ぶらぶら人生

心の呟き

外山滋比古さんの本を楽しむ

2014-05-16 | 身辺雑記
 3月以降に求めた、外山滋比古さんの本2冊を一読した。

   『忘却の整理学』(筑摩書房・2009年12月刊)

   『人生複線の思想』(みみず書房・2014年1月刊)

 かなり以前、『思考の整理学』『日本語の個性』を読み、作者の思考方法が気に入っていた。
 私より10歳も年上でありながら、世の中を見つめる目の確かさや衰えのない筆力に感心する。

 『忘却の整理学』では、記憶することの大切が強調される世にあって、ここでは、忘れることの大切さが説かれる。
 忘却の重要姓を角度を変えつつ、平易に語られるから、納得がゆく話ばかりだ。
 <忘れることで、頭の働きが活発になり、創造的思考が身につく>との考え方が根本にあって、話は展開されている。
 コンピューターがなしえない、<創造的思考、独創の土壌となるのが忘却である>と。

 たくさんの付箋をつけながら読んだ。
 それを引用しても仕方がないので、私の読み返しに役立てよう。

 『人生複線の思想』は、過去に発表されたエッセイをまとめたものである。
 最終稿「ひとつでは多すぎる」は、出版前に書かれたもの。
 その中に次の文がある。
 <百メートル、四百メートル競走では、往きと帰りがない。>
 <マラソンは、往路があって復路のある複線である。>
 人生八十年時代の今は、<人生は一生ではなく、二生になる>。つまり<人生複線の思想>というわけである。

 こに本には、高齢化社会の課題を考察した文章や人世論的なエッセイも多い。
 
 その生き方の若々しさに感心する。
 作者のように「五体の散歩」を心がけ、私も老け込まないように努めたいものだ。
 
 私など、ブログの<ぶらぶら人生>を、い今や<ふらふら人生>に替えた方がいいと思うほど、思考も歩行も、何やら頼りない。
 しかし、命ある間は、諦めまい。
 そんなけなげな気持ちにさせてくれる本でもある。

                       
                   子孫を残そうとするモミジの種(緑の中の赤いもの)
コメント
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