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気がつけばふるさと離れて34年

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平出隆著 「猫の客」

2015-05-03 11:47:13 | 読書
本屋さんが好きです。

日本ばかりでなく海外でも本に囲まれている雰囲気はとても心地よいものです。

アイスランドでもアイスランド語という全く意味がわからない言語で記された本が並んでいる本屋さんにも入りました。

10日ほど前、近郊のショッピングセンターにある本屋さんに初めていきました。

平積みになっている本の中で日本人の著作者名を見て、記憶の片隅にあるお名前だったので購入したのが以下の本です。


平出隆さんは数年前、ケルン在住の画家ゲルハルト・リヒターのインタヴュアーとしていらっしゃった方でその時、通訳をしました。


詩人であり、ドイツにも留学されていたことがおありなので、私の拙訳はお気付きだったはずですが、寛大でとても気持ちよくお仕事をさせていただきました。

「猫の客」は2001年発行ですが独語訳は今年ドイツのインゼル社から出版されました。

英訳「The Guest Cat」は2014年に発行されていて、その年の2月16日週のニューヨークタイムズペーパーバックのベストセラー16位にランキングされたとネットで知りました。

独語訳を担当しているのは村上春樹の翻訳者として知られるウルズラ・グレーフェさんです。


翻訳に関しての評価はできませんが、詩人の平井さんが記した洗練された文章にも目を通したいので今度の一時帰国で購入しようと思っています。

独訳本で興味深かったのは最後の「用語注解」と「引用文献」です。

Fusuma, Futon, Geta, Hibachi など本の中で独語訳にすると文章の流れを乱すような日本独特の言葉が説明されています。本のなかで重要な役割を果たす「欅」もアジア特有の木として説明があります。

「引用文献」の方は「日本書記」からとマキャベリの文献からの引用の説明です。

肝心な本の感想ですが、現代版、内田百閒の「ノラや」でしょうか。