
といっても、まだ読了したわけではありません。
iBooksで「試し読み」しただけです。でも多分、購入して読むことになると思います。
これほど有名な作家のことを私はこれまで知りませんでした。
近年、現代作家の作品を読むことは稀になってきて、以前読んだ作品を再読することが多くなっています。
一年に一度の一時帰国ではその時々のベストセラーを購入してくるのですが、読み終えた後、あまり感動の余韻が残らないことが多くなっています。
日本を離れて長い年月が経つと、特に「洗練された美しい(古風な?)日本語」への憧憬が強くなるのかもしれません。
平野啓一郎さんのことは早川洋一さんとのインタビューを聞いて、始めて知りました。
聴取した平野さんのお話しでまず驚いたのは格調高い「話言葉」です。
インタビューを「書き起こして」そのまま完璧な文章になります。
それで平野啓一郎という作家について調べたら、「日蝕」という小説でデビューして「三島由紀夫の再来とでも言うべき神童」と評判になったそうです。
多分「日蝕」は今後、手にとることはないと思いますが、「マチネの終わりに」はいつか読むことになるでしょう。
毎日新聞の朝刊に2015年3月から2016年1月まで連載されたこの小説は「40代の大人の恋愛」を綴っているということです。
これまで平野さんの読者は比較的若い世代が多かったのだそうですが、毎日新聞連載中に90歳のご婦人からも「良い小説に出会った」とお褒めの言葉が寄せられ嬉しかったと平野さんはインタビューで語ってらっしゃいました。
私は「試し読み」で始めの100ページほどを読んだだけですが、洗練された滋味のある文章で何度か戻って再読した箇所が多くありました。
今度の一時帰国でも話題になっていた「本屋大賞」を受賞した本を購入してきました(この読後感については後日、記したいと思います)。
確かに面白かったのですが、「何か後に残らないのよねぇ」というのが感想です。
「マチネの終わりに」はなにか深い河の流れのようなものを感じます。
それに女性の主人公の名前が私と同じなのです!

インタビューの終わりに「クリエイティビティ」についてお話しされた際、
「良い文章に接すること」との言葉が印象に残りました。
それから「信頼」ということの大切さも指摘されていました。