夢七雑録

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牛嶋神社のお守り

2021-01-12 17:47:25 | 寺社巡拝

今年は丑年で、墨田区の牛嶋神社では、12年に一度の牛のお守りを授与している筈だが、今は行けそうにないので、以前に受けた牛のお守りを探し出して飾ることにした。この神社はもともと桜橋近くにあり、社号は牛御前社であったが、関東大震災後の昭和7年、言問橋近くの現在地に社号を牛嶋神社に変えて再建されている。

新編武蔵風土記稿の須崎村の項によると、牛御前社は本所と牛嶋の鎮守で、素戔嗚の座像を祭神とし、洲崎(須崎)の堤の外に神領があったという。また、貞観2年(860)、慈覚大師に対して、素戔嗚の化身である老翁が、牛頭を頂き悪魔降伏の形相で国家を守護する自分の姿の写しを与え、一宇を造立せよと命じたとし、牛頭で守護せんとする誓いから牛御前としたとする縁起を記している。老翁の写しとする図は、素戔嗚の化身で疫病除けの神でもあった牛頭天王の図であったのだろう。

当ブログのカテゴリー「江戸近郊の旅・嘉陵紀行」の中に、“牛の御前に詣でる記”として文化8年(1811)に牛御前に詣でた時の記事があり、縁起印行本のあらましを記しているほか、釈迦の石仏の表裏と、寄進された千葉氏の指物(上の図)が写されている。

 

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