夢七雑録

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東京の古民家めぐり・旧栗山家主屋(目黒区)

2017-12-03 11:41:59 | 東京の文化財

都立大学駅の南口を出て直ぐの角を東に向かい、坂を上がって先に進む。酉蓮社の先の角を左に行き、平町1の交差点で環七通りを渡ってやや下ると、すずめのお宿緑地公園が右手にある。目黒区指定の有形文化財(建造物)である旧栗山家主屋は、この公園の北側にある。

栗山家主屋の旧所在地は、旧・荏原郡世田谷領衾村谷畑(現・目黒区緑が丘)で、主屋のほかに長屋門もあったが、主屋だけが現在地に移築復元され、長屋門は解体保存されている。栗山家の主屋は安政4年(1857)に大改築した記録があり、建築様式の特徴から江戸時代中期の創建と推定されている。屋根は寄棟造りで本来は茅葺であったが、現在は防火の点から銅板葺きとしている。栗山家の先祖は吉良氏の家臣で、江戸時代は村役人を歴任していたということだが、新編武蔵風土記稿に記されている衾村の旧家に該当するのだろうか。

栗山家主屋の間取りは、ヒロマを中心に、東側にダイドコロ、西側にザシキ及びナンドを配置した広間型で、比較的古い形式になっている。ヒロマは板間で囲炉裏が切られている。写真は上から順に、ヒロマから南側の門の方を見たもの、囲炉裏から東側のダイドコロ(土間)の方を見たもの、囲炉裏から北側を見たものになっている。

栗山家主屋のザシキは西南側にあり、その北側は広いナンドになっている。建物の南側は日当たりが良いとまでは言えないが、竹林を抜けてきた光がザシキまでは届く。ヒロマの暗闇と、程々の明るさのザシキと、外界の翠と。その対比が面白く暫しの時を過ごす。

栗山家主屋の南側と西側は外縁になっている。西側の縁に出ると、もう、夕日が差し込んでいた。短い滞在時間だったが、そろそろ、帰途に就く時間である。

 

 


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