インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

椅子と骨第4回(短編小説/銀座新聞ニュース)

2024-01-13 22:03:02 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
椅子と骨第4回
https://ginzanews.net/?page_id=65818

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
昨年中はお世話になり、ありがとうございました。本年も何卒よろしくお願いいたします。
昨年に引き続き、拙連載記事のご愛読のほど、本年もくれぐれもよろしくお願い申し上げます。

さて、年明け早々、石川は大変なことになりました。毎日動画ニュースをチェックしている私は、元旦を直撃した能登地方の大地震についても、すぐに情報キャッチ、以来フォローし続けていますが、被害の甚大さには、五年前から金沢市民になった当方だけに大ショックを受けています。
おかげさまで金沢在住の弟夫婦は無事でしたが、室内は食器が割れて散乱状態と化したようです。弟が管轄する市内の総合病院内もかなりの被害を被ったとのことでした。

ネットニュースをずっと見続けていたら、気持ちが滅入ってきて散歩中にうっかり路上で転倒してしまいました。翌日に息子(インドでは人気のラッパー、Rapper Big Deal)のライブツアーに同行して、当地プリー(Puri)から261キロ離れたボウド(Boudh)に車で向かう予定だったのを、一旦はキャンセルする気持ちになりました。か、このまま家にいても気が滅入るばかりなので、打身で体のあちこちが痛かったけど、気分転換も兼ねてあえてライブ行きを敢行、結果初めて我が子のパフォーマンスを目の当たりにするエキサイティングかつ楽しい体験ができました。震災ニュースで沈んでいた気持ちも癒され、思い切って出かけて本当によかったです。

いまだ余震が続いている落ち着かない状態ながらも、7日目に突入し、水や食料、仮設トイレなどの救援物資も届き出しているようです。が、まだ孤立している集落もあるみたいで、懸念されます。瓦礫の下敷きになった人達の生存確率はほぼ見込めない状態で、胸が痛みますが、とにかく、一刻も早く被災地全域に救援物資が行き渡ることを祈るばかりです。

この文面を借りて、改めて被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。併せて、お亡くなりになられた方々のご冥福を陰ながらお祈り申し上げます
昨秋訪ねた輪島の火災発生後の焼け跡の惨状や、珠洲市への地震と津波のダブルパンチには、ショックで言葉もありませんが、被害に遭われた住民同士が助け合っている姿には胸が熱くなりました。
72時間後に奇跡的に救出された80代の女性に喜びを禁じ得ないながらも、上の息子さんの証言によると、下の息子さんである弟さんがかばうように覆いかぶさって体温低下を免れ生き延びた由、涙なからに弟さんの犠牲を語る姿についもらい泣きしてしまいました。

私自身、金沢市のマンションの室内がどうなっているか、チェックは2月の帰国まで待たねばならず、少しもどかしい気もしますが、あとひと月足らず、気持ちをなるたけ平静に保って、現地の家族との時間を大切に過ごしたいと思っています。
当たり前と思っている日常がいつ何時奪われるかわからない、自身も当地でスーパーサイクロンに2度見舞われ、停電断水体験は数知れず(80~90年代の移住初期は特にインフラ未整備だった)、しかも同県人ともなれば、とても他人事ではありません。被災者の苦悩は我が痛みです。どうか、私が戻る頃には、事態が少しでも落ち着いていて欲しいと、ひとえに祈るばかりです。
インドにいて、無力ですが、余震がある程度収まって、物資も隈なく行き渡り、瓦礫の下に生き埋めになっている人たちも、生存の可能性は極めて低いながらも、救いあげられ、家族のもとに戻ることを陰ながら祈るのみです。

最後になりましたが、冒頭の連載小説第4回、お時間のある時ご一読いただければ、幸甚に存じます。夫亡き後の私的な神秘体験がテーマになっております。霊が見えるわけでない私は、夢の中で亡夫と交信し続けました。そして、肉体なきあとも生命エネルギー体は残ることを確信しました(知識として持っていたことを現実に再確認)。

奇しくも、ライブツアーの帰途の車中では、死後にスピリットは残るやいなやの話題で熱中、息子の他にDJやカメラマン、ドライバーとそれぞれの体験談を語り、盛り上がりました。

霊が見える何某の証言によると、大概の霊は死後家にとどまるそうです。何十年と居続けることもあるそうです。仏教の49日に比して、ヒンドゥー教では死後1年さまようと言われており、一周忌は盛大に行い、スピリットを天に送ります。しかし、天国に行くという発想そのものが、生者の自己慰藉、死後霊のほとんどは家にいるとの霊媒師の証言を聞くと、俗界にいつまでもとどまってはいけないと亡者を追い立てることは、残酷で、生者(遺族)のエゴかもしれません。
また神秘体験については別の機会に、書いたり話したりする機会があるかもしれません。

⇒拙作「椅子と骨」は、見えない世界との交流、「私」(主人公)と亡夫、亡母の夢の中の交信を綴った作品で、死者との交感がテーマになっております(実体験のドキュメント私小説)。興味のある方はぜひご一読ください。

〇椅子と骨
第1回
https://ginzanews.net/?page_id=65198
第2回
https://ginzanews.net/?page_id=65286
第3回
https://ginzanews.net/?page_id=65502



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