ぶらぶら人生

心の呟き

春の旅 ① 京都タワーの見える部屋で

2014-04-30 | 旅日記
 4月が終わるというのに、旅日記が未整理のままだ。
 旅から帰れば、日常茶飯が待っていて、なかなか整理に至らなかった。
 以前は、これほどルーズではなかったように思う。
 これも老いのなせる業か?

 月が改まる前に、簡単に、旅の日記をまとめておこうと思う。
 写真で辿る旅日記として。 


眼の前に、京都タワーの見える部屋で、4泊した。
 <ホテルグランヴィア京都>は、駅構内にあり、とても便利である。
 京都を楽しむときには、最近は、ほとんどグランヴィアを利用している。

 今回は、4月6日から9日まで。

       


 今年の春は、全くスケジュールを立てずに出かけた。
 体調のこともあり、無理をしないことを第一にして。
 日常からの脱皮だけを目的に。

    <4月6日>
 
 1時前に京都に到着。
 チェックインの後、昼食をとり、近回りをぶらついて来ようと思った時、突然の驟雨。
 街歩きをあっさり諦め、ホテルにくつろぐ。

 その後、7日から帰宅まで、申し分のない春日和に恵まれた。

    <4月7日>
 
 さて、と考え、初日の行き先として決めたのは、宇治の平等院。
 鳳凰堂の、屋根の葺き替えや塗装の修理などが、この春完成。
 内部拝観もできるようになっていたが、なにしろ2時間待ち。
 根気がなく、<ミュージアム鳳凰館>を見学するにとどめた。
 お庭歩き、と。

 宇治川のほとりで、紫式部の像に逢う。
 往時を偲び、長い長い物語に情熱を傾け、執筆に余念のなかった女性に思いをはせる。

 京都に引き返し、毎年のことだが、祇園を歩く。
 八坂神社にお参りし、円山公園の老桜に、今年も会う。
 老木は、あるがままの姿で、枯淡の美しさを保っていた。

   <4月8日>

 嵯峨嵐山のトッロコ電車に乗る。
 どこもかも、どうしてこんなに人が集まるのだろう?
 老若男女、様々な人。
 老人の割合が、比較的多そうだ。

 外国の方も、相当に多い。
 トイレに入ったところ、久しぶりに、中国語に接した。
 トイレ使用についてのお願いが、中国語で記してあるのだった。
 
 以前、独学で少々学んだことがあるので、そこに書いてある程度は理解できた。
 トイレットペパー(衛生紙)の処理の仕方について、具体的に記してあった。
 複雑な感想を抱く。
 確かに、行くところごとに、中国の人は、実に多い。
 言葉で、すぐ、その一団と分かる。

 電車の切符を買うのにも、長い長い列。
 乗りたければ、耐えるしかなく、しかも、乗車できるのは、2時間先。(事前に乗車券を求めておけば待つ必要はないのだったが、行き当たりばったりの旅には、こうした不都合も生じる。)
 喫茶店で、軽食とコーヒーで、時間待ちをする。

 待ち時間に比べれば、トロッコ電車の乗車時間は短い。
 30分足らず。
 わずか7・3キロの距離なのだから。
 嵯峨から亀岡まで。
 保津川渓谷と、その周辺の春の景色を眺めながら、木製の椅子に坐しての旅である。
 亀岡から保津川下りを楽しむ人も多く、車窓に、その船を眺めたり。

 帰りは終点の一つ前の駅・嵐山に下車。
 竹林の里を歩いて、天龍寺へ向かった。
 この春も、そのお庭の花を眺めて楽しむ。

   <4月9日>

 京都の春を楽しもうと思えば、選択に困るほどだ。
 平安神宮に行ってもいいし、哲学の道を歩いてもいいし…などと考えていたところ、テレビの地方版が、<毘沙門堂の桜>を紹介していた。
 山科駅からの所要時間は、タクシーで5分、徒歩で20分とのこと。

 <毘沙門堂>には行ったことがない。
 出かけてみよう、と思った。
 山科の駅前で、タクシーを待った。
 小さな列は、みな毘沙門堂に出かける人のようであった。

 行き先を伝えると、運転手は、
 「毘沙門堂? あんなところ、見るものありませんよ。醍醐寺はどうです?」
 毘沙門堂に対し、失礼千万なことをおっしゃる。
 行き先として選んだ私の意思も無視された形だ。

 醍醐寺には、数度出かけている。
 「とにかく毘沙門堂へお願いします」
 と、話しているうちに、車は動かなくなった。
 長い渋滞が続いているようだ。
 「こんな調子だから、歩いたほうがましですよ」
 と、運転手は儲けの乏しい仕事に気乗りしないらしい。

 「歩きましょう」
 と、下車して、そこまでの料金600円を支払った。
 確かに車両のすれ違いはままならぬようで、歩行者もすいすいとは歩けない。
 老いた身には、思いほかの急坂でもあった。

 最後の石段を登るには、両手で手すりを持ち、身体を持ち上げなくてはならなかった。
 宮島の弥山以来の難行苦行!?
 でも、往復を歩けたし、途中、河畔に咲く菜の花と桜を同時に眺めることもできた。
 おまけをもらった感じだ。
 美しい桜に出会えたことに加え、完歩できた満足感もあった。

 
 京都駅に引き返し、 「美術館「えき」KYOUTO」で、<日本画にみる「さくら」 展 ― 横山大観から中島千波まで ― >を観る。
 これも、とっさの思いつきで入った美術展だったが、十分楽しめた。
 大方の日本人は、桜が好きなようだ。私も、大好きだし、日本画に描かれた桜も、それぞれにすばらしかった。


  <4月10日>

 買い物などして、帰途に就く。
 最後に、折り畳み杖を使わずに済んだことを付記しておこう。
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