私的図書館

本好き人の365日

九月の本棚 4 『銀河ヒッチハイク・ガイド』

2005-09-30 23:46:00 | 日々の出来事
先日、『銀河ヒッチハイク・ガイド』という映画を観てきたことをココに書きました*(音符)*

原作本も楽しくて、アッという間に読み終わったので、さっそくこちらもご紹介したいと思います☆

ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』と、その続編『宇宙の果てのレストラン』*(ハート)*

ジャンルはSFコメディー!
でも、そんな説明だけでは語りつくせない面白さがこの小説にはあります*(びっくり2)*

例えば、とある星でエレベーターに乗ったとします。

「いらっしゃいませ」

この世界のエレベーターやドアはしゃべるんです。お客様をハッピーにする親切設計☆
ついでに、誰がどの階でエレベーターを必要としているか、その”本人”よりも先に知るために「予知能力」まで付けられている。

「しやべる以外になにができる?」

「上に参ります」「下にも参ります」

「けっこう」「上に行こう」

「下にも参れますよ」

「ああ、わかったわかった。上に行ってくれ。頼むよ」

「下も悪くありませんよ」

………(笑)

こんなエレベーター(商品名は「ハッピー垂直方向人間輸送機」)を造っている会社、シリウス・サイバネティクス社では、苦情処理部門が惑星三つの大陸を占めるほどに肥大しているという(^∇^)

ある日突然、銀河バイパス建設のためにあっけなく破壊されてしまった地球。

主人公の英国人アーサーは、たまたま地球を訪れていた「銀河ヒッチハイク・ガイド」の現地調査員、フォード・プリーフェクトに連れられて、地球を破壊するためにやって来ていたヴォゴン人の宇宙船にヒッチハイクして難を逃れます。

ここから始まる、アーサーの奇妙な宇宙の旅!

無限不可能性ドライブにより、宇宙のあらゆる地点をほぼ同時に通過できる最新鋭の宇宙船「黄金の心」号*(星)**(キラキラ)*

その船を盗んだ現職の銀河系大統領、ゼイフォード・ビーブロックスと、宇宙でもっとも憂鬱なロボット、マーヴィンに、ゼイフォードにナンパさせて命拾いした地球人の女性トリリアン!

生命、宇宙、その他もろもろという究極の問いに答えるために造り出された、宇宙で二番目に優秀なスーパーコンピューター”ディープ・ソート”が導き出した答え、「42」*(はてな)*

時間タービンと防御シールドのおかげで、宇宙の終わりの場面を何度も行きつ戻りつしてお客に見せている<宇宙の果てのレストラン>*(びっくり2)*

「肩肉などいかがでしょう?」

「それはその、きみの肩肉のこと?」

「もちろんわたしの肩肉のことでございます」

「地球人、なにを興奮してるんだ」

「自分で自分を食べてくれって言ってる動物を食べるなんて、そんな血も涙もないことできるか」

「じゃあなにか、食べないでくれって言ってる動物を食べるほうがいいってのか」

………*(汗)*

カバーに大きな読みやすい字で「パニクるな」と書いてある『銀河ヒッチハイク・ガイド』とタオルを手に、あなたもこの既知宇宙に旅立ちませんか?

核ミサイルだった過去を持つマッコウクジラ。
地面に顔をつっこんで、効果的にみじめな気分にひたるロボット。
この宇宙の終わりを眺めながら、五つ星のレストランでカクテル”汎銀河ガラガラドッカン”を味わう。

きっと、楽しいひと時を過ごせることでしょう☆





『ギャラクティカ大百科』より売れている『銀河ヒッチハイク・ガイド』にはこう書かれている。

タオルはヒッチハイカーの必需品。
「熱い物をつかむ」にはじまり「敷いて寝る」「いかだの帆にする」「救難信号代わりに振りまわす」と用途は無限にあり、さらに「トーラル星の貪食獣バッブラッターの視線よけ」にも使え、まだきれいなら身体を拭くのにも使える。







