おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

九月新派公演

2019-09-15 23:59:11 | 観たもの
松竹座の「九月新派公演」でございます。「黒蜥蜴緑川夫人編」と「家族はつらいよ」の二本立てです。

 チラシに掲載されていたあらすじです。
一、「黒蜥蜴 緑川夫人編」
ある夜、東京に滞在している宝石商、岩瀬庄兵衛と娘早苗のもとへ、明智小五郎が訪ねて来た。黒蜥蜴から岩瀬に脅迫状が届き、相談を持ちかけられたのだ。早苗の誘拐と宝石「クレオパトラの涙」の強奪を企む脅迫状には、「今夜の12時に注意せよ」と書いてある。そこへ、岩瀬商会の上客・有閑マダムの緑川夫人がやってくる。実は彼女こそ暗黒街を牛耳る女王、恐ろしき女賊の黒蜥蜴だった。初めて対峙した明智と黒蜥蜴の勝負はいかに──。

二、「家族はつらいよ」
結婚四十五年を迎える平田周造と妻富子。長男家族、次男と三世代仲良く暮らしているはずが、妻富子が誕生日に欲しいものは……離婚届!?まさかの熟年離婚、原因は夫の浮気!?さらに次男が結婚!?とにかく平田家は大パニック!いやなこともあるけれど、ありふれた日常の中に、ふと心が温まることだってある。
山田洋次が問う、現代の夫婦、家族の在り方とは──。


 「黒蜥蜴」は三越劇場で2回見ています。三越劇場のものをそのまま上演ということではなく、上演時間1時間の短縮版です。「クレオパトラの涙」を狙っているという設定は同じです。もともとは2時間超のお芝居で、どうするのかなぁと思っていたら、緑郎さんが“悟道軒円玉”という講談師に扮して、端折った場面の説明をするという形にされていました。もちろん、明智小五郎も緑郎さんです。早変わりで明智になったり円玉になったり、大忙しです。

 雪之丞さんの緑川夫人も変わらず、ゴージャスで妖艶な黒蜥蜴でございました。上演時間を短縮した分、脚本も緑郎さんと雪之丞さんの二人によりフォーカスしたものになっていて、ほぼお二人の場面って感じでした。三越劇場に比べて舞台の間口が広がったので、立ち回りの場面が増えたような気がしました。そして、よりスピーディーに、よりアクロバティックになりました。緑郎さんの身体能力の高さを存分に生かした殺陣でした。緑郎さん、後半の「家族はつらいよ」にもご出演で、これが1日2回公演で、なかなか重労働?とお見受けしました。

 「家族はつらいよ」は山田洋次さん原作・脚本・演出のお芝居です。こちらも再演です。プログラムには「令和の家族を描く」とありますが、セリフには時々時事ネタが入ってくるのですが、内容は完全に昭和の家族でした。ラストも納まるところに納まりました。緑郎さんが子供が二人いる40歳くらいのサラリーマンというお役なのですが、もひとつ現実味がないというか、所帯じみてないんです。自宅でのジャージ姿も“何か違う”みたいな。たぶん、足が長すぎるんだと思います。でも、ジャージが完全におじさんが着るようなジャージなので、全然格好良くならないんですよね。それ以外は、皆さん適材適所、とっても良いアンサンブル、新派らしいお芝居を見せていただきました。
 
 この日は終演後、緑郎さんと雪之丞さんのアフタートークショーがありました。緑郎さん、その前の場面がジャージ姿だったので、もう一度明智の衣装に着替えられて登場です。早変わりのことを中心にお話しされていました。猿翁さんで鍛えられたとおっしゃっていました。

 今回も“いつもの”三階席、安定の空きっぷりでして、一列目に座っていたのですが、お隣がいらっしゃったので、3列目ぐらいに移動して、ゆっくりと見ておりました。係りのお姉さんに注意されたら戻ろうと思っていたのですが、何も言われなかったので。明日は南座です。こちらも“いつもの”三階席ですが、残念ながら?チケット売り切れ状態なので、ちゃんと座って見ないといけないようです。
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ドレス・コード?-着る人たちのゲーム

2019-09-08 23:32:14 | 見たもの
 京都国立近代美術館で開催されている「ドレス・コード?-着る人たちのゲーム」でございます。京都国立近代美術館と公益財団法人京都服飾文化財団(KCI)の主催です。KCIは5年に一度、近代美術館で服飾の展覧会を開催されます。今回で8回目だそうで、ワタシは第4回から見るようになりました。基本“お洋服”が好きなので、とても楽しみにしている展覧会です。

 最初、タイトルとポスター(上の写真のドレスがメインになっていた)を見たとき、「ドレスコード」という単語と少女漫画の絵はどう考えても結びつかないので、いったい、どういう展覧会なのか全く想像がつきませんでしたが、決してワタシの期待を裏切ることはあるまいと信じて、ずいぶん前から前売りを買って見に行きました。

