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2019.3 ソニックシティ大ホールで日本フィル+小林研一郎指揮の「ヴァイオリン協奏曲」と「春の祭典」を聴く

2019年05月02日 | よしなしごと

2019.3 日本フィルハーモニー交響楽団・さいたま定期演奏会「開花」を聴く

 大宮駅から徒歩数分のソニックシティ大ホールは、1階2階あわせ2500席ほどの本格的なホールで、ときどき演奏や演劇を楽しんでいる。
 送られてきた催し案内を見て、第112回さいたま定期演奏会を申し込んだ。さいたま定期演奏会はさいたま市民割引の特典がある。加えて、演奏は日本フィルハーモニー交響楽団、指揮が小林研一郎が決め手になった。

 小林研一郎(1940-)=コバケンは、高校体育教諭の父、小学校教諭の母の長男として生まれた。父は若いころ音楽家をめざしていて、家には楽譜など音楽の資料があったらしい。
 コバケンが小学生のころ両親に連れられベートーヴェンの交響曲第9番を聴き、感動して父の楽譜などを見ながら独学で音楽を勉強、音楽の才能が開花したようだ。東京芸術大学の作曲科に入学するが、途中で演奏科に転向し、頭角を現していった。
 これまで、何度かソニックシティ大ホールでコバケンの演奏を聴いたことがある。躍動感あふれた情熱的な演奏が人気で、炎のコバケンと愛称されるほどである。
 パンフレットのコバケンのプロフィールを要約すると、第1回ブタペスト指揮者コンクール第1位を獲得してデビュー、ハンガリー国立交響楽団音楽総監督、日本フィル音楽監督、チェコ・フィル常任客演指揮者、アーネム・フィル常任指揮者などを歴任し、ハンガリーからは文化勲章、星付中十字勲章を贈られ、日本では旭日中授章などが授与されている。現在は日本フィル桂冠名誉指揮者、東京芸術大学、リスト音楽院などの名誉教授を務めている。

 1曲目は、ミュンヘン生まれの国際舞台で活躍するヴァイオリニストのアラベラ・美歩・シュタインバッハーを迎え、ベートーヴェン(1770-1827)が1806年に作曲した「ヴァイオリン協奏曲」が演奏された。
 アラベラが演奏したヴァイオリンは日本音楽財団が保有する1716年製のストラディヴァリウス「ブース」だそうだ。
 ストラディヴァリウスはイタリアのストラディヴァリ親子3人が製作した弦楽器のことで、かつて「レディ・ブラント」には12億円を超える最高値が付いたほど、音色に優れ高値が付くことで知られる。
 日本音楽財団は複数のストラディヴァリウスを保有していて、優れた演奏家に貸与している。アラベラが優れた演奏家であることの証しである。
 もっとも音感に鈍い私にはストラディヴァリウスを聞き分けられるほどの力は無い。アラベラの繊細な演奏に感心し、惜しみなく拍手を送った。

 2曲目はロシア生まれのイーゴリ・ストラヴィンスキー(1882-1971)が1913年に作曲したバレエ音楽「春の祭典」である。
 ストラヴィンスキーは20世紀を代表する作曲家・音楽家の一人で、演奏会やCDでよく聴く。  
 ロシアではバレーが盛んで、1999年にロシアを訪ねたとき、サンクトペテルブルクのアレクサンドリンスキー劇場でチャイコフスキー(1840-1827)作曲の「ジゼル」を観た。
 観劇のときは演奏よりもバレーに集中してしまう。ストラヴィンスキーの「火の鳥」や「春の祭典」もバレー音楽だが、演奏会なので演奏に浸ることができる。コバケンの汗を流しながらの情熱的な演奏で、「春の祭典」を楽しんだ。

 襟を正し本格的な演奏を聴くと、気持ちが昂揚する。生活にはハレとケの適度なリズムが必要であろう。家で聴くCD、気軽に出かけるプラザノース小ホールの演奏会、ソニックシティホールやオペラシティホールなどの本格的な演奏会を組み合わせると、日々の暮らしに抑揚がつき、心身の刺激になる。
 さいたま演奏会は19:00開演だったので、開演前に軽く食事をし、帰宅後コバケンの演奏を思い出しながら、ワインを傾けた。

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