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時事ひとりごと − 49(メルケル首相の謝罪)

2021-03-25 16:27:00 | 時事ひとりごと
メルケル首相の謝罪については日本でも報道されているようです。
ドイツの今日の朝刊でも一面トップに扱われていました。



謝罪の経緯を簡単に記します。
感染者急増の対策を各連邦州の週大臣と協議した結果、現在のロックダウンは延長されること、
そして4月1日から5日までのイースター休暇中の接触を出来るだけ制限するため、
本来はワーキングデーの4月1日(木)と3日(土)を追加休日とすること、
3日は食料品を扱う小売店のみ営業が許可されることなどの措置が3月22日に発表されました。

けれども特に4月1日の追加休日に関しては物流調整が難しいなどの批判が続出しました。
ジャストインタイム方式などで倉庫にあまり貯蔵しない現代の流通システムでは一週間前に
追加休日を設定するのはやはり無理がありました。
それで追加休日の決定を撤回するとした首相の記者会見が行われ、その席で
メルケル首相は「今回の誤った政策決定の責任は私にあります。混乱を招き申し訳ありませんでした」と
潔く国民に謝罪したのです。
記者会見後に行われた連邦議会の質疑応答では野党からの鋭い批判にも真摯に対応していました。
一緒にテレビ中継を視聴していた夫もメルケル首相の沈着冷静な態度に感心していました。
野党議員の無責任な質問に夫は「自分だったらすぐカッと怒ってしまうだろう」と言っていました。




感染者は急増していて、ワクチン接種も計画通り進んではいなく、
国民の不満が高まっていることは確かです。
でも80歳以上のコロナ重症者数があきらかに減少しているのは、80歳以上の高齢者へのワクチン接種の
効果によるもので、政府の感染症対策は少しずつですが効果が出てきていると思います。
ただ変異株がこれ程急速に蔓延するとは予想していなかったのではないでしょうか。

コロナパンデミックのような未曾有の事態に対して、政策の過ちは仕方のないことでしょう。
過ちを認め、即是正し、謝罪したメルケル首相はやはり立派だと思います。




時事ひとりごと - 48 (新型コロナウィルス⑨ オーバーシュート)

2020-06-23 22:16:51 | 時事ひとりごと
感染者数が減少してきて、欧州のほとんどの国への渡航も許可になったばかりのドイツで大規模な集団感染が発生しました。

わが家から北東に150kmのところのギュータースロー郡にあるTönniesという食肉会社での集団感染です。

現在、新規感染者数1500名、濃厚接触者で在宅隔離をしている人は7000名以上にのぼります。

昨日来、新聞の一面トップはこの話題です。


今日からギュータースロー郡(人口37万人)には今月末までロックダウンが発令されました。

今回の集団感染に関しては会社の管理体制に対して批判が高まっています。
この会社は従業員9000名もいる食肉会社としてはドイツ最大手です。
ドイツ全国で販売される豚肉やソーセージのほぼ20%はこの会社の製品だということです。
ここの工場で働く従業員の多くはルーマニアやポーランドからの外国人労働者で、この労働者を雇っているのは、
第二次や第三次の下請け業者です。
そのため会社では労働者がどういう所に住んでいるのか把握していませんでした。
衛生的ではない労働環境や住環境が集団発生の原因だったようです。
それにしても「700名が集団感染」した時点で公になるとは、会社はそれまで感染の事実を隠ぺいしていたとしか思えません。
ただ新規感染者のほとんどは無症状か軽症で集中治療室にいる人は数人で、ベット数、人工呼吸器数も十分余裕があるということです。

私を含め国民がそれほどパニックになっていないのは、
この間の記者会見における危機管理部門の沈着冷静な対応も関係しているのかもしれません。
特にリーダーのトーマス・クールブッシュさんの頭脳明晰な応答に感心しました。
これまでの経過、現状、今後の取り組みについて原稿なしのフリートークでお話ししていました。



