夢七雑録

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石神井公園 冬から春へ

2017-04-22 19:42:55 | 公園・庭園めぐり

(1)1月の石神井

石神井公園。1月。三宝寺池北側の丘の梅林に、梅が咲き始める。無彩色の冬木立のうちに見える僅かな紅色が、春へと向かう最初の一歩という事になるだろうか。

寒い日が続けば、石神井池も時には凍る。午後の日差しに照らされて解け始めた氷の上を、覚束ない足取りで、マガモとバンが歩く。

この時期、運が良ければ、B地区野球場の東側から、道場寺三重塔の相輪の左側に、雪をまとった富士山を見る事が出来るかも知れない。

 

(2)2月の石神井

2月。石神井池南側の野球場近くに、早咲きのカンザクラが咲き始める。寒さまだ厳しい時候。この桜を見にくる人は多くないだろう。 

池淵史跡公園近くの野草観察園には水仙が咲いている。近くには黄色の福寿草。今の時期には目立つ色をしている。

 

(3)3月の石神井

3月。石神井池南側の野球場近くにある草地広場には、桜が何本も植えられているが、濃紅色のカンヒザクラはもう咲いている。

池淵史跡公園に入り、古民家の周りを歩く。園内には梅が咲いている。

三宝寺池北側の梅林の梅は今を盛りの状態。それでも、菜の花ほどには目立たない。

 

(4)4月石神井

4月。石神井公園に満開の桜を見に行く。記念庭園内にも桜があり、池の畔にひっそりと咲いている。

草地広場には枝垂れ桜もある。その枝ぶりは、よく見ると不思議な姿をしている。

草地広場の桜を眺め、暫く休む。

三宝寺池の周りをめぐる。緑の中の桜。ハナモモの背景になっている桜。菜の花やチューリップと競い合っている桜。

石神井池に沿って歩く。若葉色と桜色の競演。

(5)4月中頃 

4月の中頃。練馬区の名木である山桜の大木が公開されるというので行ってみた。大木の根元には、ショカッサイ(オオアラセイトウまたはハナダイコンともいう)も開花していた。

三宝寺池にも行ってみた。すでにソメイヨシノは散り始めていて、池の面に散逸し、あるいは、花筏をつくっている。梅は桜に、柳は山吹へと代わって、季節は滞ることなく移ろいつつある。

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石神井川の桜を見に行く(3)

2017-04-15 16:09:42 | 緑と水辺の散歩道

中之橋から上流の石神井川は豊島園内を流れるが、今回は園内をパスすることにして、中之橋から上流を眺めるにとどめる。

中之橋から春日町本通りを北に進み二つ目の信号を左に入る。豊島園の塀に沿って進めば春日神社があり、ここにも桜はある。周囲を桜で囲んだ臨時駐車場に沿って進み左に曲がると石川橋に出る。ここから下流の豊島園方面を眺める。

石神井川の左側を歩いて、田中橋を過ぎる。次の西田中橋で下流方向を眺めると桜が所々に見えるが、上流には桜が見当たらない。神路橋、道楽橋を過ぎて新小橋まで来ると、練馬中央陸橋が見えて来るが、この先が少々分かりにくい。近くに武蔵野の路の標識があるが、環八開通以前の地図なので役に立たない。新小橋の次の橋が小橋で、その上流で環八が石神井川を渡っているが、橋としては環八の東側の貫井橋と西側の高松橋に分割されている。

小橋を渡り環八を渡って左に行き、目白通りと環八の交差点を渡って右に行く。目白通りが石神井川を越える練馬大橋を見送って、石神井川の左側を歩く。竹橋、境橋を過ぎると上新田橋で、ここから先、また桜並木が始まる。

その次の大野橋から上流を眺め、石神井川の右側を通って進み、こぶし橋を過ぎる。川が整備され、桜も両岸に植えられているので、桜を見ながら散歩するには好適な道になっている。

谷原三之橋、桜見橋を過ぎ、谷原二之橋で上流を眺める。川の右側をさらに進んで、すずしろ橋、高野橋とたどる。ここを過ぎると、川岸に枝垂桜が見られるようになる。

富士見橋、高富士橋を過ぎ、次の下薬師堂橋から下流を眺める。枝垂桜が両岸に見られる。

西武鉄道の鉄道橋を潜り、薬師堂橋から桜並木の続く上流を眺める。

 

長光寺歩道橋で川の様子をうかがい、笹目通りの通る長光寺橋を過ぎる。そのあと、平成みあい橋の上からから上流の緩傾斜護岸の様子を眺める。

水面近くのテラスに下り、桜を仰ぎ、流れを見ながら歩き、南田中橋を潜って、和田前歩道橋に上がる。ここから下流を眺める。

山下橋から上流の石神井川が整備され、桜も植えられているので、今回は石神井川沿いに少し歩いて石神井公園に行く。

今回のコースは“武蔵野の路”の石神井川コースを利用したものだが、石神井公園については別稿で扱うこととして、今回はこれにて終りとする。

 

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石神井川の桜を見に行く(2)

