伝えたんく

日々の何気ないできごとに感じた幸せ

板碑

2008-03-14 23:00:00 | Weblog

 御仏を供養するのに、様々な方式がある。まあ様々宗教があるので、ここは仏教に絞って考察してみたい。上の写真は板碑と呼ばれるもので、現在の塔婆にあたるものである。(埼玉県加須市藤崎浄苑)

 法事では、墓に塔婆(細長い木の板でできている)をさす。
 それが、今から800年前ぐらいの鎌倉時代だと、板碑と呼ばれる石でできた塔婆が一般的になる。関東地方では埼玉県秩父市で採れる緑泥片岩(りょくでいへんがん)を扁平に加工したものが一般的だという。 

千葉県流山市 安蒜家板石塔婆

 上の2枚の写真の板碑を見ると、梵字(仏や経文を表す)や造立年月日が刻まれている。現在の塔婆も同様なつくりになっている。

埼玉県加須市神宮寺の板碑

 

千葉県柏市某所の板碑

 この写真は偶然撮ることができたものである。古墳を探していて、ふっと道の切れた所の木の陰にあったものである。30cmくらいでお土産にされてもおかしくないくらいのサイズである。一番上の写真が1253年(建長5年)造立の青石塔婆で160cmある。

 どのような流れで現代の塔婆になってきたのだろうか。この塔婆は卒塔婆(そとば・そつとうば・そとうば)などと呼ばれるが、大乗仏教はインドで誕生し、インドネシアには世界最大の仏教遺跡ボロブドゥールがある。そのボロブドゥールは仏塔か、曼荼羅かと言われているのだが、現代のインドネシアはイスラム教徒の数が圧倒的に多い。
 話を元に戻そう。ボロブドゥールは鎌倉時代からさらに400年前、インドネシアのジョクジャカルタ(中部ジャワ)にシャイレンドラ朝のサマラトゥンガ王が建立したとされている。

ボロブドゥール寺院のストゥーバ
インドネシア・ジャワ島

 そのボロブドゥールは4重の回廊と3層の円壇で構成されている。円壇部分はストゥーバと呼ばれる釣鐘状のものがあり、その中には仏像が安置されている。卒塔婆はこのストゥーバからきているのではないだろうか。
 だとすれば、ずいぶんと形状が変わってしまったものである。しかし、変わった部分があるにしても、その意味は普遍的なものなのだろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ブログ村Ping

http://ping.blogmura.com/xmlrpc/okr7t7fen957