんと覚えていました。

でもメリウェザーさんが…

そして………

その日を最後に、ライオンの姿は図書館で見なくなります。

さて、一体何が起きて、この後どうなるんでしょう?

それは、本を開いてのお楽しみ♪

図書館には誰でも入れます。

ライオンだって、きっと☆













ミシェル・ヌードセン  作
ケビン・ホークス  絵
福本 友美子  訳
岩崎書店





五月の本棚 3 『エスターハージ王子の冒険』

2007-05-31 22:33:00 | 絵本
ウサギの耳を持ってはいけません。
持ち上げる時は、首の後ろの皮をつかみ、おしりに手をそえて、そっと抱き上げて下さい。お願いします。

さて、今回ご紹介する本は、小さなウサギの王子さまが、お嫁さんを探して高い壁にさえぎられた冷戦時代の東西ベルリンを訪れるという、

イレーネ・ディーシェ、
ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー作。

ミャエル・ゾーヴァの美しい絵が印象的な、

『エスターハージ王子の冒険』です☆

オーストリアでは有名なウサギの一族エスターハージ家。
その当主、エスターハージ伯爵は悩んでいました。
先祖代々子沢山で知られ、二百年前にすでに国一番の大家族であり、王様により貴族に任じられたエスターハージ家。
繁栄を誇るこのエスターハージ家の子ども達が、年々新しく生まれてくる度に、だんだん小さくなっているのです。
先日などは、一番年少の孫、エスターハージがくずかごに落ちたまま、出て来られなかったという事件が起きたほど。
このままでは、由緒正しいエスターハージ一族が、ミニチュアウサギの一族になってしまう…

自分達一族の未来を危惧したエスターハージ伯爵は、孫たちにこう告げます。

「みんな、よその土地で、大きなお嫁さんをみつけるのだ」

大きなお嫁さんと一緒になれば、大きなひ孫が生まれるに違いない。

「相手は大きければ大きいほどよろしい。わかったね?」

おいおい伯爵。そんな乱暴な(笑)

というわけで、エスターハージ一族の繁栄をその小さな体に担い、孫たちは世界中に旅立つことになります。
大きなウサギのお嫁さんを求めて☆

東西ベルリンをわける壁。実はその近辺は、小動物たちの天国だったなんて知っていました?
人間を寄せ付けない厳重な警備。
そのためそこは人間の手が入らず、自然が守られ、動物たちにとっては豊かで安全な緑の王国となっていたらしいです。
なんだか皮肉な話ですよね。

さて、主人公の小さなエスターハージ王子は、くずかごに落ちて出て来れなかったという、あのエスターハージ♪

キチンと服を着て、ベルリン行きの特急列車、そのファーストクラスのコンパートメントにちょこんと座り、初めての旅に胸をふくらませるエスターハージ。

このエスターハージの挿絵がいい♪

ところどころに描かれたミャエル・ゾーヴァの絵。
暗い色調の中に、ちょこんとウサギのいる風景が、何とも言えず魅力的です☆

お気に入りは、人間のトランクスをはいた姿のエスターハージ♪♪

ウィーンの街から出るのも初めてなら、もちろん一人旅も初めての王子さま。
必ずかわいいお嫁さんを(しかも大きいな!)見つけてみせると意気揚々とベルリンの駅に降り立ちます。
しかし、冷戦下のベルリンはどこか冷たい雰囲気。
人間に捕まったり、食べるために働いたり、新聞を読んだり、パン屋の車に忍び込んだり、エスターハージは様々な苦労を重ねながら、ベルリンで出会ったたった一人(一匹?一羽?)のウサギ、ミミのことを想います。

また会いたい…

そして、たくさんのウサギたちが住むという、「壁」を探すエスターハージ。
ウサギのエスターハージにとって、人間たちのやることはわからないことばかり。
ウサギを檻に閉じ込めたり、逆立ちをしてみせるだけで「カワイイ」と喜んだり。新聞に寒そうな服も何も着ていない女の人の写真を載せてみたり。恐ろしいことにウサギの料理なんてものまであるレストランがあったり。とっても高い壁を作ってみたり…

現代のベルリンで、ウサギの王子さまが体験する冒険の数々。

とにかくエスターハージ王子がかわいいです♪

知らない街でたった一人で生きていかなければならない心細さや、危うさ。
それでも夢(お嫁さんを見つける!)をあきらめないエスターハージ。
絶対幸せになって欲しい、と読んでいくうちに思ってしまうその魅力☆

果たしてエスターハージはかわいい(そして大きい)お嫁さんを見つけることはできるんでしょうか?

そして、ベルリンの街を東西に分けていた「壁」は…

ベルリンの壁が崩壊してから18年の歳月が経ちました。
私が子供の頃は当たり前だったその壁の存在も、今やあまり話題に上らなくなりつつあります。
あの壁はいったい何だったのか?
ウサギじゃなくても、聞いてみたくなります。
この大地の上で、いったい人間は何をやっているんでしょね?

そんな人間のことはほっといても、この物語はエスターハージのおかげで楽しく読むことができます。

何よりやっぱりゾーヴァさんの絵がいい♪

では、エスターハージ王子のお嫁さん探しの旅、どうぞお楽しみ下さい☆

そして、どうかくれぐれもお願いです。
もしあなたが、これからの人生でウサギを抱いてあげる機会がありましたら、先の約束をぜひお守り下さい。

ウサギの耳は持たないように。





イレーネ・ディーシェ、
ハンス・マグヌス・エンツェンスベルガー  著
ミヒャエル・ゾーヴァ  絵
那須田 淳  木本 栄  共訳
評論社