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私的図書館

本好き人の365日

三好達治と天皇万歳

2013-04-28 18:15:10 | 本と日常

東京では天皇皇后両陛下も出席されて政府主催の「主権回復61年記念式典」が開催されたそうですね。

これは4月28日が、61年前の1952年、サンフランシスコ講和条約が発行し、日本が主権を回復、国際社会に復帰した、いわゆる「主権回復の日」にあたるため。

ただし、この時、沖縄・奄美・小笠原は、日本から切り離され、引き続きアメリカの施政権下に置かれました。

奄美群島の本土復帰は1953年の12月25日。小笠原列島の本土復帰は1968年。そして沖縄の本土復帰は20年後の1972年です。

そのため、沖縄では政府の開催した式典と同時刻に「4.28『屈辱の日』沖縄大会」が市民団体により行われたそうです。

「主権回復61年記念式典」で、「天皇陛下万歳!」と叫ぶ映像をニュースで見ましたが(政府関係者によると、突発的な出来事であり予定されていたわけではないそうです)、久しぶりに聞きました「天皇陛下万歳」

お正月の一般参賀くらい?

いや、ここだけの話、天皇陛下もけっこう大変みたいですよ。

なんか、お噂によると息子夫婦のことでいろいろあるみたいですし・・・・・・(苦笑)

 

そういえば少し前、「新潮45」という雑誌に掲載された、山折哲雄さんの「皇太子殿下、ご退位なさいませ」という文章が話題になっていましたね。

それを意識したわけじゃありませんが、最近、ハルキ文庫の『三好達治詩集』を読んでいます。

三好達治は戦前、戦中、戦後に活躍した詩人で、戦中には戦争詩、愛国詩を書いたこともありましたが、戦後「なつかしい日本」の中で、昭和天皇の戦争責任に触れ、すみやかな退位を進言しました。

もっとも、彼の場合、奥さんとの関係が話題に上がることの方が多いかも知れませんが(苦笑)

私が三好達治を読み始めたのは、茨木のり子さんのエッセイの中で、戦後の精神的な飢餓を満たそうと、多くの人が三好達治の一冊の詩集を並んで買ったという記載があったから。

 

 私のうたは砂の砦だ

 海が来て

 やさしい波の一打ちでくずしてしまう

 

 こりずにそれでもまた私は築く

 私は築く

 私のうたは砂の砦だ

      ―三好達治「砂の砦」の一節―

 

人間は過ちを犯します。

愚かなのは、過ちを犯すことではありません。

本当に愚かなのは、同じ過ちを何度も繰り返すことです。

「天皇陛下万歳」とかつて叫んだ若者たちが、どういう運命をたどったのか・・・

どんなに波に洗われようと、どんなに壁に立ちふさがれようと、こりずに砦を築くことが大切なんです。それがたとえ砂の砦のように感じたとしても、声を上げ続けることで、前よりも高く、前よりも丈夫になっていくことを信じて。

今回のハルキ文庫の本には、残念ながら戦時中の愛国詩は収録されていませんでしたが、私が読んだ限りの中で「砂の砦」以外にもっとも気に入ったのは、やはり初期の作品でした。

 

 祖母は蛍をかきあつめて

 桃の実のように合せた掌の中から

 沢山の蛍をくれるのだ

 

 祖母は月光をかきあつめて

 桃の実のように合せた掌の中から

 沢山の月光をくれるのだ

        ―三好達治「祖母」―

 

巻末には、漫画家で絵本作家、やなせたかしさんのエッセイも載っています。

これから何度も引っ張り出しては読み返すことになるんだろうなぁ。

このつかの間の平和に万歳!

限りある命に万歳!

人生万歳!

さあ、明日の糧を得るために額に汗して働くか!!

