私的図書館

本好き人の365日

休日にはコーヒーと本を

2012-09-29 23:40:22 | 本と日常

たまには少し贅沢をしようと、わざわざ朝食を食べにカフェへ。

前からずっと行きたかったお店で、なんと本屋さんに併設されているんです♪

しかも購入前の本を持ち込んで読んでもいいとの太っ腹!!

ただ、私の住んでいる所からはかなり遠い…

田舎はこういう時不便なんですよね。

 

初めての街で多少道に迷いながら、本屋さんの看板を目ざとく見つけてお店に到着。

お店で焼いているパンをどれでも2つと、飲み物で450円。

う~ん、東海地方のモーニング文化に慣れ親しんでいる身からしたら、ちょっと高いかな?

うちの近所の喫茶店だと、コーヒーにトーストと卵、さらに簡単なサラダが付いて350円ですからね。

それでも書店に並んでいる本を持ち込めるというのはやっぱり魅力♪

冊数制限があって持ち込めるのは1冊だけのようですが、それでもゆっくりテーブルで読めるなんて”贅沢”って感じです。

こういうお店が近所にあったら絶対通い詰めるのになぁ。

いいなぁ、このお店の近所の人たち。

すっかりくつろいでしまい、つい長居してしまいました☆

次は食事なしで、飲み物だけでもいいかな。

 

 


宮部みゆき 『ソロモンの偽証 第一部 事件』

2012-09-27 20:54:15 | 日本人作家

2軒の本屋さんをはしごして、4時間で読み終えました。 

本屋さんを替えたのは、さすがに2時間も立ち読みしていると居づらくなって(苦笑)

宮部みゆきさんのミステリー小説三部作、その第一部。

 

『ソロモンの偽証 第一部 事件』(新潮社)

 

 

新潮社
発売日:2012-08-23

 

 

 

 

 

 

 

741ページもあってやたら分厚いんです。

それなのに、次の展開が気になって、飽きさせないどころか、どんどん先が読みたくなる!

クリスマスの朝、校舎の片隅で発見された男子生徒の死体。

警察は現場検証と解剖所見から、生徒が校舎の屋上から転落したため死亡したと判断、目撃者もなく、状況から自殺と断定します。

なぜ14歳の少年は死んだのか…

 

すごくよくできています。

すごく読ませてくれる小説なんですが、私は個人的に途中から、「もういいよ~」と悲鳴を上げてしまいました。(ほめてます)

なんていうか、人間関係が占める割合が多すぎて窒息しそう…

宮部みゆきさんの作品は、『ブレイブストーリー』を読んだ時も感じたのですが、人間の内面の描写が多くて、どの登場人物も結局ひとつの世界のルールに縛られている。

誰も彼も世間の価値観、宮部みゆきの価値観から抜け出せていない。

今回の『ソロモンの偽証』でいえば、みんな「学校」というルールに縛られた中でお話が進行します。

子供たちも、大人も、警官も、親やマスコミも、立場や主張は違いますが、それは鏡に写した姿だったりするだけで、みんなが同じ基準を指針に舵を取っている。

ある者はそれに愚直に従い、ある者はそれに反発し、ある者は上手に利用し、ある者は翻弄されながら。

それは確かに本人たちにしてみれば大問題なんでしょう。

子供たちにとって学校という世界がある意味絶対であるかのように。

しかし、他人の顔色をうかがい、仲間同士さぐりあい、権力争いをしていられるのは、衣食住がとりあえず保障されているから。

飢餓や戦争や宗教闘争や人種差別といった、価値観自体の争いが入ってきたとたん、この小説の「甘さ」が露見してしまう気がするのです。

思春期の子供たちの葛藤、心の闇、教師の保身に身勝手な親、それはとても大切なテーマだけれど、もういいよ、かんべんしてくれ、3行で済むことを延々700ページ、しかも三部作で書いちゃうあなたの力量はたいしたもんだよ、それは認める、すごいよ、だから早く読者を楽にしてくれ…

それが私の本音(苦笑)

いや、ほめてるんですよ、これ。

 

でも、もう少し人間関係と離れた価値観、例えば虫の好きな少年とか、将来バイオリン職人を目指している生徒とか、休日には海でサーフィンに夢中の女の子とか、息抜きがあっても面白かったかな。

 

主人公っぽい女子生徒が学校から徒歩2、3分のところに住んでいて、お父さんが警視庁の刑事というのはちょっと都合よすぎるし、優等生で理想的な生徒、家庭でも父親と信頼し合っているというのは気持ち悪いけれど、それはまぁ許容範囲内。

唯一気になったのが、ちょっと太っている松子ちゃんがこのままだと可哀想すぎる…

不良少年にも少し理解を示すところも納得いかない。

まさか「子供はみんな善人で、家庭環境の犠牲者」なんて結論じゃないでしょうね?