ダグラス・アダムズ  著
安原 和見  訳
河出文庫








九月の本棚 3 『リングワールド』

2005-09-29 23:56:00 | SF

今回は、ハードSF小説の名作をご紹介します♪

最先端の科学を想像力でふくらませ、未来の技術や乗り物などを緻密な設定で描くSF小説。

その中でも、壮大なスケールと巧みなストーリー展開で、新しい世界の構築を見事にやってのけたのが、今回ご紹介する一冊。

ラリイ・ニーブンの『リングワールド』です☆

彼は、この本の中で、一つの”世界”を作ってしまいました♪

それが、本の題名でもある、「リングワールド」と呼ばれるものです。

その正体は、宇宙空間に浮かぶ人工の建造物。
ただし、やたらにデカイ!
見た目はリボンをクルリと輪にしたような形で、その内側に、大地や海が作られていて、リボンの輪の真ん中に、太陽が浮かんでいる。

そのリボンの幅は地球から月までの距離をほぼ四倍にした長さ!
直径に至っては、なんと地球から月までの距離の800倍!!

想像しにくい人はダイソン球を輪切りにしたような物と考えて下さい。
え? ダイソン球じゃわからない?
そういう方は、ジオンの密閉型コロニーを、真ん中で薄く輪切りにした物を想像して下さい(^_^)

とにかく、やたらにデカイリボンの内側に、これまたどれほどの広さか検討もつかないような大地が広がっていて、その様子が宇宙から見えるのです。

どうして空気がもれないのか?
そもそも誰がこんのものを作ったのか?
いったい何の目的で?
どんな技術で?

200歳になる探検家のルイス・ウーは、頭が二つあるカンガルーの親戚のような(ただし知能はすばらしく高い)パペッティア人のネサスから、この「リングワールド」の存在を知らされます。

ひどく臆病で、自分の惑星からもめったに出てこないようなパペッティア人が、この「リングワールド」への探検隊を組織しようというのです。

一人は地球人のルイス。
もう一人は凶暴で巨大な二本足の猫の姿をしたクジン人の戦士。
そして最後に選ばれたのが、地球人の若き女性、ティーラー・ブラウン。

最新鋭の技術で飛ぶ宇宙船に乗り込み、臆病なパペッティア人のネサスを隊長に、ルイスら4人は謎に満ちた「リングワールド」へと旅立ったのですが…



この本が発表されるや、その壮大な世界観と緻密な設定で、熱烈な信者まで出現したという「リングワールド」。

ラリイ・ニーブンの書く、<ノウンスペース>シリーズの一冊なのですが、1971年のヒューゴー賞、ネビュラ賞を独占しました☆

「リングワールド」でルイス達が見ることになる真実。
<建設者>とは?
そして、”幸運の遺伝子”とは?

あまりの人気に、続編も出されています。
こちらは、「リングワールド」崩壊の危機を救うべく、無理矢理に呼び集められたルイス達が、「リングワールド」だけではなく、人類の謎にまで迫っていく内容。

題名は『リングワールドふたたび』☆

もし、クジで当たりを引いた人だけが子孫を残していったら、その子孫は、とっても運のイイ遺伝子を持っていることにならない?

祖先から、一度もハズレを引いたことのない一族。

それでもやっぱり、次にハズレを引く確率は、二分の一?





