私的図書館

本好き人の365日

吉野弘 「祝婚歌」

2012-05-13 22:04:29 | 本と日常

母の日ということで、お店にはプレゼント用の花やケーキ、家族団らん用の料理とかが華やかに並んでいました。

「母の日特性クリームチーズケーキ」というのに、とっても引かれたのですが、そこはグッと我慢。

チーズケーキって母の日と関係ありませんよね?(苦笑)

商魂たくましいというか、何でもイベントにしちゃうからな。

ま、買っていけば喜ぶんでしょうけれど。

 

私は相変わらず本屋通い。

古本屋さんを見て回り、お目当ての本がなかったので書店で立ち読み。

茨木のり子さんの作品集、『茨木のり子集 言の葉2』(ちくま文庫)を読みました。

 

 

 

 

 

 

 

全3巻の作品集なんですが、こちらには「自分の感受性くらい」が収められています。

私の好きな吉野弘さんの「祝婚歌」に触れている文章も載っていて、茨木のり子さんと吉野さんとの交流の様子、ドイツの結婚式でドイツ語に訳された「祝婚歌」が披露された様子なども、とても興味深く読みました。

この「私的図書館」で紹介した吉野弘さんの「祝婚歌」の一部です。

http://blog.goo.ne.jp/-hawk-/e/c6f87cd6352f9c7b49193589a35813f6

 

 正しいことを言うときは

 少しひかえめにするほうがいい

 正しいことを言うときは

 相手を傷つけやすいものだと

 気付いているほうがいい

 

その後、ドイツの結婚式ではたびたびこの詩が披露されたそうですが、若い新郎新婦がキョトンとしているのに対して、年配の夫婦にはとても評判がよかったというのが面白かったです。

時間をかけないとわからないこともありますもんね。

 

私はチーズケーキの誘惑を振り切って、ユニクロで買い物して、安売りのサンマを焼いて、アーサー・ランサムの『ツバメ号とアマゾン号』(岩波書店)を読んで過ごしました。

図書館で借りてきたので来週には返さなきゃいけないんですよね。

 

 立派でありたいとか

 正しくありたいとかいう

 無理な緊張には

 色目を使わず

 ゆったり ゆたかに

 光を浴びているほうがいい

 健康で 風に吹かれながら

 生きていることのなつかしさに

 ふと 胸が熱くなる

 そんな日があってもいい

       ―吉野弘「祝婚歌」より―

 

来週にはちょっと東北地方に行く予定でいます。

一年ぶりのあの地で、いろいろ見てきたいと思っています。