 展覧会のみどころの言葉です。
 
 今日着ている服、あなたはどうやって選びましたか?
 制服、スーツ、ジーンズ、Tシャツ、ジャージ、ワンピース、トレンチコート……。その時の気分で選ぶこともあれば、何をするか、誰に会うかで決めることもあるでしょう。コスプレのように自分とは別の〈だれか〉になろうとすることだってあります。
 一方で、ファッションは「着る」だけでなく、「視る/視られる」ものです。特定の文化や社会、グループで通用するコードがあり、そこから駆け引きあるいはゲームにも似た自己と他者とのコミュニケーションが生まれています。インターネットとSNSの普及によって、誰もが自らの装いを自由に発信できるようになった現在、私たちとファッションのかかわり方もまた新しい局面を迎えています。本展では、ファッションやアートのほか、映画やマンガなどに描かれたファッションも視野に入れながら、現代社会における新たな〈ドレス・コード〉、わたしたちの装いの実践(ゲーム)を見つめ直します。

 展示内容です。
 
 00 裸で外を歩いてはいけない?
 01 高貴なふるまいをしなければならない?
 02 組織のルールを守らなければ成らない?
 03 働かざるもの、着るべからず?
 04 生き残りをかけて闘わなければならない?
 05 見極める目を持たなければならない?
 06 教養は身につけなければならない?
 07 服は意思を持って選ばなければならない?
 08 他人の眼を気にしなければならない?
 09 大人の言うことを聞いてはいけない? 
 10 誰もがファッショナブルである?
 11 ファッションは終わりのないゲームである?
 12 与えよ、さらば与えられん?

 上の12のテーマでそれぞれお洋服やポスター、バッグなどが展示されています。「テーマ」に合わせて統一感を持たせてあるのですが、展示してあるお洋服は時代もブランドもデザイナーもバラバラに並んでいて、「ここに、これ持ってくる?」といういい意味で裏切ってくれる展示も多く、とっても面白かったです。KCIの学芸員さんのセンスなんでしょうか。毎回、感心して拝見しております。

 
 
 ポスターになったドレスはコムデギャルソン川久保玲さんの2018春夏コレクションです。ここだけ撮影OKでした。後ろには実際のショーのビデオが流れていました。人が着て、歩くと全然違ったドレスになります。動きがつくとすごく変わるのでびっくりします。

 シャネルスーツが展示してあるコーナーがあって、もちろんガブリエル・シャネルやカール・ラガーフェルドの本物のシャネルスーツがメインの展示なんですが、金子功のインゲボルグは何となくわかるとして、ヨウジヤマモトのシャネルスーツっていうのがあって(それも2着もあった)、山本耀司さんもこういうのを作っていらっしゃったのねと興味深かったです。

 
 4階の展示室、テーマ11の展示です。こちらも撮影OKでした。

 本当にワクワクする展覧会でした。個人的には超です。会期は10月14日まで。
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11月の歌舞伎座

2019-09-02 22:52:19 | 先々の予定
 11月の歌舞伎座の出演者と演目が発表されています。11月は歌舞伎座の「顔見世興行」になります。

 孝夫さんも玉ちゃんもご出演ではないので、特にupする必要もなかったのですが、「お二人ともご出演ではない」ことを再確認しておこうかと思いまして・・・。ここのところ、孝夫さんは毎年11月は歌舞伎座だったので、ご出演かしらと思っていましたが、さすがに9月10月と続くとお休みのようです(12月の南座はmustなので)。お財布が少しホッとしました。

 12月の南座と歌舞伎座に備えます。
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今月のお芝居

2019-09-01 22:14:55 | 今月のお芝居
 9月になりました。さすがに猛暑は影をひそめ、朝夕もずいぶんとしのぎやすくなりました。

 今月の観劇の予定です。

 14日(土)
 九月新派公演「家族はつらいよ」「黒蜥蜴」@大阪松竹座
 大阪でも新派の公演が増えました。一説によると緑郎さんが加入されてお客さんが増えているからだとか。やっぱり“二枚目”の集客力はすごいです。終演後、緑郎さんと雪之丞さんのトークショーがある回にしました。素の“二枚目”を拝見します。

 16日(月)
 九月花形歌舞伎「通し狂言東海道四谷怪談」@南座
 玉ちゃん監修の「四谷怪談」です。愛之助さんがブログで「玉三郎のお兄さんが隅々まで見てくださった」と書いていらっしゃいました。愛之助さん、傘張りガンバレ!

 23日(月)~24日(火)
 秀山祭九月大歌舞伎@@歌舞伎座
 孝夫さんの弁慶でございます。孝夫さんは奇数日のご出演で、やっぱり奇数日のほうが売れ行きが良いような・・・。ここでも“天下の二枚目”(←吉右衛門さんがおっしゃったんです)の効果絶大です。23日夜と24日昼を見る予定なんですが、22日も一応ホテルは予約してあるので、22日の夜を見ようかどうしようか思案中です。ただ、そうすると、「寺子屋」と「松浦の太鼓」を2回見ることになり、「孝夫さんは1回しか見ないのに、吉右衛門さんを2回見てもいいのかしら・・・」と微妙な(しょーもない?)ファン心理が働いとります。

 28日(土)
 立川志の輔独演会@京都春秋座
 何となく毎年行ってるので、ポチッとしてしまいました。

 《今月の前売り》
 4日(水) 御園座10月吉例顔見世
 5日(木) 南座「喜劇道頓堀ものがたりものがたり」
 8日(日) 歌舞伎座芸術祭十月大歌舞伎
 14日(土) 出石永楽館「永楽館歌舞伎」
コメント (2)
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