それにしても新型コロナウィルスとは本当に厄介なウィルスだと思います。

『コロナの時代の僕ら』の著者パオロ・ジョルダーノさんがNikkeiLUXのインタービューで、
「ウィルスは敵や、得体のしれないエイリアンのようなものではなく、私たち人間が生きている生態系の一部である」と述べているように、
新型コロナウィルスが駆逐されることはなく、私たちは今後「コロナウィルスといかに共生していくべきか」を考えなくてはならないのではないでしょうか。

時事ひとりごと - 47 (炎の悪魔)

2020-06-12 23:03:43 | 時事ひとりごと
報道週刊誌『Der Spiegel』の今週号の表紙は火のついたマッチ棒を持ったトランプ大統領のイラスト画です。
タイトルは「炎の悪魔」(自国に火を放つ大統領)です。



警官による黒人暴行死と人種差別問題の特集記事です。
アメリカでは昨年2019年に警官の暴行で命を落とした人は1099人に及ぶそうです。
一年間で死者がでなかった日はわずか27日間しかありません。
ほぼ毎日のように警官の暴行で死亡者が発生していることになります。



トランプ大統領の言動は事態を収束させるどころか、ますます国民の怒りを焚きつけています。
記事の中でワシントンのジョージタウン大学の法学者ローザ・ブルック教授は現在のアメリカの危機的状況は
1933年の「ドイツ国会議事堂放火事件」を彷彿とさせると語っています。

「国会議事堂放火」(Reichstagsbrand)は1933年2月27日の夜に放火により国会議事堂が炎上した事件を指しています。
” この事件によって発令された緊急大統領令は、実質的に国家社会主義ドイツ労働者党以外の政党の抵抗力を奪い、翌3月にはアドルフ・ヒトラーは全権委任法を制定して独裁を確立し、ヴァイマール共和政の議会制民主主義は事実上崩壊した”
(ウィキペディアからの引用)

この事件後ドイツはナチ独裁となり第二次世界大戦へと悪夢の日々が続くことになります。
アメリカがこのような悲惨な状況に陥らないことを願っています。

時事ひとりごと ‐ 46(新型コロナウィルス 制限緩和)

2020-04-16 23:20:36 | 時事ひとりごと
イースター後の陽気で森はもう初夏の雰囲気です。


昨日のメルケル首相と各州大臣のビデオ会議の結果、現在実施されている制限措置が一部緩和されることになりました。
それほど大幅な緩和に至らなかったのは、感染拡大のスピードは緩やかになってはいるものの、ドイツの状況はまだ「薄氷」に立っているようなもので、収束には程遠いからだということです。
制限緩和により、また感染が再燃することがないように、様子をみながら段階的に緩和を行っていく予定だそうです。

要点は以下の通りです。
‐ 接触制限措置は5月3日まで延長。ソーシャルディスタンスの維持が重要。
‐ 公共交通機関の利用や買い物時にはマスク着用推奨(義務ではない)
‐ 学校は5月4日以後、段階的に再開
‐ 大規模イベントは少なくとも8月31日まで禁止
‐ 800平方メートル以下の店舗の再開許可
‐ 美容院、理髪点は適切な衛生措置を前提に営業許可
‐ カフェ、レストラン、バー、デパート、ショッピングモールの営業は引き続き許可されない
‐ 教会などの宗教施設の会合は引き続き禁止

5月4日以後の措置に関しては4月30日に連邦首相と州首相の話し合いがもたれる。

これまでのところ、800平方メートル以上の販売スペースのある店舗からの批判がある位で、今回の緩和措置に対する異論は聞かれません。

これは既に出された経済対策措置により事業者や企業向けには融資や救済基金などが準備されているということと、
特に社員5人までの零細企業や、自営業、フリーランスには「即時支援金」が支払われ、経済的な不安が一時的にせよ収まっているからでしょう。
連邦政府からの「即時支援金」は営業関連だけの支出として認められていますが、それに対して各州からの支援金(州毎に条件は違いますが)家賃や買い物など一般的な生活費に充てることができます。

