夢七雑録

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新宿御苑の12月の桜

2016-12-23 16:00:50 | 公園・庭園めぐり

 

新宿御苑に12月でも咲いている桜を見に行った。新宿門から入り、サービスセンターの方向に進むと最初に子福桜が見えて来る。この桜は秋から翌春まで断続的に咲き続けるそうで、4月に桜を見に行った時にも確かに咲いていた。子福桜はカラミザクラ(シナノミザクラ)とコヒガンの雑種と考えられる栽培品種で、花は小輪で白色の八重。一つの花から複数の実がなる事から子福桜の名が出たという。

先に進むと、右手に十月桜があった。十月桜も秋から翌春まで断続的に咲く桜である。十月桜はマメザクラとエドヒガンの雑種で江戸時代から栽培されているという。花は淡紅色で中輪八重である。

十月桜の近く、道の左側に寒桜が咲き始めていた。この桜はカンヒザクラとヤマザクラの雑種で、江戸時代から栽培されていたという。花は淡紅色の中輪一重である。

サービスセンターの近くに、ヒマラヤ近辺を原産とするヒマラヤザクラが咲き誇っていた。開花時期は12月頃。花は一重で色は白からピンクまで様々だが、新宿御苑のものは濃いピンクで重なり合って咲くため遠目には八重桜のようにも見える。

 

中央休憩所の東側にある四阿の近くに、冬桜が咲いていた。マメザクラとオオシマザクラの雑種で江戸時代から栽培されていたという。花は白色の中輪一重で、秋から翌春まで断続的に咲き続ける点は、十月桜や子福桜と同じである。

中の池を渡って桜園地に行ってみると、十月桜がひっそりと咲いていた。新宿御苑の12月の桜はここまでで4種類。以前取り上げた春の桜を含めると33種ということになるが、新宿御苑には他にも30種ほどの桜があるそうなので、折を見て探してみたいと思っている。

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芝離宮から浜離宮へ

2016-12-10 11:21:30 | 公園・庭園めぐり

(1)芝離宮

芝離宮は浜松町駅のすぐ近くにある。園内に入って左へ、藤棚を通り過ぎ、潮入の池の東側を進む。池の護岸には黒ボク石も使われている。潮入の池には、キンクロハジロ、ホシハジロなどが来ている。コサギもここを棲み処にしているらしい。

中島に渡り西湖堤を通る。庭園全体を見渡してみるが、紅葉は多くなさそうに見える。

庭園内には冬の景観の代表である雪吊が作られていた。

芝離宮には根府川石など多くの名石による石組が造られている。その一つでもある枯滝の谷を、園路のように通り抜ける。

四本石柱を横目に、十月桜の花を確認して、雪見灯籠に至る。芝離宮まで回った事で、都内庭園を5カ所回ったことになるが、ここまで来たら浜離宮まで行きたい。

 

(2)浜離宮

中の御門から浜離宮に入るが、日はすでに傾きかけている。今日は、潮入の池の辺りを見て回る事で良しとしなければ。まずは、池の北側にある三門橋を渡る。

潮入の池の中に中島の御茶屋を見る。ただし、今日は入る予定は無い。

中島の御茶屋には中島橋から行けるが、今日は渡らずに池に沿って先に行く。

池の南側から、お伝い橋を渡り、中島の御茶屋を横目に、先を急ぐ。

前に来た時は工事中だった燕の御茶屋は既に完成している。

松の御茶屋を外から眺めたあと、園内を一回りしてから浜離宮を後にする。

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殿ケ谷戸庭園の紅葉

2016-12-09 19:08:29 | 公園・庭園めぐり

殿ケ谷戸庭園は国分寺駅の近くにある。園内に入って最初に紅葉亭に行く。その北側は茶室として有料で利用出来るらしく、建物の周りは趣のある庭のようになっている。紅葉亭の南側は土間になっていて、紅葉を眺めながら休憩するのに良い。

 

紅葉亭のそばに井戸水を利用した鹿おどしがあり、その水が小池を経て、下に見える次郎弁天池に流れ込んでいる。

 

四段の滝には井戸水のほか循環水も利用されているようだが、次郎弁天池にはこの滝のほかに、湧水も流れ込んでいる。

池を半周して斜面地の下を進む。西側の斜面林に対して東側は竹林になっている。斜面の土留めには黒ボク石(溶岩)が使用されている。

 

