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気がつけばふるさと離れて34年

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父からの手紙

2016-11-23 16:47:20 | 日記
先日、7月末に急逝した友人が眠る森へ友人と訪れました。



彼女が眠る樹には数日前に訪れた方が置かれた白い花束が置かれていました。

私たちは声楽家だった彼女の華やかなイメージの淡いピンクの薔薇の花輪をお供えしました。

一緒に行った友人は紙パックのリサイクルで作成した「花」の文字を切りぬいた燈籠をお供えしました。

手前にある木の十字架はお孫さんのアーロン君が作成しました。

大好きだったおばあ様を頑張って見守っているようで微笑ましかったです。

このところ親しかった方々のお別れが続き、寂しい気持ちになっています。

来月上旬にはまたご葬儀に出席しなくてはなりません。

父も12月3日の寒い時に亡くなりました。

父は筆まめな人だったのでよく手紙をもらいましたが、一番記憶に残っているのは40年以上前、アメリカに留学していた頃に届いた手紙です。

普通だったら「ホストファミリーの方々と仲良くして」とか「体に留意して」とか書くと思うのですが、

留学前に末の弟が近所の農家の友人からもらってきたニワトリのことが記されていました。

弟と私でココという名前を付けたのですが、何故か家族全員ココはメンドリでいつか卵を産んでくれると思っていました。

私は「ココの卵を食べられないのは残念だ」とアメリカ出発前に話していました。

父の手紙はそのことに言及したもので

「ココは立派な雄鶏になり、毎朝大声で私たちを起こしています」などと書かれていました。

月並みな励ましの言葉よりもこの文章が記憶に残っているのは、少しホームシックになりかけたときの「故郷からの文」としてとても嬉しかったからなのだと思います。

私が国際結婚をして母との間に軋轢が生じた時も父から

「お前が生まれた家だから遠慮せずにいつでも帰ってきなさい」との手紙をもらった時も嬉しかったです。

父が亡くなってからもう17年になるので父の文を読むことができなくなってかなりの時が過ぎました。

その気持ちを表して先日の句会で提出したのが以下の句です。

父の文途絶えて久し寒暮かな