十八歳以上で宇宙と冒険とSFの好きな方、オススメです☆









ラリイ・ニーブン  著
小隅 黎  訳
ハヤカワ文庫






それぞれの理由

2005-09-28 21:59:00 | 日々の出来事
うちの会社の残業は、自己申告制です。

だから、仕事が忙しい時は、自分の判断で残業します。

でも最近、出勤時間一時間前に会社に出てきて、仕事をしている人達がいて、問題になりました。

それも、残業はそれほどせずにとっとと帰ってしまうくせに、一ヶ月間ズッと一時間前出勤。

仕事はしているらしいのですが、できればみんなと同じように残業で仕事をこなせないかと、上司がたずねると、50代くらいのおじさん(中途採用一年目)は、

残業をすると帰りが夜の9時を過ぎてしまう。
夜の9時を過ぎてから夕飯を食べる習慣はないので、間に合うように早く帰りたいから、これからも朝一時間早く出てきたい…

とのこと。

こ、こんな理由、初めて聞いた*(びっくり2)*

夕飯を時間通り食べるために、家に帰りたいって、そこは大人なんだか我慢しようよ~*(汗)*

みんな家族とご飯食べたいのはやまやまなんだからさ~

この人、ここにくるまでは自営業をしていたので、きっと時間時間でご飯を食べるのが普通だったんだろうけど、工場はそんなに甘くないゾ。

納入日は変更できないから、徹夜したって製品は作らなきゃならない。
いつ帰れるのかなんてわからない。
わかっているのは、これが出来るまでは帰れないってことだけ。

そんな時、決まってみんなで食べる部長のおごりの弁当だって、けっこう美味しいんだから。

話し合いは、結局時間切れで各自の判断に任されたけれど。はたして明日からどうするのかな?

でも、人間ってほんといろいろな人がいるもんです。
ま、確かに苦労することも多いけど、そこがまた面白いところでもあるんですけどね☆






「チャーリーとチョコレート工場」&「銀河ヒッチハイク・ガイド」

2005-09-24 23:54:00 | 日々の出来事
観てきました!

ティム・バートンが監督した『チャーリーとチョコレート工場』*(音符)*

映画館の客の入りが「タッチ」と同じくらいというのが気に入りませんが(笑)
ともかく、注目の俳優ジョニー・デップが変でした(>∇<)

彼が演じたのは、世界一大きなチョコレート工場の主で、天才的なショコラティエ、ウィリー・ウォンカ!

絶対溶けないアイスとか、大きく大きくとっても大きくふくらむガムだとか、いろいろ魅力的なお菓子が登場しますが、映画館の売店でもチョコレートかけポップコーンが売り出されていて、通路は甘い匂いでいっぱいでした*(ハート)*

ウィリー・ウォンカの作るお菓子は変だけど、とっても夢のあるものばかり。
全世界で人気で、商品が毎日大量に出荷され飛ぶように売れているにも関らず、15年間入った者も出てきた者もいないというチョコレート工場からは何やら秘密の匂いが☆

その工場に招待されることになった幸運(?)な5人の少年少女。(と、そのつきそいの大人たち)

家族7人で暮らす貧しい少年チャーリーもその一人。

批評ではジョニー・デップが目立ちすぎるとか(だってそういう役だもん!)、空想ファンタジー映画とか(何がいけない!?)、いろいろ言われていましたが、二時間があっという間でした♪

とくにチョコレート工場の内部には驚き*(びっくり2)*

それと、何かにつけて踊り歌うウンパ・ルンパのくどさとバタくささ*(音符)*
(ウンパ・ルンパについては説明しません☆)

ああいうの、けっこう好きです*(ハート)*

簡単に言うと、「不思議の国のチョコレート工場、案内役はチェシャ猫と帽子屋と白ウサギを足して十倍にした心に傷とコンプレックスを持つ、孤独な天才。アリスは少年でとっても貧乏で、だけど幸せ」物語♪

個人的には、ウィリー・ウォンカの他人に理解されない天才の孤独と葛藤に共感してしまいましたが、派手な格好と突飛な行動のせいで、なかなか葛藤しているようには見えないんですよね☆

原作はチラッとしか読んでいなかったので、先入観なく観れたのも良かったのかも。

それと、もう一本。
今回はどうしても観たかった『銀河ヒッチハイク・ガイド』も観て来ました♪

内容はSFコメディー。
地球で二番目に賢い知的生物のイルカ(ちなみに人類は三番目)がいなくなったり、自分の家が道路建設で壊された直後に銀河バイパス建設のために地球そのものが爆破されたり、友人だと思っていた男が、実は宇宙人だったり、頭が二つの銀河系大統領と宇宙一絶望しているロボットの乗る”無限不可能性ドライブ”で動く宇宙船にヒッチハイクしてしまったり、普通の英国人アーサー・デントの身に襲いかかるさまざまな困難と難問、トラブルとアクシデントの物語。

