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本好き人の365日

一月の本棚 2 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

2009-01-18 23:59:00 | ハリー・ポッター
グリム童話『小人の靴屋』に出てくる小人たちは、おじいさんが疲れて眠っている間に立派な靴を作ってくれました。

いいなぁ~、小人。
寝てる間に誰か仕事や家事をやってくれないかな?

普通大きな屋敷などには掃除や料理をしてくれる、”屋敷しもべ妖精”が住み着いているものですが、さすがにうちのアパートにはいないみたいです。1DKじゃ無理か。
え!?”屋敷しもべ妖精”なんて見たことない?
それはあなたの家が小さいからじゃ…おっと失礼。

”屋敷しもべ妖精”は、J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズに登場します☆

11歳になるまで自分が魔法使いだとは知らずに育った少年、ハリー・ポッターの物語♪

今回は、シリーズの第2巻。

『ハリー・ポッターと秘密の部屋』

をご紹介しましょう☆

『ハリー・ポッター』には妖精だけじゃなくて、他にもさまざまな動物や半獣や幻獣、不思議な魔法生物がたくさん登場するんですよ♪

ユニコーンにケンタウルス。
バンシーにマンドレイク。
小人に吸血鬼。不死鳥に狼男。

そして、なんといっても迫力なのがドラゴン!!

魔法の小道具も充実していて、まずは魔法を使う時の基本の杖(つえ)。
杖がなくては魔法はかけられません。
杖で重要なのはその材質と長さ。
そして芯に使われている材料。

二十六センチの柳の木。二十八センチのマホガニー製。芯に使われるのはユニコーンのたてがみとか、ドラゴンの心臓の琴線、などなど。さまざまな組み合わせあって、杖が持ち主を選ぶといわれています。ちなみにハリーの杖は柊(ヒイラギ)に不死鳥の羽、二十八センチ☆

一時的に変身できる薬「ポリジュース薬」(ただし動物変身には使わないこと!)
強力な眠り薬「生ける屍の水薬」(ロミオとジュリエットに登場しそう♪)
さぼりたい時に病気にしてくれる様々なお菓子の詰め合わせ「ずる休みスナックボックス」(「鼻血ヌルヌル・ヌガー」とか☆)

毎回こうした魔法生物や、魔法の小道具たちがストーリーにどう絡んでくるかも楽しみの一つです♪

闇の魔法使いとの戦いを運命づけられている少年、ハリー・ポッター。

ハリーの両親が亡くなったことと、ハリーの額にある稲妻のような傷跡には、皆から恐れられ「例のあの人」と呼ばれている一人の闇の魔法使いが関係しています。
闇の魔法使いなんていうと、一見、よくある善と悪の戦いのようにも見えますが、そんな簡単に割り切れるものではありません。

『ハリー・ポッター』の魅力は、登場人物が誰もかれも、簡単には割り切れない、そう、とってもある意味”人間的”なところ♪

悪にも善にも転ぶ危うさを持っているところじゃないでしょうか。

大人の描写は強烈です。
自分の築き上げてきた価値観を不安にさせるハリーを、閉じ込めたり無視したりするハリーの唯一の親戚であるおじさんおばさん。
ホグワーツで教える先生にしても、うぬぼれ屋だったり、恐怖で押さえつける先生だったり、身勝手な人物が、これでもかって登場します。

ハリーだって決して”いい子”なんかじゃありません。
規則は破る、授業は聞いていない、宿題はギリギリ、いつも優等生のハーマイオニーのノートを写してばかり。そんなハーマイオニーも、けっこうミーハーなところがあって、お気に入りの有名人の写真を大切にしていたりします♪

でも、それが普通ですよね。完璧な人間なんていないんですから。みんなどこかに欠点がある。というか欠点の方が大半で、どこかにわずかにいいところがある(笑)

でも、そのいいところが、その人をその人にしている☆

物語だからって、変に物分りのいい人を登場させないで、現実にもいそうな、物の分からない大人がたくさん登場するので読んでいてハラハラします。差別やえこひいき、偏見や暴力といった現実の世界にあるものはたいてい登場しています。

だから気が抜けない!
だから続きが気になる!

そこがまた魅力っていえば魅力なんですけどね♪

今回の第2巻『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、12歳になったハリーと、2年目の「ホグワーツ魔法魔術学校」での出来事が語られます。

ハリーたちが学ぶ全寮制のホグワーツにある四つの寮。

勇気を重んじるグリフィンドール。
善良であり忠実な友ハッフルパフ。
知識と学ぶ心を尊ぶレイブンクロー。
狡猾なまでに目的をなしとげることを欲するスリザリン。

それぞれの名前は、かつてホグワーツを作った4人の創始者にちなんだものですが、言い伝えによると、魔法使いの家系である純血を重んじたスリザリンは、マグル(魔法使いではない人間のこと)の血の入ったものは、ホグワーツで学ぶべきではないと主張し、他の3人と対立して学校を去ったといいます。

しかし、その時、いつか自分の後継者が現れ、この学校から学ぶにふさわしくない者を追放するために、恐怖の力をある部屋に封印し、誰にもわからないようにしたといわれていました。

それが『秘密の部屋』と呼ばれているものです。

スリザリンの後継者が現れた時、秘密の部屋の封印が解かれる…

ホグワーツで起こる怪事件。
生徒が次々と石となって発見され、その現場には不気味な内容の文字が!
ハリーにだけ聞こえる声!
うごめく何かの気配!

『秘密の部屋』に封印された恐怖の力とは?

今回は、屋敷しもべ妖精のドビーが初登場♪

ハリーの親友、ロンの実家、ウィズリー家の”隠れ穴”でハリーが過ごす夏休みも楽しいです!(ロンは7人兄妹☆)

あぁ、うちにも庭小人が欲しいなぁ~

って、そもそも庭がないから無理か?













J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社


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