小さな鉢に、極めて小さなスミレが咲いていた。
ぼんやり眺めていては、見過ごしてしまいそうな可憐な花である。
庭の草を抜いているとき、偶然、視界に入ってきた。
野には、米粒ほどの小さな花がいくらでもあるけれど、スミレの種では珍しい。
葉も、斑入りできどっている。
多分、妹にもらった鉢なのだろう。
枕草子の一節を思い出す。
<美しきもの、うりに書きたる稚児の顔。雀の子の……>と。
美しきものとは、小さくて愛らしいもの。
草取りを怠れば、この<美しきもの>を見逃したに違いない。
ぼんやり眺めていては、見過ごしてしまいそうな可憐な花である。
庭の草を抜いているとき、偶然、視界に入ってきた。
野には、米粒ほどの小さな花がいくらでもあるけれど、スミレの種では珍しい。
葉も、斑入りできどっている。
多分、妹にもらった鉢なのだろう。
枕草子の一節を思い出す。
<美しきもの、うりに書きたる稚児の顔。雀の子の……>と。
美しきものとは、小さくて愛らしいもの。
草取りを怠れば、この<美しきもの>を見逃したに違いない。