彼の手にあるのはあらゆる宇宙における対処法が記されている「銀河ヒッチハイク・ガイド」とタオルだけ。

確かに、ファンには面白い♪
でも、これの面白さは、やっぱり映画じゃ難しいのかも…

究極の問いへの答え。
”無限不可能性ドライブ”
宇宙一絶望しているロボット。
自分の祖母を救うのにも三枚の書類にサインが必要な役人的宇宙人。

語り出したらきりがないけど、ラジオやTVで長くシリーズとして人気を誇ってきた作品だけに、初めて観た人には説明が足りないかな。(たぶん、説明されてもわからないだろうけど、それがSFというものだ!)

だから、あえて初めて観ようという人には薦めません。

お客さんがみんなSFファンに見えてしまうくらい観る人が限られる映画でしょう。
英国や米国と違って、SFが日本では市民権を得てないから、しょがないっていえばしょうがないけど。

とにかく良くも悪くも英国人の好きそうな映画です☆





映画の期間中だけでも、どこかでウォンカの板チョコ売り出してくれないかな?
売れると思うけどなぁ~








起死回生

2005-09-21 23:47:00 | 日々の出来事
牛丼屋で死にそうになりました。

並盛り280円につられたのがいけなかったのか*(汗)*

セットでついていたサラダを食べていたところ、その一部が気道をふさいでしまったらしく、満員の店内で悶絶~(ToT)

思わず、翌日のニュースが頭に浮かびました*(テレビ)*

…牛丼屋の店内で男性窒息死。



ここでは死ねない。



慌てて水を飲んでみても、食道に流れ落ちるだけで、気道はふさがったまま*(爆弾)*

それでも根性で息を吸い込み、数秒後に(本人的には走馬灯一周分)ゼェーゼェーと復活しました。

ああ、よかった*(音符)*

牛丼屋で生死の境をさ迷うことになるとは、世の中なかなか油断できません。

別の日、別の店では高校生の女の子と男の子がこんな会話を。

どうやら、友達になったばかりの子(♀)から初めてメールが届いたらしい女の子。
それを男の子に見せて、自分の代わりに返事を打たせようとしているらしいのです。

「絶対ムリ」とか言って笑って断る男の子。
「わたしになりきって打ってよ」
「これで〇〇君の人間性がわかるでしょ*(ハート3つ)*」と乗り気な女の子。

狭い店内なので、聞きたくなくても聞こえてしまう…

それにしても、人間性って…お前な。
小学生が財形貯蓄についてしゃべってるみたいに不自然。
メールの代行って、趣味悪いぞ*(びっくり1)*

どこにでもある普通の牛丼屋の店内でも、人間それぞれに、色々なドラマがあるもんです。

とりあえず、こんなところで死ななくて本当によかった☆





秋の収穫

2005-09-19 02:19:00 | 日々の出来事
日曜日は我が家の稲刈りでした*(音符)*

といっても、ここ数年はひとに頼んで刈ってもらっているので、楽なもの。

外出から帰るときれいに終わっていました*(星)*

今は機械も大型化して早い早い。
刈り取った稲穂も、昔みたいに小さな袋にいちいち詰めないで、トラックの荷台に直接流し込むみたいに移せるので、そのままライスセンターに運べて便利。