これまでの感染対策、制限措置に対して批判の声が聞かれないのは、情報がオープンになっているのが理由のひとつだと思います。
国民が多く心配するのはやはり「医療崩壊」が起こらないかということでしょう。
確かに集中治療室のベッドや人工呼吸器の数に余裕があると言われていますが、現状についての正確な情報が欲しいところです。
それも各地区で細かに発表されています。

私が住む郡の人口はほぼ28万人で、地元紙には毎日感染者数に関する記事が掲載されます。

これは4日前の数字ですが、感染者数の合計は376人です。
Covid-19で入院している患者は28人(うち集中治療室にいるのが6人)です。
無症状や軽症者、濃厚接触者などの在宅隔離者は708人です。

感染が始まってから早速、郡の保健局を中心に危機管理室が設置され、現在140名が24時間体制で勤務にあたっています。
色々部署がある中でひとつの部署の仕事は在宅隔離者に毎日、電話をして状態を聞くことで、場合によっては入院の措置もとります。

今朝のテレビではミュンヘンの病院で行われている治療薬の臨床試験の様子を報道していました。
防護服に身を包んだリポーターが治験担当医師や患者さんにインタビューしていました。
病院内でのテレビチームの撮影がよく許可されたものです。
患者さんのひとりです。


容体を聞いたら「お医者さんを信頼していますから、大丈夫だと思いますよ」とのお答えでした。
この患者さんがお医者さんに信頼を寄せているように、多くのドイツ国民も政府に信頼を寄せているのだと思われます。

時事ひとりごと - 45 (新型コロナウィルス 接触8割削減)

2020-04-10 00:37:28 | 時事ひとりごと


世の中のコロナ騒ぎが嘘のように麗らかな春の日が続いています。
日本では緊急事態宣言で「接触8割削減」を目標としているようですが、具体的にはどうすれば良いのか伝わってきません。

感染予防にはソーシャルディスタンスを保つことが有効であることは今日の地元紙に掲載された記事が証明しているかと思います。


私が住むNRW州のグラフですが、倍加速度(感染者数が2倍になるまでに要する期間)が12.2日まで伸びています。
基本再生産数(一人の患者が平均何人の未感染者に伝染させたかを表す指標)は先日1人と記述したような記憶がありますが、
実際には1.2人だそうです。これが1人以下になるのが望ましいのだそうですが、この指標も改善されています。
Covid-19の感染者数に関してドイツでは好転の傾向がみられるといえるでしょう。

ドイツで外出規制、接触制限が開始してからほぼ2週間半が過ぎようとしています。
これまでソーシャルディスタンスを順守しているかどうかは警察が監視していました。
違反者には以下の罰金が課せられます(金額は各州毎で若干違っているようです)。
これはここNRW州の場合です。


例えば2人以上集まっているのが見つかった場合にはひとりあたり200€の罰金です。
公共の場でピクニックやバーベキューをしているとひとりあたり250€の罰金です。
禁止されている病院や介護施設を訪問すると訪問者ひとりにつき200€が課せられます。
禁止されているホテルやレストランが違法に営業している場合は最高5000€の罰金です。
また10人以上の集会では最高5年の禁固刑が課せられます。
これは一部です。

私の周辺で罰金を支払わせられたという人の話は聞きません。
けれども公園内はよくおまわりさんが巡回しています。

またスーパーは買い物カートがないと入ることができません。
私が行くスーパーは入場者数が25人に制限されているので、店外には買い物カートが25台しか置いてありません。
スーパーの床には1.5m毎にテープが貼られていて、前のお客さんに近寄れないようになっています。

このような行動制限が結果として「接触8割削減」になったのかもしれませんが、
目標だけで具体例が示されないとなかなか達成するのは難しいのではないでしょうか?

ドイツでソーシャルディスタンスが比較的順守されているのは、罰則規定があり、罰金を支払いたくない、
というよりも状況がかなり深刻であり、政府も真剣に取り組んでいるということが国民に伝わったからではないかと思います。