おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

奥村土牛-画業ひとすじ100年のあゆみ-

2016-04-29 23:38:36 | 見たもの
 私が上京する目的の第一は歌舞伎見物で、ほとんどの時間を歌舞伎座(+銀座)で過ごして帰阪していますが、そればかりではあまりに能がないので、今回は山種美術館へ行ってきました。山種美術館は今年開館50周年だそうで、それを記念する特別展の第一弾として「奥村土牛-画業ひとすじ100年のあゆみ-」が開催されています。

 国立新美術館の「三宅一生」展とどちらにしようか迷ったのですが、以前にも書いたかと思いますが、会社のほうに山種美術館のカレンダーを送ってくださる方がいらっしゃって、今年の3月4月のページはこの奥村土牛画伯の「醍醐」でした。毎日それを見ていたら、やっぱりこっちを見んとあかんやろね、ということで恵比寿のほうへまいりました。

 展示作品の数は約60点、ほとんどが山種美術館の所蔵品でした。山種美術館の設立者である山種二氏は「これは!」と見込んだ画家には援助を惜しまず、生活全般すべて面倒を見て絵が描ける環境を提供なさったようです。奥村土牛画伯もその一人で、無名だった時代の作品から始まり院展出品作品のほとんどを買い取っていらっしゃいます。山氏が亡くなった時の奥村画伯の追悼文にも「美術館が買い取ってくれるので安心だった」と書いていらっしゃって、経済的な面だけでなく精神的にも安定できたんでしょうね。

 描く人がそうした安定した状態だからか、とても優しい落ち着いた画風の絵が多かったように思います。兎とか
山羊とか犬とか猫とか鹿とか牛とか、動物の絵が何点もありましたが、どれもとても可愛らしくて、見ているこちらが思わずふわっと微笑んでしまうような、穏やかな気持ちになれました。チューリップとか水蓮とか桜とか薔薇とかガーベラとかお花の絵は美しいのが当然ですが、みんな“しゅっと”描かれています。姫路城もあって、今の「白すぎ城」と揶揄される前の適度に白い「白鷺城」で、空の色とのコントラストがきりっとしていました。

 5月22日(日)までの開催です。でございます。

 
 
 
 恵比寿駅から山種美術館の間で撮りました。お花のきれいな季節です。

 
 
 恵比寿駅そばの猿田彦コーヒーです。コーヒー豆を買って帰りました。深煎りですが、苦くなく飲みやすいコーヒーです。

 
 恵比寿のあとは新宿伊勢丹にも行きました。ずっと歩いていたのでHATAKECAFEで休憩です。米粉のロールケーキです。ま、普通に美味しいケーキでした。
コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日もここ | トップ | 今日はここ »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
奥村土牛さん (たむ)
2016-04-30 08:55:51
土牛さんといえば、昔、玉三郎さんの道成寺の絵を
描きたいと言われて衣装を着けて描いてもらってるときにポーズを取り続けるのが大変で途中で断念して
しまったそうで、そのスケッチは玉三郎さんが頂いた
そうですね、その途中までの絵を見てみたいです、
桜の絵も10年かかったとか、道成寺の花子の絵が
完成していたらどんなに素晴らしかったかな?きっと
歌舞伎座に飾られていたかな?と思うとちょっと
残念ですね、
返信する
拝見したかったです (おとら)
2016-05-01 00:35:22
たむさん
土牛画伯情報有難うございます。写生は結構いらっしゃっていたようで、絵の横に「写生する奥村土牛氏」っていう写真がいくつか飾ってありました。

あの道成寺の衣装でじっとしているのは大変でしょうね。玉さまでもギブアップだったんですね。スケッチだけでも公開してくださったらいいのに、って思いますが、そんな中途半端な形では公開なさらないんでしょう。残念です。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

見たもの」カテゴリの最新記事