多少お金はかかるけど、かかっていた手間と時間を考えると、昔みたいな手作業には戻れません。

ま、懐かしさみたいなのは感じますけどね。

自分で植えて、自分で世話して、自分で刈り取ったお米が、新米として初めて食卓に上がる時は、やっぱり家族中で歓声を上げてましたからね*(ハート3つ)*

最近では、遠く都会の人達が自然を体験しようと、ここいらの畑や田んぼを借りて、休日ごとにやって来ては農作業をして帰って行きます。

見ていると、お弁当を食べたり、汗をふいたり、みんな楽しそうに土と格闘している…

地元の農家がなんとか作業を楽にしようと機械などを使っている横で、わざわざ都会かやって来て、楽しそうに昔ながらの農作業をしている人々。

価値観ってものは、住むところが違うと、こんなにも変わるものなんですね。

そういえば、どこかアラブの王族が日本に来た時、街で見かけた日本の車にえらく感動して、「あれこそは王家の車だ」と言ってひどく欲しがったという話を聞いたな。

世界の名車を何台も持っているお金持ちが欲しがる日本の車。
それは日本人なら、ちょっと乗るのは遠慮したくなるようなもの。

その王族の人が本当に買っていったかはともかく、その時、彼が目にしたのは、確かに豪華で立派な日本独特の車。

街を走る霊柩車だったという…







吸血鬼にはご用心

2005-09-17 23:45:00 | 日々の出来事
注文しておいた本が届いたので、受け取りにいって来ました*(音符)*

ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』*(星)**(キラキラ)*

最初はBBCのラジオドラマだったものを後に小説化したもの。
これがラジオに劣らず、やたらめったら面白くて、たちまちベストセラー!
内容はSFコメディーで、SFファンの楽屋落ちみたいなところもあるけれど、そこがまたマニアックな人には大いに笑える☆

今回、映画化に合わせて新訳が出たのでさっそく購入。
ついでに続編の『宇宙の果てのレストラン』*(星)**(キラキラ)*も買って来ました♪

この他に最近買ったのは、

今年七月に若くして亡くなられた、江戸風俗研究家の杉浦向日子さんの本、『一日江戸人』*(星)**(キラキラ)*

寺山修司が、一風変った切り口で本を紹介していく、『不思議図書館』*(星)**(キラキラ)*

発作的に購入してしまった、様々な宗派のお経がこの一冊で読める、彩図社から出ている『必携 お経読本 -改訂版ー』*(星)**(キラキラ)*(お経とその解説が載っている)

最近読んでいるのは、

フランスのメルヘン集、ベアトリ・ベックの『ガラスびんの中のお話』*(星)**(キラキラ)*

ディケンズの『大いなる遺産』*(星)**(キラキラ)*

ダイアナ・ウィン・ジョーンズの『花の魔法、白のドラゴン』*(星)**(キラキラ)*

あと読みかけの本、その他多数(笑)

そうこうするうちに、ひいきの和菓子屋さんの店頭に、はやくも名物の”栗きんとん”が並ぶようになり、空に浮かぶ雲もすっか秋模様。

明日は中秋の名月だし、たまには静かに読書の秋を満喫したいなぁ~*(ハート3つ)*

さっき、柄にもなく月を眺めようと窓を開けて風を入れていたところ、いつの間にか腕と足に数箇所、もう蚊に刺された痕が*(汗)*

これがなければ、秋の夜の月見も悪くないんだけど…








足るを知る

2005-09-15 23:59:00 | 日々の出来事
牛丼チェーン大手のお店が我が町にも進出して来ました*(音符)*

田舎の町にとってこれってけっこう事件です。
有名企業が一人前の町に認めたってことでしょう?
発展の目安っていうか、将来性の確保っていうか。

JRのバスも廃線。
ダイエーも店舗閉鎖。
さびれていく商店街。
不景気な話ばかりの田舎の小さな町には、それなりの悩みがあるんです。

でも、ほんとはそんなに開発しないでもらいたいんですよね。

町のお年寄り連中は、右肩上りの開発発展こそが、豊かな生活につながると考えているみたいで、企業を誘致したり、箱物をたくさん作ったりしているけれど、ずっと成長し続ける町なんて逆に嫌だな。

人が少なくて、自然を抜け出すことすら困難なこの環境がけっこう気に入ってるんだけど。

そろそろこのあたりで満足してくれないかな?