 

角川春樹事務所
発売日:2012-11-15

『書肆アクセスという本屋があった』(右文書院)

2013-04-19 20:02:04 | 本と日常

図書館で借りた本。



『書肆アクセスという本屋があった』(右文書院)

 
 
『書肆アクセスの本』をつくる会
発売日:2007-12

 

 

 

 

 

 

地方・小出版流通センターのアンテナショップとして、東京神保町のすずらん通りにあった本屋、「書肆アクセス」が閉店したのは2007年のこと。


この本は、10坪ほどのこの小さな(しかし地方の出版業界にとってはとてつもなく大きな)本屋が閉店したことに対して作られました。
 

文章を寄せているのは、「アクセス」に本を置いてもらっていた地方の出版社やミニコミ、リトルプレスの発行者、本を探しに来ていた編集者やライター、お客、他書店の関係者や経営者、そして「アクセス」の従業員たち。

その文章を読むと、いかに「書肆アクセス」のファンが多かったのか、いかに多くの人に支えられていたのかがわかります。

北は北海道から南は沖縄まで、普通の書店では置かないような、同人誌、ミニコミ誌、地方の雑誌など、日本各地の地方色豊かな本がそこには置かれていたそうです。

いいなぁ~
そんな本屋さん、一度は訪れてみたかった!

書店の経営が苦しいのは6年後の今も同じ。
大型書店の出現。
読書離れ。

少子化や長引く不景気と、原因はいろいろあるでしょうが、魅力的な本屋さんがどんどん姿を消してしまうのは寂しい。

ネットの普及で家にいながらにして欲しい本を注文することはできるようになりましたが、本棚の間をブラブラして、「こんな本があるんだ!」と興味の引かれた本に手を伸ばす、本屋さんにはそういう楽しみもありました。
自分の知らない本を教えてもらう場所・・・

「書肆アクセス」とそこに出入りする人々の会話やつながりをこうして文章で読んでみると、本屋の理想の形が「書肆アクセス」にはあったと思えてきます。

だいたい、ひとつの本屋さんについてこんな本ができちゃうんですからね!

いいなぁ~

仲間に入りたかったなぁ~

と思わず思ってしまいました。

 


高楼方子 『時計坂の家』

2013-04-17 14:47:13 | 児童文学

作者の高楼方子さんと、挿絵を描いている千葉史子さんは共に函館出身。

『時計坂の家』の舞台となる異国情緒あふれた港町「汀館(みぎわたて)」は、きっと函館をモデルにしていると思います。

海の見える高台に、坂の途中にある時計塔。

窓からは船の行き来が見え、教会の屋根がのぞいている風景。

街には市電が走り、修道院に洋風建築の並ぶ町並み。

 

主人公のフー子は十二歳。

何年も会っていなかったイトコのマリカから手紙をもらい、少女らしい想像力で舞い上がってしまいます。

汀館の祖父の家で夏休みを過ごす・・・

兄しかいないフー子にとって、マリカと過ごす夏休みはとっても魅力的に思えました。

一緒に遊び、一緒にご飯を食べ、一緒に散歩をする・・・

もしかしたら、マリカとは何でも話すことのできる親友になれるかもしれない・・・

キレイで、オシャレで、スタイルが良くて、勉強もできるマリカと過ごす夏。

二人にとって、きっと特別の夏になるに違いない!

ところが、実際の汀館での生活は、そんなフー子の夢に描いた生活とはずいぶん違うものに。

 

勝手に想像して、勝手に期待して、でも実際はそんな思い通りにはならなくて、失望と悲しさと勝手に期待した自分への恥ずかしさが押し寄せてきて、キューと胸をしめつける。

そんな体験、誰でも経験があると思います。

高楼方子さんは、表面的な子供のための物語じゃなくて、ちゃんと子供の目線で、そんなせつない、小さな胸を痛めるような感情までしっかり入れて、それでいてワクワクするような物語を書いてくれる作家さん。

十四歳の少女が大人達の住む下宿に住み込む『十一月の扉』も、私の好きな高楼方子作品です♪

 

階段の途中にある、どこにも通じていない扉。

ロシアの民芸品、マトリョーシカにそっくりの少女達。

さび付いた時計に、咲き誇るジャスミンの花。

庭の主に、物干し台から落ちて亡くなったと聞かされていた祖母の身に起こった出来事。

 

子供時代のせつなさと、知らない世界に足を踏み入れる時の好奇心。

夏休みに読むにはピッタリの一冊!

