妙正寺池を水源とする妙正寺川については、2011年に神田川支流・妙正寺川として5回に分けて投稿したが、今回は妙正寺川沿いの公園を取り上げる。
(1)妙正寺公園
妙正寺公園は妙正寺池を中心として、休息コーナー、遊具コーナー、運動コーナーからなる公園で、開園は昭和38年。妙正寺池の湧水量が少なくなっているため、現在は地下水をくみ上げているという。池を中心に公園内を見て回る。現在の池は、元の池に比べて広くなっているようで、噴水も設けられ、公園の池らしくなっている。妙正寺池から流れ出ている筈の妙正寺川は見当たらないが、公園内では地下を流れているらしい。妙正寺川には井草川が合流していたが、昔の地図からすると合流点は公園内になるので、地上には見当たらない。妙正寺川が姿を現すのは、合流点の下流にあたる、妙正寺公園の外からである。
(2)平和の森公園
妙正寺公園を出た妙正寺川は北東に流れるが、その途中で杉並区から中野区へと変わる。妙正寺川は鷺ノ宮駅の近くから南に流れたあと、東に向かい環七の下を潜ることになるが、この辺りは工事中のようなので、またの機会に見て回ることに。この先、妙正寺川は沼袋駅方向に向かうが、途中の妙正寺川沿いに平和の森公園がある。この公園は、中野刑務所の跡地に下水処理場とともに設けられた防災公園で、昭和60年に部分開園したあと再整備が行われて令和2年に開園している。妙正寺川沿いの入口から入ると多目的運動場の下に出る。ここを上がり水辺の広場を過ぎると、広々とした草地広場に出る。東側には区立総合体育館も見える。以前は、天気の良い日に広場の西側から富士山を見ることも出来たが、今はどうなのかは分からない。
(3)江古田公園
妙正寺川は沼袋駅近くで東に流れたあと、西武鉄道の線路を潜って北に流れ、新青梅街道近くで、学田公園付近を源流とし千川上水の分水を加えた江古田川(写真の下側)が合流する。そのあと、妙正寺川は南東に向きを変えて流れていく。妙正寺川の両側は江古田公園で、北側には太田道灌と豊島氏との古戦場の碑が置かれている。南側は崖下の樹林地で北野神社の境内に続いている。
(4)哲学堂公園
妙正寺川は下田橋の先で哲学堂公園沿いに流れるようになる。川の左岸から園内に入って時空岡に上がり、菖蒲池に下りて唯心庭に行き、心字池を暫し眺める。それから富士橋で右岸に移り、哲学の庭を通って妙正寺口から外に出て、川沿いに進む。右側には、中間調節池を挟んで多目的運動コーナーがあり、左の方には流れと池による休憩コーナーがあるが、これらは妙正寺川の増水時に雨水を溜める第一調節池になっている。多目的運動コーナーの南側には運動広場が見えるが、その地下は雨水を溜める第二調節池になっている。運動広場、多目的運動コーナー、休憩コーナーは、妙正寺川公園に含まれる。妙正寺川の右岸を四村橋へと向かう途中には区境があり、中野区から新宿区に代わる。妙正寺川公園の池は新宿区側にある。
(5)上高田運動施設と落合公園
哲学堂を出て四村橋を過ぎる。この辺りの妙正寺川は区の境界にもなっていて、左岸にある西落合公園は新宿区になっている。北原橋から先は川の右側に移る。中野区の上高田公園の先には、中野区の上高田運動施設が続いているが、運動施設の地下は洪水防止のために雨水を溜める上高田調節池になっている。
川の右岸を先に進み西武鉄道の下を潜る。ここは出水時には通行不可になる。先に進むと川の左岸に新宿区の落合公園があり、橋を渡って入ってみる。この公園の地下は落合調節池で増水時に雨水を溜めるようになっている。
(6)せせらぎの里公苑
妙正寺川の左岸を先に進み山手通りを潜り中井駅を過ぎる。そのまま進むと西武鉄道で行き止まりになるので川から離れ、下落合駅近くの、せせらぎの里公苑に行く。以前の神田川はこの辺りで蛇行しており、下落合駅近くで妙正寺川と合流していたが、現在は流路が変えられている。公苑から北へ下落合駅を過ぎ、妙正寺川に出て右に行く。この先、妙正寺川は、新目白通り下の暗渠である高田馬場分水路に入り、高戸橋の上流で神田川に合流している。
(7)おとめ山公園
新目白通りを歩道橋で渡り、薬王院の前を右に行く。すぐ先を左に入り下落合野鳥の森公園に立ち寄ったあと、おとめ山公園に向かう。公園の東側にある池は弁天池で、昔は池の中の小島に橋が架かっていた。おとめ山公園も今は広くなっているが、以前は弁天池と西側の谷の部分だけだった。おとめ山通りを渡って西側に行く。昔は相応の湧水量があったが、今も湧水はあるらしく、東京の名湧水57選の一つになっている。広くなった園内を見て歩き、それから目白駅へと向かう。