あ、でも欲を言えば、映画館が一つくらいあっても…
いかんいかん、これが開発路線につながるんだ。

人間、足るを知ることが肝要。

精進精進。








九月の本棚 2 『嫌韓流』

2005-09-13 00:01:00 | 日々の出来事
「知れば知るほど嫌いになっていく国…韓国」

い、いんだろうか、こんな本紹介して*(汗)*

今回は、各社に出版拒否され続けてきた問題作!
山野車輪のマンガ『嫌韓流』をご紹介します☆

「冬のソナタ」は観ましたか?
ヨン様が来日するたびに、お出迎えがスゴイですね~*(ハート3つ)*

韓流ブームのおかげで、韓国の芸能人にはけっこう詳しくなったけど、では、韓国という国については、私達はどれほど知っているんでしょう?

新しい教科書が出るたびに騒がれる歴史認識問題。
小泉総理の靖国参拝に対する抗議や、まだ終わらない戦後の補償問題。
韓国が実質占拠している、竹島(韓国名では独島)の領有問題。

ちょっと難しい字面が並びましたが、これらの問題が、日韓の間に横たわっているのも事実。

そして、華やかな「韓流ブーム」の影で、マスコミも伝えない、密かに拡がる、「嫌韓流」(韓国ウザイ!)という風潮…

最初は、小林よしのりのマンガ『戦争論』みたいな感じかな、と思って読み始めたのですが、韓国と日本の歴史について、意外に知らないことがたくさんあって、ついつい引き込まれてしまいました。

日韓基本条約。
小中華思想。
李承晩ライン(平和線)。

いつまで謝り続けなければならないのか?
いつまで反省しなければならないのか?

マンガの中で登場人物が、「過去の清算は日本と韓国の国交が結ばれた時に全て終わりました」と叫ぶシーンには、確かにうなずいてしまうところもあります。

日本に生まれた、という理由だけで、隣の国の人々から、毎度毎度、謝罪だ、補償だ、反省だ、って言われると、確かに「嫌韓流」になる人が現れるのもわかる気がする…

主人公の大学生が、在日韓国人の友人や、戦争体験を持つ祖父の話に感化されて、日本と韓国の歴史、問題にしだいに興味を持っていく、というストーリー仕立で、マンガの表現力をうまく使って、わかり易い本に仕上げています。

資料を駆使して、論理的に韓国側の主張を崩していくシーンもあったりして、確かに日頃の日本の弱腰外交にストレスを感じている人には、一種の「言い負かした」快感は感じるかも。

でも、この本の内容を頭から信じるのもどうかな?
一番危ないのは、よく知らないくせに、扇動されて、マインドコントロールされてしまうこと。

いろいろと興味のある資料や考察はあるけれど、この本も、一つの捉え方にすぎないことを頭に置いて読むことをおすすめします。

でも、本当に知らないことだらけでビックリ!

韓国の「反日」政策の実情。
日本における、在日韓国、朝鮮人の歴史と現状。
竹島(韓国名では独島)問題を国家規模で宣伝する韓国政府の思惑。
偏った報道をする日本のマスコミ。

面白かったのは(笑い事じゃないけど)、他の国の文化を盗んで、自分の物としてしまう韓国の困った国民性について。

韓国で氾濫している海賊版商品に対抗するべく、あの「ガンダム」のアニメ制作会社サンライズが、「ガンダム」を韓国で商標登録しようとしたところ、なんとそれが拒否(!)されてしまったのです。

その後、この問題は韓国の法廷に持ち込まれたのですが、一審では驚くべき判決が。

「ガンダムは、韓国では巨大ロボットの一般名詞である」

なんのこっちゃ!!

これでサンライズ側は一審敗訴。
それにしても、この判決はないよね~*(涙)*

ちまたにあふれるコピー商品を、自国の物であると主張する韓国人。
柔道、剣道、寿司に盆栽、折り紙もサムライも、起源はすべて朝鮮半島であると主張し、世界に働きかけているらしい…