すべてを子供たちの価値観で塗りつぶしてしまう一部の児童書とは違い、この本ではその対極にあるような、年を経た人間にしかわからない感情、大人の価値観というものもしっかり描かれていて、そこがピリッと辛味になっていて、とってもいいなぁと思いました。

甘いだけの物語とは一味違う!

大人の鑑賞にも十分堪え得る作品です。

あぁ、読めてよかった☆

 

高楼方子 著

『時計坂の家』(リブリオ出版)

リブリオ出版
発売日:1992-10

出久根達郎 『佃島ふたり書房』

2013-04-13 23:49:45 | 日本人作家

古本屋の女主人が様々な謎を解く、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』(メディアワークス)が少し前まで話題になっていましたが(もうブームは去ったの?)、古本屋を舞台にした小説で、こんな名作がすでにあったんですね~

1993年の直木賞受賞作品ですから、単に私が無知だったってだけなんですが(苦笑)

 

出久根達郎 著

『佃島ふたり書房』(講談社)

 

舞台は東京佃島の小さな古本屋「ふたり書房」

小雪の舞う昭和三十九年の一月のこと、隅田川を横切る渡船に乗る一人の男の目線から、物語は始まります。

病弱な母親とその年高校を卒業する娘二人が営む「ふたり書房」

亡くなった先代の店の主、その親子の父親と親友だった男は、ここ数年、母娘を陰日向になり助けてきました。

店番はもちろん、本の仕入れ、値付け、(古本業者の営む)市場の付き合い・・・

物語はこの男と「ふたり書房」の母娘を中心に、亡くなった親友と男が過ごした青春時代へ時代をさかのぼって進んでいきます。

時代がまだ明治と呼ばれていた頃。

本の町、神保町。

日露戦争の勝利で町には清国(当時の中国)からの留学生があふれ、遊郭も健在で、社会主義や共産主義をあつかった本が禁制本となっていた時代、十五歳だった男は古本屋の小僧として住み込みで働くことになります。

いわゆる丁稚奉公。

そこで男は、親友となる男と、その男の妻となる若き日の「ふたり書房」の女主人に出会うのです。

遊女にチョコレート。

謎めいた女に「大逆事件」

神保町を襲った大火に、関東大震災。

発禁本に満州という新天地。

 

作者が実際に古本屋を営んでいる方なので、古本屋の内情についてはとっても詳しく書かれていてすごく面白い♪

また相当な本好きなのが文章の端々に垣間見えて、それを読んでいるだけで幸せな気分になれます!

 

「古本屋さんという商いは、よその物売りの数倍、商品に愛情をもたなくてはいけませんよ。店主の本への思い入れの深さが、客を呼ぶんです。客は本の身内ですからね。本を邪けんに扱う店には寄りつかない・・・」

         -出久根達郎 「佃島ふたり書房」-

 

不勉強にも、「大逆事件」について、物語にも登場する「菅野スガ」について、これまでは概要をなんとなく見聞きしていただけで、詳しい内容は知りませんでした。

今回調べてみて、すごく勉強になりました。

あと細かい事を書くと、佃島と徳川家康とのこと、新しい橋の渡り初めにつきものだという「三代夫婦」による渡り初め、お神輿の担ぎ方や、江戸っ子の「ワッショイ」という掛け声に対する思いなど、明治から昭和にかけての風俗を知ることができたのも楽しかった。

こういう本、これまで読んでこなかったんですよね。

本好き大人向け「ALWAYS 三丁目の夕日」みたい♪

 

私がこの出久根達郎の『佃島ふたり書房』を読んでみようと思ったのは、BSフジプレミアムで放送された「名作を旅してみれば~佃島ふたり書房~」という番組を見たから。

俳優のイッセー尾形さんが、実際に物語の舞台である佃島を歩いたり、古書会館での古本業者による「振り市」を体験されたり、神保町の古本屋さんを訪れたりしていました。

そしてところどころに入る近藤サトさんの朗読。

いわゆる「スイチャブ」と呼ばれる社会主義の本(かつての禁制本)を今でも扱っている古本屋として、早稲田の虹書店さんも紹介されていました。

こんな番組を見たら、どうしても『佃島ふたり書房』が読んでみたくなったんです!

