夢七雑録

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妙正寺川沿い公園めぐり

2021-12-23 18:08:38 | 公園・庭園めぐり

妙正寺池を水源とする妙正寺川については、2011年に神田川支流・妙正寺川として5回に分けて投稿したが、今回は妙正寺川沿いの公園を取り上げる。

(1)妙正寺公園

妙正寺公園は妙正寺池を中心として、休息コーナー、遊具コーナー、運動コーナーからなる公園で、開園は昭和38年。妙正寺池の湧水量が少なくなっているため、現在は地下水をくみ上げているという。池を中心に公園内を見て回る。現在の池は、元の池に比べて広くなっているようで、噴水も設けられ、公園の池らしくなっている。妙正寺池から流れ出ている筈の妙正寺川は見当たらないが、公園内では地下を流れているらしい。妙正寺川には井草川が合流していたが、昔の地図からすると合流点は公園内になるので、地上には見当たらない。妙正寺川が姿を現すのは、合流点の下流にあたる、妙正寺公園の外からである。

(2)平和の森公園

妙正寺公園を出た妙正寺川は北東に流れるが、その途中で杉並区から中野区へと変わる。妙正寺川は鷺ノ宮駅の近くから南に流れたあと、東に向かい環七の下を潜ることになるが、この辺りは工事中のようなので、またの機会に見て回ることに。この先、妙正寺川は沼袋駅方向に向かうが、途中の妙正寺川沿いに平和の森公園がある。この公園は、中野刑務所の跡地に下水処理場とともに設けられた防災公園で、昭和60年に部分開園したあと再整備が行われて令和2年に開園している。妙正寺川沿いの入口から入ると多目的運動場の下に出る。ここを上がり水辺の広場を過ぎると、広々とした草地広場に出る。東側には区立総合体育館も見える。以前は、天気の良い日に広場の西側から富士山を見ることも出来たが、今はどうなのかは分からない。

(3)江古田公園

妙正寺川は沼袋駅近くで東に流れたあと、西武鉄道の線路を潜って北に流れ、新青梅街道近くで、学田公園付近を源流とし千川上水の分水を加えた江古田川(写真の下側)が合流する。そのあと、妙正寺川は南東に向きを変えて流れていく。妙正寺川の両側は江古田公園で、北側には太田道灌と豊島氏との古戦場の碑が置かれている。南側は崖下の樹林地で北野神社の境内に続いている。

(4)哲学堂公園

妙正寺川は下田橋の先で哲学堂公園沿いに流れるようになる。川の左岸から園内に入って時空岡に上がり、菖蒲池に下りて唯心庭に行き、心字池を暫し眺める。それから富士橋で右岸に移り、哲学の庭を通って妙正寺口から外に出て、川沿いに進む。右側には、中間調節池を挟んで多目的運動コーナーがあり、左の方には流れと池による休憩コーナーがあるが、これらは妙正寺川の増水時に雨水を溜める第一調節池になっている。多目的運動コーナーの南側には運動広場が見えるが、その地下は雨水を溜める第二調節池になっている。運動広場、多目的運動コーナー、休憩コーナーは、妙正寺川公園に含まれる。妙正寺川の右岸を四村橋へと向かう途中には区境があり、中野区から新宿区に代わる。妙正寺川公園の池は新宿区側にある。

(5)上高田運動施設と落合公園

哲学堂を出て四村橋を過ぎる。この辺りの妙正寺川は区の境界にもなっていて、左岸にある西落合公園は新宿区になっている。北原橋から先は川の右側に移る。中野区の上高田公園の先には、中野区の上高田運動施設が続いているが、運動施設の地下は洪水防止のために雨水を溜める上高田調節池になっている。

川の右岸を先に進み西武鉄道の下を潜る。ここは出水時には通行不可になる。先に進むと川の左岸に新宿区の落合公園があり、橋を渡って入ってみる。この公園の地下は落合調節池で増水時に雨水を溜めるようになっている。

(6)せせらぎの里公苑

妙正寺川の左岸を先に進み山手通りを潜り中井駅を過ぎる。そのまま進むと西武鉄道で行き止まりになるので川から離れ、下落合駅近くの、せせらぎの里公苑に行く。以前の神田川はこの辺りで蛇行しており、下落合駅近くで妙正寺川と合流していたが、現在は流路が変えられている。公苑から北へ下落合駅を過ぎ、妙正寺川に出て右に行く。この先、妙正寺川は、新目白通り下の暗渠である高田馬場分水路に入り、高戸橋の上流で神田川に合流している。