「韓国人には文化の大切さがわからない!
なぜなら、そもそも彼らには誇れる文化が無いのだから!」

おい、おい、言いすぎだぞ*(涙)*

でも、著作権や商標権という認識が国際社会とかけ離れているのも事実。
森永製菓の「ハイチュウ」のパクリで「マイチュウ」とか*(コメント)*

TBSの捏造報道事件。
チマ・チョゴリ切り裂き自作自演疑惑。
日韓併合の中で、机を並べて学んだ日本人と朝鮮人。

まだまだ知らなかった韓国の姿がここには書かれています。

基本的には、歴史を知り、日韓友好への道を探そうという、コンセプトで作られているので、決して単なるナショナリズムをゴリ押しする本ではありません。(多分…)

もし、自分の目で現実の韓国を知りたい方には、韓国の有名新聞社が日本語で読めるページを無料で開設していますので、そちらも参考になさって下さい*(星)*

http://homepage2.nifty.com/IZUMI_Lab/starthp/sub3-2-1.html

私も読みましたが「日帝」とか平気で書かれているので驚きました(^_^;)

なんにせよ、日本の学校ではなかなか教えてくれない日本と韓国の歴史に興味を持たせてくれたという意味では、面白い本です*(音符)*

巻末に載っている、「冬のソナタ」人物相関図で、ようやく冬ソナの人間関係がわかったのも収穫でしたし☆

韓国ドラマもいいですが、たまには、こうした日本と韓国の抱えている問題について、真剣に考えてみるのはどうでしょうか*(はてな)*

一時のブームではなく、本当に日韓が手を取り合える日がきっと来ると信じて…*(ハート)*













山野 車輪  著
普遊舎






「銀河ヒッチハイク・ガイド」

2005-09-11 00:27:00 | 日々の出来事
なにげに映画化されてたんですね*(びっくり2)*

知らんかった*(汗)*

ダグラス・アダムズの『銀河ヒッチハイク・ガイド』*(星)**(キラキラ)*

ガース・ジェニングが監督で、9月10日から公開されているそうです。
これはもう、SFファンなら必見でしょう*(音符)*

他の作家の作品にもちょくちょく名前が出てくるので、プロの人の中にも好きな人多いんじゃないかな?

銀河バイパス建設のため、あっけなく破壊された地球。生き残った地球人は英国人のアーサーただ一人。
彼は<銀河ヒッチハイク・ガイド>を片手に、広大な宇宙の旅に出ることに…☆

ジャンルはSFコメディー*(ハート3つ)*

映画化を機会に文庫本も再販されたので、さっそく注文しておきました。
前から読みたかったんだ♪♪

ラッキー (^∇^)



九月の本棚 『銀河帝国の興亡』

2005-09-10 18:29:00 | SF

最近、知的興奮を感じたことはありますか?

化学の実験で、金属の燃える色の違いに驚いたり(マグネシウムは派手に燃える!)。

歴史の授業で意外な事実に出会ったり(遠山の金さんの実家はうちの近所♪)

虫眼鏡で太陽の光を集めて黒い紙をこがしたり(火事には気を付けましょう)

カミナリや雪でさえも、面白くっていつもながめていました!
小学生の頃、「知る」ことはとっても楽しみな事のひとつでした☆

双子のへその緒はどうやってつながっているのか?
北極星はどうして動かないのか?

ピラミッドの謎とか、聖書の暗号とかも大好き!
大人になってもついついそういう物に惹かれてしまいます☆

小説を読んでいても、そうした謎をはらんで展開していく物語に出会うことがあります。

特に好みなのが、その世界そのものの存在からして謎に包まれている、ファンタジーや、SF物♪

その中でも、特にわたしのお気に入りはこの作品。

さて、今回ご紹介するのは、SFの不朽の名作として名高い三部作。

アイザック・アシモフの『銀河帝国の興亡』1~3です☆

アシモフ博士といえば、映画にもなった『アイ、ロボット』などのいわゆるロボットシリーズが有名ですが、やはり代表作はこっちの作品でしょう。

時は、人類が太陽系から銀河に進出した遥かな未来。
地球も、そこが人類発祥の地であったことは忘れ去られ、もはや名前さえ知られていない。

広大な宇宙に広がった人類は、数百万の恒星系を従える「銀河帝国」を樹立し、政治、経済は発展し、その繁栄の中で科学技術は驚くべき進歩を遂げる。

だが、どんなに巨大な帝国にも、やがて滅びの時はやってくる…

盛者必衰の理。
一万二千年にも及ぶ繁栄を謳歌した銀河帝国にも、その時が近づきつつあった…

そして、そこに登場するのが心理歴史学者(サイコ・ヒストリー)、ハリ・セルダン!