それと同時に思ったのが。

いいなぁ、東京。

佃島や神保町、早稲田の古本屋さんにも行ってみたい!!

ということ!

 

物語の中で、かなりのページを使って言及されている、様々な古本屋の知識も魅力的なのですが、何と言っても引き付けられるのはその登場人物です。

男と女の物語はいろいろありますが、こういう古典的というか、夏目漱石や森鷗外のような男女関係の物語を、久しぶりに読みました。

懐古趣味ではありませんが、若い頃は敬遠していたこうしたいわゆるちょっと古臭い物語を、この頃なんか味わい深いと感じるようになってきたんですよね~

しっくりくる、という感じ?

私が年をとったってこと?(苦笑)

いや、今だからこそ、こうした物語が逆に新しいかも!(笑)

 

「女は子供の時から大人だよ。死ぬまで子供っぽい男とは違う」

          -出久根達郎 「佃島ふたり書房」-

 

あぁ、中学生の頃にこの境地がわかっていたらなぁ~

・・・いや、それはそれで問題あるか(苦笑)

先日読んだ村上春樹さんの『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)じゃありませんが、大人の世界って、ネットで無責任な書き込みをしているぼうやたちが考えているほど単純なものじゃなくって、すこしばかり複雑にできているんですよね。

白か黒か、正義か悪か。簡単に割り切ることで不安な状態から早く抜け出したいのは分かるけれど(それが楽でもあるし)、割り切れないものを背負って歩み続けていくことで、初めて見えてくるものがある。

歩み続けなきゃ、たどりつけないものってあると思うんです。

しかもそこに行くには、地図もなければガイドもいない、ただ、先人の残した無数の足跡が残っているだけで、どれが自分の行きたい道なのかもわからない。

それはひどく面倒でつらいことかも知れないけれど、そもそもたどり着けるかどうかさえわからないのだけれど、でも唯一つ確実にいえることは、途中であきらめてしまったら、絶対にたどり着けないってこと。

人生っていうのは、面倒くさいものなんですよ。

こればっかりは、他人まかせにできないですからね。

ま、これはある人の受け売りなんですけど(苦笑)

好き嫌いで判断しているうちは、自分が本当に何が好きで何が好きじゃないかなんてわかりっこありません。

いろんな物を食べて、比べて、経験して、初めて自分の好きな物嫌いな物、じぶんの体に合うもの必要なものがわかってくるんですから。

私はポテトチップスが好きですが、こればっかり食べていたら健康に悪いと知っているから、野菜も食べるわけです。

塩分や油をひかえてうす味にしたら、かえって野菜そのものの味がわかるようになってきて、今では新鮮な野菜の方が私にとっては贅沢な食事になりました。

これも、野菜を食べることを最初から拒否していたら、わからなかったことです。

世の中には、時間がかかることがあるんですよね。

時間をかけなきゃ、わからないことが。

もちろん、時間の使い方も人それぞれでしょうけれど。

 

とにかく、この小説にも「割り切れないもの」がたくさん書かれています。

最後まで読んで、「何がいいたいのかわからない」と思う人もいるでしょうし(せめて若い人であって欲しい)、桜が散るのをただの自然現象ではなく別の物の象徴として受け止めるように「こういうのもいいね」と思う人もいると思います。

私は「風情のある小説」として読み終えました。

その風景から何を感じるのかは、その人の経験しだい♪

本当、読めてよかった☆

 

 


村上春樹 『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』

2013-04-12 20:10:43 | 日本人作家

村上春樹さんの3年ぶりの長編小説を読みました。

 

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)

 

 

 

 

 

 

 

 

これ、『1Q84』より好き。

個人的には彼の小説は、長編より短編の方が好きなのですが、これはなかなかよかった(なぜかエラそう)

きっと、今の自分に必要な文章がどこかにあったんでしょうね。

世の中は単純じゃない。

誰もが何かをひきずって生きている。

新しいことを始めようとしても、ひきずっている物が邪魔でうまくいかないこともある。

それもひっくるめて自分自身。

それと正直に向かい合うか、一生隠してひきずって行くかは本人しだい。

 

