夢七雑録

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小澤征爾指揮のレコードから

2024-03-03 08:21:51 | クラシック百人一曲

このブログのカテゴリーのうち“クラシック百人一曲”では、日本の作曲家の一人として武満徹を選び、小澤征爾指揮・トロント交響楽団によるLPレコードを取り上げている。音楽評論家の秋山邦晴は、このLPについて、戦後日本の若い世代の作曲家と指揮者の存在証明を国際的に提示してみせたと書いている。作曲家というのは武満徹(1930-1996)のことであり、指揮者とは先日亡くなられた小澤征爾(1935―2024)のことである。

このLPレコードは2枚一組で、メシアン(1809-1992)の「トゥランガリラ交響曲」と武満徹の「ノヴェンバー・ステップス」の2曲が収められている。メシアンの曲は1949年12月にバーンスタイン指揮によりボストン交響楽団で初演されている。武満徹の曲は、ニューヨーク・フィル創立125周年記念として各地の作曲家に新曲を委嘱した際のもので、小澤征爾指揮によるニューヨーク・フィルで1967年11月に初演された後すぐに、小澤征爾指揮によるトロント交響楽団で演奏されている。なお、この曲には琵琶(鶴田錦史)と尺八(横山勝也)が独奏者として加わっている。このLPレコードの録音は1967年の12月である。

  

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初めて購入した音楽

2016-01-14 19:31:46 | クラシック百人一曲

当ブログの以前の記事でも取り上げましたが、初めて買った音楽は、ウイーン・コンツェルトハウスが演奏するモーツァルトの弦楽四重奏曲17番「狩猟」でした。このLPレコードは、日本ウエストミンスター社が来日記念として1960年に東京で録音した10インチ(25cm)盤で定価は1200円、発売されてから何年か後に購入したものです。当時は、このレコードをアンプとスピーカ付きのポ-タブル・レコードプレーヤで聴いていました。ポータブル・レコードプレーヤーの方はとうの昔に処分してしまいましたが、レコードは今も残っていたので、久しぶりに聞いてみました。さすがに、そのままでは音がノイズに埋もれてしまう状況でしたが、むかし使っていたベルベットのクリーナでレコードをクリーニングしたところ、ノイズはゼロではないにしろ、許容できる程度に収まっていました。

 

(注)ジャンル及びカテゴリーを変更(2017.8)

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25. 日本の作曲家

2009-10-12 21:37:41 | クラシック百人一曲
 百人一曲も最後となりましたので、この際、欧米の作曲家にはご遠慮願って、日本人作曲家の曲だけを並べてみる事に致しました。

(97)入野義朗(1921-1980・日本)「尺八と箏のための協奏的二重奏」

「響き」というレコード(JRZ2505~08)には18人の日本人作曲家が取り上げられていますが、その中から、この曲を選びました。演奏は尺八が青木静男、箏が沢井忠夫です。

(98)福島和夫(1930-・日本):「冥」
 事故死したスタイネッケ博士を悼む、独奏フルートの曲。このレコード(SONC16019J)では、野口龍が演奏しています。

(99)諸井誠(1930-・日本)」「竹籟五章」
 尺八譜を用いた伝統的な尺八の奏法に加えて、洋風の奏法も加味した尺八の独奏曲。山本邦山が演奏したレコード(SFX7863)で聴きます。

(100)武満徹(1930-1996・日本):「ノヴェンバー・ステップス」
 琵琶と尺八を主役とした十一段構成の曲。小沢征爾がトロント交響楽団を指揮したレコード(SX2014~5)は、メシアンの「トゥランガリラ」がメインの筈ですが、武満作品の方が魅力的に聴こえました。このレコードは暫く聴いていなかったのですが、「ぐるっとパス」の一環として、東京オペラシティ・アートギャラリで武満徹展を見てから、改めて聴いてみました。琵琶は鶴田錦史、尺八は横山勝也です。

以上、勝手気ままに選んだ百人一曲ゆえ、本来入れるべき作曲家や作品が脱落していたかも知れません。撰者が百人居れば、百種類の百人一曲ができるというわけで、興味ある方は自前の百人一曲を作ってみたら如何でしょうか。なお、今回はクラシックだけを対象にしましたが、ポピュラーその他の分野については、また日を改めて検討してみようかと思っております。では。 夢七。