それじゃああんまりだ…

 

小説の世界にどっぷりつかる本の読み方というのも良くないんでしょうね。

読んでいて、しだいに中学生の心の闇に自分が捕らわれてしまった錯覚に陥って、すごく落ち込んでしまいました。

亡くなった男の子の考え方にすごく惹かれるものがあって、同調してしまったのも原因かも。

それくらい魅力のある作品なんです!

でも、「この世界はそんなに捨てたもんじゃないよ」と叫びたくなってしまう(笑)

 

これはこのままではマズイ、と思って、慌てて心の応急処置。

同じく中学生を主人公にしながら、こちらは胸がキュとしめつけられるような男の子と女の子の初々しい交際を描いたマンガ、水谷フーカさんの『14歳の恋』(白泉社)を買って読みました♪

 

白泉社
発売日:2011-06-30

 

 

 

 

 

 

 

白泉社
発売日:2012-06-30

 

 

 

 

 

 

 

クラスメイトの目を気にして、学校ではそ知らぬ態度で接する二人。

アイコンタクトで会話したり、誰もいない理科室で密会したり☆

彼女の体に偶然触れてしまい、そのやわらかさにドギマギしたり、彼の目立ってきたのどぼとけに思わず見入ってしまったり。

そうそう、14歳はこうでなくちゃ!!

という、照れくささ爆発の描写が多数♪

文学少女でノートに小説風の日記を書いている志木さんとか、職権乱用で年下生徒に手を出す(笑)美人の日野原先生とか、サブキャラも魅力的!

授業中に目が合っただけで何となく心が騒ぐ、そんな時期がありましたなぁ(苦笑)

 

ちなみに宮部みゆきさんの『ソロモンの偽証』、私にはまだタイトルの意味がわかっていません。

ソロモンといえば、大岡裁きで有名な、一人の子供に母親を名乗る女性が二人現われ、子供の両腕を引っ張らせて勝った者が母親の権利を得られるとなったのに、痛がる子供を見て実の母親は思わず手を離してしまう、という逸話が有名ですが、そのことなのかな?

もし、証拠がない状態で、まったく別のことを主張する証人が二人現われたら、どうやって真実を突き止めるのか?

人間はウソをつく。

では、本当の智恵とは、そのウソを見破ることなのか?

それとも…

というテーマ?

わたしが「3行で済む」と思ったこの小説のテーマは、「人は信じるに足る存在なんだよ、子供たち」ってことなんですが(あくまで私の個人的な感想です)

これはやっぱり、第二部、第三部を読まないとスッキリしないかな?

困ったなぁ(←嬉しい悲鳴)

 


宮澤賢治の命日です

2012-09-21 05:52:12 | 本と日常

今日、9月21日は宮澤賢治の亡くなった日です。

 

1896年(明治29年)、現在の岩手県花巻市の商家の長男として生まれた賢治は、詩集『春と修羅』の他、『銀河鉄道の夜』、『注文の多い料理店』、『セロ弾きのゴーシュ』、『風の又三郎』など多くの作品を残し、いまも多くの人に愛されている作家ですが、生前に出版されたのは『春と修羅』と童話集『注文の多い料理店』のわずかに二点。

 

農学校の教師を退職した後、農民芸術を熱心に推進したり、農業指導などに取り組んだ賢治でしたが、1933年(昭和8年)9月21日、急性肺炎のため37歳で亡くなりました。

 

私が印象に残っているのは、嵐山光三郎さんの『文人悪食』(新潮文庫)の中で紹介されている宮澤賢治。

サイダーが好きだったというエピソードは、「雨ニモマケズ」のイメージからはちょっと想像できなくて、人間くさい宮澤賢治の一面を垣間見ることができます♪

 

学生時代、初めて「イーハトーブ」という言葉を知った時は衝撃でした。

日本の地名をこんな言葉に言い換えるだなんて、その発想がスゴイ! と思ったのです。

銀河鉄道の夜に登場する「ジョバンニ」に「カンパネルラ」、「セロ弾きのゴーシュ」、やまなしに出てくる「クラムボンはかぷかぷわらったよ―」なんて言葉。

夏目漱石や芥川龍之介、太宰治の作品の舞台となる古風な日本とは全然違う、ファンタジーのような世界。

詩集『春と修羅』にも多くの影響を受けました。

だから東日本大震災の折、ボランティアとして初めて岩手県に入った時は、被害に対するショックもありましたが、どこかに感激している自分もいたのです。

ここが賢治の見ていたイーハトーブなのかと―

 