2017-04-14 18:19:14 | 緑と水辺の散歩道

中山道を渡って石神井川の左側を進むと、左手に石神井川の旧水路を利用した氷川つり堀公園がある。

石神井川沿いに進むと愛染橋があり、その南側に旧水路の続きが見える。

西宿裏橋の先で、堰の上橋を渡り、石神井川の右側を歩く。

石神井川沿いには桜並木が続き、さくら祭りの提灯が取り付けられている。

西堰橋、双栄橋を過ぎると中根橋となる。橋から上流を眺めてから、川に沿って先に進む。

根村橋、新西原橋、山中橋、久保田橋を過ぎ、向屋敷橋に出て上流を眺める。次の中板橋の手前はポケットパークのようになっている。

中板橋の先で東上線のガードを潜る。ここから桜は片側の岸だけになる。間々下橋を過ぎて下頭橋に向かう。

下頭橋は旧川越街道が通る橋で、欄干は擬宝珠の付いた擬木で出来ている。この橋は、板橋区の登録記念物(史跡)になっている。

下頭橋を渡って石神井川の左側を歩く。暫らくは桜並木が途切れる。次の宿橋を渡って石神井川の右側を歩き、上板橋を過ぎると、月と星の意匠がある山崎橋の向こうに桜が見える。

山崎橋を渡って桜並木の下を歩くが、この先で桜が途切れてしまう。学校橋、耕整橋、小山橋を過ぎると上の根橋になる。環七を渡って石神井川の左側を歩き、宮前橋を過ぎて台橋まで来ると前方に桜並木が見えてくるが、石神井川の方は右方向に曲がっていく。

次の桜橋で北側を見ると、石神井川に流入していた田柄川の流路跡に桜並木が見える。田柄川は桜川と呼ばれていたそうである。桜橋から城北中央公園に沿って歩き、茂呂橋を過ぎて公園内に入り桜を見に行く。

栗原橋から公園内に入り、園内の桜を見て回る。公園内には各所に桜があり花見の場所もある。そのあと、石神井川沿いの道に戻り、羽城歩道橋から湿化見橋に出て、石神井川沿いにあるミモザ広場に行く。ここも、桜が多い。

ミモザ広場を抜けて開進橋で上流を眺めたあと、石神井川の左側を歩く。ここから先は石神井川の左側に桜が続いている。

羽根木橋、羽根沢橋、仲羽橋、宮宿橋を過ぎ、正久保橋まで来ると右側に有楽町線の氷川台駅がある。その先の丸山橋から上流を眺める。

石神井川の左側を進み、四の宮宿橋を過ぎて桜の下の遊歩道を歩く。

鎌田橋を過ぎて高稲荷橋に出ると、左側に桜の多い高稲荷公園があり、丘の上には高稲荷神社がある。

早宮橋を過ぎると次は新大橋で、ここからは石神井川の右側に桜並木が続くようになる。

大橋、糀谷橋を過ぎて東中央橋を渡る。ここで下流を眺める。右側は練馬総合運動場である。東山下橋、西早宮橋、南宮橋を過ぎれば中之橋で、左へ行けば豊島園駅に出られる。

 

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石神井川の桜を見に行く(1)

2017-04-11 20:45:10 | 緑と水辺の散歩道

王子駅から音無親水公園に向かう。江戸の料亭扇屋の玉子焼き今に伝える店の前には、今日も行列が出来ている。音無親水公園は、王子神社の下を流れていた石神井川の跡地に造られた公園で、都市公園百選にも選ばれている。公園内には木の橋が架かっているが、台風で流された舟串橋を再現したものらしい。

舟串橋を渡って園内に造られた流れに下り、昭和5年に架けられた音無橋の下に出る。以前の石神井川は音無橋の下を流れていたが、現在は橋の上流側で飛鳥山の下を潜る水路に流れ込んでいる。音無橋を潜って右手の道に上がり左に進む。道の左側は石神井川だが壁に阻まれて残念ながら川の流れを見る事が出来ない。

松橋を渡った先に、石神井川の旧水路を利用した“音無さくら緑地”があり、入って直ぐのところに“緑の吊橋”が架かっている。最初に架けられたのは昭和29年ということだが、当時は石神井川の風景に相応しいものだったろう。吊橋の下を潜って昔の石神井川の痕跡を探しながら歩き、緑地の名にし負う桜並木を通って現在の石神井川に戻る。

川沿いに進み紅葉橋を過ぎて先に進めば、音無もみじ緑地に出る。ここには、石神井川の旧水路を利用して入江が造られており、水面近くまで下りられるようになっている。この地は、紅葉の名所として知られ、松橋弁財天の洞窟や滝もあって、広重の江戸名所百景にも取り上げられる景勝地であったのだが、現在の風景から昔の姿を想像する事は難しくなっている。

 

滝野川橋を渡って、石神井川の右側を進むと、観音橋の先に平成20年に開眼した谷津大観音の像が見えてくる。川に沿ってさらに進み谷津橋を渡る。渡った先は音無くぬぎ緑地で、先に進むと埼京線の鉄道橋に出る。

 