坂を上がり藤棚を過ぎると平坦な道となる。紅葉を眺めながら進めば程なく入口に戻る。

本館に入ってスタンプを押したあと、近くを歩き回って写真を撮り、それから外に出る。

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秋の旧古河庭園から六義園へ

2016-12-08 19:16:50 | 公園・庭園めぐり

(1)旧古河庭園

旧古河庭園の洋館と洋風庭園はコンドルの設計で丘の上にあり、日本庭園は低地にあって、京都の庭師の小川治兵衛が作庭したという。洋風庭園と和風庭園の境には段差があり、黒ボク石(溶岩)が土留に使われている。富士山の黒ボク石は富士塚に用いられることが多いが、関東では、庭園の土留めや滝の造成など、黒ボク石を庭石としても用いている。

 

日本庭園に入り園路を歩く。周囲は樹林。渓流を眺め、橋を渡る。

庭園の中心は紅葉の心字池。それから、紅葉の中に交じる花の姿。

秋から冬にかけての景物は雪吊。そして、紅葉に彩られている枯滝。

雪見灯籠は紅葉を背景とし、流れ落ちる滝は落ち葉をまとっている。

 

水鳥たちの居る池。そして、見上げる展望台には人の姿も。

茶室もまた紅葉の中にある。今日は使われているのだろうか。

 

(2)六義園

旧古河庭園から六義園まで歩き、染井門が開いていたので中に入る。紅葉は今が盛り。水路に沿って少し進み、藤代峠に上がって庭園の全景を見渡す。

もみじ茶屋を東から西から眺めたあと、吹上茶屋へ行く。

吹上茶屋から大泉水に沿って歩く。中の島は緑が濃いが、それ以外の色も交じっている。

滝見の茶屋に行き窓から滝を見たあと、池沿いの道に戻る。大泉水の向こう、雪吊が吹上茶屋を隠すように聳えている。池には蓬莱島らしきものが見えるが、姿が少し変わったような気がする。

大泉水沿いに歩き、田鶴橋と渡月橋を写しとり、これにて本日の予定を終える。

 

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秋の小石川後楽園

2016-12-07 18:50:33 | 公園・庭園めぐり

以前にも取り上げたことがあるが、都立9庭園のうち5カ所を回るとカレンンダーのほか抽選で賞品が貰える、“都立庭園紅葉めぐりスタンプラリー”というイベントが開催されていたので回ってみた。最初に出かけたのは小石川後楽園である。

 入園して大泉水を眺めたあと、小盧山を右に見て西に向かう。

   

今は落ち葉散り敷く季節。朱塗りの通天橋も紅葉の内にある。

 

西湖堤と屏風岩。ツワブキの黄色が彩を添える。

 

通天橋の南側は池とも見えるが、大堰川の名がついている。

 

丸屋という名の四阿の屋根も今は紅色。紅葉と緑葉の対比が美しい季節。

円月橋の円と、シルエットの半円。

稲田はもう日暮れ近くの風景。九八屋の外には臨時の店が出ているらしい。

紅葉見物の人また人。一年のうちでも特に混雑する時期。

大泉水はまだ夕方の光のうちにあるが、内庭は既に日影になっている。

大泉水の中心となる蓬莱島。園内はまだ工事中で仮橋も見える。

小石川後楽園を出て南側の遊歩道を歩く。屋上庭園に上がり、それから帰途へ。

 

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東京国立博物館の庭園

2016-12-04 16:44:51 | 公園・庭園めぐり

“秋の東京いい庭キャンペーン”の対象になっている東京国立博物館の庭園が公開されていたので行ってみた。庭園入口から先に進むと右側に築山があり、その北側の日の当たらない場所に、綱吉が法隆寺に奉納したという銅製の五重塔が置かれていた。

日影の中にある春草蘆に行く。この茶室は河村瑞賢が淀川改修工事の際に建てた休憩所に始まり、三渓園を経て所沢の柳瀬荘に移築され、柳瀬荘が東京国立博物館に寄贈された時に、春草蘆は現在地に移築されている。所沢の柳瀬荘は日時限定で公開されているそうである。

春草蘆から転合庵に行く。転合庵は小堀遠州が京都伏見に建てた茶室で、大原寂光院に移築されたあと、何人かの所有者の手を経て東京国立博物館に寄贈され、現在地に移築されたという。転合庵はまだ日溜りのうちにあるが、茶室の前の池はすでに日影の中にある。

池沿いに次の茶室へと向かう。シルエットとなった燈籠の向こうに、紅葉が輝いて見える。

六窓庵の裏手に石塔を転用した手水鉢があった。銀閣寺をはじめ多くの所有者の手を経て明治時代に国立博物館の所有になったという。

六窓庵は奈良の興福寺にあったもので明治になって国立博物館に移築され、後に解体されたあと再建されている。この茶室は、素人目には風変わりな建物のようにも見えるが、付属している待合の方も少し気になる。