先々月に公開されたアニメ映画、『グスコーブドリの伝記』も観に行きました。

とってもよかった♪

 

森や川、夜の闇に輝く朝日、地層に眠る太古の歴史に、鉱石の中に閉じ込められた光。

想像力が無ければ見えないものもあります。

相手のことを想像し、その気持ちを考え、悲しみや喜びを分かち合う。

話を聞いて涙を流し、自分のことのように落ち込んだりうきうきしたり。

思いやりや優しさは、想像力がなくっちゃ思い浮かびません。

そういう私自身、小学生の時夢中で化石採りをしたり、川辺で水切りをして日が暮れるまで遊んでいた時に感じていた感覚を、最近じゃ思い出すことも少なくなっているんですよね(苦笑)

最近忙しさにかまけて、自分の中の何かがくもってしまっている気がするので、この機会に宮澤賢治の作品を読み返してみようかな。

 


やなせたかし 『絶望の隣は希望です!』

2012-09-13 23:33:23 | 日々の出来事

そろそろ衣替えの準備をしようと、長袖シャツを新調しました。

といっても安売り量販店の一枚千円ちょっとの商品。

キャベツと白菜が豊作で値崩れしていると聞き、先週くらいからずっと食べています。

千切りにしてサラダにしたり、シチューに入れたり、もう少ししたらお鍋にも入れられるかな?

電気料金の値上げに、所得税増税、消費税の値上げと、生きているだけでどんどん出費が増えていきますからね。

今年はとうとうエアコンも扇風機も購入することなく夏を乗り切りました。

無ければ無いなりになんとかなるもんです。

先月の電気代は、2374円

一人暮らしだとこんなもの?

冷蔵庫はしかたがないとしても、電子レンジとかはけっこう使うからなぁ。

ケチケチする節約は性に合わないけれど、電灯をこまめに消すとか、TVはコンセントから抜くとか、一応節電の努力はしています。

原発事故もまだ先が見えない状態ですからね。

節電が節約になれば家計も助かるし。

 

本も本屋さんで買わずに、図書館を利用。

今週読んでいるのは、森見登美彦さんの『ペンギン・ハイウェイ』(角川書店)と、田中栞さんの『古本屋の女房』(平凡社)

『ペンギン・ハイウェイ』は、小学校四年生の語り口が可笑しいし、『古本屋の女房』は、古本屋で育つ子供たちの成長が楽しい♪

父親に頼まれてブックオフに”せどり”に出かけたり、母親の古本屋巡りに付き合ううちに、小学生とは思えない古本の知識を身に付けた長女(苦笑)

『ペンギン・ハイウェイ』は小説ですが、『古本屋の女房』はノンフィクションです☆

 

角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-05-29

 

 

 

 

 

 

平凡社
発売日:2004-11

 

 

 

 

 

 

その他、立ち読みで済ませたのは。

 

マンガ家、やなせたかし著

『絶望の隣は希望です!』(小学館)

 

小学館
発売日:2011-09-26

 

 

 

 

 

 

柴咲コウ、真木よう子、手島しのぶ主演で映画化が決まった益田ミリさんの人気マンガ、

『結婚しなくていいですか。―すーちゃんの明日 』(幻冬舎文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

やなせたかしさんの半生はまさに波乱万丈。

代表作がなく、マンガ家として苦悩していた時代。

そんな中、60歳を過ぎてからの「アンパンマン」のヒット。

戦争を体験し、一夜にしてそれまで信じていた正義がひっくり返ったこと。

その中で、「お腹を空かしている人を助けることこそ時代をこえた正義だ」とアンパンマン(自分の顔をちぎって人を助けるアンパンのヒーロー)が誕生したこと。

戦時中の体験として、戦地で地元の中国人と仲良くなり、「いま日本は中国と戦争をしているんだぞ」というと、「それは上海の連中が勝手にやっていること。俺たちは関係ない」といわれたエピソードなど、マンガ以外にも興味を引かれる内容がたくさん書かれていました。

 

益田ミリさんのマンガは、肩の力を抜いて読めるので好き。

だから今回の映画化も楽しみなんです♪

女性の本音が垣間見えるのも魅力なんですよね。

 

今年はおかげさまで夏風邪も引かず、体調よく過ごすことができました。

自然のまま汗をかいて風で涼むって生活が、もしかしたら体の負担を軽減してくれたのかも。

その代わり、汗をかくので洗濯物がたまり、毎日のように洗濯して、保冷剤や冷感グッズ使いまくりでしたけどね(苦笑)

節電してお金を貯めて、来年は扇風機買うつもりです☆

 


「NHKスペシャル 東日本大震災追跡 復興予算19兆円」

2012-09-09 21:35:51 | 日々の出来事

あぁ、悔しい!