タイトルの「多崎つくる」というのは主人公の名前です。

鉄道の駅を作る仕事をしていて三十を過ぎても独身。

彼は高校生の時から仲の良かった4人の友人(男2人女2人)に、大学二年生の時、急に関係を断たれてしまいます。何の身に憶えもなく、突然に。

そのことが彼の人生にどう影響を与えたのか…

16年後、彼はあるきっかけでその友人たちを訪ねることになります。

彼も変わってしまったけれど、友人たちにもそれぞれの人生がありました。

変わってしまったもの。

そして、変らないもの。

「色彩を持たない」とか、「巡礼の旅」という言葉の意味は本文を読めばすぐにわかります。

あぁ、なるほど、こういうことね!

という感じ。

全体に漂う不安と悩み、病的なまでの生真面目さとつきまとう死の影は、これまでの長編村上作品にはよくあるモチーフですが、今の村上春樹が書くとこうなるのか、と自分の中でこれまでの作品と対比できて面白かった。

フェイスブック、東日本大震災、イスラエル問題、ノーベル賞

様々なキーワードが、この3年間報道やエッセイなどで知った村上春樹さんに重なり、自分としてはすごく納得できました。

そうか、今の時代に村上春樹が小説を書くと、こんな感じになるだ・・・と。

 

それにしても、名古屋は大都市でも東京と比べると文化的には大きな地方都市にすぎないとか、経済界も割りと狭く地縁がものをいうとか、村上さんは名古屋に偏見でもあるのかな(苦笑)

有名作家の3年ぶりの新作。

しかもすべてが謎に包まれたまま発売、ということで、一部書店では深夜からカウントダウンまでして「村上春樹フェア」で盛り上げたみたいですね。

書店に列を作る人もいて、ニュースで見ました。

田舎の本屋では、普通に山積みになっていましたけどね(苦笑)

しばらく見ていましたが、手に取る人は多いものの、買っていったのは一人だけでした。

いきなり50万部の発行?

大丈夫かな?

ま、出版業界は盛り上がるのは、本好きとしては嬉しいことですが☆

 

村上春樹さん、全部が好きというわけじゃないけれど、夢中になって読めた一冊でした。

あー、面白かった。


百田尚樹 『海賊と呼ばれた男』

2013-04-09 21:26:53 | 本と日常

全国の書店員さんが一番売りたい本を選ぶ「本屋大賞」

2013年は百田尚樹さんの『海賊と呼ばれた男』(講談社)が大賞に選ばれました!

 

うわぁ、ちゃんと読んどけばよかった!

百田尚樹さんは、零戦パイロットを取上げた『永遠の0』(講談社文庫)を読んで、すごく良かったんですが、この『海賊と呼ばれた男』は、ガソリンスタンドでおなじみ、出光興産の創業者を主人公にしていたため、よくある戦後復興時に活躍した破天荒な企業家の一代記かと思って、パラパラとしか読まなかったんです。

基本的にブルジョワ嫌いなもので(苦笑)

タイトルもなんだか『女盗賊プーラン』(草思社)みたいだったし(笑)

本屋大賞に選ばれたからって今さら読み返すのは何だかくやしいしなぁ・・・

 

私が一押ししていた、原田マハさんの『楽園のカンヴァス』(新潮社)は残念ながら3位だったみたいです。

う~ん、残念。

ま、わざわざ宣伝しなくてもそこそこ売れているからいいか♪

『海賊と呼ばれた男』は明日から本屋さんでも図書館でも一気に品切れになったりするんですかね?

できたら、売れていないけれど書店員だから知っている、そんな隠れた「いい本」を「本屋大賞」に選んで欲しいところですが。

 

講談社
発売日:2012-07-12

 


備忘録

2013-04-04 22:20:59 | 本と日常

 

「罪を犯す者は自分自身にたいして罪を犯すのである。

 不正な者は、自分を悪者にするのであるから、

 自分自身にたいして不正なのである。」

      ーマルクス・アウレーリウス「自省録」ー