六窓庵から、薄と紅葉と池の眺めを楽しみながら先に進む。

応挙館は、尾張の明眼院書院に始まり、品川に移築されたあと、現在地に移されている。応挙館のなかには、円山応挙の揮毫と伝えられる墨画の複製が設置されているというが、戸は閉じられて見ることは出来ない。建物の存在感も薄れ、傍らの公孫樹が目立つばかりである。

赤坂にあった九条邸から当地に移築された建物で、外から内部を見る事が出来る。九条館の前に造られているのは石庭だろうか。あまり目立たないのが残念な気もする。

九条館の裏手にまわってみる。日差しがあれば、より美しい庭の姿を見る事も出来ただろう。

池の南側から、まだ日差しの中にある転合庵を眺める。

池の畔の木々も既に影のうちにあるが、それでも紅葉の鮮やかさは失われていない。

庭園を出て、本館で開催されている特別展「平安の秘仏」を見に行く。鑑賞のためだけではなく頭を垂れて祈りたい気分。そのあと、本館の中を見て回るが、残りは次の機会にして、前庭のユリノキを横目に、帰途に就く。

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根津美術館の庭園

2016-12-02 21:14:26 | 公園・庭園めぐり

“秋の東京いい庭キャンペーン”の対象の一つになっている根津美術館の庭園に行ってみた。隈研吾設計による新美術館になってからは、初めての入館ということになる。丸山応挙の展覧会を鑑賞したあと、1階の庭園口を出る。庭園へは地下一階からも出られるようで、そちらからは車椅子での通行が可能なようである。

根津美術館の庭園は起伏に富んだ土地にあり、谷には池を作り、園内四カ所に茶室を設け、各所に数多くの石造物を置き、その間を園路が縦横に結んでいる。

庭園内には現在も湧水があり、井筒から流れ出た水は、細い水路を流れて池に注いでいる。園路からは小さな滝も見える。

園路を下り、八つ橋の池を橋で渡る。池の辺りは紅葉の盛りといったところ。谷底に造られた池は、長細い形をしている。

池から南に上がり、観世音菩薩が住むという補陀落を抜けて先に進むと、竹藪のある薬師堂に出る。ここまで来る人は少ないようで、辺りは森閑としている。

薬師堂から少し広めの道を歩いて、紅葉の鮮やかな披錦斎に行く。ここには一樹庵が付属している。この辺りは少し高い位置にあるので、園内では眺めが良い方である。

自然石のような石灯籠があり、その向こうに弘仁亭が見える。池に下り、暫し紅葉を眺める。

八つ橋の池の中に井筒がある。湧水があるらしい。場所を変えて見てみると、近くの斑鳩庵から池に来て、飛び石を伝って湧水を汲む趣向のようにも思える。池に沿って先に進むと、小さな舟が一艘。この舟にも何か趣向があるのかも知れない。

橋を渡って天神社に行く。飛梅祠の石像は中国で参禅する菅原道真の姿を表したものという。この庭園が自邸の庭だった頃、薬師堂や飛梅祠は信仰の対象になっていたのだろうか。

天神社から池に沿って進み閑中庵に行く。ここに付属する牛部屋の名の由来はなんだろう。

苔むした石灯籠の向こうは、やはり紅葉である。

 

弘仁亭の前の池には、4月の末頃に燕子花が咲き、時期を合わせて光琳の燕子花図屏風が展示されるという。弘仁亭には無事庵が付属する。また、弘仁亭には待合もある。その屋根の縁を紅葉の中に置いてみる。また、披錦斎付近の紅葉をバックに、ススキを前景にしてみる。

庭園を一回りしてから、大屋根が特徴的な美術館の本館に戻る。根津美術館の庭園は新館の建築工事に合わせて改修されたようで、以前の庭園はもう少し野趣に富んだものだったような気がする。それにしても、この庭園には石造物などが数多く存在する。美術館の庭園はかくあるべしとでも語っているようでもある。

 

(注)「秋の東京いい庭キャンペーン」の対象になっているのは、浜離宮、芝離宮、小石川後楽園、六義園、旧岩崎邸、向島百花園、清澄庭園、旧古河庭園、殿ケ谷戸庭園の都立9庭園のほか、東御苑、東京国立博物館、昭和記念公園、新江戸川公園、朝倉彫塑館、池田山公園、目白庭園、薬師池公園、八芳園、根津美術館、毛利庭園、椿山荘、旧安田邸、小石川植物園、柴又帝釈天、京王百草園の16カ所、計25か所である。

 

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