石神井川の桜は埼京線の車窓から何度も眺めているが、桜の時期に鉄道橋の下を潜るのは初めてかも知れない。先を急ぐので電車の来るのを待たずに先に行き、東橋から下流側を眺める。コンクリートの川は興ざめだが、川の中の緑が少しだけ気持を和らげてくれる。

金沢橋近くの加賀公園は加賀藩下屋敷があった場所で、公園内には標石と説明版が置かれている。下屋敷絵図によると、屋敷内に石神井川が流れており、川沿いに高山と書かれている築山が、加賀公園内に残る築山に相当する。その南側には大きな池が描かれているが、現存しない。下屋敷は江戸最大の大名屋敷で二十一万八千坪あったが今はその面影も無い。加賀公園内には桜もあり、今は花見の場所になっている。

加賀公園の築山に登り、石神井川に下って加賀緑橋を渡って、石神井川の右側を歩く。加賀橋、緑橋、加賀二の橋、加賀学園橋と続き、稲荷橋を渡って石神井川の左側に移る。

御成橋を過ぎると次は番場橋となり、旧中山道が通る板橋が見えてくる。その先を左に入って石神井川の旧水路による緑道を抜ければ板橋に出る。板橋から先、石神井川の左側を歩道が通じており、ふれあい橋を過ぎれば中山道の通る新板橋となる。

 

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舎人公園と周辺の桜を見に行く

2017-04-06 19:15:35 | 公園・庭園めぐり

日暮里・舎人ライナーを舎人公園駅で下りると、広大な都立舎人公園が目の前にある。この公園は昭和56年に開園しているが、今もって未完成である。舎人公園は北西のA地区、北東のB地区、南東のC地区、南西のD地区に分けられるが、C地区については今も工事中である。

舎人公園で最初に開園したのがA地区である。ここには公園のサービスセンターがあり、北側にはテニスコートと陸上競技場、西側にはプレイグラウンドや西園がある。A地区内を西に向かって歩いてみる。周囲に高い建物が無いせいか、空が広く感じられる。

明治時代、荒川堤改修に際して多種の里桜が植えられた事があり、様々な色の桜があったため、荒川の五色桜と呼ばれていた。この桜の苗木はアメリカに贈られ、ポトマック河畔に植えられて、今に至るまで桜まつりが行われている。一方、荒川の五色桜は絶滅してしまったため、アメリカからの里帰り桜を植樹するようになった。舎人公園において昭和57年に植樹された桜は、レーガン大統領夫人から贈られた里帰りの桜で、レーガン桜と名付けられた。この桜は今も健在で、プレイグラウンドの傍に記念碑とともにある。

舎人公園には千本桜と称されるほど多数の桜が植えられている。その大半は北西のB地区にあるが、公園が広いので花見の場所取りに苦労する事もなさそうである。B地区にはキャンプ場や菖蒲田などもあり、桜の季節が過ぎても楽しめる公園になっている。

B地区の中心には大池がある。舎人公園は荒地や水田地帯だった場所を公園として整備しているので、大池もその時に新たに造成されたと思われる。現在は公園の池らしくなっているが、以前はガマの穂渕と呼ばれ、自然の沼のような姿をしていた。

舎人公園は全体として平坦地になっているが、北側の日暮里舎人ライナーの車両基地の上に山が築かれ、その斜面地には広場が設けられている。山上の朝日の広場は、展望台のようになっていて、360度の眺めが素晴らしく、天候次第では富士山も見えるらしい。

舎人公園を出て北に向かい、見沼代親水公園に行ってみる。利根川の水を引く灌漑用水路の見沼代用水東縁の末流に当たる足立区内の区間を公園としたもので、浄化された水による流れに沿って遊歩道が作られている。数は多くはないが、ここにも桜はある。

遊歩道を進むと日暮里舎人ライナーの終点、見沼代親水公園駅に出る。尾久橋通りの向こうに毛長緑道の入口があるが、ここは帰りに寄る事にして、見沼代親水公園の続きに行く。

見沼代親水公園の水路に沿って桜を見ながら先に進むと、やがて道は毛長川に出る。見沼代用水東縁の水路は毛長川と立体交差していたが、現在は毛長川に合流するようになり、毛長川を過ぎた先の水路は、見沼代親水公園に代わっている。

毛長川に架かる舎人橋から上流を眺める。川沿いの舎人緑道には桜並木が続いている。現在は付近の改修工事が継続中のようだが、埼玉県側も含めて付近の遊歩道が整備される事を期待したい。舎人橋を渡って、その先を右に一本橋を渡る。

見沼代用水東縁に架かる一本橋から上流を眺める。水路沿いには桜並木が続いている。橋を渡って右に毛長川を砂小橋で渡り、見沼代用水東縁が毛長川に合流している様子を眺める。

砂小橋を渡って左へ、車に注意しながら毛長川の右岸を歩いて行くと、ふれあい橋に出る。橋から毛長川の上流を眺めると、川に沿って桜が何本か見える。

ふれあい橋から、桜のある毛長緑道に入ると、間もなく尾久橋通りに出る。見沼代親水公園駅から乗車し、展望を楽しみながら帰途に就く。

 

<参考資料>「舎人公園マネジメントプラン」

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