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24. 20世紀の宗教曲

2009-10-10 11:11:38 | クラシック百人一曲
 20世紀に作曲された宗教曲の中から3曲を選んでみました。

(94)メシアン(1908-1992・フランス):「神の出現の3つの小典礼曲」から第1曲

 メシアンと言えば宗教曲と鳥の声。両方を満たす曲の中から、短めのこの曲を選びました。この曲には、「内的な会話のアンティフォナ」という題がついています。レコード(OS415R)は、イヴォンヌ・ロリオのピアノ、ジャンヌ・ロリオのオンドマルトノ、クーロ指揮フランス国立放送室内管弦楽団の演奏です。なお、第1曲に登場する野鳥は、クロツグミ、ナイチンゲール、庭うぐいす、アトリ、野原のひばり、だそうです。

(95)ペルト(1935-・エストニア、ドイツ):「深淵より」
 古くて新しく、かつ静寂の中の不思議な響き。ヒリヤードほかの演奏。アルボス<樹>と題されたこのCD(J32J20224)には、「タルコフスキーをしのんで」という言葉とともに、芭蕉の「鐘消えて花の香は撞く夕べかな」という句が付けられています。この句は、撞と消を入れ替えた倒装法の句だそうですが、ペルトが知っていたかどうか分かりません。 

(96)バーンスタイン(1918-1990・アメリカ):「ミサ曲」
 バーンスタインはこの曲で、クラシックとポピュラーの垣根を取り払い、教会も飛び出し、ついには宗教の枠も壊してしまっています。2時間近い大曲ですが、飽きさせないのはさすが。バーンスタインの指揮、シンガー、プレーヤー多数。レコード(SOCP3~4)。

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23. 20世紀の室内楽曲

2009-10-08 22:10:55 | クラシック百人一曲
 20世紀の室内楽曲を3曲、並べてみました。

(91)コダイ(1882-1967・ハンガリー):「無伴奏チェロソナタ」

 シュタルケルの演奏するこのレコード(HR1001EV)は、LP初期のモノフォニックによる歴史的名録音盤とされ、松脂が飛び散る音が聞こえるとまで評されたものです。録音技師はピーター・バルトーク。(55)に取り上げたバルトークの次男です。

(92)ヴェーベルン(1883-1945・オーストリア):「弦楽四重奏のための5つの楽章」
 この作品は1世紀も前のもので、伝統的な語法による初期の作品ですが、それにもかかわらず、いま聴いても新鮮に聞こえます。この曲から先、作曲者は作品を深化させていきますが、聴き手の負担も大きくなる故、この曲で止めておくことにしました。なお、このレコード(SRA2756)ではジュリアード弦楽四重奏団が演奏しています。  

(93)ショスタコーヴィチ(1906-1975・ソ連):「弦楽四重奏曲第8番」
 昔はショスタコーヴィチが好きではありませんでした。体制派と思っていたからです。でも事実は違っていたのですね。この曲は、スターリンによる被害者を悼むために作られたということです。クロノス弦楽四重奏団の演奏するCD(WPCC3656)で。

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22. 戦争と平和と

2009-10-06 19:15:51 | クラシック百人一曲
 第二次大戦の時代とかかわりのある曲を三曲並べてみました。

(88)ブリテン(1913-1976・イギリス):「戦争レクイエム」

 ラテン語原詞と、戦死した詩人の詩をテキストに使った80分を越える曲です。ここでは、ブリテン指揮ロンドン交響楽団のレコード(SLC2169~70)で聴きますが、ジャーマン監督が映像を付けたLD(WOOZ25024)も捨てがたいところ。

(89)シェーンベルク(1874-1951・オーストリア):「ワルソーの生き残り」
 シェーンベルクの作品は好みというわけではありませんが、この曲だけは別です。この曲を放送で初めて聴いたのは、ずいぶん昔のことで、エアチェックもしていなかったと思います。今回は図書館で借りたCDで聴くことにします。

(90)マルタン(1890-1974・スイス):「イン・テラ・パックス(地に平安あれ)」
 第二次大戦中に、ヨーロッパの解放と平和を願って作曲された作品。アンセルメ指揮によるスイスロマンド管弦楽団ほかの演奏によるコード(SLC1956)で聴きます。