このおじさん、もうとっくに死んでいて、何十年か、または何百年かごとに、過去の映像と共に現れて、メッセージを残していく。

そこには、銀河帝国の滅亡後、三万年と(彼の)予想する無政府状態から抜け出し、一千年以内に、混乱を収め、次の新しい国を建国させるヒントが隠されている、らしいのです。

一人一人の人間の行動を予測することは困難だが、数万人、数億人の集団心理は統計学によって予測できる。

こんなあやしげな心理歴史学によって立てられた「セルダン計画」。

ほんとうは、みんなのために帝国が滅んだ後の混乱を、少しでも早く収拾させようという、セルダン博士の善意の計画のはずが…

時には誰もセルダンの映像を見ていない時代(タイマーで自動的に再生されてる)もあるみたいで、誰もいないところで一人語るセルダンが悲しい。

それでも、忘れられても、疑われても、どんどん突き進むセルダン博士(>_<)

なんたって、まだ銀河帝国があるうちから「やがて滅ぶ」って言ってるんだから、評判も悪いわな。

ところが、歴史はしだいに、セルダンの予測した方向に向かい始めます。
そして登場する、セルダンが「セルダン計画」を実行するために設立した二つの<ファウンディーション>という組織。

一つ目には、多くの科学者や技術者が集められ、いわば科学の「箱舟」として、衰退していく帝国の中でやがて勢力を広げはじめます。

そしてもう一つ、<第二ファウンディーション>は、セルダンが”星界の果て”と暗示しただけで、誰もその所在地をつきとめられない。

やがて、各地で帝国の支配に反旗をひるがえす太守が現れ、崩壊していく銀河帝国。

追い詰められ、自分達に取って代わろうとする<ファウンディーション>に対し、帝国の最後の攻撃が開始され…

はたして「セルダン計画」は真実なのか?
どこまでが計算されていて、どこまでがセルダンの”予測の範囲内”なのか?
セルダンの予測を超えた変異体、ミュータントの出現が、銀河帝国に及ぼす影響は?
そして、”星界の果て”にあるという<第二ファウンディーション>は実在するのか?
その正体は?

次々と謎が明らかになり、歴史の歯車がかみ合った時の興奮!
SFの要素をふんだんに盛り込みながら、読者をグイグイ引き込んでいくストーリー!
読んだ後、「そうか、そうだったのか!」と叫びたくなりました☆

三部作、すべて時代も主人公も違うのですが、糸を操っているのはまぎれもなくセルダン(もしくは作者のアシモフ)博士☆

中年の市長や貿易商人、新婚夫婦に14歳の少女と、登場人物みんなが、セルダン博士の”あいまいな”予測に右往左往。
なんたって、へたな知識を与えると、そのために予測が狂ってしまうらしいので、知りたいことは自分で確かめるしかない!

セルダン博士、けっこう役立たずだったりして…死後何百年も後の世界を、こんなに心配してるのにねぇ(^_^;)

どんでん返しに、裏のまた裏を読む展開!
最後まで気の抜けないストーリーにどっぷりはまってしまいました♪

わたしの持っているのは、創元推理文庫版ですが、いまならハヤカワ文庫で「ファウンディーション」シリーズとして出ているので、そっちのほうが手に入りやすいかも。

この三部作の他、「ロボット」シリーズとつながっていく展開で、読者を驚かせた、その後の「ファウンディーション」シリーズもすでに刊行されています。

でも、やはりおすすめは、この三冊かな☆

ぜひ、あなたも知的興奮、味わってみませんか?









アイザック・アシモフ  著
厚木 淳  訳
創元推理文庫