仏の目から見た歴史論の第四弾。戦前の日本は、悪い国だったのか? という問題について、前回は、韓国併合をみました。今回は、韓国においてはこの歴史がどう捉えられているのかというあたりについて、ご紹介します。
幸福の科学の大川隆法先生は、2001年に刊行された書籍『奇跡の法』(幸福の科学出版)で、こう教えておられます。
日本は朝鮮に学校やダムなどをつくり、かなりの設備投資をして頑張ったのですが、朝鮮での植民地政策は、結果的にはうまくいきませんでした。
それは、すでに述べたように、台湾と違って朝鮮が一つの国家意識を持っていたからでもありますが、朝鮮の人たちが反発したいちばんの原因は、日本の国家神道にあったと思います。
日本は植民地支配の道具として国家神道を使いました。神社をつくり、それに対する信仰を強制し、皇居のほうに向かってお辞儀をさせたりしました。また、創氏改名といって、日本名を名乗らせたりしました。
そのため、朝鮮では非常に強い反日運動が起こり、なかなか収まりませんでした。
そして、戦後の流れを見ても、朝鮮半島や中国の人たちは日本に対してあまりよい感情を持っておらず、そういうことを一貫して述べています。
その背景にあるのは、戦後、彼らの国は独立したけれども、その独立は自力で日本に勝ってなされたものではないということです。そのため、何とも言えないやるせなさが残っているのだと思います。
独立軍が日本軍と戦って勝ち、朝鮮半島から日本をたたき出して独立したのであれば、非常にすっきりするのですが、そうではなく、第二次大戦で日本が連合国側に降伏したあと、何年かたって独立できたのです。中国も同様です。日本軍に勝って独立したわけではありません。
彼らにとって、それが何とも言えない悔しさとなって残り、解決されないでいるのです。
さらに、日本は敗戦時にはガタガタで、経済的に中国や韓国とそう変わらないレベルだったのですが、戦後五十年たってみると、その日本に、中国や韓国は非常に差をつけられてしまいました。
最近の中国は経済が非常に発展してきたと言われてはいますが、それでも、一人当たりのGDPでいえば、日本の七十分の一ぐらいです。ごく最近の数字はつかんでいませんが、十億以上の民がいて、あれだけ広大な国土がありながら、中国のトータルのGDPは、おそらく東京都と同じぐらいだと思います。
また、韓国のGDPは神奈川県ぐらいと推定してよいでしょう。
彼らにしてみれば、「あれほど悪魔のようなことをしてきた日本なのに、戦後、繁栄した。悪いことをした国が没落するのならよいが、逆に繁栄したのは許せない」ということなのです。
このように、中国と韓国の人々のあいだには、日本に対して非常にすっきりしない感情が二重に存在しているのです。
(84~87ページ)
朝鮮半島や中国の人たちは、日本に対して、戦後もあまりよい感情を持っていない。
その背景には、まず、戦後の彼らの国の独立が、自力で日本に勝ってなされたものではないことがある。
さらに、敗戦時、日本は経済レベルが中国や韓国とそう変わらなかったのに、五十年たってみると差をつけられてしまい、悪いことをした国が繁栄したのは許せないと思っていること。
このように、中国と韓国の人々のあいだには、日本に対してすっきりしない感情が二重に存在している──。
この『奇跡の法』の刊行から20年の歳月がたって、中国のGDPは日本を抜いたとされ、状況がかなり変わってきた部分もありはします。
ただ、日本と中国や韓国の間の微妙な関係の背景には、ここで大川隆法先生が説いて下さったような「感情」の問題が横たわっている。
この視点は、今後のアジア情勢を考えるにあたって、けっこう大事なんじゃないかと私は思います。
みなさんは、どうお考えですか?
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『奇跡の法』
大川隆法著
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