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21. 20世紀の管弦楽曲

2009-10-03 20:21:43 | クラシック百人一曲
 20世紀に作られた管弦楽曲を3曲、選んでみました。

(85)オネゲル(1892-1955・スイス):「交響曲第3番・典礼風」

 原題は典礼風交響曲で、レクイエムを意識した構成になっています。アンセルメ指揮、スイスロマンド管弦楽団の演奏によるレコード(SLA1006)でどうぞ。

(86)ストラヴィンスキー(1882-1971・ロシア、アメリカ):バレエ「ペトルーシュカ」
 ストラヴィンスキーの作品中、好みでこの曲を選択。バレエの音楽ですが、今回は管弦楽曲としての扱いです。メータ指揮ニューヨークフィルの演奏するCD(38DC11)で。

(87)ヒンデミット(1895-1963・ドイツ):「画家マティス」
 宮廷画家マティス(?-1528)の祭壇画に基づく三楽章の交響曲。エアチェックしていたと思ったのですが、テープは全て処分して、今は何も残っていません。それでも、この曲のことが記憶の底に残っていたので、図書館でCDを借りて聴くことにしました。

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20. バロックの声楽曲

2009-10-01 20:35:44 | クラシック百人一曲
 今回は、バロック期の声楽曲を3曲取り上げます。

(82)パーセル(1659-1695・イギリス):歌劇「妖精の女王」

 デラーコンソートとデラー指揮ストゥア管弦楽団合唱団によるレコード(JRZ2021~23)で、第2幕のマスク(仮面劇)から、妖精の女王による宴の場面を抜粋して聴きます。

(83)カンプラ(1660-1744・フランス):「レクイエム」
 50分ほどかかる曲ですが、全曲を聴きことにしましょう。フレモー指揮パイヤール管弦楽団・カイヤール合唱団ほかの演奏するレコード(OS2483RE)です。

(84)ペルゴレージ(1710-1736・イタリア):歌劇「奥様女中」
 この曲は40分ほどかかります。レコード(MG2341)は、ファザーノ指揮ローマ室内歌劇場管弦楽団・ローマ合奏団の演奏。本当は、対訳を見ながら聴くとよいのですが。

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19. バロックの器楽曲

2009-09-29 20:27:22 | クラシック百人一曲
 今回は、バロック期の器楽曲を4曲取り上げてみました。

(78)F.クープラン(1668-1733・フランス):トリオソナタ「リュリ讃」

 パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団の演奏するレコード(RE1077RE)におさめられている、クープランのトリオソナタの中から、この曲を取り上げてみました。

(79)ラモー(1683-1764・フランス):「コンセール第6番」
 次は、パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団の演奏する別のレコード(RE1078RE)から、「めんどり」を第1曲とするラモーの「コンセール第6番」を選びました。

(80)テレマン(1681-1767・ドイツ):「フルートソロのためのファンタジー」
 このレコード(SLA1038)では、フランス・ブリュッヘンがフルートに代えてブロックフレーテを吹いています。

(81)パッヘルベル(1653-1706・ドイツ):「カノン」
 今では、よく聴かれる曲です。ここでは、パイヤール指揮パイヤール室内管弦楽団の演奏するCD(RECD101)で聴きましょうか。

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18. ルネッサンスからバロックへ

2009-09-27 11:19:52 | クラシック百人一曲
 今回は、ルネッサンスの後期を代表するバード、時代の変わり目に登場した特異な作曲家ジェズアルド、オペラによりバロックを切り開いたモンテヴェルディを取り上げます。

(75)バード(1543-1623:イギリス):「三声部のミサ曲」

 ルネッサンス様式最後のミサ曲とされる、バードのミサ曲の中から、三声部の曲を選びました。デラーコンソートによるレコード(JRZ2011~3)でどうぞ。

(76)ジェズアルド(1561-1613・イタリア):マドリガル「私は死せり」
 ジェズアルドは貴族の生まれながら、不義を働いた妻を殺害するなど数奇の人生を送った人物で、半音階を多用するなど時代を突き抜けた作曲家でもあったようです。ここでは、その一曲をデラーコンソートによるレコード(JRZ2007)で聴くことにします。
 
(77)モンテヴェルディ(1567-1643・イタリア):歌劇「オルフェオ」
 昔、この曲を放送で始めて聴き、レコード屋さんに買いにいったら、モノラル録音の曲しか無いことが分かり、やむなくそのレコード(アルヒーフ14057/58)を買い求めたことがあります。今はさすがにそのレコードを聴くことはありませんが。今回は、アーノンクール指揮チューリッヒ歌劇場モンテヴェルディアンサンブル演奏のLD(W80Z25013)で、プロローグから第二幕までを視聴します。

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