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本好き人の365日

二月の本棚 3 『ハリー・ポッターと死の秘宝』

2009-02-26 20:38:00 | ハリー・ポッター
「ハリー・ポッター」は、ある日突然、自分が魔法使いだと知らされた11歳の少年ハリー・ポッターが、魔法使いの学校に入って、厳しい先生や友人たちに囲まれて成長していく物語です。

ハリー自身は知りませんでしたが、かつて魔法使いの社会を恐怖に陥れた闇の魔法使いを倒して生き残った男の子としてハリーは有名人。

しかし、ハリーの両親の命を奪い、魔法使いたちを支配して、この世界に自分の力を見せつけようともくろんだ闇の魔法使いは完全に死んでしまったのではなく、虎視眈々と復活をもくろみ、その手下たちと共に常に暗躍しているのでした。

イギリスの作家J・K・ローリングの書いた大ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズ。
今回はその最終巻にあたる第7巻。

『ハリー・ポッターと死の秘宝』

をご紹介しましょう☆

「ハリー・ポッター」の楽しさといったら、なんといってもその学校生活♪

魔法使いの学校といっても、登場するのはイギリスによくある全寮制の学校で、寮ごとにライバル意識を持っていていつも張り合っていたり、生徒は山ほど出される宿題に頭を抱えたり、嫌な先生や苦手な授業にボヤいたりと、普通の人間たちの学校とほとんど変わりません☆

ただし、そこは魔法使いの学校♪
呪文や魔法の薬の授業があったり、屋敷しもべなんていう妖精が雑用をこなしていたり、極めつけは廊下や食堂に普通にゴースト(幽霊)が浮かんでいて、生徒と挨拶したりおしゃべりしたりしているのです☆

日本のおどろおどろしい幽霊たちと違って、こちらのゴーストはとっても陽気で社交的(笑)

幽霊屋敷や降霊会とか、イギリス人ってこの手の話が好きそうだから、幽霊のイメージも日常的なんでしょうかね~♪

さて、物語は第1巻からこそこそと復活のために動き回ってきた闇の魔法使いが、第6巻にしてついに最大の障害を取り除いたことで、とうとう本格的に動き出します。破壊活動や誘拐、殺人。”服従の呪文”によって人々を操り、魔法省も、ついにはハリーたちの学ぶホグワーツ魔法魔術学校も彼の手に!!

そしてついに、闇の魔法使いが魔法使いの社会を支配してしまうと、両親が正統な魔法使いである”純血”以外の魔法使いたちは弾圧され、逆らう者はアズカバンの監獄へ入れられてしまう、まさに恐怖政治が始まります。もちろん、偉大な魔法使いでありホグワーツの校長”だった”ダンブルドアと一緒に戦った不死鳥の騎士団のメンバーをはじめ、心ある人々は、闇の魔法使いに対してレジスタンス活動で対抗します。しかしその中にハリーの姿はありません。

ハリーと、ハリーの親友、ロンとハーマイオニーの三人には、やらなければならないことがあったのです。
闇の魔法使いを今度こそ本当に倒すために…

この巻で17歳になるハリー。
まだ11歳だった第1巻の頃に比べたら、背も伸びたし魔法もたくさん使えるようになりました。恋もしたし、人を愛することも、愛する人を失う悲しみも体験しました。でも、こんなことを書くとファンの人に怒られてしまうかも知れないけれど…
でもやっぱり…
もう少し違ったハリーも見てみたい!

もちろん、成長はしてますよ。
肉体的だけじゃなくて、精神的なことでもいろいろな面を見せてくれます。

でも、11歳の男の子と17歳の男の子じゃ普通もう別人みたいなものでしょ!(もちろん女の子だって)
物語だからって言われたら仕方がないかも知れないけれど、あまりに闇の魔法使いとの関係に縛られて、自由さがないっていうか、変化が少ないっていうか、ハリーってずっと同じ印象なんですよ!!

もちろんそこがいいところでもあるんですが、もっといろいろなハリーが見てみたい!

趣味は何なの?
服の好みは変わったりしないの?
好きな食べ物や嫌いな食べ物はないのハリー?

これじゃただのファンですね☆

ま、実際闇の魔法使いに(いろいろな意味で)縛られているわけだし、自分の運命が嫌になって自分探しの放浪の旅になんて出かけちゃったら、本が何冊になるかわからないし、ハリーの周りの人々がそれでなくても個性的だからハリーくらい目的に向って突っ走ってもらわなくちゃいけないのかも知れないけれど…

それに比べてハリーの親友のロンや、学友のロングボトムはいろいろな面を見せてくれます。
ロングボトムなんて最終巻では別人みたい!

物語の最後近く、ロングボトムの活躍にはまるで自分の子供が苦手なリレーで一等賞になったような気持ちがしました♪

ハリーはオリンピック選手の子供で優勝するのがあたり前みたいなところがあって…
きっとそれはそれですごい苦労や努力が必要で、人にはわからない苦しみなんだろうけれど、だからこそ、誰もハリーのことを知らない世界でどんな活躍をするのか、その成長が見てみたかった気がするのです。いくら運命だからって、まっすぐ走りすぎのような気がする。もし、闇の魔法使いを倒してしまったらハリーは何をするの?

つまり…もっとハリーの物語が読みたい!!

 ってこと☆

こんなことが気になるのは、それだけハリーの物語に夢中になったからです。
そう思ってご容赦下さい。

この第7巻をもって「ハリー・ポッター」は完結します♪
完結してしまうんです!

この苦境をハリー達はどうやって乗り切るのか?
闇の魔法使いとの対決の行方は?
ダンブルドアがかつて探し求めた”死の秘宝”とは?
そして、記憶の中をたどり、真実を知ったハリーのたどりつく結論…


「僕は、まもなく死ぬ」

       ~『ハリー・ポッターと死の秘宝』(下巻)


~!!!!!

ハリー、ダメ~~~~!!

ハリーを待ち受ける過酷な運命。
ダンブルドアの衝撃の過去も明らかになります!

ロンが、ハーマイオニーが、そしてホグワーツが!!

このシリーズの第1巻から変わらずハリーが持ち続けたもの。
例え、全てを失ったとしても、人間にできるただ一つのこと。

それは、勇気を持って立ち向かうということ♪

多くの大人や、友人に支えられてきたハリー。
その人たちが傷つき、愛する人々が危機にさらされた時、ハリーがとる最後の決断とは?

先月と今月に渡り長々と書いて来ましたが、これで「ハリー・ポッター」シリーズの紹介はお終いです。

全部読んで下さった奇特なお方、ここだけ読んでくれた飛び込みの方、「ハリー・ポッター」をまだ読んでいない方も、もう読みましたって同志の方も、少しでも「ハリー・ポッター」に興味を持っていただけたなら、そして少しでも楽しんでいただけたのなら、とってもとっても嬉しいです☆

いろいろな魅力がつまった「ハリー・ポッター」シリーズ。
これを書くにあたって、最終巻をもう一度読み返しましたが、やっぱり最後の方でまた泣いてしまいました♪

では、ハリー・ポッターがどんな結末を迎えるのか、どうぞ、御自身の目でお確かめ下さい☆










J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社


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