連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

まだ喋ってるよ

2005-11-04 | オバ友
マリがしきりに吠えている。
「どうしたんだ、いったい」2階の窓から外を覗く夢さん。
「なんだオバサンか」オバサン何処かの人と立ち話をしている。

喋りだしたら止まらないオバサンだからな。
何時までもマリが吠え止まない。おやおやまだ喋ってる呆れたもんだな。

自転車のオバチャンは前カゴに荷物を乗せて、ハンドルにも袋を下げている。
スタンドを立てて話せばいいのにさ。疲れないのかい。

ハンドルに両手を掛けたまま踏ん張っている。
今にも走り出しそうに見えながら、走り出す気配はまったく無い。

あーぁ、パソコンの手元が薄暗くなってきた。日が暮れっちまうぞ。
よくあんなに喋るネタがあるよな。なんであんなに外面がいいんだろ?

「はい、おとうさん」 
「ん?」あ、夢さんのウィスキーも買ってきてくれたのか。早く言えよ。 
 

バカぬかせ!

2005-11-01 | 一人の時間
秋の日のヴィオロンのためいきの

身にしみて ひたぶるにうら悲し
       (ポオル ヴェルレエヌ 落葉の一節より)

胸にジンとくるな。   

どしたい夢さん?気でも狂ったか?

今日から11月だってさ、何とも早いからさ、歳を取ると余計にな。

この間まで暑くてフーフー言ってたのにな、いつまでも夏だったらまずいだろよ。

見上げる真っ青な空、空気が少しばかり冷たい、秋真っ盛りだなぁ。

オバサンは出掛けている。ぽつんと一人窓の外に目をやる。

オニババが留守で、至福の時間の筈なのに何となく物足りない。

秋は人恋しい季節だって言うけどな。

ん?オバサンが居なくて寂しいのかって?バカぬかすな!

冗談は顔だけにしとけよ!

秋の日の昼下がり、今日も二人の夢さんが葛藤を繰り返す。