(7)おとめ山公園

新目白通りを歩道橋で渡り、薬王院の前を右に行く。すぐ先を左に入り下落合野鳥の森公園に立ち寄ったあと、おとめ山公園に向かう。公園の東側にある池は弁天池で、昔は池の中の小島に橋が架かっていた。おとめ山公園も今は広くなっているが、以前は弁天池と西側の谷の部分だけだった。おとめ山通りを渡って西側に行く。昔は相応の湧水量があったが、今も湧水はあるらしく、東京の名湧水57選の一つになっている。広くなった園内を見て歩き、それから目白駅へと向かう。

 

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晩秋の港野鳥公園

2021-12-01 17:54:10 | 公園・庭園めぐり

東京港野鳥公園(大田区東海3-1)には、これまで何度か行ったことがあるが、感染が落ち着いている今のうち、久しぶりに出かけてみることにした。持参するのはコンパクトな双眼鏡とコンパクトカメラ。まともな野鳥写真は無理でも、晩秋の野鳥公園の景色ぐらいは何とか撮れるだろう。公園への最寄り駅は東京モノレールの流通センター駅だが、多少遠くても、大井競馬場前から大井ふ頭中央海浜公園内を歩くルートがお勧めである。

港野鳥公園の前の道路は、都道316号・318号(環七)で交通量も多いが、公園内に入ると、その音も遠のいて公園は野鳥たちの領分となる。管理事務所は入口から坂を上がったところにあり、ここで入園料を支払って野鳥たちの様子を見に行く。管理事務所の前には竹が置かれているが、滅多に咲かない竹の花を展示しているらしい。この地が埋め立てられたのは1960年代なので、120年を待たずに竹は花を咲かせたことになる。

管理事務所から東に行くと、すぐに広い芝生広場に出る。ここで弁当を食べるのも良く、2m間隔を開ければ遊ぶことも出来る。雨が降ってきたら、屋根付休憩舎で休んでもいい。

この公園は東園と西園に分かれていて、いそしぎ橋の東側が東園となる。その橋を渡りかけたとき、羽田から飛び立った飛行機が見えた。港野鳥公園は羽田空港から間近な位置にあるが、空港のすぐ傍にあるこの公園は、野鳥にとってはどうなのだろう。

いそしぎ橋の南側には大田市場が見える。北側を見ると鉄道線路があった。地図によると線路は 東海道貨物線で、いそしぎ橋から先は地下となり大田市場から昭和島の下を抜け、羽田飛行場の西側を抜けて天空橋の先で多摩川を潜って川崎に向かっているようである。

いそしぎ橋から先、東園の道を歩く。東観察広場を過ぎて、ネイチャーセンターに行く。2階と1階の観察ロビーから全景を眺めたあと、地階の干潟遊歩道に出て潮入りの池を見る。

ネイチャーセンターの外に出て広場から北側の東淡水池を眺める。野鳥の姿を探すが、間近にはあまり見られない。

2号観察小屋に立ち寄ったあと、1号観察小屋に行く。2号観察小屋のある北側を眺め、それから東側を眺める。ホシハジロだろうか、群れが見える。

前浜干潟観察デッキに行く。オオバンが近くまでよってくる。オオバンの数は最近、全国的に増えているらしい。

もと来た道をネイチャーセンターまで戻り、来た時とは別の散歩道を通って、いそしぎ橋を渡り、管理事務所を過ぎて、西園の自然生態園に行く。

自然生態園の北側に自然学習センターがある。自然観察会などのイベントで使われる場所ということだが、建物は周辺の景観に溶け込んでいるように思える。

自然生態園には雑木林の中を小川が流れている。広くはないが田んぼもあって、植え付けから収穫までのイベントも行われているらしい。ここは、野鳥のほか、昆虫など自然の生態を観察する場所でもあるのだろう。

西園には西淡水池がある。3号観察小屋に行き池の様子を眺める。ここまで来たところで、そろそろ時間切れ、帰らなければならない。次回、来るときには、もう少し時間をとって、園内をじっくり見て回りたい。

東京港野鳥公園はユニークな公園である。この場所は広大な干潟だったところを埋め立てた土地で、水たまりや原っぱに集まってくる野鳥の保護を訴える声がきっかけで、この公園が造られたという。ここには、池や原っぱ、雑木林や干潟などが再現され、野鳥を始めとして生物が生息しうる環境が整えられている。現在、この辺りには、倉庫など物流関係の施設が集まっているが、この公園内だけは、人工的とは言え、自然が存在している。

 

 

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