 

TVで「NHKスペシャル 東日本大震災追跡 復興予算19兆円」を見ました。

本当は一部のマスコミの報道を鵜呑みにするのはよくないのだけれど、もう悔しくて悔しくて、思わず書き込んでしまいました。

東日本大震災の復興予算として計上された予算19兆円の使い道を追跡した番組。

お金が被災地に届いていない!!

 

岐阜のコンタクトレンズ工場を大きくすると、仙台の販売店で雇用が生まれる?

南極での調査捕鯨に予算を付けると、ゆくゆくは東北地方の漁業が活性化する?

刑務所に予算を付けるのは、ガレキ処理の人材育成?

何この、風が吹いたら桶屋がもうかる論理!?

こういうのをこじつけっていうんじゃないの?

それに対して、岩手県では予算が足りなくて、補助金を受けられない人々がたくさんいる。

たとえ補助金が受け取れたとしても、例えば被災地の医療機関では、補助金で医療機器が買えない。

なぜならその補助金は建物の壁を直すための補助金で、医療機器を買うための補助金じゃないから…

 

アホか!!!!!

 

コンタクトレンズ工場作ったり、鯨を殺す金があるんなら医療機器買ってくれよ!!

外国人を招待して京都や観光地を案内する金があるなら(これも復興予算)、被災地の人を助けてくれよ!!

そんな単純なことじゃないんだ、省庁の管轄や、役割分担、政治の仕組みが何もわかっていないと笑われるかも知れないけれど、本当に必要としているのは被災地なんだよ。現場なんだよ。誰がどこでそういうことを決めているのか知らないけれど、予算配分や会議は、被災地でやって欲しい。とりあえず全部のお金を被災地に渡して、それでも岐阜や南極に持って行きたいのなら、被災地に取りに来い!

ガレキと家の土台だけが並ぶ景色の中で、仮設住宅で暮らす人々を目の前して、「復興に使いますから」と堂々と説明して持っていけばいいじゃないか。

(別に私はコンタクトレンズ会社を責めているわけでも、調査捕鯨に反対しているわけでもありません。復興予算の使い道がおかしい、といっているだけです)

 

お金がからむと、どうして人間ってこう汚くなってしまうんでしょうね。

悔しいなぁ。

霞ヶ関の役人が作った文章や、回答に、まったく人間味が感じられないのが不気味でした。

最低の文章力。

最低の言葉の使い方。

同じ言葉を話しているのが恥ずかしいくらい。

日本語を、そんな使い方しかできないの?

 

今日はちょっと感情的です。

人間ですから。

公務員も選挙で選べたらいいのに!

あぁ、悔しい!!

 


さんま苦いか塩つぱいか

2012-09-05 21:45:18 | 日々の出来事

そうめんを茹でました。

 

そろそろ今年の食べ収めかな?

 

麺を流水でザッザッと洗ったら、氷水でしめます。

つゆには最初はネギだけ。

味を変えるために続いてゴマを投入。

次は生姜でサッパリと。

ツルツルとしたのど越しを楽しんだら、最後はお茶漬けの素(鮭)!

これが意外と美味しいんです♪

 

セミの声がいつの間にか秋の虫の声に変わると夏もいよいよ終り。

そろそろ初サンマが店頭に並ぶ時期ですからね。

この時期は落ち鮎も落ち鰻も脂がのっていて美味しい♪♪

あぁ、最近魚食べてないなぁ~

毎度のことながら、食べ物が私の季節を感じる基準なんですよね(苦笑)

 

 あはれ

 秋風よ

 情(こころ)あらば伝えてよ

 ―男ありて

 今日の夕餉(ゆふげ)に ひとり

 さんまを食らいて

 思いにふける と。

           ―佐藤春夫「秋刀魚の歌」より―

 

そうそう、昨日は新発売のアイス、「ガリガリ君リッチ コーンポタージュ味」も買ってきて食べてみました。

ガリガリ君といえば、夏の定番ですよね。

私のお気に入りは断然”梨味”です!

コーンポタージュ味のアイスって、ちょっと想像がつかない。

ふむふむ、見た目はバナナ色のアイス。

へぇ、中にちゃんとコーンも入ってるんだ。

自動販売機で売っている缶入りのコーンスープみたいな感じ?

シャリ…

……(!)

シャリシャリ。

……(!!)

………………。

………………確かにコーンポタージュだね。

……………………………………………………………………………………………………………………………。

 

これは、あれだ。

お化け屋敷といっしょかな。

 

ひと夏に一回体験すればそれで十分(笑)